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コーエー、オンラインゲームプロデューサー特別インタビュー(前編)
まずはPS3「大航海時代 Online」の基本仕様と、「無双 Online」のRev3の中身を聞く

10月9日収録

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)
    小学生以下は無料


 東京ゲームショウのコーエーブースでは、昨年に続いて今年も「ネットエンターテインメントフェスタ」開催された。同社が展開する「信長の野望 Online」、「真・三國無双 Online」、「大航海時代 Online」、「三國志 Online」という4つのオンラインゲームをテーマに、ステージイベント、試遊、クライアントDVDの配布、プレゼントキャンペーンが一体となった同社オンラインゲーム部門の一大キャンペーンである。

「ネットエンターテインメントフェスタ」の名物イベント「プロデューサーに訊け!」。今年はややアドリブが少なめだったか
 昨年は、初開催ということもあって、準備を整えるのに精一杯で、具体的な新情報の発表というよりは、ファンサービスに重きが置かれた印象だったが、今年は、各タイトルとも東京ゲームショウに向けて新要素を用意し、サプライズとしてプレイステーション 3「大航海時代 Online」を正式発表するなど、よりコンテンツ寄りの内容にシフトしていたのが印象的だった。

 弊誌でも、昨年に続いて、ビジネスデイのイベント終了直後に、オンラインゲームプロデューサーへのインタビューを行なった。今年は、「信長の野望 Online」運営プロデューサー山中肇氏、「大航海時代 Online」運営プロデューサー渥美貴史氏、「真・三國無双 Online」開発プロデューサーの藤重和博氏、「三國志 Online」運営プロデューサー上野彰三氏の4名に加え、PS3版「大航海時代 Online」開発ディレクターを務める竹田智一氏の計5名に同席いただいた。

 ロングインタビューとなったため、前後編でお届けしたい。前編ではまず、今年の主役といえる「大航海時代 Online」と、「Revolution 3」を正式発表した「真・三國無双 Online」について話を伺っている。後編では、「争覇の章」発売以降も、新発表が続く「信長の野望 Online」と、先月、大型アップデート「涼州動乱」を導入した「三國志 Online」について話を伺っている。


■ 祝・PS3版「大航海時代 Online」正式発表!! PS3版の独自仕様について聞く

ずらりと並んだプロデューサー/ディレクターたち。左から順に、「三國志 Online」運営プロデューサー上野彰三氏、「信長の野望 Online」運営プロデューサー山中肇氏、「大航海時代 Online」運営プロデューサー渥美貴史氏、「大航海時代 Online」開発ディレクターの竹田智一氏、「真・三國無双 Online」開発プロデューサーの藤重和博氏
「大航海時代 Online」の開発/運営を担当する2人。発表の重責から開放されてホッと一安心といった印象だった
今年のもっとも大きな話題はやはりPS3版「大航海時代 Online」。ただし、具体的な情報は一切なし。完成までまだしばらく待つ必要がありそうだ
GAME Watch編集部: 5人のプロデューサーが揃うと圧巻ですね(笑)。まずは何よりPS3版「大航海時代 Online」の発表おめでとうございます。発表の感想を聞かせてください。

渥美貴史氏: 開発チーム、運営チーム共にPS3版の発売は長年の目標でした。この日を迎えることができて本当に嬉しいです。

編: PS3版のプロジェクトが始まったのはいつ頃ですか?

竹田智一氏: んー、気がついたらポン! みたいな感じに(笑)

藤重和博氏: 実際に動き始めたのは2007年からですね。

編: 発売プラットフォームをPS3に決めたのはなぜでしょうか。

藤重氏: 全体的にみてそもそもオンラインゲームをPCだけに縛る理由はあまりないですね。そこが一番大きいと思います。あとはプレイステーション 2で「信長の野望 Online」をスタートしましたのでノウハウがあったということですね。

編: なぜ「大航海時代 Online」なのでしょうか?

藤重氏: そこは単純明快で、「大航海時代Online」はまだコンシューマで展開していないからです。楽しんでいただけるお客様の幅を広げていきたいという思いがありました。

編: 過去の取材の流れからですね、私はてっきり「信長の野望 Online」なのではないかと思っていたのです。

藤重氏: だまされましたね?(笑)。

山中肇氏: 実は私もそう思っていました(笑)

(一同爆笑)

編: 山中さん、今回の発表に関して、何かコメントがありそうですね。

山中氏: 先を越されたなと……(笑)。私としては「信長の野望 Online」も、「大航海時代 Online」の次に続いていきたいですね。

編: さて、PS3版の仕様に関してですが、まず、グラフィックス。発表会ではこの点やや曖昧でしたが、PS3版は、PC版よりも綺麗なグラフィックスが提供されると考えていいのでしょうか?

竹田氏: 中にはまったく異なる描画方法をとっているものがあります。その部分に関してはPCで提供されているものよりも綺麗なものは目指しています。

編: それはPCの最高設定よりも綺麗になると?

竹田氏: ものによってはPS3でしか出ない表現もあるでしょうね。

編: オンラインゲームではチャットも楽しみの1つです。PCとコンシューマを挟んでの移植の場合、チャットウィンドウやフォントサイズがひとつ問題になったりしますが、どのようになりそうですか?

竹田氏: 現在、色々と試してはいます。チャットは非常に重要な要素なので、コンシューマだからといって文字数が少なくなって使いにくくなるようでは意味がありません。ある程度の解像度は維持していきたいです。

編: PS3版が発表されるまでは、時期的にはそろそろ次の拡張ディスクなのかなと思っていました。PS3版はどのバージョンから提供されるのでしょうか? 「Cruz del Sur」なのか、そうではないのか。

渥美氏: ビジネスモデル的なものはどういった形のものがお客様にとってベストなのか開発サイドと共に検討しているところです。

編: PCのユーザーさんと同じサーバーでプレイできるということは同一のバージョンでプレイされると考えてよいのでしょうか。

藤重氏: そこも含めて色々検討中です。ステージの上でもお話しましたが、同一のバージョンでやったならやったなりのメリットがありますよね。既存のお客様にとって見れば人口が多くなりますし、新サーバーを立ててもメリットがあります。どちらが望ましいのか考えています。

藤重氏: 新サーバーを用意するのか、既存サーバーで共有するのかはサービスする前の最終段階に決めても対応できる部分になると考えています。最初にサーバーをどうするか決めてしまうよりも、どういうタイミングで出すかといった部分を考えたいです。

編: Windows版は「GAMECITY」を介してプレイしていますが、PS3版ではどうなりますか?

渥美氏: そこは今、ソニー・コンピュータエンターテインメント(SCE)さんと調整中です。

編: アップデートについてはいかがですか。

渥美氏: アップデートにつきましてもWindows版で行なわれている頻繁なアップデートは非常に好評ですので、PS3版でも当然実施していきます。

編: となると、単純に遊べるプラットフォームが増えると考えて良さそうですね。

藤重氏: 今のところはそういう感覚です。

編: ユーザーインターフェイスについてですが、コントローラーのインターフェイスデザインはどのような内容になりますか? コンシューマの「大航海時代」シリーズを意識したものになるのか、それともオンラインゲームならではのインターフェイスに作り変えるのでしょうか。

竹田氏: 両方あると思います。オンラインゲームだからこそというものはたくさんあると思います。

編: 専用のソフトウェアキーボードも作るのでしょうか。

竹田氏: それもありますが、コントローラーだけでもプレイできるようになっています。

編: クライアントのフルインストールが可能なのでしょうか。

竹田氏: その点もどこまで対応するかSCEさんと調整しているところです。

編: ざっくり言ってしまうと、PS3版の発売によって、ビジネス規模が倍になります。運営側としてどのような抱負をお持ちですか。

渥美氏: プラットフォームが2つに増えると運営の手間が増えるのは当然のことですが、お客様が増えるということは何に代えても良いことなので、そういった意味で最初は開発側から「PS3版を出したい」という意見が出たときには運営側も賛同してそのまま一丸となって進めていったイメージです。

編: 開発側はいかがですか?

竹田氏: 今まで「信長の野望 Online」についてはうらやましいという気持ちがあったのです。コンシューマのお客様がいるというのは凄くうらやましいと思っていました。

編: 私はむしろPS2のハードウェア上の制約に苦しむ「信長の野望 Online」の存在を尻目に、自由に伸び伸びやっているという印象を持っていました。

竹田氏: 確かに最初PCだけに絞ってやれたのは良かったのですが、開発チームの中にもコンシューマ機への移植をやってみたいという雰囲気があったんですね。

編: 「大航海時代 Online」はPCならではのオンラインゲームというイメージが強いですが、今回コンシューマに展開する際にやってみたいということはありますか?

渥美氏: まだ完全に決まっているわけではないですが、PS3という新しいプラットフォームが入りますので、一工夫つけていきたいです。キャンペーン的な仕掛けもあれば、深くゲームの中に手を入れる方法があるかもしれません。開発と考えていきたいです。

竹田氏: PS3版の存在は、今後のアップデートに大きな影響を与えるかなと思うのです。たとえば、よりライトなお客様も入って来られるので、いかにキャッチーなものを持ってくるか。「大航海時代 Online」は硬派なイメージがあるかもしれませんが、そればかりではなく世界観的にはもうちょっと広げられると思います。


■ 「大航海時代 Online」チャプター4以降のゲーム世界はどうなるのか?

渥美氏は拡張パックの存在と、日本を含む海域の存在を否定しなかった。PS3版の開発と並んで、着々と開発が進められているのだろう
PS3版について竹田氏は、断定はしなかったものの、あらゆる可能性を否定しなかった。どのような内容に仕上がるのか楽しみだ
チャプター5の存在が明かされ、「Cruz del Sur」はもうしばらく続くことが明らかになった
編: 最近たまたま、「大航海時代 Online」はある意味「カジュアルなゲームだよ」という意見を数カ所から聞きました。戦闘しなくてよいし、下手くそでも遊べるし、後は携帯でちょこちょこやれると、遊んでみると意外とカジュアルだよというわけです。なるほどそういう見方もあるのかと見直す思いなのですが、今後、「大航海時代 Online」はどのような進化を遂げていくと考えていいのでしょうか?

渥美氏: まさに中村さんがおっしゃった方向性が我々の目指しているところです。「大航海時代 Online」の世界観自体がカジュアル性だったり、ライトなよさを持っていますので、そこにもう1歩踏み込みたいです。

編: 正式サービス開始から3年間が経ちました。ひとつ懸念しているのは、貧富の差がものすごく大きいゲームになっていますよね。かといって経済が破綻しているわけではないのですが、ただ、お金の使い道がなくなりつつある。お金を持っている人たちに対する、お金の使い道についてはどのように考えていますか?

渥美氏: そこはまさに強化しなければならない重要なポイントかなと運営サイドからすれば考えています。

竹田氏: このゲームは貧富の差はあるのですが、幸せの量が貧富の差に比例していない。貧乏な人は貧乏な人なりに楽しみがある。お金ができたから、じゃあすぐに使い道を考えないと、プレイスタイルが破綻するというような世界観ではないのです。もちろんお金の使いどころは入れていきたいですし、お金持ちならではの道楽みたいな要素はどんどん入れていきたいですね。

編: チャプター4「Inca」実装後の展開はどうなるのでしょう?

渥美氏: はい、チャプター5という形でお客様に提供していきたいです。

編: チャプター5ですか。5まで踏み込むのはアドオンの中では初めてではないでしょうか。

渥美氏: 初めてです。これまで「La Frontera(ラ・フロンテーラ)」のときはチャプター3まででした。開いていく海域によって、やりたい内容が異なるんですね。今回、世界一周をチャプター1でもっていき、その後インカ帝国を登場させたりしていきました。今回実装した海域でやりたいことを実現するためには、チャプター3では足りなかったということになります。

編: さて、そのチャプター5ですが、内容はどのようなものになりますか?

渥美氏: チャプター5では、オバマさんではありませんが、何かしら“チェンジ”させたいと考えています。世界一周ができるようになってから船の高速化等も含めてアップデートを行なってきました。中にはプレイスタイルが固まりがちになっているお客様もいらっしゃいます。ここで何かしらサーバーの世界を活性化させるような一手を入れてみたいなと思います。

編: といいますと?

竹田氏: (笑)。チャプター5には明確なテーマがあります。そのテーマを言ってしまうと内容がわかってしまうので、それが発表されるまでは申し上げられません。

渥美氏: チャプター5の世界観は固まっているのですが、色々仕掛けをしていきたいので申し上げられません(笑)。

編: 拡張パックについてはどのように考えていますか?

渥美氏: チャプター5以降になるのは間違いないです。

編: 気になる海域といいますと、やはり日本ですが。

藤重氏: それについてはじっくりとお話できるタイミングがあります。楽しみにしていてください。

編: あとは確実に来る要素としては陸路の追加があると思います。現在検討している陸路はどのあたりですか?

竹田氏: いくらでもありますよね。ありすぎて困ってしまいます。何から始めようかと。

渥美氏: チャプター4では南米で陸路が1つ追加されました。ですからそれ以外のところですよね。単なる交通手段の拡張にとどまらない、陸の部分をうまく使ったやり方は今後の拡張のポイントの1つになるでしょう。

編: 年内だとどのようなアップデートが期待できますか?

渥美氏: 12月にアップデートを行なわせていただこうと考えています。チャプター5につなぐ橋渡し的なアップデートになると思います。時期は公式サイト上でお知らせするということになっています。

編: 年末にアップデートがあって、年明けにもチャプター5と、ユーザーさんには楽しみが続きますね。

藤重氏: そうなりますね。期間が空く分だけ、しっかりやっています。

渥美氏: チャプター5はものすごく力を入れたアップデートであることは間違いないです。運営サイドから見てもこの内容は強力だよなと感じています。どうぞご期待ください。


■ 「Revolution 3」のメインコンテンツPvPモードの魅力を聞く 「真・三國無双Online」

「真・三國無双Online」開発プロデューサーと、コーエーのオンラインゲーム開発部門である第3部の部長を兼務する藤重氏
アイテム課金制へと移行以降、好調を維持しているという「真・三國無双 Online」
編: 次は「真・三國無双Online」についてうかがいます。あらかじめ予習しておこうと思ってブースで「Revolution 3」が仮実装されたバージョンを拝見しましたが、短時間ではよくわかりませんでした(笑)。まずは、「Revolution 3」の概要を教えてください。

藤重氏: 基本的には、今日ご覧頂いた映像でお見せした新しい武器と、新しいゲームモードを追加します。

編: 武器云々以前に戦場が変わっていましたよね。あれは何ですか?

藤重氏: 気づかれましたか? あれが新モードの戦場で、ステージのサイズを小さくして、少し違った遊びができるようにしました。「Revolution 3」のメインとなるのはこの新モードになります。名前は考え中です(笑)。これまでは戦略的な要素やRTS的な要素があったと思うのですが、そうした側面よりは単純にアクションに寄った遊び方ができるゲーム性を盛り込んでいます。テーマをつけるとするとすれば、PvPに近いようなものになると思います。

編: 今までは「Revolution」といえば新シナリオ、新勢力といったところがクローズアップされてきましたが、今回はちょっと毛並みが違うようですね。

藤重氏: 勢力を代えるというよりは、決まったスパンで勢力の隆盛を見ながらというスタンスです。アップデートでは機能の追加をしています。「Revolution 3」では機能の追加に加えてボリュームアップを図るということで、戦闘モードを追加しようかなと。

編: 「PvPモード」と呼ばれていたものが実装されるということで楽しみですが、まず、対戦人数は何対何になるのでしょうか。

藤重氏: 4対4です。通常の激突とは戦い方が変わります。マップが相当狭くなりました。面積的には1/9くらいで、チュートリアルマップより小さいです。

編: 1対1だけでなく、2人で力を合わせるみたいな、仲間と共同で戦うようなギミックもあるわけですか?

藤重氏: 今回はありませんが、それは追々足していきます。今は戦闘のモードと武器を足して、遊び方が変わる部分を見せていきます。今までのは当然残っているのですが、そこである程度戦い方が見えてきた段階で次のギミックを足したほうがお客様も遊ぶ幅が広がると考えています。

編: これは同勢力の間で戦うものなのでしょうか。

藤重氏: 敵勢力と戦います。設定としては本当に小さいところに偶然遭遇したようなシチュエーションで、あまり広くないところで戦うという意味合いです。

編: 基本的なゲームの進め方はFPSのようなものを想像すればよいのでしょうか。たとえば、守るべき砦はないのですよね? 単純に戦ってチケットのようなものを消費しあうような展開を想像すれば良いですか?

藤重氏: FPSに近いかというと微妙ですが、チケット制に関しては近いです。

編: ステージのバリエーションはいくつくらいあるのでしょうか。

藤重氏: いくつかありますが、最初は1つ出していこうと思います。デモでお見せした城門の中のようなステージですね。

編: ずばりPvPモードのウリは何でしょうか?

藤重氏: これまでは砦の攻略などの戦術部分にウェイトを置いて戦っていた人も多いと思うのですが、やはりアクションで、ガチンコでやってみたいというお客様もたくさんいたのです。そうした方々に楽しんでいただける場を提供できるかなと考えています。

編: 今回も新武器が追加され、ステージイベントでは孫権の積刃剣というお話しでしたが、他にも新武器はあるのですか?

藤重氏: 後日、詳しくご案内しますが、何種類か追加されます。最終的に何個追加するか考えたいです。1個にとどまることはないです。

編: 「Revolution 2」のように、時期を分けて、順次実装していく形になるのでしょうか。

藤重氏: そこも含めて考えています。お客様の反応を見る限りですといっぺんに入れてしまうよりは分けたほうがよいと考えています。いっぺんに3個提供すると一気にゲームが変わってしまう。それを1つ1つ追加していくと1個ずつしっかりとその武器の特性をつかみながら戦闘のバランスができてから、次が加わるというほうがお客様も楽しみやすくなっているなということは実感しています。お客様の見える反応でも、数字でもそうしたほうが良かったと感じています。

編: 服飾はどういったものが追加されますか。

藤重氏: 色々なものが追加されます。もう少し先に発表します。面白いものを企画しています。

編: 念のため確認させてください。「Revolution 3」では新しいシナリオは登場しないのですよね。

藤重氏: そうですね。今のシナリオで皆さんに楽しんでいただきます。

編: 前回の呂布編に比べて今回の人気はいかがですか。

藤重氏: 前回と比べますとお客様の反応やログインしている数字は良いですね。今は一番良い状態です。

編: 「Revolution 2」では、全体マップにおける、駆け引きの仕組みが変わりました。その影響もあるのでしょうか。

藤重氏: それもあるかもしれないです。いろいろなものが良い循環を生み出していると思います。開発していてそのように感じますね。

編: 最近のトレンドとしては「レッドクリフ」とのタイアップが面白いと思いました。

藤重氏: 赤壁を舞台にした映画なので、「三国志」という題材を扱った映画と、それを題材にしたゲームということで、いきさつはいろいろとあるのですが、一緒に何をやりましょうかと考えながらそうなった形です。

編: チケットだけではなくて記念切手を買ってもアイテムがもらえるというのは面白いですね。

藤重氏: オンラインゲームの良いところはこういうところですよね。ずっと動いている中で、何かきっかけがあったときにお互いを盛り上げていくやり方ができると思います。

編: ステージでは、やりたいことが残っているとおっしゃっていました。いくつか構想を聞かせていただけますか。

藤重氏: お客さまの声はたくさんあります。もっとたくさんの人と戦いたいとか、こういう服が着たいとか、こういうペットみたいなものを連れて歩きたいとか、他のオンラインゲームができているもので、私たちができていないものはたくさんあると思うのです。そうしたものは単純にやっていきたいなと思いますし、私たちしかできないものもあると思います。そうしたものを発展させていきます。

編: 昨年、「真・三國無双Online」にはまだまだ不満ですとおっしゃっていました。今はいかがですか。

藤重氏: 今でも不満はいっぱいですね。

編: 今一番足りない部分はなんでしょうか。

藤重氏: 懸案だったコミュニティ強化は形になってきたと思います。今やらなければならないのは、新しく始めるお客様が定期的にいらっしゃって、そうしたお客様がもっと「真・三國無双Online」に入りやすくすることです。

 「真・三國無双」シリーズ自体が何百万というお客様にプレイしていただいて、私たちも説明が要らないと思っていた部分もあるのですが、やっぱりやらなければいけないと思い直しました。最初はここまでやりすぎると逆に面倒くさいと思われるのではないかと考えていたところがあるのですが、今は逆にそこをうまくつくって実装していく必要があると思うのですよね。ただ、説明過多にならないような形で実装していく必要があるかなと思います。


■ 「真・三國無双Online」拡張ディスクプロジェクトは進行中!!

「真・三國無双Online」の拡張パックはやはり存在した。内容についてはまったくわからないが、来年は、大きな地殻変動を期待していて良さそうだ
この1年でかなり充実したエモーション。街でのコミュニケーションの円滑油として有効に機能しているようだ
編: 「真・三國無双Online」の大きな謎の1つである、拡張パックについてですが、プロジェクトとして存在するのですか?

藤重氏: 基本はやりますね(笑)。

編: やるんですか(笑)。この1年で、「Evolution」から「Revolution」になり、アップデートを重ねてきて、もうさすがにやらないのかなと思っていました(笑)。

藤重氏: 基本はやるつもりです。毎月なにかしら小規模なものを提供していき、3、4カ月に1度大きなまとまりがあって遊び方の幅が増えるものを入れていくということを考えています。1年から2年というスパンで大きなどーんというコンテンツを入れていきたいなと思っているのです。

編: となると、「信On」で言うところの「九州三国志」級のコンテンツを期待してしまいますよね。

藤重氏: そういう規模の大きなレベルで提供したいですよね。

編: 「三国志」で言うと、南蛮征伐ができるようになるとかですか。

藤重氏: そこはわかりませんが、弊社でいうところの拡張パックというような規模感を持って出したいなと思っています。

編: 気になるのはビジネスモデルですが、「無双 Online」は無料でプレイできますが、拡張パックがどのようにして提供されるのか気になりますよね。

藤重氏: そこは色々考えなければいけないと思います。急く必要はないのでじっくり考えたいです。

編: 来年には姿が見られるでしょうか。

藤重氏: ええ、見せたいですね。

編: 直近でやってみたいことはありますか。

藤重氏: あるのですが、ここでいうとプログラマが困ってしまいますので……(笑)。たとえば、色々なエモーションは足していきたいですね。

編: しかし、ここ1年で、エモーションはかなり増えましたよね。

藤重氏: 趣味でたくさん入れていますけどね。今度レッドクリフとタイアップするイベントでも考えています。いろいろと花火をポーンとやってみたりだとか思いつきで色々入れています。

編: ネットカフェ展開については最近いかがですか?

藤重氏: 最近は好調ですね。

編: コーエーさんでは、次の取り組みはどういったことを考えていますか。

藤重氏: 店舗イベントで、店長さんがやりたいなと思ったことを、すっと適用できるような形が第1かなと考えています。

編: そろそろ全国大会を見てみたいですよね。

藤重氏: そうした事への仕組みづくりが大事かなと考えています。私たちは単純にメーカーなので、開発として目がいってしまうのですが、広がりを考えたときにものづくりだけで考えたときに限界が来るので、色々なお客様やパートナーとして組んでいただいている方と協力してもっともっと進めていきたいです。

渥美氏: 「真・三國無双Online」は確かに好調ですが、それだけでなく「信長の野望 Online」や「大航海時代 Online」においてもネットカフェでの稼動は伸びているのです。「真・三國無双Online」だけでなく、他のタイトルでも活性化の策を考えていきたいです。今まで以上に運営としてもネットカフェに力を入れていきたいと考えています。

編: 「真・三國無双Online」に関して海外展開も注目されるところです。

藤重氏: 台湾と中国で現在サービスが行なわれていますし、韓国でもクローズドベータが展開されているところです。パートナーのCJIさんから詳しい時期等のアナウンスがあると思います。

編: 台湾や中国でのサービスはいかがですか。

藤重氏: 調子はすごくよいです。特に台湾は良いですね。お客様にたくさん来ていただいています。

編: 次に狙うエリアはどこになるでしょうか。

藤重氏: これまでの地域は日本も含めてリッチな環境がある地域ですので、同じような環境がインフラでもPCの環境でもあるかといえば、ない地域も多いですので、慎重に選びながら考えたいなと思います。

(以下、後編へ続く)

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□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「東京ゲームショウ2008」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□コーエーのページ
http://www.gamecity.ne.jp/
□「ネットエンターテインメントフェスタ2008」のページ
http://www.gamecity.ne.jp/tgs2008/net.htm
□関連情報
【10月11日】コーエー、「ネットエンターテインメントフェスタ 2008」レポート
今年も4人のプロデューサーが集結!! サプライズはPS3版「大航海時代 Online」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081011/tgs_koei.htm
【10月9日】コーエー、「大航海時代 Online」PS3版発売決定!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081009/dol.htm
【2007年10月1日】コーエー オンラインゲームプロデューサー特別インタビュー(前編)
興奮冷めやらぬプロデューサー4人に、「信長」から「三國志」まで4タイトルの今後の展望を聞く
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071001/koeiog_1.htm
【2007年10月2日】コーエー オンラインゲームプロデューサー特別インタビュー(後編) 1,000人規模の合戦を実現した「三國志 Online」。正式サービスへの意気込みを聞く
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071002/koeiog_2.htm

(2008年10月20日)

[Reported by 中村聖司]



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