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★ピックアップ アーケード★

ワールドクラブ チャンピオンフットボール
インターコンチネンタルクラブス 2006-2007

連載【SIDE-A:第2回】

  • ジャンル:スポーツ(サッカーゲーム)
  • 発売元:セガ
  • 操作デバイス:カード移動、戦術ボタン×5、データ表示ボタン、キープレーヤーボタン、シュートボタン、キーパーボタン
  • 構成:サテライト席8席(4サテライト版は4席)+メインモニター、ALLNet対応
  • 料金:1プレイ300円、2プレイ500円、スターターパック1,000円
  • 稼動日:稼動中

【ゲームの内容】

 欧州6カ国、アルゼンチン、ブラジルのトップチームと所属選手が実名で登場するサッカーゲーム。ジョイスティックなどで選手を直接操作するのではなく、フィールド上に“実在する選手のカード”を配置して、それを動かしたり、戦術ボタンで指示を与えながらプレイする。練習と試合を繰り返しながらチーム経験を積み重ねていき、チームを強化してカップ戦での勝利を狙う。試合後には選手カードが1枚排出される。



 「ワールドクラブ チャンピオンフットボール インターコンチネンタルクラブス 2006-2007(以下:WCCF IC 2006-2007)」攻略連載【SIDE-A】第2回目は、本作を始めたばかりの人が頭を悩ませがちな「ディフェンダーの配置とキーパー操作」について、筆者なりに考えているポイントのいくつかを簡単に解説していく。

 「WCCF IC 2006-2007」は、選手のAIプログラムが全面刷新されたためか、演出やゲームバランスに“無理”というか“強引さ”が生じているように感じられる。従来シリーズをやりこんだ目先がきく人は稼働当初すぐに気づいたはずだが、こうした歪みは初心者や不慣れな人に限らず、シリーズを経験してきた人にもある種の戸惑いを与えているような気がする。ブラックボックスの中身を知る人は「そうじゃない」と声を大にして言うだろうが、知らずに触れる側にしてみれば、納得いかない面も多々あるだろう(筆者や石井氏も過去シリーズの経験や状況証拠の積み重ねから推論を導き出しているに過ぎず、当然中身を見たことはない)。

 「勝てないからつまらない、納得できない」は論外として、システム側に振り回される感の強い本作にあって“安定した試合運び”を目指すなら「守備」の基本はどうしても押さえておきたいところ。何をやってもどうにもならないケースのほうが圧倒的に多いかもしれないが、それでも無策でやるよりは断然マシ。実際には「キープレーヤー戦術(KP戦術)」など細かい事柄もからんでくるため、今回はあくまでも“考え方の土台”としてご理解いただければ幸いだ。

※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。


■ ディフェンスの基本は、要所における“1対1”の繰り返し

 今作は「WCCF EC 2005-2006」の反動からか、全体に攻撃偏重の作りが目立つ。KP戦術という新要素が加わったこともあり、ディフェンダーの配置も相手の攻撃布陣に対応させたほうがいい結果につながりやすい。このあたりの感覚は「WCCF 2001-2002」の頃に近いものがある。

 単に人数を割いても、クロス、スルーパス、単独突破で守備網はあっけなく崩壊する。これに関しては、日々プレイしている人こそ身に染みて理解しているだろう。ゆえに筆者の地元や周辺のロケーションでは、センターバック(CB)4枚をフラットに隙間なく配置し、その前にディフェンシブ・ハーフ(DH)1~2人が陣取るスタイルが定着している。個々のディフェンダーの質が高ければ過不足ない配置だけに、そこでディフェンスに対する考察や模索が止まってしまうのかもしれない。

 本作における守備の要点は“1対1”にほぼ集約される。KP戦術を併用すれば、前後半90分を約5分に圧縮したゲームとは思えない雰囲気を演出してくれる本作だが、その土台には(良くも悪くも)シリーズ特有の“アバウトさ”があり、ボールが奪取されるまでのプロセスを整理していくと、途端にシンプルな構造が浮き彫りになる。

 自陣に攻め入ってくるアタッカーに最寄のディフェンダーが詰めていき、可能ならボールを奪う。突破されたら、より近いポジションにいるディフェンダーがカバーリング。他の選手にパスが出た場合、カットできなければパスの出先に即チェックが行なわれる。パスをつないでいくか、単独突破がいいかは、KP戦術を含めた人選と配置次第。守備側は、それに対していかに効率よくチェックにいけるかが鍵になる。極端な話、相手ディフェンダーがゴール前に密集していたとしても、1回放り込みに成功して“チェック”をすりぬけたなら、それで十分ということになる。

 本作の守備AIはかなり親切にできており、たとえピッチ両端にディフェンダーを配置したとしても、よほど足が遅いとか守備意識が低いタイプでもない限りは中央突破をはかる敵アタッカーをきちんとチェックしにいく。目をつぶって選手カードをプレイフィールドにバラ巻いたとしても、ある程度ゲームが成立するくらい丁寧に作られており、逆説的にはこの懇切丁寧さがシリーズ独特のプレイ感覚を生み出している。それっぽく配置して組織的に守っているつもりでも、実際は選手の個人能力頼みだったというケースは珍しくない。誰がどうやってもそれっぽくなるゲームだからこそ、監督たるプレーヤーの意思を明確に反映させてみたい。「WCCF IC 2006-2007」における守備の在り方を考えるのは、そこに至るまでの大切なステップのひとつだ。


■ アタッカーを「正面」からとらえる

 守備の基本は、相手アタッカーを「正面から」何回チェックできるかということ。ボールホルダーに真横あるいは背後からチェックにいくような状況は、無理に追走させると全体の形が崩れてしまうので可能な限り避けたい。平均像としては、自陣に入ってきたところでDHやサイドハーフ(SH)もしくはウイングバック(WB)が1回目のチェック、そこを突破されたら最終ラインのひとりがフォアチェック、突破されたところで最寄のディフェンダーがカバーリングにいく。サイドアタック狙い、もしくはフォワード(FW)がサイドに流れた場合は、そこからクロスに対するキーパー(GK)の飛び出しが1回増える。

 WCCFシリーズをやりこんだ人なら、ゲーム開始時に表示される相手フォーメーションとKP戦術で攻撃ルートがなんとなく推察できるはず。ピンとこない人は、以下の点に注目しておくといいだろう。

  • キープレーヤーは誰か
  • 相手最終ラインでボールを奪われた直後のフィード先
  • センターラインを超えたときのボールホルダーと、そこから先のパスルート
 キープレーヤーは、とても重要なポイント。種類によるが、たとえば「ファンタジーア」、「キングオブフットボール」、「フリーロール」などはキープレーヤー自身にボールが集中する。こういった選手にはマーカーを2枚つけても惜しくない(どころか、むしろ推奨)。ボールが集中しないKP戦術だったとしても、画面右上のレーダーには相手選手カードの動きも反映されるので、KP戦術を切り替える素振りが見えたときは「どのカードが激しく動いていたか」をきちんとチェックしておくことをお忘れなく。

 最終ラインからのフィード先も、ボールが集中しやすいポイント。ただし、敵陣内のボール回しをカットできるのはテクニック値が非常に高い選手に限られており、趣味チームでは「そんな人、誰もいません」というのが大半かと思われる。逆にいえば、敵チームにそういった選手がいるときは、たとえ自陣内のボール回しでも油断はできないということだ。

 センターラインから先は、前述のとおり。DHまたはSH(WB)、最終ラインでフォアチェックとカバーリングの計3回がせいぜいで、チェックの機会を減らさないよう「むやみにプレスを押さない」のが重要となる。自陣内の守備で一番恐ろしいのは、アタッカーのワンアクションにふたり以上のディフェンダーが同時に釣られること。プレスを押しっぱなしにしていると最終ラインが上がってしまい、CBふたりが同時に釣り出された先には広大なスペースが……などということも珍しくない。

 チェックの機会を減らさず正面からとらえるためには、相手の攻撃布陣に対して守備的ミッドフィルダーを何人配置し、さらには最終ラインの高さをどこに設定するかがポイントになる。ここから先は、いくつかのフォーメーションをサンプルにそれぞれ解説していく。

【4バック・フラット型(平均的)】【4バック・フラット型(低め)】
普遍的ながら若干のカード移動でさまざまな状況に対応できる。ただし、この高さでもプレスボタンを多用すると最終ラインの背後を狙われやすい。SHは守備的もしくはよほどテクニック値が高くないとボール奪取は期待できない 左右に大きく開いたウィンガーや、DF背後を狙うスルーパスに対応しやすい。難点はバイタルエリアとペナルティエリア内の接触プレイが増えること。後述するキーパーの飛び出しも重要。表裏一体の利点としては、相手を引き込むぶんカウンターが狙いやすくプレスを多用する相手には効果テキメン。DHは文字どおり“生命線”に等しく、確実に計算できる(マケレレのような選手が理想だが、それに匹敵もしくは同タイプの)頼れる選手に任せたい。上画像最右のようにDHをふたりにすると、一見安定感はあるものの、DH同士がお互いをカバーしあうような動きはWCCFにおいて間に合わないため微妙。ただし(実質含め)4トップなど攻撃に人数を割いてくる相手には効果的

【4バック(凹凸)】
 CBの人選によっては、トップ下などくさびのボールに対してふたりが同時に釣られてしまうケースがある。ボールを瞬時にはたくタイプの選手にくさびが入ると、ダイレクトプレイで即ゴールマウスをこじあけられてしまう。こうした厄介ごとを防ぐため、ふたり同時に釣られないよう前後に選手カードの位置をずらし、先にチェックにいかせるCBを決めておく手段が有効。ストッパー、カバーリングとCBふたりの資質が完全に異なるなら、無理にギャップを作らないほうがいいケースもある。また、交代枠を使い切った状況で、CBふたりのうちスタミナがより減っているほうを下側に置くという手もある。スタミナが減るとパフォーマンスに影響するため、元気なほうに試合終了まで負担が大きい役割を担ってもらうのだ

【4バック(SBを高めに配置)】
 試合の流れがディフォルメで表現されるWCCFでは、攻撃的SBは“労多くして功少なし”。効率を突き詰めるとアタッカーは3人で済んでしまうため、SBを攻撃参加させて数的優位を作るメリットが薄い。「それでもSBを攻撃参加させたい!」という人は、ピッチをワイドに使った配置とカバーリング系KP戦術の組み合わせがおすすめ。各ゾーンを突破された後のカバーリングがきちんと行なわれるため、中央・サイドともに大きな破綻がない。攻撃と守備のバランスを取るときは、戦術ボタンサイドは攻撃時のみ点灯し、ボールが奪われたらすぐに消灯。いずれにせよ、冒頭で述べたようにハイリスク・ローリターンにつき初心者や不慣れな人は止めたほうが無難。今期の京都サンガF.C.のようにCBを4人並べたほうが安定するというのが現実だ



■ キーパーの飛び出し ~能動的に“流れ”に抗える唯一の守備~

 「WCCF IC 2006-2007」におけるGKは、選手カードごとに微妙な差こそあれ、レア、スペシャル、ノーマルで失点率に相当な違いが出る。ブッフォン、カシージャス、ツェホなどに代表されるトップクラスのGKは、4~60メートル級のロングシュートはもちろん、ミドル、至近距離からのダイレクトなど、すべての面において突出したセービングを見せる(セーザルのように「逆になぜ!?」といったGKもいるが……)。

 その一方で、レギュラーカードのGKは総じてセービング率が悪く、苦し紛れの適当極まりないロングやミドルシュートが「乾いた笑いさえ起きなくなるほど」入ってしまう。そのザルっぷりは、ロングシュートを多用する某CPUチームが嫌がらせのために存在しているかと思えるほどだ。レギュラーカードのGKにも素晴らしいセービングを見せる選手はいるが、それは極一部に過ぎず、当然ながらレアやスペシャルのそれとは明確に一線が引かれている。

 個人能力を★5つにすれば何とかなるレギュラーカードのGKもいるが、それまでの失点率を考えたら、大半のプレーヤーにとって一部レアやスペシャル以外は「存在していないに等しい」状況だ。同様に、旧シリーズの一部選手カードで、FWにも関わらず(ペナルティエリア内も含め)どれだけシュートを打っても人為的ミス以外でトップクラスのGKからゴールが奪えそうにない選手がいる。FWも大概だが、他のポジションとGKでは同じ失敗でも結果に対する重みが異なる点をかんがみると、なぜここまで差をつけたのか正直理解しがたい。

 話が若干それたが、初心者や不慣れな人に対しては、いくら趣味チームといえどもGKだけは能力重視で選んだほうが無難とだけお伝えしておく。これからご紹介するGKの飛び出しや配置などで多少カバーできるが、決定的な差は抗うべくもない。GKとは“ミスが失点に直結する”重要なポジションなのだ。

 GKの飛び出しは、極端な能力格差が生じた「WCCF IC 2006-2007」のなかで、唯一趣味チームでも計算できる「能動的な守備アプローチ」だ。個人能力(★)やテクニック値が低いときはファンブルすることも少なからずあるが、そうでなければ「きっちりボールを押さえられる」GKの飛び出し以上に頼れる守備はない(というか、頼らざるをえない)。

 GKによる飛び出しを狙うのは、大別するとふたつのケースがある。ひとつは、コーナーキックやクロスに対する飛び出し。もうひとつは、ペナルティエリア内へのドリブル突破やスルーパスに対して、だ。前者は、クロスが上がると同時にGKボタンを押しっぱなしにする。第1回で述べたように、1回ボタンをポンと押しただけではダメ。GKが飛び出すのはGKボタンを押している間だけで、ボールをキャッチする瞬間までひたすら押し続ける。たまに押し続けてもGKが飛び出さないことがあるが、これは運が悪かった(!?)と思ってあきらめるほかない。

 飛び出す際、もっとも重要なのは“タイミング”。ドリブル突破の場合は“ドリブルの間隔”にあわせて飛び出す。あとドリブル1回でシュートレンジに入るという間合いで、ドリブラーがボールを蹴り出す瞬間にGKボタンを押し続ける。タイミングが合っていれば、次にドリブラーがボールに触れる瞬間に押さえることができる。スルーパスやアーリークロスは、パサーがペナルティエリアめがけてボールを蹴り込んだ瞬間に飛び出す。飛び出しが遅いGKでも、タイミングさえ間違わなければ十分期待できる。

 初心者や不慣れな人に注意して欲しいのは、飛び出しを読まれた際のミドルシュートと、サイドアタッカーによるカットイン。スピードが速い選手ほど有効なGKの飛び出しだが、読まれると手前からのミドルシュートでアッサリ失点してしまう。サイドアタッカーのカットインは、クロスを上げずそのまま突っ込んできたとき、フライングで飛び出してしまいがち。シュートやクロスを上げるモーションをGKボタンでキャンセルするプレーヤーもいるため、FWがサイドに流れたときやSH・WGによるサイド攻撃は「じっくり見て“瞬時”に判断」してほしい。WGタイプの選手は切り込むときのドリブル間隔が大きいため、ほんの一瞬待ってからでも間に合うことが多い。

 唯一厄介なのは、ドリブル間隔が異様に短いメッシの存在。これに関しては、こちらが飛び出す前に早めにシュートを打ってくれるよう願うか、ディフェンダーのフィジカルコンタクトにタイミングをあわせてヤケッパチで飛び出すしかない。どちらにしても運を天に任せていることに変わりはないのだが……。

趣味チームのGK飛び出しは「最終ラインは突破されるもの」と考えるのが基本。悲しいけど。それはさておき、上画像・最左はアタッカーと味方DFがもみ合っている最中。状況によっては「あぁ、これたぶん突破されるな」と予想がつくので(詳しくは次回)、GKボタンを準備。グィッと抜けてきた瞬間にあわせて一気に飛び出す。うまくいけばドリブル間隔をうまく利用してキャッチできるが、もみ合っている最中に相手がシュートボタンを連打するタイプだと厄介。その場合はフィジカルコンタクトを確認した瞬間に飛び出さないと間に合わない

【3バック+スイーパーまたはフォアリベロ】
GKの飛び出し無くしては成り立たないフォーメーション。趣味チームの人選で1対1が計算できないときや、一部壊れカードの単独突破や下衆なロングシュートに精神的に疲弊したときに筆者が多用する。ミッドフィルダーや両端のCBで相手の攻撃的ミッドフィルダーをマークしやすい。難点は両端CBの背後にポッカリあいたスペースで、相手が3トップだと涙も出ない。そんなときは両端CBを位置調節して中央のCBをフォアリベロにする



■ 無理をせず、自分が一番楽しいと思うプレイスタイルを追及しよう

 ひとくちに趣味チームといっても、そのバリエーションはさまざま。遊び方は誰かに強制されるものではなく、当然していいものでもない。筆者のように根性が3周くらいひん曲がったプレーヤーは別として、それ以外の人はあくまでも本記事を参考程度にとどめ、それぞれが一番楽しいと感じるプレイスタイルを追及していただきたい。

 次回以降は攻撃面やKP戦術について少しずつ触れていく予定だが、その合間に1回だけ、筆者と石井氏のあいだで見解が一致している事柄について合同記事をお届けするかもしれない。基本部分については石井氏にまとめていただき、筆者が趣味チーム的な見地から多少補足するといった形なるかと思われる。変則的ではあるが、あらかじめご了承いただければ幸いだ。

※次回【SIDE-B:第2回】掲載は10月17日の予定です。


(C)SEGA
The game is made by Sega in association with Panini.

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□「WORLD CLUB Champion Football」のページ
http://www.wccf.jp/
□関連情報
【9月12日】ピックアップ アーケード「WCCF IC 2006-2007【SIDE-B 第1回】
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080912/wccfb.htm
【9月5日】ピックアップ アーケード「WCCF IC 2006-2007【SIDE-A 第1回】
http://watch.impress.co.jp/docs/20080905/wccf.htm
【6月19日】セガ、シリーズ初のフルモデルチェンジ版。AC「WCCF IC 2006-2007」稼動開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080619/wccf.htm

(2008年10月3日)

[Reported by 北村孝和]



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