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コーエー オンラインゲームプロデューサー特別インタビュー(後編)
1,000人規模の合戦を実現した「三國志 Online」。正式サービスへの意気込みを聞く

9月20日~23日開催(20、21日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ
入場料:当日1,200円、前売1,000円(小学生以下無料)


 プロデューサー4人同時インタビュー後編では、10月11日より正式サービスを開始する「三國志 Online」に関する今後の展開をお届けしたい。

 話題の中心は、正式サービスをふまえ、2度にわたるクローズドβテストで得られた手応えと、それをふまえて設定されたゲームの最終的な仕様、そして仕様確定までの経緯など。インタビューは東京ゲームショウ会期中、つまりプレオープン前に行なったため、サーバートラブル等の万が一のことを考えてか、正式サービスに関して、公約に相当するような発言はなかったものの、最終仕様の設定意図が良くわかるインタビューになっている。

 インタビューの〆として、4人に対して直近の業務も伺っている。どのタイトルも年末までにひと動き、ふた動きありそうで、今後の展開が楽しみである。


■ クローズドβテストの手応え。「一番判断に迷ったのは時間の間隔」
 ~「三國志 Online」その1

βテスト時の苦労を語る「三國志 Online」開発プロデューサーの上野彰三氏
最後発のタイトルだけあってグラフィックスの水準はもっとも高い
編集部: さて、今回のイベントのいわば主役である「三國志 Online」についてですが、新映像を見て完成度がグッと上がった印象を持ちました。実際、開発している側の実感としてはいかがですか。

上野氏: そうですね、今年の始めの頃は、登山で言えば5合目6合目くらいかなという段階だったのですが、今は10合目が見えるかなという状況です。サービス開始という意味においての10合目が見えてきたと。

編: 今回、比較的長期間のクローズβテストを実施されましたが、どのような手応えを得られましたか。

上野氏: 一番心配だったのは、大規模の合戦がちゃんと成り立つかという部分でした。全然そんな心配はいらなかったようで、ユーザーの皆さんがしっかりとついて行って下さるどころか、逆にぐいぐいと我々をひっぱっていただけるような戦術を考えてくださったり、出したものをはすべて使い尽くされるくらいの遊ばれ方をしていました。

編: 逆に反省点というのはどのあたりにあるのでしょう。

上野氏: 一番判断に迷ったのは時間の間隔です。合戦は45分になっているのですけれど、この時間がいいのか悪いのかが非常に難しかったわけです。私の頭の中では、いわゆる“1時間のテレビドラマ”に対抗したいという思いがありました。オープンバトルで、チャットも流れますし、大規模合戦を長時間やるのはちょっと辛いので、長くても1時間が限度だろうと思いました。

 βテストの期間中、一度、合戦を30分にしたことがあります。そのときは、45分からたった15分短くしただけで、ちょっと物足りないという意見がありました。これを逆に60分にすると、ああ疲れたってなってしまう。ですから、しっかり45分でやりきるのがいいかなと議論してました。

編: βテストならではのエピソードですね。最終的に合戦は何分になるのでしょうか。

上野氏: 今のところ45分です。準備時間等はさらに調整しようと思っています。やはり前もって入って徒党を組んで連合を組織して、作戦を考えて城の中で話し合うということを皆さんされますので、そのための時間は確保します。あとは45分戦ったあとに、残り15分に戦いを振り返って会話するというペースになっていますので、30、45、15というぐらいの配分を考えています。

編: βテスト期間中から現在に至るまで、よくユーザーアンケートを取られていますが、どのような意見が寄せられましたか。

上野氏: 「三國志 Online」にはいわゆる職業という概念は無いんですけれども、やはり役割ごとのバランスについてのご意見が多かったです。あとはテンポの問題や、あとはクローズドβ1、2を通じて改善してきた操作系です。やはりまだまだご指摘がありますので、そこは集中的に直しているところです。

編: ユーザーの意見を反映させた部分は色々あると思いますが、一番大きな部分としてはどのあたりですか?

上野氏: 成長バランスについて色々ご意見を頂きました。特に第二次クローズβは普段より経験値半分で上がりますという形でやらせていただいたんですが、これを元に戻して倍になったら、ちょっと最初のうちは間延びしてしまうのではという意見もありました。ですからプレイ経験からの意見があった部分については、ちょっと調整させていただきました。

編: なるほど。逆に開発側から、ここはユーザーさんに理解してほしいと、こだわった部分はどのあたりですか。

上野氏: そうですね、モンスターの強さは、PC同士の戦いであるので、そこはしっかりとご理解いただきたいという部分がありました。強すぎるとか、逆に弱すぎるというご意見が多かったです。コアな方は、うまく勝ち方を見つけて戦われるので、弱いじゃないかと言うご意見になります。そこに合わせて調整するとノーマルな方が遊びにくくなってしまう部分も出てきますから、モンスターの配置であるとか、挑戦できるクエストの種類といった形でそこはうまく分けていっています。

【三國志 Online】
「信長の野望」に並ぶロングセラーシリーズである「三國志」にもようやくオンラインゲームが登場する。開発はシンガポールの子会社で、これまでの作品とはやや毛並みが異なる。最初からアジア展開を意識した最初のタイトルだ


■ プレオープンの内容と1,000人規模の合戦について
 ~「三國志 Online」その2

クローズドβテストに比べ、水鏡村でのチュートリアルが充実している
編: 9月27日からいよいよプレオープンサービス開始となりますが、CBTからプレオープンへの一番大きな変化は何ですか?

上野氏: 色んな方がプレイされることを考えた環境の整備を行ないました。導入部分については、チュートリアルなどを入れさせていただいて、あとは環境的なものとしては、グラフィックパフォーマンスの向上や、ユーザーインタフェースの改善などになります。

編: プレオープンで新たに実装するチュートリアルの内容を教えてください。

上野氏: 今までだと、何も話さずにゲームが出来てしまう感じがありましたので、いろんな人と話をしながら、話に添って進めれば、一人前になって戦えるようになっているという感じです。テキストベースですけれども、次はこうする、次はこうするといった形で、しっかりとリードされていくという形です。もちろんチュートリアルはいらないよ、と言う方ならどんどん自分で進んでいくということもできます。

編: エリアの拡張等に関してはいかがでしょうか。

上野氏: 今回のプレオープンでは、荊州と司隷から始まります。ちろん、魏呉蜀の各本拠地については用意します。それ以降はサーバーの成長を見ながら広げていこうかなと考えています。も

編: プレオープンであえて実装を見送った部分も多々ありそうですね。

上野氏: 実装を見送ったのではなく、公開を見送る形です。MMOの最初の時期は、結構カオスになりますので、それが解消され、流れるようになってきたら、新要素をサッと差し出せる状態にもっていければと思っています。

編: 現在のバランスですと、最大の見所である合戦に参加するためには、どれくらいのレベルが必要だと考えていますか。

上野氏: 合戦は、だいたいレベル10を越えた時点で、自分の役割というものが持てるようになってきます。一番大きいのは、強いキャラクターがいれば勝てるかというと、そうではないということです。やはり500人くらいを相手にするとなると、ひとり強くても突進した瞬間にやられてしまう、ということになります。周りが見えるかどうかというのが一番大事です。

編: 合戦は最終的に1,000人という規模になりましたが、良く実現できましたね。

上野氏: 開発のほうでは「もっと増やそうか」という声が出かかったのですけれども、とりあえずバランスがちゃんと取れるというところまででやろうという判断をしました。ユーザーのPC環境ですとか、回線ですとかがもっと向上してくれば、それ以上の人数も可能かどうかといえば可能です。ただ1,500人入れるとなると、サーバー側よりクライアント側の帯域に問題が出てしまうわけです。

編: 表示の部分に関しては問題ないのでしょうか。

上野氏: 表示に関しては、各クライアント毎に何体表示するかという設定をカスタマイズできますので、そこは問題ありません。

編: 仮に全部表示するとなると、どれくらいのスペックのPCが必要になると考えられますか。

上野氏: 戦場には500人とか1,000人入っていますけれども、実際には自分の戦線には100人ですとか、そういった形になります。推奨スペックは出していないのですけれど、必要スペックに関してはβテストの時よりもずいぶん下がりました。VRAM64MB以上で、DirectX9.0cに対応しているビデオカードというレベルで動くところまで調整しました。

編: 来週からスタートするオープンテストはプレオープンという呼ばれかたをしていますけれど、オープンベータと何が違うのでしょうか。

上野氏: 実は大航海のときからプレオープンという呼び方をしてきています。テストという言葉は使わないですね。正式サービスに先駆けて無料で体験いただける、ということです。これをプレオープンテスト、と言ってしまったらオープンベータテストと変わらないということになります。だからそれなりのクオリティを達成しない限りは、プレオープンを実施することはありません。ですからそういう時期まで来たのかな、と思っていただければ幸いです。

編: コーエーさんがβテストをやるときは、慌てずじっくりやる感じですよね。

上野氏: βテストで焦ってもしょうがないといいますか(笑)、その先のほうが長いですからね。開発のほうから、例えばこれはできない、という状況が上がってきたら、それはしっかり見ますね。

編: ひとつ感じたのは、コーエーの開発部門の強さです。現在、いろんなメーカーがオンラインゲームをリリースしていますけれども、コーエーさんは開発がちゃんとした発言力を持っていますよね。オンラインゲームは、マーケティング施策に流される宿命みたいな部分がありますが、そうはなってないというのを「三國志 Online」を見て感じました。

上野氏: 第一次クローズドβテストの終了時から、ちょっとお時間を頂きますという話をさせていただきまして、なかなか大変な決断かなという気持ちはありました。ただコーエーのマーケティングは、早く早くではなくてしっかりと作ってくれという姿勢です。だから開発とマーケティングで、そんなに違う話にはならないですね。


■ 正式サービスのアップデート方針。パッケージ版は限定アイテム付き
 ~「三國志 Online」その3

ユーザーの成長を見て機能を追加していきたいと話す上野氏
編: もう少しゲームの仕様に関する部分をお尋ねしたいんですが、プレオープンでのサーバーのキャパシティは何人ぐらいですか。

上野氏: 「信長」と「大航海」と同じくらいか、ちょっとだけ多くいけるかなというだけは用意しています。同時接続に関してはそれほど膨大な数字は考えていません。

編: ちなみにサーバー数はいくつでスタートするのでしょうか。

上野氏: 現状、3つは開ける予定です。ワールド名は、中国の名所から「泰山」、「黄河」、「廬山」とします。お友達をプレオープンに参加される方は、事前にどのワールドで遊ぶかを話し合っておいてください。

編: 今後のサービススケジュールについて教えてください。

上野氏: サーバーの成熟度を見ながら、プレーヤーキャラのレベルにあわせたゾーンをちょうど良く出せるような感じで考えています。プレオープンから正式サービスに移る時期というのは、基本的にしっかり受け入れられるものであれば、なるべく早く実現したいと思っています。まあ、寒い時期にはならないでしょう。(編注:9月27日に正式サービスは10月11日と発表)

編: 正式サービスのときの、「三國志 Online」の姿というのはどういうものを想定していますか。

上野氏: 正式サービスのスタート時期に関しては、ユーザーの皆さんがどこの国に仕えようかな、という意識が固まってくるくらいのところに持っていきたいですね。私はこの国に仕えて、こういうプレイをしようというものが見えてくる時期にスタートできればと思っています。

編: 気になる国の移籍に関する仕様は、具体的にはどうなりましたか?

上野氏: まだ具体的には言えないのですけれども、可能な時期を考えるということです。このタイミングなら移籍ができる、というような形を考えています。

編: 移籍のタイミングを決め打ちする理由は?

上野氏: 前々から1年を通して合戦をするという形でやっていきたいと考えていました。ですからシーズン中に陣営を変えられるという仕様ではちょっとアンフェアかなと思いました。だから現実としては、ひとつのシーズンの中では同じ勢力で頑張ってくださいという風になります。

編: 有名武将というのはどのあたりの時代までカバーするつもりですか。

上野氏: 西暦179年から240年くらいまでの中で、満遍なく出していければと思っています。現在は武官のほうが多いのですけれども、文官のファンも多くいらっしゃいますので、今後のアップデートではそちらに力をいれようと思っています。

 多くはユーザーの皆さんからの要望によるものですが、例えば郭嘉(カクカ)ですとか、荀彧(ジュンイク)ですとかですね。元々、諸葛亮とかは出てますけれど、それに加えて名のある軍師などを。どこまで広げていけるかというのはスケジュールに合わせて考えています。

編: 現状ですと、「三國志 Online」では合戦とフィールドでの冒険と言う部分が見えてきていますが、それ以外の部分で、例えば三国志ならではのストーリー要素はどのように考えていますか。

上野氏: 「三国志」的なストーリーに関しては、例えば軍略という形でクエストとして実装していきます。今回の東京ゲームショウでは、長坂橋で、張飛が早々軍の大軍を前に立ちはだかる有名な場面を取り上げた軍略をプレイしていただいていますが、このように、三国志ファンならにやりとするようなシチュエーションを多く出していきます。

編: それでは各勢力、個別のストーリーというのは特に用意する予定というのはないと?

上野氏: 武将クエストという形で実装していく予定です。ユーザーさんから見ればあまり別のものという感覚はないでしょうね。

編: まだ見えていない部分に関しては、どのような展開を期待していいですか?

上野氏: そうですね。MMOではよくあるような基本的な機能についてはなるべく今後取り組んでいきたいと思っています。具体的な内容についてはまだちょっと言えない段階ですね。やっとこれからサービスができるところですので。

編: 以前、ワールドワイドで通用するような機能というのは盛り込んでいきたいと伺った記憶がありますが。

上野氏: ワールドワイド対応という意味では、せっかくシンガポールで開発している訳ですし、様々な地域で楽しんでいただける内容を盛り込むことは意識しています。

編: MMOで一般的な機能を総ざらいして盛り込むとなると、今度は逆にコーエーさんの個性というのが薄くなっていく懸念があると思います。そういった中でのコーエーらしさはどのように出していくつもりですか。

上野氏: そこは三国志というものをしっかりと土台に据えてやっていかなければならないかなと思っています。先ほど山中のほうから「信長」について戦国らしさを出すという話がありましたが、それと同じで、これはコーエーが作る三国志だから「三國志 Online」だということを出して行こうと思っています。

編: 今回開発はコーエーシンガポールですが、その開発体制というのは今後も維持していくんでしょうか。

上野氏: そこを考えていくのは、まだずっと先の話になると思いますが、拡張パックであるとかアップデートといったところを色々と考えながら話をしていこうと考えています。

編: 最後にビジネスモデルについてですが。

上野氏: 基本的には「大航海時代 Online」に倣って、月額課金です。クライアントは無料ダウンロードできますが、別途「スターターチケット」というチケットを買っていただく必要があります。これは最初に製品版にするためのアップグレード代金的なものと、初回30日1,500円分(税抜き)のプレイチケットをあわせて、価格は4,300円(税抜き)です。

編: いわゆるスターターキット的なパッケージ製品は用意するんでしょうか?

上野氏: パッケージ版も用意しています。パッケージ版は、クライアントと30日分のプレイチケット、操作カードにマニュアルのほか、限定ゲーム内アイテムもついてきますので大変お得なパッケージとなっています。

編: 限定ゲーム内アイテムはどういうものでしょうか。

上野氏: 「発売記念福袋」というアイテムの中に4種類のアイテムが入っています。まずは、パッケージ版専用アイテムとして、採集に便利になるような「絹の旅装」を用意しています。色は6色からランダムとなります。次に、アイテムが入る袋装備「初心袋」、記念メダル的なアイテム「発売記念硬貨」。「発売記念硬貨」、金貨、銀貨、銅貨からランダムになるのですが、売却する場合はどれも同じ値段にしてあります。あとは「発売記念肉まん」です。食べるといわゆるBuff効果(一時的な能力アップ)があるもので、10個入っています。


■ ひとつずつ試せるのが4タイトルを持つコーエーの強み

非常に仲が良さそうな4人。お互いに切磋琢磨していこうという雰囲気が伝わってくる
編: それでは皆さんにお伺いしますが、今まさに直近の作業というのはどういった内容でしょうか。

山中氏: 「信長の野望 Online」の場合は、この間「開発本陣」で発表した内容を、開発のほうで実際にリリースできるバランスになっているかチェックする作業をしています。

藤重氏: 「真・三國無双BB」ではつい最近運営移管をしたばかりですので、生まれたばかりの体制をどうやって正していくか、というのが直近で一番優先度が高いです。

渥美氏: 「大航海時代 Online」は次のアップデートが10月の上旬ですので、具体的な作業は大体終わっています。次はチャプター2に向けて現場レベルで考えているという段階です。あとは、やはりそれよりも大きな、何年か先の展開も踏まえてどういうコンテンツにしようかというあたりは、チャプター2など目先のものとは別に、話し合いの機会を設けています。

上野氏: 「三國志 Online」では、プレオープンへ向けた作業と、正式サービス後に追加するコンテンツの作成というところです。

編: 最後にユーザーさんに向けて一言ずつメッセージをお願いします。

山中氏: 「信長の野望 Online」では、先ほども壇上で言ったのですが、既存のユーザーの皆さんも非常に熱心にプレイしていただいていまして、一度辞めてもまた帰ってきてくださる方が非常に多いです。まずは遊んでいただいている方たちに対してありがとうと言いたいです。

 またMMOの世界で人の出入りがあるのが当然で、絶えず新陳代謝が発生しています。成功し続けるためには新しい人を増やしていくことも大事だと思っています。ですから次の拡張パックでは既存ユーザーの方にも、新しいユーザーの方にも、両方に満足していただける形でやって行きたいと思います。皆さんの不満も全部耳に届いていますし、一生懸命考えていますのでご期待ください。

藤重氏: 「真・三國無双BB」は、今回運営移管などしましたけれども、「無双BB」を凄く楽しんでいただいていて、ずっと続けていただいているお客さんもいますので、そういったお客さんにはしっかり応えていくということを、私たちがゲームを作っていくうえでは大切だと思っています。

 あとは新しいパートナーさんから今まで頂いている意見も色々ありますので、できる限り改善して、より良いサービスを提供していくことで、さらにお客さんに楽しんでいただけるコンテンツにしていきたいと思います。プレイされているお客さまは、こういった部分を変えてほしいなと思っている部分もあるかと思いますので、そういったところは当然声の大きいものから優先的に変えていきたいなと思います。

 具体的な内容については今はまだ言えないのですが、しっかりと言えるような段階になってお話しないと、逆にお客様を混乱させてしまうので、適切な時期にしっかりこうしますよ、いつから提供しますよというふうに確定した段階で話すのが、お客様に対する誠意だと思っています。だからあやふやなことで期待を煽っても失礼になることもありますので、お話できるタイミングでしっかりと誠実にお話をしていきたいと思っています。

渥美氏: 「大航海時代 Online」は、8月22日に「Cruz del Sur」のサービスがスタートして、新しくゲームを始められる方が増えています。だから今は始める非常にいいチャンスだと思います。ですので、この機会に是非プレイしていただきたいなと思います。

 既存のお客さまについては、「Cruz del Sur」を出して以降、色々とご意見を頂いていることもありますので、そこは10月のアップデート、そしてチャプター2で改善していきます。それから既存のお客様からすると、やはり新しい刺激、新しいシステムが入ってくるのが一番嬉しいことですので、そこはチャプター2という形できちんとご提供していきます。是非ご期待ください。

上野氏: 「三國志 Online」はいよいよプレオープンになります。プレオープンというのは先ほども申しましたけれども、正式サービス前にどなたでも無料で体験できるサービスですので、是非三国志を知らなくても、MMOやったことないという方でも、是非ダウンロードして試していただけたらなと思います。

 そして「三國志 Online」は、基本設計として、MMOとしてはワンプレイの時間がなるべく長くならないようにしたいという形で取り組んできています。合戦の時間もそうですし、軍略の時間というのもなるべく短時間で済むようにと。なおかつ長いものが必要であれば、それも用意しています。基本的なサイクルとしては、1時間くらいを目処に遊べるようにすることを考えています。そういうことで、時間のあまりない方でも、時間のある方でも、楽しく遊べるようにしていきたいと思っています。

編: ちなみに女性ユーザーや初心者ユーザーに対する具体的なフックというのは何か用意しているのでしょうか?

上野氏: ゲームプレイの中では、インターフェースの部分であるとか、操作性の部分です。マウスやキーボード、あるいはコントローラーといったもの全てに対応しています。あとは、どうしても抜けられない時間ができてしまうと、始める前に身を引いてしまうことになってしまいます。そこは女性に限らず、いままでMMOを敬遠してきた人たちにとっては、そういう作り方の部分で配慮しています。

 それから漢字を減らそうということがあります。コーエーのゲームはどうしても漢字が多くて敬遠されるという部分がありましたので、そこは意識して取り組んでいます。もちろん、ゲーム内のアイテムやスキルなどの漢字に関しては全部普通に使っていますけれども、すべてルビが振られています。

編: 4タイトルの中では最初から初心者を意識したタイトルだと言えそうですね?

上野氏: そうですね、最初のフィールドをど真ん中の荊州にしまして、そこが全ての勢力関係無く入れるようにしましたから、そこから各勢力へ分かれていく設計になっています。ただ、他のタイトルでも「新参者ゾーン」があったり「航海者養成学校」があったりしますので、そこは全社的な意識で、それぞれにプライドを持って取り組んでいます。

編: なるほど、全社的な動きですか。確かにすべて最近の動きですね。

渥美氏: 毎週集まってミーティングをして情報交換を行なっています。チャレンジの仕方は、どれか1タイトルで導入したものを、全体に波及させていくやり方ですね。

藤重氏: 皆でいっぺんにやるよりは、とりあえずどれかのタイトルで試してみて、それで効果が出れば、全部にドカンと入れればいいと思います。そういったところは、4タイトルをもっているコーエーならではの強みだと思います。

編: ありがとうございました。

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□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/
□「ネットエンターテインメントフェスタ2007」のホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/tgs2007/net/
□関連情報
【10月1日】コーエー オンラインゲームプロデューサー特別インタビュー(前編)
興奮冷めやらぬプロデューサー4人に、「信長」から「三國志」まで4タイトルの今後の展望を聞く
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071001/koeiog_1.htm
【9月23日】コーエー、「ネットエンターテインメントフェスタ2007」を開催
プロデューサー総出演のステージイベントが大人気、松原社長もゲスト出演
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070923/tgs_nef.htm

(2007年10月2日)

[Reported by 中村聖司]



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