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★ピックアップ アーケード★

ワールドクラブ チャンピオンフットボール
インターコンチネンタルクラブス 2006-2007

連載【SIDE-A:第1回】

  • ジャンル:スポーツ(サッカーゲーム)
  • 発売元:セガ
  • 操作デバイス:カード移動、戦術ボタン×5、データ表示ボタン、キープレーヤーボタン、シュートボタン、キーパーボタン
  • 構成:サテライト席8席+メインモニター、ALLNet対応
  • 料金:1プレイ300円、2プレイ500円、スターターパック1,000円
  • 稼動日:稼動中

【ゲームの内容】

 欧州6カ国、アルゼンチン、ブラジルのトップチームと所属選手が実名で登場するサッカーゲーム。ジョイスティックなどで選手を直接操作するのではなく、フィールド上に“実在する選手のカード”を配置して、それを動かしたり、戦術ボタンで指示を与えながらプレイする。練習と試合を繰り返しながらチーム経験を積み重ねていき、チームを強化してカップ戦での勝利を狙う。試合後には選手カードが1枚排出される。



8サテライト筐体のイメージ。4サテライトバージョンが9月より稼動開始予定
 6月19日より「ワールドクラブ チャンピオンフットボール(WCCF)」シリーズ最新作「ワールドクラブ チャンピオンフットボール インターコンチネンタルクラブス 2006-2007(以下:WCCF IC 2006-2007)」が全国で順次稼動を開始した。9月からは4サテライトバージョンも出荷され、より多くの人が最新作をプレイできる環境が整いつつある。

 フルモデルチェンジの新作だけに「うちの地元でもやっとプレイできる!」と首を長くして待っていたWCCFファンも少なくないはず。そこで本日より(9月~10月は大きなイベントが複数あるため、やや不定期という形をとらせていただくが)細く長いスパンで連載記事をお届けしたい。今回は初回ということもあり、まずはゲームの基本システムをご紹介していく。

 「WCCF EC 2004-2005」以来となる本連載だが、これまで同様に趣味チーム向けの内容を筆者(SIDE-A)が、ガチンコ攻略スタイルを石井ぜんじ氏(SIDE-B)がそれぞれ担当する。テーマにより一部ネタが重複することもあるかもしれないが、そこは普段から「だって、これがこうなるじゃん? だからアレがそうなって……(筆者)」、「えー、そうかぁ? だったら(石井)」などと、それこそ“ガチンコ”で言い合いをする両者につき、見解までダブることは滅多にない。

 逆説的には、海と山くらい感覚が異なる両者の見解が完全に一致しているものに関しては、それ相応に信頼していただければ……という話でもあるのだが、とにもかくにも“見解の差”が読者諸氏にとって何らかのヒントになる可能性も十二分にある。ロジカルな部分まで突き詰めて考えているWCCFファンは、そのあたりも参考(?)にしていただければ幸いだ。

※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。


■ まずはスターターパックを購入

 前述のとおり、「SIDE-A」第1回目はWCCFシリーズに始めて触れる人向けに手順をひとつずつ説明していく。まずは、プレイに最低限必要なアイテム「ICカード」、「選手カード」を揃えること。筐体のすぐ近くにカードベンダー(自動販売機)があるので、いちから始める人は“スターターパック”を購入しよう。

 スターターパックの中身は、ゲームの流れやプレイ方法を記した「説明書」、監督や選手などさまざまなデータを記録する「ICカード(クラブチームカード)」1枚、「選手カード」11枚、選手カードを傷から保護するための「カードスリーブ」11枚が入っている。

 ICカードは、最大100試合(戦績が良いと任期延長で最大150試合)まで使用が可能。任期が終了したICカードは、ゲーム開始時に同じくカードベンダーで販売されているICカード(1枚500円)と重ねて挿入すれば、新しいICカードに戦績や監督レベルなどのデータが継承できる。毎回新規でプレイしてもいいが、データを継承することで有利になる面も多々ある。「戦績が振るわなかったICカードなんて継承したくない」という人もいるだろうが、趣味サイドの立場としては、そういう寂しい考えは捨てて“人生とサッカーはままならないもの”として前向きに継続性を楽しんでいただきたい。

 なお、1チームに登録できる選手カードの上限は最大16枚まで。スターターパックは11枚しか選手カードが入っていないため、最初からベンチの控え選手を揃えておくためにスターターパックを2セット買うという手もある。ちょっと贅沢な方法だが、今回は試合中だけでなく練習中にも選手が怪我をするケースがあり、控え選手の不在は致命傷となりかねない。不安を感じる人は、スターターパックを2セット購入するか、もしくは既にプレイしている友人や知人から選手カードを譲ってもらうといいだろう。


■ ハウスルールを確認してからゲーム開始

 準備ができたら、早速サテライト席に座って……といいたいところだが、その前にまずはプレイする店舗の「ハウスルール」を確認すること。今はそれほどでもないようだが、混雑している店舗では“順番待ち”が発生することがある。整理券、順番カード、予約ノートなど、順番待ちにはさまざまな方法があり、1回あたりのプレイ上限もクレジット数、時間、無制限など店舗ごとに異なるのが常。わからないときは、素直に近くにいる店員さんに確認しよう。

 着席後は、選手カードをプレイフィールドに配置して、ICカードを筐体右側のスロット(手前の下段。奥にあるスロットは1プレイごとに選手カードが排出される場所)に差し込む。その後コインを入れてスタートボタンを押す。このとき、もしハウスルールがあるなら決められたぶんのクレジットをすべて入れておくこと。


■ 新規ICカード ~監督ライセンスを登録する~

 新規ICカードで始めるときは、まず「監督ライセンスの登録」が必要。監督名は12文字以内で、プレイ中に実況される読み方やアクセントも別に設定できる。生年月日を設定したら、以後は2度と変更不可能。任期終了後にICカードを更新する際、監督ライセンスは自動的に継承される。

 チーム名や所属選手などはICカードを更新するたびに変えられるが「監督ライセンス」は、いわば「プレーヤーの分身」のようなもので、ICカードを継承する限り2度と変えられない。ゆえに「しまった、つい悪ふざけでしょーもないことを……」などと後悔しないものを選んだほうがいいことは言うまでもない。

【監督ライセンス】
その場のノリや悪ふざけで決めると後悔しかねない。決定を押すときも入力に間違いがないかきちんと確認しよう



■ 監督契約

 監督ライセンスに続いては、指揮を執るクラブチームと契約する。といっても難しいことは何もなく「チームのホームタウン」を選んだら「チーム名」と「チームの読み仮名(アクセント)」を決定し、あとは「ユニフォームデザイン」、「エンブレム」をひとつずつ組み合わせていくだけ。最後に手持ちの選手カードをフィールドに配置して登録すればオーケーだ。

 監督ライセンスと違い、チーム名やユニフォームなどはICカードを更新して監督契約を結びなおすたびに変更できる。選手カードは(有利不利という点からは、基本的にやらないほうがいいのだが)任期中も登録メンバーの変更が随時可能。「チームのホームタウン」に関しては、好成績を収めたときに表示される「監督就任要請(オファー)」に応えて任期途中で監督を辞任すると、次のICカード更新時はオファー先のホームタウンに固定される。

【監督契約】
こちらは新規チーム立ち上げ時に毎回行なう。更新前のICカードで一定条件を満たしていれば、新規ICカードには出てこないユニフォームやエンブレムのデザインが選べるようになる


チームと選手カードのレギュレーション

 選手カード登録時に表示される画面下の「TOTAL POINTS」と「REGULATION」は、前者が登録した選手カードの能力値総計で、後者がチームの「レギュレーション」を表している。レギュレーションには「R」、「5」、「5R」、「F」の4種類があり、「R」は所属する全選手がレギュラーカード、「5(通称U-5)」はそのうちレアカードが5枚まで含まれる、「5R」はレアカード5枚のほかにスペシャルカードが含まれている、「F」はフリーの略でレアカードが6枚以上ということ。

 選手カードには、選手の能力、知名度などを(あくまでもゲーム的に)総合評価したレギュレーションが設定されている。白い枠は「レギュラー(通称:白)」、黒ければ「スペシャル(SP、同:黒)」、箔押しされていれば「レア(同:キラ)」となっており、レギュラーカードよりもスペシャル、スペシャルよりもレアがそれぞれ上位にくる。一般のTCG同様、レギュラーよりもスペシャルやレアのほうが能力が高いカードが多く、排出率もレギュラー、スペシャル、レアの順に低く設定されている。このほかにも、選手の全盛期を表現したレギュレーション「レジェンド」やメモリアル的なカード「キング・オブ・レジェンド」も存在するが、これらは基本的にレアと同様に扱われる。

 「WCCF IC 2006-2007」は前作に存在した「エリアチャンピオンシップ」などの大会モードがないため、チームのレギュレーションは単なる枠組み以外の意味をもたない。ただし、スペシャルやレアを多く含むチームは積極的に賞金を稼がないと「財政危機」に陥りチーム全員のモチベーションが下がってしまうことがあるため、安定したチーム運営を行なううえでの目安にはなる。とはいえ、スターターパックにはレギュラーカードしか入っていないため、最初は「U-5」や「5R」あたりを上限に考えてプレイすれば、財政難に陥ることはまずないはずだ。

【レギュラー】
もっとも排出率が高いレギュレーション。16人というゲーム的な人数制限や知名度など諸条件で決定されるため「この人が!?」というケースもままある

【スペシャル】
能力、知名度、チーム内の重鎮などを考慮したレギュレーション。総じて能力に秀でた選手が多い。排出率はレギュラーよりも低め

【レア】
ネーミングのとおり極めて排出率が低いレギュレーションで、シーズン最優秀選手の「EMVP」、「WMVP」は滅多に引けないレア中のレア。下のレジェンドなども含めると全11カテゴリが用意されている

【レジェンド(レア)】【キング・オブ・レジェンド(レア)】
選手の全盛期を表現したレギュレーション。ただし「WCCF 2002-2003」でレジェンド版が排出された「エドウィン・ファン・デル・サール」のように、以前のシーズンが全盛期とされながらそれを上回る能力評価で選手カードが再登場することもあり、現役であれば活躍次第で同様のケースが発生する可能性はある 誰もが「あーぁ、ついにやっちゃった」と思った選手カード。現代サッカーでも王として君臨できるか?



■ チュートリアル ~初プレイ時はスキップせずチェック!~

 継承なしの新規ICカードでプレイする際は、監督ライセンスや監督契約が終了すると、まず「操作説明(チュートリアル)」が表示される。状況ごとにボタンの使い方や選手カードの動かし方を簡単に教えてくれるもので、図解もあり見た目にもわかりやすいものになっている。

 旧バージョンからの継承、もしくは継承なしの新規ICカードプレイ時に表示されるが「もう知っているよ」という人はスタートボタンで「操作説明」をスキップできる。「遊びながら覚えるからいいや」という人もいるだろうが、「WCCF」シリーズは基本操作をきちんと把握しなかったばかりに「本来やらなくていい操作を必死になってやり続ける」人が多々見受けられる。プレスボタン連打などは典型的な例だが(おまじないのつもりなら、別に諌める理由もないが)、そうならないためにも初めてプレイする人は「操作説明」をきちんとチェックしておくことをおすすめする。

 ここで唯一気をつけていただきたいのは「キーパーボタン」の説明。チュートリアルだとボタンを1回押すだけで勝手に飛び出していくように受け取られかねないが、実際にはボタンを押し続けている間のみ飛び出し、離すと元のポジションに戻っていく。今回は詳しく触れないが、キーパーの飛び出しとそのタイミングは本バージョンにおいて重要なテクニックとなっている。じっと構えるとき、飛び出すとき。その見極めが勝敗をわけることも珍しくない。

【チュートリアル】
初めてプレイするときはスキップせず目を通しておくことをオススメする。キーパーボタンの操作だけは要注意。一度飛び出すと決めたらキーパーボタンを押し続けよう



■ チームマネージメント ~時間切れに注意~

 試合が始まる前、監督たるプレーヤーはチームマネージメントを行なう。基本的には「グラウンド」、「ミーティングルーム」、「ラウンジ」で選手を鍛えるとともに新密度向上をはかり、怪我や疲労を「メディカルルーム」で回復させることに時間の大半を費やす。やることが多いため最初はすぐ時間切れになって「なんだよこれ!」とお怒りになるかもしれず、初めてプレイする人は項目別に目を通したうえで、最後の「チームマネージメント手順 ~筆者の場合~」を参考にしていただければ幸いだ。

 まずは、物凄く基本的なことだが「ゲームを始めるタイミングに注意」すること。試合が始まる少し前にICカードとコインを入れてゲームを開始すると、当然ながらチームマネージメント時間が短くなってしまう。センターモニターや周囲のサテライト画面を確認して、チームマネージメント画面の右下にある「カウントダウン」が始まっていたら、慌てるのではなく「その次の試合から」プレイすべき。普通にプレイしていても、試合終了後の状況によっては各種インフォメーションの連続表示で物理的に時間が足りなくなることもあり(これは心底改善して欲しいと思う)、ここであせる必要はまったくない。

 「グラウンド」の練習は、チームの総合力を高めていくメニュー。練習項目には以下の6種類があり、点灯させた戦術ボタンとメニューの組み合わせで戦力グラフの各パラメータが少しずつ向上していく。シュート~競り合いまでは、各項目が画面左上にあるチーム戦力グラフの各項目それぞれに対応している。組織プレイは「選手間の連携」、個人プレイは「選手の個人能力」、紅白戦は「選手の特殊能力」をそれぞれ伸ばす練習メニュー。戦力グラフの伸びはわずかだが、そのぶん「選手の個(と個のつながり)」を鍛える重要なメニューだ。

    【シュート】 …… 守備を崩してシュートチャンスを作る練習
    【ディフェンス】 …… 守備のバランスを保ちゴールを守る練習
    【パス】 …… パスをつないでゲームを組み立てる練習
    【プレス】 …… プレスをかけて積極的にボールを奪う練習
    【速攻】 …… より速い攻撃と素早い攻守切り替えの練習
    【競り合い】 …… 空中戦や激しい当たりなどパワープレイの練習
    【組織プレイ】 …… 選手が組織的に連動する練習
    【個人プレイ】 …… 選手ごとの個性を活かす練習
    【紅白戦】 …… 実戦形式の練習によって総合的にチーム力を高める
 前バージョンまで「全体練習」は一度決定ボタンを押せばそれっきりだったが、今回から開始と終了時間をプレーヤーが決めるシステムに変更された。選手のスタミナは、カードに記載された数値のほかに年齢なども考慮されているようで、単純に表面的な値だけでは評価できない(旧カードで、若くてパワフルな選手だったはずなのに、スタミナだけが数値をはるかに下回る印象を覚えるカードもチラホラ見受けられる)。ベテランやスーパーサブで活躍していた選手たちが(より一層)起用しづらくなったのは大変残念だが、いちユーザーとしてはどうしようもなく、ここでは「初めてプレイするなら、なるべくスタミナが豊富な選手を」としかいえない。

 練習時間は、当然長いほど高い成果が得られる。ただし、あまりに長時間やり続けると「練習中の怪我」や「オーバーワーク」が発生して、練習の成果がまともに得られないばかりか全員のモチベーションが大幅にダウン(オーバーワーク時のみ)してしまう。練習中の怪我に関しては、筆者の経験上「現実に怪我がちだった選手」、「モチベーションが低い選手」ほど発生しやすいように感じられる。起用選手にもよるが、ハードな練習は相応のリスクを伴うことを覚悟しておこう。

 全体練習に関しては、試合に勝利したり、トーナメントやレギュラーリーグで優勝すると、次のチームマネージメントが行なわれる際に「各国のコーチ」が全体練習をサポートしてくれることがある。日本、イタリア、スペインなど、コーチの出自国によって戦力グラフが伸びる方向はまちまちだが、通常の全体練習よりも効率がいいため、状況が許すなら積極的に活用したい。

 なお、全体練習を行なう際は後述する「キープレーヤー」の設定に注意されたい。練習を行なう直前、そのメニューに適したキープレーヤーを設定しておくと、開始直後にキープレーヤーが“輝く”ことがある。組み合わせがあっていれば必ず発生するわけではないが、これにはきちんとした意味があるようだ。なんとなく察しのついている人も多いだろうが、筆者もまだ100パーセント言い切れるだけのデータが蓄積できていないため、このあたりは後日改めて研究成果をご報告できればと考えている。

【全体練習(グラウンド)】
戦力グラフを伸ばしてチームの総合力を鍛える。組織プレイの成果は「連携データ」、個人プレイは「個人能力」、紅白戦は「特殊能力」にもそれぞれ影響する


 全体練習が終わった後「グラウンド」を選択すると、選手を呼び出して個人に練習メニューを与えることが可能。やりかたは、呼び出したい選手カードをこするだけ。選択肢が表示され、正しいものを選ぶとモチベーションと「個人能力」がアップし、失敗するとモチベーションがダウン。☆(星)が増えない場合でも、経験値のようなものが蓄積されているようだ。

 個人練習で選手を呼び出せる回数(コマンド)は、「ミーティングルーム」、「ラウンジ」、「メディカルルーム」、「コミュニケーション(監督室内)」を含め、全体で3回まで。ここで全部を費やしてしまうと、「監督室」のデータ確認以外することが何もなくなってしまう。今なにが必要なのか。チームマネージメント時間は限られているため、時には素早い判断力も必要とされる。

【個人練習(グラウンド)】
全体練習を終えたあとに再び「グラウンド」を選択するので、最初はちょっとわかりづらいかも。選択肢に成功すれば個人能力を伸ばすことができる


 「ミーティングルーム」は、選手たちに評価を伝えて信頼を得ると同時に「特殊能力」をアップさせる効果がある。表示された選択肢から正しいものを選ぶと同時にモチベーションアップ。失敗すると選手から反感を買いモチベーションダウンとなる。選手たちが座っている椅子の位置は“監督との信頼度”をあらわしており、後ろにいくほど疎遠で、前にいくほど厚いことを意味する。

 選手たち全員とぶ厚い信頼関係を築く必要はないが、その逆は常に注意したほうがいい。選手にはそれぞれ性格が設定されており「スタメンで出場できない」、「起用方法に納得できない」、「キープレーヤーを任せてくれない」など、さまざまな理由で不満を体内に蓄積させていく。不満が一定レベルに達すると「ミーティングルーム」を選択した途端、こちらが何もしていないのに急に席を立ちクレームをつけてくる(ご丁寧なことにコマンドが1回分消費される)うえに、さらに悪化すると「不満を爆発」させて練習をボイコットしてしまう。こうなるともうお手上げで、プレーヤーはほとぼりが冷めるのを待つしかない。ボイコット中でも試合には出場してもらえるが、まともなパフォーマンスは期待できない。

 「特殊能力」は、試合中にキープレーヤーを設定した際に発揮される“スキル”のようなもの。個人もしくは全体に影響を与えるなど、その種類は多種多様。キープレーヤーは「WCCF IC 2006-2007」の目玉といっても過言ではなく、詳細については今後の連載記事でも折々で触れていく予定。ここではまず“チーム戦術の軸となる要素”として捉えていただければ結構だ。

【ミーティング】
ミーティングの結果は本人だけではなく周囲の選手にも影響を与えるという。こまめにミーティングを開き不満を察してやれば問題はないようだが……?


 「ラウンジ」は、選手ふたりを呼び出して連携を強化させるメニュー。選択肢に正解するとモチベーションアップとともに両者間の連携が深まる。連携データの閲覧もできるため、まず最初にデータを確認して「ここが弱いから強化しよう」などとプランを練ることもできる。ただし(しつこいようだが)前述のようにチームマネージメントの時間が限られていることをお忘れなく。

【ラウンジ】
選手間の連携はとても大切。要所は早めに一定以上のレベルに熟成させておきたい。今回は国籍や同一所属チーム間で連携がつながりやすくなったため、それを踏まえた“○×縛り”チームが雨後のタケノコのように発生している


 「メディカルルーム」は、怪我やスタミナを回復させるメニュー。本作は、練習や試合などで積み重なった選手の疲労が次のゲームに持ち越されてしまう。試合で控え選手を積極活用して疲労を低減させる手もあるが、全部で16人ゆえに限度があり、どこかでリセットをかける必要がある。「全体練習」で「休息を与える」のが一番手っ取り早く効果的だが、疲労が一部だけに集中しているときは、メディカルルームで個々に休息を与えたほうがいい。ただし「休息を与える」と異なり、必ず成功するとは限らないのが難点(これは怪我からの回復なども同様)。なお、メディカルルームは著しくモチベーションがダウンした選手の回復にも有効だ。

【メディカルルーム】
モチベーションは比較的楽だが、練習や試合中の怪我はなかなか治癒しない。いずれにせよ回復の手段が用意されているのはとてもありがたい


 監督室は、チームメンバーの再登録、選手・連携、監督データの閲覧、監督辞任などが行なえる。これらのメニューはいつでも選べるが、呼び出した選手にキャプテン、キッカー(FK、CK、PK)といった役割を与える「コミュニケーション」は最大3回のコマンド制限にひっかかる。他のコマンドに比べると重要度は低いが、フリーキッカーなどキープレーヤーと関わってくる場合は忘れないうちに実行しておくといい。


■ チームマネージメント ~筆者の手順~

 チームマネージメントに関しては「細かいことが多すぎて、よくわからん!」という人も少なくないかと思われるので、ここでは筆者が普段行なっている手順を実例としてご紹介したい。念のためいっておくと“これが絶対と”いうわけではなく、やり方は人それぞれだ

 まず、ゲーム開始と同時に画面右上で選手全員のモチベーションをチェック。真っ黒(絶不調)の選手がいたら、即座に「メディカルルーム」に呼び出して治療する。コンディション最悪の選手が3人以上いたら「休息を与える」を考慮。ただし、前ターンはもちろん、その少し前でも休息を行なっていた記憶があれば、やはりメディカルルームを優先する。

 メディカルルームの治療(3択)は、一番左側を選択。これで失敗したら中央を選択。たいていの場合は、これで好調まで一気に回復させられる。中央が失敗したときは、再び左を選択。右は稀に成功することもあるが、筆者の経験上かなり分が悪い。コマンドを3回使い切ってしまうのは痛いが、少なくとも不調までは戻すことができる。絶不調がふたり以上いるときは、メディカルルームではなく「ミーティングルーム」を実質的なコンディション回復に使うことが多い。1段階しか回復しないが、経験上こちらのほうが選択肢によるミスが圧倒的に少ない。評価の仕方は選手の性格や直前の状態によって変わるため、ここでは触れない。

 このあと、すぐに全体練習を敢行。何度も同じメニューを続けると練習効率が落ちるように感じられるため、メニューは毎回替えている。練習負荷は、チームコンセプト(脳内妄想ともいう)次第。脳内のフィジカルコーチが命じるままに、それがスパルタ派なら怪我人が出ないことを祈りつつ選手たちをスタミナ切れ寸前まで追い込む。なぜ最初に絶不調の選手をチェックするかといえば、全体練習で生じる怪我のリスクを少しでも減らしたいからだ。経験則だが、絶不調~不調の選手は怪我をしやすいように感じられる。元々怪我をしやすい選手なら、なおさらだ。

 全体練習を終えたら、1~3回分のコマンドで選手を個別に指導していく。筆者は個人能力を優先するタイプだが、このあたりは本当に人それぞれだろう。連携向上は全体練習とフレンドリーマッチを活用することが多く、ラウンジの利用率は他の人に比べると相当低いかと思われる。どれくらい低いかといえば、とある人に「本当にそんなので大丈夫なんすか?」と真顔で突っ込まれたことがあるほどだ。ただし、チームコンセプト次第で利用頻度が劇的に増えることもあるため、これは「少なくても大丈夫」というわけではない。

 これらをサッサと行なうと、短いはずのチームマネージメント時間が結構余る。足りなくなるのはカップ戦の優勝後にオファーやら何やらのインフォメーションが殺到したときくらいで、それ以外で待ち時間に困ったことはない。繰り返しになるが「これが正しいやり方」ではなく、時間を有効に使ったアプローチは色々考えられるはず。あくまでも参考程度に、自分なりのチームマネージメント手順を身につけていただきたい。


■ 試合の流れ ~今回は“対人戦”が頻発~

 今作の試合スケジュールは、以下の流れで進行していく。枠内が水色のカップ戦は誰でも参加できるが、緑色は参加するために一定条件を満たす必要がある。これらのうち「W4タイトルホルダーズカップ」、「キングスクラブカップ」、「チャンピオンズトロフィー」、「ジャパントロフィー」、「コンチネンタルカップ」、「コンチネンタルスーパーカップ」は優勝すると出場権がなくなる。センターモニターで試合スケジュールが確認できないときは、誰もプレイしていないサテライトのデータボタンを押せば直近の3試合分が確認できる。

 新規ICカードで立ち上げたチームは、まず最初にレギュラーリーグ2部に所属する。1シーズン全7試合を戦い、1~2位でフィニッシュするとレギュラーリーグ1部に昇格。1部も1シーズン全7試合は同様だが、7~8位で終わると2部に降格させられてしまう。なお、各カップ戦の出場条件を満たしていないもしくは途中敗退したチームは、自動的に「フレンドリーマッチ」となり、カップ戦の裏で他サテライトの不参加チームやCPUとマッチングされる。

 「フレンドリーマッチ」は非公式の試合という扱いのため監督年俸は変動しないが、そのぶん「練習試合」として選手の能力を向上させるチャンス。ただし、フレンドリーマッチで高い練習効果を得るには、たとえ格上相手でも勝たなければならない。敗北から得られる教訓も多々あるはずだが、こと「WCCF」シリーズにおいては、常に勝者が高い練習効果を得て、敗者はほとんど何も得られないという「正と負の極端なスパイラル」が恒常化している。100戦近くこなしたチームと立ち上げたばかりのチームが互角の戦いで引き分けても、後者はボロクソにいわれるだけで何も得られないという「いかにも」な仕様は、そろそろ改善されてもいいと思うのだが……。

 話題がそれたが、今回は執拗なまでに対人戦のマッチングが行なわれる。仮にサテライトにふたりのプレーヤーがいたとしたら、レギュラーリーグ(同一カテゴリの場合)、フレンドリーマッチ、カップ戦と3連続で同じプレーヤーとマッチングされる可能性がある。これらはチームの成長具合などお構いなしで、それこそ任期を延長しまくったチームと立ち上げたばかりのチームでも平然とマッチングされる。初めてプレイする人は理不尽に思われるかもしれないが、恐らくはネットワーク対戦を前提に放置されたままの仕様と推察され、ゆえに今は「こういうものだ」と納得するしかない。慣れないうちは負けが先行するかもしれないが、戦績など目先の結果に惑わされず、まずは“自分なりのサッカー”を追及していただきたい。

名称(出場条件)試合数
プレシーズンカップ
(条件:なし)
3試合
レギュラーリーグ2試合
W4タイトルホルダーズカップ
(W4をのぞくタイトルのいずれかで優勝)
4試合
レギュラーリーグ2試合
キングスクラブカップ
(条件:なし)
3試合
ナショナルスーパーカップ
(キングスクラブカップ優勝)
1試合
レギュラーリーグ2試合
チャンピオンズトロフィー
(レギュラーリーグ1部で4位以内達成)
5試合
ジャパントロフィー
(チャンピオンズトロフィー優勝)
1試合
レギュラーリーグ2試合
エンタープライズカップ
(条件:なし)
3試合
レギュラーリーグ2試合
コンチネンタルカップ
(レギュラーリーグ1部で6位以内達成)
3試合
コンチネンタルスーパーカップ
(コンチネンタルカップ優勝)
1試合
レギュラーリーグ2試合
インターナショナルコンチネンタルカップ
(獲得賞金10億円以上:2サイクルに1回)
5試合
レギュラーリーグ2試合



■ 試合開始! ~戦術やプレスなど“ボタン操作がどう反映するか”を感じ取ろう~

 初めてプレイする人は、フォーメーションや選手配置をころころ変えたりせず、まずは戦術ボタンによる指示の違いやプレスボタンの効果を少しずつ覚えていくといい。それで感覚をつかんだら、同じメンバーで異なるフォーメーションを試したり、同じポジションで異なるタイプの選手を起用してみる。多少似通っていても、起用する選手や配置で展開がガラリと変わる楽しさは「WCCF」シリーズならでは。思い通りいかなくても「どうやったら上手くいくか」試行錯誤する過程が、これまた楽しいものだ。

 色々と操作にクセの多かった「WCCF」シリーズだが、今作は選手たちが戦術ボタンの指示に忠実な展開を心がけてくれる。逆説的にいえば、戦術ボタンなどを押しっぱなしにすると「ほぼ同じことを延々と繰り返す」ことになりかねない。たとえば、4バックなどでサイド攻撃を点灯させっぱなしにすれば、味方サイドバックが常にオーバーラップを敢行し、その後方は相手にとって格好の反撃スペースとなる。個人能力のゴリ押しで打開できる選手構成なら話は別だが、そうでなければ味方のポジションとスペースを考えつつ一歩先を読んで戦術ボタンを選択したほうが攻防の入れ替わりに対して反応しやすくなる。

 常時点灯は、プレスボタンについても同様だ。いまだに「ボール奪取ボタン」と信じて疑わない人たちがいるが、プレスボタンはボールホルダーに迅速な寄せを行なわせるためのもので、間近に味方がいれば無点灯でもきちんとボールを取りにいってくれる。優秀なパサーを擁したチームに対するプレス常時点灯は“葱と札束を背負った鴨”も同然で、吸い寄せられた守備陣をあざ笑うかのようなキラーパスで守備網はいとも簡単に崩壊する。プレスボタンのON・OFFを意識しているのに単純なスルーパスで崩されるときは、基本となるディフェンダー配置“ゾーン”の在りかたをチェックしてみるといい(水際立った連携と圧倒的な個人能力で一方的に踏み潰されるケースは、もうどうしようもないが……)。

 キーパーボタンは前述のとおり。シュートボタンは“早め”に押すのがコツ。ネットワーク対戦を前提に作られているためか、今作はシュートボタンを押しても即座に反応してくれず、さらには何度も押したはずなのに無反応のままアタッカーがキーパーに突っ込んでいく姿を頻繁に見かける。ペナルティエリア直前でボールを横に出してしまうケースもあるが、これはボールホルダーの特徴や周囲のスペースとアタッキングエリアの味方ポジション、さらには設定中のキープレーヤーを踏まえて素早く判断したい。

選手たちは戦術ボタンの指示に忠実。キープレーヤー次第で「お任せプレイ」に近い状態も作れるが、忠実なぶん一歩先を読んだアクションゲームライクな操作を実践したほうが本作をより楽しめる気がする



■ 年々趣味チーム派に厳しくなるゲームバランス ~初めての人ほど無理をしないほうが吉~

 「WCCF EC 2004-2005」以来、「WCCF」シリーズは選手能力の個人差がより顕著になった。前作「WCCF EC 2005-2006」は、いわゆる“ジョーカーの叩きつけあい”を具現化したようなバランスで、良くも悪くも「最もバランスが取れたバージョン」に仕上がっていた。セリエAバージョンの最終形かと思うほどディフェンダーの働きに無駄がなく、選りすぐりの選手たちがぶつかりあえば、結果はどちらに転ぶかわからない。逆説的には、選手の個人能力を抜きにまともな対戦は成立せず、その流れは「WCCF IC 2006-2007」でも基本的に変わらない。

 シリーズ初体験でスターターパックから始めた人の多くは、他プレーヤーの大半が「あれ、自分が持っている選手カードと、ちょっと違う?」など、色々な差異や共通性に気づいたのではないだろうか。彼らの多くは(仮にもネット媒体でこんなことを書くのもどうかと思うが)ファンサイトで「効率的な連携の組み合わせ」を熟知しており、起用する選手も連携から選りすぐられたトップクラス。国やオリジナルチームといった構成が極端に多いのは、国やチームが同じだと選手間の連携がよりつながりやすくなるからだ。

 開発チームは「ゲーム性に幅を、深みを」と考えてさまざまな要素を追加し振幅や奥行きを持たせるが、受け取る側のユーザーの大半は「対戦ツール」である以上“もっとも効率がいいもの”しか選ばない。仮に90と100というチョイスがあったとしても、それは選択肢たりえない。わずかな差でも100がいいのは決まりきったことで、バリエーションを持たせたつもりが、結果としてゲーム性を狭める罠に自らはまるケースは珍しくない。気づかないのか、あえて目を瞑っているのかは筆者には諮りかねる。ただ、おとぎ話の「舌切り雀」ではないが、目の前に大小のつづらがあったら「普通は大きいほうを選ぶよね」というだけの話だ(理想をいえば、中身の価値を推し量ったとき“最終的にどっちがいい?”と悩んで結論がでないくらいが丁度いいのかな、とも思う)。

 毎度同じことばかり書いて恐縮だが、筆者はこれを「悪」といいたいわけではない。個人的に快く思っていないのは事実だが、それは私的な価値観に限った話。対戦ツールである以上勝利を目指すのは当然だし、それは趣味チームでも同じこと。ゲームに限らず、シーズン中のスタジアム観戦でも、酷い内容ながら「まぁ、勝てたからよしとするか」と帰路につくこともある。だが、そこで改めて思うのは、すべては“サッカーの質が伴ってこそ”ということ。筆者の地元は人心が荒んでおり、バランス調整のミスを突いたファンブル狙いのロングシュートを連発してくる輩が少なくない。酷いケースになると、最初から最後まで50m級の“ロンシュー”ばかり打ってくる。日々こんな連中とマッチングされていれば、仮にも“サッカーゲーム”なんだから、少しは内容や質にも目を向けてくれと愚痴のひとつもいいたくなる。

 ロンシュー、連携縛り、組織的な守備を考えるのが馬鹿らしくなるような一部の壊れレア。ここで同じ穴のムジナになるか、それとも「でもやっぱり自分なりのサッカーを体現して遊んでみたい」と考えるか。「SIDE-A」が想定しているのは後者だが、さりとて今回から初プレイという人が「負けてつまんないからやーめた」となられても困るため、最初は無理をしないことを強くおすすめする。レギュラー選手カード主体でも、俗にいう「強い選手カード」をメインで起用すればそれなりに戦えるし、そもそもレギュレーションなど考慮しなくてもいい。連携に関してはどの過去シリーズよりも重要度が高まっており、もはや無視するのが不自然とさえいえる状況だ。繰り返しになるが、そういった選手の起用に引け目を感じる必要などまったくないわけで、筆者のように“アンチ巨人”的な自己満足を優先させるのでもなければ、厳しいところはきちんと補強したほうがいい。

 今作は「キープレーヤー」を使いわけることで、従来シリーズにない展開が楽しめるようになった。まだすべてを試したわけではないが「こんな動かれ方をされると、ちょっと……」というキープレーヤーも存在するなど、攻守にわたる使いわけはもちろん「ニッチだが侮れない活用法」の模索も楽しめるかと思われる。僭越ながら、少しでも読者諸氏のお役に立てる記事が御届けれできれば、と頑張ってみる次第だ。


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□セガのホームページ
http://sega.jp/
□「WORLD CLUB Champion Football」のページ
http://www.wccf.jp/
□関連情報
【6月19日】セガ、シリーズ初のフルモデルチェンジ版。AC「WCCF IC 2006-2007」稼動開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080619/wccf.htm

(2008年9月5日)

[Reported by 北村孝和]



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