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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(前売り3,000ウォン) 今回発表されたのは、主にカジュアルゲームを扱うロドマニスタジオからは「トラッシュバスター」と「クレージーシューティング バブルファイター」の2タイトル。「マビノギ」の開発スタジオとして知られるデブキャットスタジオからは「マビノギ英雄伝」、「ハスキーエクスプレス」、Xbox 360版「マビノギ」の3タイトル、計5タイトルとなる。 NEXONは、昨年のG★2006で開催されたNEXON事業戦略発表会で、4つの自社開発スタジオを立ち上げ、10本以上の開発パイプラインを整備することを発表した。今年の発表会では、その一部がお披露目された形となるが、自社開発タイトルを一挙に5本披露し、昨年の公約を見事に守ったことに同社の勢いを感じさせてくれた。 それではさっそく各タイトルの概要を順番に紹介していくが、特に注釈のない場合は、PC向けのオンラインゲームで、スケジュールはあくまで韓国のものだ。また、これはネクソンジャパンの特殊な部分だが、NEXONが発表したからといって、日本への展開が確定したとは限らないことに注意したい。公式発表としてはいずれも日本展開は未定となっている。
■ 吸い込んで吐き出す、新感覚のオンラインアクション「トラッシュバスター」
今回、ロドマニスタジオの完全初出の新作として発表されたのが「トラッシュバスター」である。日本ファルコムの「ぐるみん」を彷彿とさせる頭身の小さな可愛らしいキャラクタたちが、掃除機を片手にモノをぶつけ合うという、コミカル系の対戦型アクションゲームだ。 その最大の特徴はキャラクタたちが携えている掃除機にある。掃除機はフィールド上のあらゆるオブジェクトを吸い込み、吸い込んだものを弾丸のようにはじき飛ばすという不思議な性能を持つ。この技能を駆使し、相手にモノをぶつけ、相手のHPをゼロにすれば勝ちという非常にわかりやすいゲームだ。 このゲームのユニークなポイントは多々あるが、ひとつは対戦中のキャラクタすらも吸い込めるところ。敵の吸い込みは一種直接攻撃のようになっており、吸い込まれるとHPが減り、リスポーンされる仕組み。もうひとつは、ゲーム世界が物理法則に支配されているところだ。ブロックの山の下部を吸い込めば山が崩れ、オブジェクトを盾に敵に近づいたりすることができ、時間の経過と共にステージの形状が大きく様変わりしていくのがおもしろい。 吸い込めるオブジェクトは、タルや宝箱といった小物から、看板や標識といった長モノ、家や車といった大物まで実に多種多様だ。身近なものを手当たり次第に吸い込む様は、バンダイナムコゲームスの「塊魂」を彷彿とさせ、あたかも枕投げゲームのように、様々なオブジェクトが画面内を乱れ飛ぶというなんともハチャメチャなゲームだ。
ステージはNEXONが提供するオフィシャルマップ以外に、自由にステージがデザインできるマップツールを無償公開し、自作マップをアップロードして楽しめる仕組みも提供する。韓国でのサービススケジュールは、11月中にクローズドβテストの開始し、翌12月にオープンβテストに移行する予定。ビジネスモデルはアイテム課金が予定されている。
■ 「クレージー」シリーズ最新作は水鉄砲シューティング「バブルファイター」
「バブルファイター」もコンセプトが非常に明快なタイトルで、水鉄砲遊びをモチーフにしたオンラインFPSだ。低年齢層をターゲットにし、FPSの敷居の高さを下げることに注力している。具体的には、当たり判定の大きな水鉄砲を使用し、攻撃を受けてもいきなり倒されず、いったん水のボールに閉じこめられるようになっている。この際、敵に接触されると倒されてしまうが、味方が接触すれば救出することができる仕組みだ。 当たり判定については、画面を9分割して、その真ん中のマスが丸ごと当たり判定となっており、点に十字の線で表現されるクロスヘア(ターゲットカーソル)に見慣れているユーザーにとっては笑ってしまうほどデカい。接近戦では、水の残量と連射速度が勝負を決めるようなゲームデザインになっている。 水鉄砲の中には、スコープを覗いてきっちり狙いを付ける必要のある“スナイパーライフルのような水鉄砲”も存在するが、ヘッドショットを決めてもやはり一撃では倒れない。その代わり、表面積の約半分ほどが頭なのでヘッドショットそのものは決めやすいというわけだ。スナイパーライフルを使ったワンショットキルは、FPSの最大の醍醐味だが、それを完全否定するという非常に大胆な試みだ。ちなみにこれは、ValveとNEXONが共同開発している「Counter-Strike Online」とは真逆の発想でひじょうにユニークである。 そのほか、近年のFPSでは当たり前のアクションとなっている、壁際の多彩なインタラクションも実現している。壁の側面や上部から頭だけを出して射撃したり、転がって敵の水攻撃を避けたり、頭突きで近接攻撃を加えたりなど、FPSに不慣れなユーザーでもそれっぽい楽しさや醍醐味が得られるゲームデザインとなっている。
また、具体的には不明だが、「カートライダー」に登場するアイテムをカスタマイズしたものをマップ上に配置し、アイテムでキャラクタを強化しながら戦うことができるという。マップは、街、アイス、砂漠などが公開された。サービススケジュールは、2008年上半期にオープンβテストを開始予定している。
■ 「マビノギ」フランチャイズに異色の新作「マビノギ英雄伝」、Xbox版「マビノギ」
今回、もっとも完成度の高い状態で公開されたのが「マビノギ英雄伝」だ。3タイトルの中では唯一、NEXONブースにてプレイアブル出展を果たし、2008年上半期にクローズドβテストの開始を予定している。 「マビノギ英雄伝」は、「マビノギ」の世界観をモチーフにしたアクションRPGで、米Valveの「Source Engine」を採用し、ハイクオリティのグラフィックスと、Havok Engineによる物理表現、さらにオブジェクトの相互作用によるインタラクティブ性の高いゲームプレイを特徴としている。 スクリーンショットを見てもわかるように、「マビノギ」本来の軟らかいイメージや可愛らしい雰囲気を微塵も感じさせないハードコアな世界観を採用し、敵味方とも激しい出血を伴うなど、「18歳以上」指定のゲームとなっている。また、ダメージによって、鎧が壊れたり、着衣が脱げたりする。デモでは女性キャラのスカートが破れ、肌着一枚になるシーンも見られ、そうした意味でも「18禁」指定にしたものと思われる。 基本的なゲームデザインは、街と無数のダンジョンで構成されたダンジョンRPGになっており、MMO空間の街で仲間を募り、MO空間のインスタンスダンジョンに挑戦する。ダンジョンでは、基本的に1本道のステージを進みながら、途中に出現する敵を剣技で打ち破り、奥のボスを撃破するのが目標となる。 最大のウリとなるアクション要素は、剣と盾を基本スタイルに、「真・三國無双」シリーズのようになぎ倒すように斬りつけながら、1対多の状況下でモンスターを打ち破っていくというシンプルな内容。連続して斬りつけることで多段攻撃となり、トドメには蹴りや回転斬りが入り、爽快感の高いゲームプレイが魅力。基本的には3人称となっているが、弓や槍といった間接攻撃時は、1人称に切り替わる仕組みだ。 Source Engineの特性を活かし、ハイダイナミックレンジレンダリング的なまぶしい表現や、女性キャラのスカートやマントに対するクロスシミュレーション、視点切り替えや高速移動時にはモーションブラーが掛かるなど、韓国産タイトルとしては非常にリッチなビジュアルエフェクトが魅力的だ。 ステージ中には櫓や木の柵、石柱などが点在するが、一刀両断で破壊することができる。物理表現の一環として、壊れた破片が当たると敵にダメージを与えることが可能で、また、倒壊したオブジェクトの破片は武器としても使うことができるという。ステージ上の各種オブジェクトを武器として使えるところもウリで、ハコやツボを担ぎ上げ、敵にぶん投げることができる。武器で壊せば、ポーションなどのアイテムが出現することもあり、この点は「ゼルダの伝説」的だ。 物理演算によるオブジェクトの相互作用に関しては、まだコンセプトレベルで、デモでは、動きそのものがおかしかったり、壁に当たり判定がなかったり、攻撃がヒットした敵に対するヒットバックがなかったりなど、“物理演算を使っている”というレベルに至っていなかった。また、櫓などの大きなオブジェクトの物理シミュレーション時にラグが発生するのも気になった。 プロモーションムービーでは、巨大なボスを鎖で羽交い締めにして、複数のキャラクタで引っ張るという演出も見られ、協力プレイ的な要素も重視していることが伺えた。デモを見る限りでは、未調整の部分が多く、その心意気は買うものの、リリースまでにはいくつか乗り越えなければならない壁を感じた。ぜひ乗り越えて日本展開を果たして欲しいところだ。
□G★ 2007のホームページ (2007年11月10日) [Reported by 中村聖司]
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