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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:4,000ウォン(前売り2,000ウォン) 会場には、韓国Nexonの2人の代表取締役社長グォン・ジュンモ氏とカン・シンチョル氏を筆頭に、取締役や本部長、プロデューサー陣が勢揃いし、年に1度の発表を大勢の関係者と共に祝う場となった。なお、韓国Nexonの親会社ネクソンジャパンの代表取締役社長デビッド・リー氏は姿を見せず、同氏を中心に推進している米国法人NPNA(Nexon Publishing North America)の事業の進捗についての報告は行なわれなかった。 本稿では発表会の模様と新作タイトルの概要についてご紹介したい。なお、煩雑さを避けるために、あらかじめ触れておくと、今回発表されたタイトルはすべて基本プレイ無料のアイテム課金制を採用し、韓国でのサービス開始時期、並びに日本展開については未定となっている。各タイトルについては、別途インタビューも収録したので、後ほど詳しくお伝えしたい。
■ 新作5タイトルを発表。北米方面は動きなし
今年は、米国方面に関する発表は一切なく、定例の自社開発とパブリッシングタイトルを織り交ぜた新作5タイトルの発表に留まった。これが北米展開の縮小を意味するものなのか、戦略の転換を意味するものなのかは北米方面のプロジェクトを統括するデビッド・リー氏が欠席していたため不明だが、いずれにしても新規タイトルの投入に積極的である点は変わっていない。 新作のプレゼンは、動画映像の公開やQ&A込みで、わずか10分という短さだった。中だるみせずにプレゼンを受けられたという点では良かったが、新作の紹介に10分とはいくらなんでも短すぎる。来年はぜひ改善して欲しいところだ。 ただ、一応Nexonを弁護しておくと、今回発表されたタイトルはいずれも2009年以降のサービスが予定されており、多く語れる内容がないということもある。オンラインゲームは、正式サービスの直前までゲームの仕様が大幅に変わることもしばしばであるため、クローズドβテストでユーザーの評価を見定めるまでは、あまり具体的なことを言いたくないというのがメーカーの基本的な考え方だ。
「だから出展しない、発表しない」という後ろ向きなメーカーが多い中で、しっかり発表会を開き、試遊台も設置するNexonのスタンスは大きく評価できるところだ。それではさっそく新作ゲームを順番に紹介していこう。 ■ 「メイプルストーリー」に続く“ストーリー”シリーズ第2弾「カバティーナストーリー」
「カバティーナストーリー」では新たに3Dグラフィックスを採用し、低年齢層でも親しみやすいテイストという点を除けば、「メイプルストーリー」の面影はまったく残っていない。横スクロールアクションという点では変わっていないが、「カバティーナストーリー」ではキャラクタの移動できる範囲が横一列から手前と奥の2列になっており、手分けして2列の敵を同時に倒したり、列を変えて一時避難するなど、「メイプルストーリー」よりも戦術性の増した戦いが楽しめる。 デモでは、ステージのギミックを活用して、離れたフィールドに飛んでいくといったシーンも見られ、3Dグラフィックスのメリットを活かしたゲームデザインとなっている。デモステージのラストには、画面を埋め尽くすほどの巨大なボスモンスターが登場。襲いかかる巨大な手を避けながら、ボスを攻撃していくといった風景は、さながら日本のベルトスクロールアクションを彷彿とさせてくれる。協力プレイで挑戦すると楽しそうだという印象を持った。 ひとつユニークな特徴としては投げるアクションが導入されているところ。これは投げ技という意味ではなく、フィールド上を歩いている中立モンスター“テンイ”を投げつけて敵を攻撃したり、障害物を越えるために仲間を投げるなど、ユニークな使われ方をしている。
サービススケジュールは、今回発表された5本中もっとも早そうで、11月25日に韓国でのクローズドβテストの開始が予定されている。オープンβテストは3月。老舗デベロッパーの最新作だけに、作りは非常に丁寧で、グラフィックスの質感も高い。日本展開についても、「メイプルストーリー」の人気が高いだけに展開する可能性は高い。今後の発表に注目したい。
■ ダッジ、ダオの次の戦いは空中戦!! 「エアライダー」
こちらは説明するより見る方が早いということで、実機を使ったデモンストレーションが行なわれた。マッチングロビーからスタートし、8機によるレースがさっそくスタートした。陸上が空中に変わり、空中ならではの疾走感が心地よい。ステージは、立体構造になっており、左右移動のみならず、高度も自由に変更でき、一定の3次元空間の中を疾走していくスタイルとなる。 周回の途中でアイテムを拾い、アイテムを活用することで自機や敵機にさまざまな効果をもたらすところは「カートライダー」と一緒だが、常に画面中央付近に照準があり、眼前の敵機を銃撃できるところが大きな違いと言えるだろうか。感覚的には、戦闘機同士の空中戦をしながらレースをしているような感じだ。 銃撃を一定以上敵機に浴びせると撃墜することができる。それで即負けということにはならず、一定時間で復活するが、レースは大きく有利となる。逆に銃撃を受けると画面内に弾痕が残り、HPバーが削られダメージを受けたことがわかる。撃墜されないようにするためには、スッと機体を横滑りさせて敵の弾を避ける必要があるというわけだ。
チェ氏によれば、空中ミサイルといった即効性のあるアイテムの実装や、2人乗りモードなど、初心者向けの新しいモードの開発も行なっていくという。サービススケジュールは、2009年上半期クローズドβテスト実施予定としており、完成にはまだしばらく時間がかかりそうだ。
■ Nexon2,000万ユーザーのコミュニティスペース 「ネクソンスター」
基本的なゲームデザインは、プレーヤーは、三頭身のかわいいアバターと、自らの居住スペースである星を提供され、仲間とのコミュニケーションや、共同での生産活動やミニゲームを楽しむことができるというもの。かわいらしいアバターが野良作業や釣りにいそしむ姿は任天堂の「どうぶつの森」を彷彿とさせ、ゲームメーカーが取り組むエンターテインメント性の高いバーチャルワールドという点ではダレットの「ダレットワールド」に若干雰囲気が近いかもしれない。 詳細は不明だが、「ネクソンスター」には、日々のアクセスを促す、生産要素、育成要素、成長要素があり、自らの星のほか、コミュニティスペースとなる共有の星も存在するという。そこでユーザーは、自分と同じゲームのユーザーを見つけ、ゲーム外のコミュニティを広げていってもらう。ゲーム内のコミュニティはゲームの中で、ゲーム外のコミュニティは「ネクソンスター」で、いずれにしてもすべてのコミュニティサービスをNexonが提供するというのが最終目的のようだ。
Webとの連動機能も備え、「ネクソンスター」内のデータをWebに引っ張って、Webサイトでもさまざまな遊びを用意していくという。ポータルメーカーのゲームビジネスは比較的成功例が多い一方で、ゲームメーカーのポータルビジネスはことごとく失敗しているのが現状だが、大手Nexonのチャレンジを見守りたいところだ。
■ 丸いプラネットを舞台にした惑星間MMORPG 「エバープラネット」
その特徴はなんといっても視覚的な楽しさにある。「グローブビュー(Globe View)」と呼ばれる独自の描画方式で、球状なのが視覚的にわかるデフォルメされた惑星を活動する楽しさが味わえる。真上に移動していくと、地平線の向こうから山や建物がにょきにょきと起き上がってくる感覚は非常に新鮮で、アイデアの勝利といった感じである。 グラフィックスは3Dをベースに、キャラクタや一部の細かいオブジェクトは2Dを採用。明度と彩度を極端に高めたカートゥーンタッチの独特の雰囲気を生み出している。基本的なゲームデザインは、韓国のオーソドックスなMMORPGのスタイルをベースに、自らの星を育成させていくというシミュレーション要素が加味されている。
ゲーム世界は、自分の星に加えて、冒険フィールドとなる複数の星で構成されており、レベルが上がり、ストーリーが進むごとに活動可能な星の数が増えていく。牧歌的な雰囲気は女性に受けそうだという印象を持った。サービススケジュールは2009年第1四半期にクローズドβテスト開始、第2四半期にオープンβテスト開始予定としている。
■ コンシューマゲームを彷彿とさせるハイスピードアクションオンラインゲーム 「ドラゴンネスト」
「ドラゴンネスト」は、韓国で「NINETY NINE NIGHTS」や「キングダムアンダーファイア」といったコンシューマゲームを手がけたスタッフ達が開発しており、コンシューマゲームを彷彿とさせるスピード感とアクション性、ハイテンポなゲーム性が特徴となっている。今回のNexonのタイトルの中でもダークホース的な存在と言える。 基本的なゲームデザインは、コーエーの「真・三國無双」シリーズと真っ向からぶつかる、ダイナミックなアクションがウリとなっている。大地を割るような剣戟、超人的な弓の速射、足技から敵を浮かせてからのコンボなど、爽快感の高いアクションが目白押しである。動きも良く、アニメーションも多彩で、非常にコンシューマゲームに近い作りである。
ゲームの作りもステージクリア型を採用しており、対戦プレイより協力プレイが中心となりそう。発売プラットフォームはPCのみで、キーボードを使ってこれらの複雑なアクションを実現するという。コンシューマゲームのPCゲーム化というアプローチは韓国では非常に珍しいケースだけに、どのように軟着陸するのか注目したいところだ。
□G-Star 2008のホームページ http://www.gstar.or.kr/ □関連情報 【2008年11月13日】韓国最大規模のゲームショウ「G-Star 2008」が開催 業界再編後初のショウ、自社開発からパブリッシングへの流れが顕著 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081113/gstar08_01.htm G★2007 記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071111/gslink.htm (2008年11月14日) [Reported by 中村聖司]
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