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G-Star 2008現地レポート

NEXON、devCATスタジオインタビュー
オンラインゲームの限界を超える「マビノギ英雄伝」
犬とのふれあいを楽しめる「ハスキーエキスプレス」

11月13日~16日開催(現地時間)

会場:韓国国際展示場(KINTEX)

入場料:4,000ウォン(前売り2,000ウォン)
子供2,000ウォン(前売り1,000ウォン)


 「マビノギ」を開発で知られるNEXONの開発チームdevCATスタジオは今回のG-Star 2008で2本のタイトルを出展した。1本目は「マビノギ英雄伝」、2本目が「ハスキーエキスプレス」である。サービススケジュールとしては「マビノギ英雄伝」、「ハスキーエキスプレス」共に2009年中のサービスを予定している。課金方式、日本でのサービスはまだ未定だ。

 「マビノギ英雄伝」は昨年に引き続きプレイアブルのバージョンが出展された。米Valveの「Source Engine」を採用し、Havok Engineによる物理表現を取り入れたアクションRPGだ。かわいらしいほのぼのとしたグラフィックスの「マビノギ」とは全くタッチの違うハードなデザインで話題を集めた作品だ。今回はチュートリアルとなっているシングルプレイと、マルチプレイを体験できた。

 「ハスキーエキスプレス」は今年初めてプレイアブルで出展された犬ぞりをテーマとしたMMORPG。チュートリアルから冒険商人として犬ぞりでの交易を体験できた。ムービーでは子犬の頃から犬を育て、立派な犬へと育てていく育成要素がクローズアップされていた。

 今回、この2つのタイトルのインタビューを行なった。合わせてスクリーンショットと今回出展されたバージョンのプレビューを伝えたいと思う。


■ マルチプレイとPvPが柱となる「マビノギ英雄伝」。ハードな世界観に垣間見える「マビノギ」らしさ

devCATスタジオ2室室長のリ・ウンソック氏。「マビノギ英雄伝」の開発総括を担当している
NEXONブースで特に盛況だった「マビノギ英雄伝」コーナー。常に黒山の人だかりだった
 昨年に続きユーザーの前に姿を現わした「マビノギ英雄伝」は大きく完成度を上げていた。ゲームスタート時にチュートリアルとマルチプレイモードが選択できる。チュートリアルはコンシューマゲームのようなクオリティで少女とともに塔の中に進入し、モンスターを倒しながら進む、という展開になる。途中で少女が倒れてしまい、彼女を運びながら道を急ぐことになる。闇の中に少女の白い肌が幻想的な雰囲気を醸し出している。

 マルチプレイは4人で戦うモードとなっていた。鎖で敵を絡め取り引き倒したり、素早い攻撃で敵を切り刻んだりと気持ちの良いレスポンスで攻撃が可能になっていて、アクションゲームとしての可能性を感じさせられた。柱や石像の破片を手に持って敵にたたきつけたりと、オブジェクトを攻撃に利用できるところも面白かった。

 巨大な柱が転がってくるトラップがあったり、壁を壊すと新たな道が発見できたり、ステージの構成が非常に凝っているのが印象的だった。もうひとつ今回の「マビノギ英雄伝」のコーナーで流されていたムービーで気になった点がある。登場するモンスターのデザインが、ハードなタッチながら、ゴブリンの顔や、犬の頭を持つノールなど、「マビノギ」に登場するモンスターのデザインを踏襲しているのだ。

 今回、「マビノギ英雄伝」について話を聞いたのはdevCATスタジオ2室室長のリ・ウンソック氏。リ氏は「マビノギ英雄伝」の開発総括を担当しているという。インタビューでは「マビノギ英雄伝」の細かい仕様やチュートリアルモードで展開するストーリーなどを中心に話を聞いた。

 最初にリ氏は「マビノギ英雄伝」のジャンルに関して、コンシューマRPG的なアクション要素を取り入れた、オンラインアクションRPGを目指していると語った。ゲームではマルチプレイが基本となり、街で仲間を募り、冒険に出発するスタイルのMMO+MOのゲーム展開になるという。

 パーティの最大人数は4人。「マビノギ英雄伝」では職業という概念ではなく、数種類あるキャラクタタイプから選択する方式となるという。現在用意されているキャラクタタイプは5種類。二刀流の剣を使う戦士「リシター」、盾と剣を持つ女戦士「フィオナ」、男性の弓使い「カイ」、女性の魔法使い「イピー」、そしてジャイアントの男性「カロク」である。

 デフォルトのキャラクタモデルと名前は設定されているが、実際プレーヤーキャラクタとして選ぶときには自分の名前を付けることになる。プレーヤーが自由にキャラクタを作るのではなく、用意されたスタイルから選択する方式だという。「マビノギ」では人間とジャイアントの他、エルフが登場する。「マビノギ英雄伝」では5人の中には入っていないが、エルフのキャラクタを増やしていくかを検討しているという。

 最初の街の名前は「コルヘン」という名前になる。この名前を持つ街は「マビノギ」には存在しない。「マビノギ英雄伝」は「マビノギ」と共通の世界観を持つが、「マビノギ」の世界、“エリン”は伝説上の存在で、天国のような世界だと考えられている。「マビノギ英雄伝」ではそのエリンを目指す人々の物語が描かれるという。

 開発で最も苦労している点を質問したところ、リ氏は「現在、韓国のオンラインゲーム業界は非常に厳しい競争状態にある。この中で新作を発表するためには高いクオリティを求められている。完成度を上げユーザーの要望に応えなくてはならない」と答えた。韓国のユーザーの要求に応えるため、クオリティアップをはかっているのが現状だという。

 ここで、今回出展されていた「マビノギ英雄伝」のチュートリアルモードに関して質問をしてみた。ムービーでは英語の字幕が表示されるが、韓国語のためストーリーがわからなかったからだ。チュートリアルでは5人のキャラクタの内、戦士のリシターが主人公となる。リシターは傭兵団に所属して、1つの村を守っていた。その村には守護神として巨大な蜘蛛のモンスターがいた。大蜘蛛は村に住む不思議な力を持った少女「ティー」と交感することで村の住人と平和な時を過ごしていた。

 しかし最近蜘蛛の様子がおかしいという。調査しようとする傭兵団は蜘蛛への不信をあらわにしてチャンスがあれば排除しようとする。ティーはそれを必死にとどめるが、傭兵団は蜘蛛の住む塔に進入する。そのとき、突然結界が部屋をふさぎ、不気味なモンスターが突然現われた。なすすべもなくやられていく傭兵達。リシターはティーをかばい、モンスターを倒しながら塔を登っていく。この異常と大蜘蛛は関係があるのだろうか……。

 このチュートリアルは、「デビルメイクライ」などコンシューマのアクションゲームのようにかっちりと作られていて、モンスターとの戦いだけでなく、怪我をしたティーを抱きながら進んだり、トラップを解除したりと戦闘以外のアクションも凝っている。リ氏は「これまでオンラインゲームはコンシューマゲームに比べるとコンテンツの作り込みや、展開、見せ方などで劣る、という評価をされていた。私達は『マビノギ英雄伝』でコンシューマよりも劣る、という評価を覆していきたい。これまでのオンラインゲームの限界を超えていきたいと思っている」と語った。

【スクリーンショット】
チュートリアルモードのスクリーンショット。左が戦士リシターで、中央が不思議な力を持つ少女ティーである
ティーとリシターは村の守護者である大蜘蛛の様子を見るため塔に登っていくが、予期せぬ危機に遭遇する。ティーを抱えてい進んだり、演出、システムとも二こだわりを感じさせる

試遊台では4人での協力プレイができた。鎖を敵に打ち込み、引きずり倒して他のプレーヤーが攻撃するなど連携要素も楽しめた
 リ氏は「『マビノギ英雄伝』のチュートリアルはストーリー要素が強調されているが、ゲーム全体から言えばストーリーはゲームの中心ではない。コンテンツはマルチプレイを楽しめる要素を中心で楽しめるものとなる」と語る。

 プレーヤーは街でクエストを受け、MOでのフィールドに向かう。4人で挑戦できるクエストフィールドはプレイ時間として15分前後を想定して、メリハリのある展開を心がけていきたいという。

 そうなると、プレイはかなり先へ先へと進む駆け足の展開になるのではないか、という質問をぶつけたところ、リ氏はユーザーによって違いは出ると思うが、韓国のユーザーは全体的に駆け足でコンテンツを進む傾向が強い。「マビノギ英雄伝」ではクエストフィールドに挑戦しているときは純粋に戦いに集中できるように、インベントリシステムにも工夫をしているとのことだ。

 「マビノギ英雄伝」でもモンスターを倒すとアイテムがドロップされるが、クエスト中はプレーヤーは入手したアイテムによってインベントリがいっぱいになることはない。アイテムは一時的にクエスト様インベントリに保存され、冒険が終わった後、メンバーで分配をするというシステムとなっている。特にクエスト中の“流れ”をとぎれさせないように気を配っているという。

 それと共に、駆け足でクエストをクリアするだけでなく、じっくりフィールドを探索して収集アイテムを探したり、フィールドの作り込みや風景を楽しむ、という楽しみ方も可能となるとのことだ。「マビノギ英雄伝」ではジャンプ要素がなく、ジャンプトラップなどアクションが苦手な人は先に進めない、というフィールドはないとのことだ。

 戦闘が苦手な人でも戦闘の得意なプレーヤーと組むことで冒険を進めることができる。プレーヤーが倒れても仲間に助けてもらうことで復活できる。特にきついところではわざと復活させず、その危機を乗り越えたところで復活させる事も可能だ。ただし倒れたままだとアイテムや経験値を得ることができなくなってしまうという。

 冒険の他、PvP要素も「マビノギ英雄伝」の大きなセールス要素となるという。現在は細かい仕様は確定していないが、数十人規模のギルドがぶつかる戦いも考えているという。この戦いは“塔”のような階層的なフィールドが舞台となる。1つのフロアで3vs3もしくは4vs4の戦いを行ない、他のフロアでは別のメンバーでぶつかる。各フロアの戦いの結果が全体的なギルドの勝敗を決めることになるという。カジュアルな対戦要素も盛り込んでいく予定だ。ちなみに、生産要素も盛り込んでいく予定だという。

 今回、公開された「マビノギ英雄伝」ではゴブリンやノーム、また、ジャイアントのデザインなど、「マビノギ」との関係をより強く伺わせる要素が強くなったように思えた。リ氏にこの質問をぶつけてみると、「『マビノギ』としての名前を受け継ぐ作品ですので、関係を伺わせる要素は入れていきます。『マビノギ』ファンは関連性を探す楽しみ方もあると思います」。

 「日本のコンシューマゲームでもシリーズによってデザインが似ていても全く違う役割を担うキャラクタなどが出てくるという要素があります。『マビノギ英雄伝』でもそういった楽しみ方ができると思います」と語った。この答えを受けて、「では『マビノギ英雄伝』に“ナオ”は登場するのか」という質問をしたところ、リ氏は笑みを浮かべ「まだわかりません」と答えた。

 最後にリ氏は日本のユーザーへのメッセージとして、「日本での『マビノギ英雄伝』の展開はまだ未定ですが、展開することができれば是非楽しんでいただきたいと思っています。『マビノギ』とはデザインで方向性が違いますが、私達なりに最善を尽くしました。プレイしていただければと思います」と語った。

【スクリーンショット】
試遊台での撮影。シングルプレイとマルチプレイの両方が楽しめた
こちらはマルチプレイを題材としたスクリーンショット。「マビノギ」とはひと味違うハードなデザインだが、世界観の上での関連を探っていくのも面白そうだ


■ 育てた犬でチームを組み、雪原を越えて交易する「ハスキーエキスプレス」。間口の広い気軽な楽しさを目指す

devCATスタジオ2室副室長であり、「ハスキーエキスプレス」開発総括を担当するチェ・ムンヨン氏
こちらも人が絶えなかった「ハスキーエキスプレス」コーナー。女性の人気も高かった
試遊台ではアバター要素も確認できた。キャラクタや犬のカスタマイズも楽しそうだ
 「ハスキーエキスプレス」は犬ぞりをテーマにしたオンラインRPGだ。プレーヤーは自ら育て上げた犬が引くそりを使って、雪原地帯へ旅立っていく。今回出展されていたのは、犬の育成と、クエストを体験できる2つのモードで、子犬に対してミルクをあげたり、そりを動かす基本を学ぶことができた。

 キャラクタの絵はかわいらしいデザインで、会話時にはアニメタッチのキャラクタイラストが表示される。キャラクタの3Dモデルは細かく描き込まれていて、イラストの雰囲気を再現している。また、コロコロとした子犬のモデリングも大変かわいらしい。犬ぞりでの運転はキャラクタを後ろから見る3人称視点で、クレパスをジャンプで飛び越えるアクション要素もある。

 ただ今回のバージョンはチュートリアル的な意味合いが強く、プレイをしてもどういったゲームになるか、ゲームの全体像がわかりにくく感じた。「ハスキーエキスプレス」ではdevCATスタジオ2室副室長であり、「ハスキーエキスプレス」開発総括を担当するチェ・ムンヨン氏に主にゲームの全体像に関してインタビューを行なった。

 「ハスキーエキスプレス」は最初犬ぞりのゲームとしての企画と、馬車を引いて交易していくゲームの2つの企画があり、ここから「犬ぞりで交易を行なっていく」というコンセプトのゲームになったという。現在の予定では、2009年中にサービスする予定だ。

 ゲームの舞台となるのは、近未来で、現実の地球とは別な世界という位置づけだ。その世界は雪原に覆われており、人々の生活は犬ぞりでの移動と交易が支えている。様々な街が登場する予定で、街はカナダやヨーロッパの北の地域など、現実の世界のエッセンスもイメージとして取り入れていくという。現実とは似て非なる世界が舞台となるとのことだ。「現実的な要素と共に、犬ぞりでジャンプするような、非現実的なアニメ作品のようなアプローチも大切にしている」とチェ氏は語った。

 プレーヤーは犬ぞりを使い人々の生活を支える交易商人であり、雪原を旅していく冒険家として生活していくことになる。今回のバージョンではプレーヤーはこの世界の犬ぞりを使った物流会社の見習いとなり、エンディングで入社するという流れだった。実際のゲームでもこの物流会社の社員として、与えられた仕事をこなすことで会社内の地位を向上させる、という要素も盛り込まれるという。

 犬の育成は本作で大きな意味を持つ要素だ。犬にはジャンプの能力が高かったり、走るのが速かったり個性がある。プレーヤーはそこから犬の育て方を工夫することで長所を伸ばしたり、弱点を克服したりできるという。犬ぞりは複数の犬を使う“チーム”としての関係が重視されている。ゲームを進めるとプレーヤーは複数の犬を管理することができるようになる。プレーヤーはどのようなチームを作っていくか、また、状況に合わせてメンバーを変える、というチーム運営の手腕を求められるようになると言う。

 ジャンプする地形が多い場合はジャンプの得意な犬を使う、といった能力に合わせた選択をするとより効率的にクエストをクリアできる。プレーヤーは街にあるキャンプを拠点として、そこに複数の犬を飼い、目的に合わせたチームを組む、という流れになる。街から街の要素はアクション要素も盛り込まれるが、その移動の時間は短いバランスにするという。「移動では実際にプレーヤーが犬ぞりを操作することになりますが、ドライブゲームのように犬ぞりの操作がメインになったり、シビアなバランスにするつもりはありません」とチェ氏は語った。

 一度移動した場所は犬が覚えていて指示をするだけでプレーヤーが操作することなく移動できるというシステムも盛り込まれており、アクション要素はメインではないという。プレーヤーは犬ぞりを使った商人としてどんなものを運ぶか、クエストを進めていくか、ということこそ重要になるとのことだ。

 移動中に熊に襲われる、といったアイデアなど、現在は様々な企画が出されている。正式サービス時のコンテンツから見て、現在確定している要素は30%ほどで、これからゲームとしてどのような要素を盛り込んでいくかを考えている状態とのことだ。ゲームとして重要になっていく部分は、「犬ぞりチームである」とチェ氏は強調する。犬を育て、目的に合わせたチームを組んでいく、犬のチーム運営がゲームの楽しさとなるという。

 犬のチームの管理と運営が大事になるとするとソロプレイが中心となる印象があるが、複数のプレーヤーでパーティーを組み冒険していく“キャラバン”を組むことも可能になるとのことだ。プレーヤーと犬には「スタミナ」というパラメーターが設定されている。遠い過酷な旅をするためにはスタミナを回復させるアイテムを持ったり、ペースを管理したりする必要がある。「ステータス管理はシンプルにする予定ですが、要素として盛り込まれています。遠くの場所に移動する場合には準備が必要です」とチェ氏は語った。

 現在ゲームとして作り込み、検討をしている部分は、「犬の能力の差別化」、「物流会社でのプレーヤーの役割と成長」といった基幹システムを作り込んでいるという。「これまで提示した要素は今後、ゲームとして何が必要かという部分でまだ検討していくつもりだ」とチェ氏は語った。正式サービスには犬を交配してより能力の高い犬を育て上げる「ブリーディング要素」も盛り込みたいという。

 今回のバージョンでは犬にミルクをあげたり、ボール遊びをするミニゲームが体験できたが、犬とのコミュニケーションは冒険の途中でできるようにするか、キャンプでするか、というのも検討中だという。ユーザーにとってプレイしやすい環境、そして何よりも犬への愛情を感じられるシステムの方向性を考えているとのことだ。

 この他、鉱石を掘りアイテムを採取する要素もあった。材料を採取し、加工して売るという生産要素も盛り込まれる予定だという。ただし、生産はあくまでサブ要素、というバランスになる予定とのことだ。

 他プレーヤーとの協力要素としては、プレーヤーがもし遭難してしまったとき、助けを求めることができるという。プレーヤーは雪原を移動するとその寒さで体力が低下したり、犬のスタミナがなくなってしまったり、犬ぞりチームの能力を超えた場所に移動しようとしたときは移動ができなくなってしまう。このときに信号弾を打ち上げて、他プレーヤーに助けを求めることが可能だ。また、競争要素も盛り込まれる。物流会社は複数有り、他社に所属するプレーヤーはライバルとなるとのことだ。

 チェ氏は「これまでシステムに関しての説明をしてきましたが、私は『ハスキーエキスプレス』をシステム的なアプローチで評価されるというよりも、シンプルに犬とのふれあいを楽しみ、雪原を冒険していく“カジュアル”な楽しさを提供できるゲームにしたいと思っています。交易の効率をシビアに追求するのではなく、自分の育てた犬と一緒に雪原を走るだけで楽しい、その感覚をプレイヤーに体験できるようなゲームにしていきたいです」と語った。

 最後にチェ氏はユーザーへのメッセージとして「『ハスキーエキスプレス』は普段ゲームに親しんでいないような、ライトなユーザーや、オンラインゲーム初心者にも楽しんでもらえる、“気軽に楽しめる”ゲームを作っていきたいと思います。よろしくお願いします」と語った。


 「ハスキーエキスプレス」に関しては、現時点ではやはり“ゲームの全体像がわからない”というのが正直なところだ。犬を育成してそりを走らせる、という要素は魅力的だが、世界各地を旅して、交易をして大商人を目指していくのか、それとも雪に閉ざされた各地を探検し、この時代の生活を支えていくのか見えてこない。ディテールはわかるが、一番大きなゲームの目的とプレーヤーの将来像が想像できないのだ。

 このため何度かコンセプトに対しての質問を繰り返したのだが、明確な答えが得られなかった。また、雪原の冒険の“厳しさ”もできれば表現してもらいたいと感じた。雪に閉ざされた大地は事前の準備だけが旅を支える。犬だけを友として進む冒険はストイックで厳しいからこそ冒険心をあおり立てるものがある。ゲームの目的、犬ぞりであることの意味をもっと練り込んで欲しいと感じた。

 筆者はかつて「マビノギ」で犬ぞりに乗れて感動した記憶がある。「マビノギ」ではジャイアントの地域を移動することしかできず、この部分を切り出してゲーム化したようなコンセプトの「ハスキーエキスプレス」が発表されたとき、大いに期待した。犬を友に雪原を進むというプレイ風景は冒険心をかき立てるとても魅力的な題材だと思う。今後の練り込みに期待したいところだ。

【スクリーンショット】
広大な雪原を育て上げた犬と共に進んでいく。探検と交易、育成の要素がどのように絡み合うかは期待したい
キャラクタのデザインはかわいらしい。ゲームには昼夜の概念もある。世界がどのくらい広いか、興味がひかれるところだ

□G-Star 2008のホームページ
http://www.gstar.or.kr/
□Nexonのホームページ
http://www.nexon.com/
□「マビノギ英雄伝」のホームページ
http://heroes.nexon.com
□「ハスキーエクスプレス」のホームページ
http://husky.nexon.com
□関連情報
【11月14日】Nexon、「G-Star 2008 Nexon Media Conference」を開催
“ストーリー”シリーズの新作「カバティーナストーリー」や「カートライダー」のエアレース版「エアライダー」など、新作5タイトルを発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081114/gstar08_nex.htm
【11月13日】韓国最大規模のゲームショウ「G-Star 2008」が開催
業界再編後初のショウ、自社開発からパブリッシングへの流れが顕著
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081113/gstar08_01.htm
【2008年11月14日】「NEXON G★2007 Media Conference」レポート その2
「マビノギ英雄伝」、「バブルファイター」など、自社スタジオから続々新作が発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071110/gstar_ne.htm

(2008年11月17日)

[Reported by 勝田哲也]



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