|
冒頭の挨拶に立ったのは、9月1日より同社代表取締役会長兼社長となった柿原康晴氏。先日、株式会社スクウェア・エニックスが同社に対して株式の友好的公開買付け(TOB)を提案した件について何らかのアナウンスが期待されたが、それらに関しては一切触れられなかった。 柿原氏は「2006年度に策定した中期経営計画の5カ年計画の中間地点。これを踏襲していきたい。新規ユーザー層の拡充、内制外制に関わらずタイトルの増加をはかっていきたい。テクモの強みは、技術力、企画力、それらを総合した開発力、すなわちディベロッパーとしての実力と世界的なブランド力。これをさらに高めていくことをテーマに今後ともやっていきたい」とコメント。
同社が擁する開発チーム「Team NINJA」は、7月1日付で長谷川仁氏が部長に就任。現在、長谷川氏を中心に早矢仕プロデューサーなどチーム全体が一丸となってアクションゲーム3タイトルを開発しているといい、さらには6月5日発売されたXbox 360「NINJA GAIDEN 2」の全世界累計出荷本数が100万本を突破したことも明らかにされた。ここから先は、会場で発表された新作3タイトルを順次ご紹介していく。
■ DS「DS西村京太郎サスペンス2 新探偵シリーズ『金沢・函館・極寒の峡谷 復讐の影』」
ゲームモードは、サスペンスが堪能できる「長編」、ディープな推理問題が手軽に楽しめる「短編」のふたつ。長編では、私立探偵「新 一新(あらた いっしん)」とパートナーの「京 明日香(きょう あすか)」が、北国で連続殺人事件の解決にあたる。 長編は、「おなじみのキャラクタ」、グルメ・温泉、交通機関など「サスペンスらしい世界観」、「タッチペンによる直感操作」、次はどこに行けばいいか教えてくれる移動アイコンに代表される「ガイド機能」など、初心者でも楽しめる親切設計が特徴。経由地いらずで行きたい場所にすぐ移動できる「ダイレクト移動」、表示テキストをさかのぼって閲覧できる「過去ログ機能」、自分で難易度を調節できる「ガイド機能のオン・オフ」など数々の新機能を搭載。明日香の過去、ライバル探偵、演出など、シナリオ面でもさらなる充実がはかられている。
短編は、1問10分程度で楽しめる“推理問題集”といったところ。前作は丸付け、選択、なぞり、時刻表、数字、道筋といった全6種類の系統問題、爆弾魔「ブリジット」シリーズなど全5種の特殊問題をあわせ合計50問が用意されていたが、今作は配置、科捜研といった新系統2種類が加わり、特殊問題は内容が一新され、全6種類・各5段階の難易度に挑戦できるようになった。問題数は合計100問におよぶ。11月13日発売予定で、価格は3,990円。本日よりオープンした公式サイトには、Web体験版コーナーも開設されている。
プロデューサーの設楽氏によれば「前作は本当に幅広い層から支持された。返送されたアンケートハガキには『すぐに続編を出して欲しい』という意見が本当に多かった」という。設楽氏は先生宅をすぐに訪れ続編の話をしたところ、先生は即快諾。雑談の際「南国はサスペンスとしてやりにくい」と語った先生。「だいたい、犯人は北に逃げるんですよ」というコメントに、会場から大きな笑いが巻き起こる。
本シリーズといえば、お助けキャラ「京太郎くん」がすでに欠かせない。先生もことのほかお気に入りで「2頭身なのがいいですねぇ。(動き)あれも好きなんです」とのこと。「小説にも登場させてみては?」という質問に「殺すほうか、殺されるほうか……自殺するとかね」と、これまたおちゃめな返事。3日後の9月6日に誕生日を迎えられるということで、ステージ下手からテクモサポーターがお祝いの花束とケーキを持参。今年で78歳になる先生は、執筆前にステーキで腹ごしらえをするなど、実に若々しい限り。「あと5年くらい大丈夫ですよ(笑)」とおっしゃる元気な先生。シリーズの今後にも期待大だ。
(C)2008 Kyotaro Nishimura. All rights reserved. (C)TECMO,LTD.2008
■ DS「ノスタルジオの風」
舞台は19世紀末のもうひとつの地球。飛空船技術が発達し、誰もが新しい世界を目指していた大冒険時代。行方不明の父親を追うエディ。父親を知る謎の少女フィオナとの出会いと、彼女を狙う秘密結社の野望を打ち砕くため、実在の都市や遺跡をモチーフにした世界各国を飛び回る。さまざまな困難を乗り越えつつ、少年達は大人へと成長していく。 本作の特徴は“飛空船”で、単なる移動手段ではなく、探索、戦闘などさまざまな局面で活躍。空賊やモンスターと戦うため船には武装が施されており、突撃用ブレード、長距離砲、小回りの効くガンなどを搭載。街でアイテムを購入したり、遺跡で設計図を入手するなどして飛空船の強化やカスタマイズも可能。 キャラクタと世界のビジュアルコンセプトデザインを手がけるのは、クリエイターの辻野芳輝氏。飛空船のデザインは、主人公が乗るマーベリック号を辻野芳輝氏が、敵飛空船を草彅琢仁氏がそれぞれ担当。敵キャラクタのデザインは雨宮慶太氏と、著名クリエイターが多数参加している。
企画は株式会社レッド・エンタテインメント、開発は株式会社マトリックスがそれぞれ担当。11月6日発売予定で、価格は5,800円。予約者には特典として設定資料集とオリジナルサウンドトラックCDが先着でプレゼントされる。東京ゲームショウ2008にも出展されるといい、RPGファンは要注目だ。
(C)2008 TECMO,LTD. / RED ■ Wii「アルゴスの戦士 マッスルインパクト」
古代ヨーロッパを舞台にした重厚なストーリーと爽快感あふれるアクション。Wiiリモコンを伝説の武器「ディスカーマー」に見立てて敵を攻撃。簡単な操作で豪快なアクションが楽しめるという。今回はストーリーモード以外にも、純粋に強さを競い合う「マッスルモード」を搭載。伝説の称号“肉体の絶対神”を目指し、全30ステージの制覇を目指す。今回はマッスルモードのデモプレイが披露された。 マッスルモードでは、敵が次から次へと襲い掛かってくる。Wiiリモコンを縦や横に振って敵を攻撃。キーを入れながら縦に振ると、最大威力の攻撃が繰り出せる。デモプレイを見る限りでは、敵の数が多いときは広範囲をまとめて攻撃できる横振り、ダメージ重視のときは縦振りが有効のようだ。
高橋氏によれば「タイトル発表からかなり時間がたってしまったが、調整が終わってついに発売になる。もう間もなく発売されます! 詳細は東京ゲームショウ2008の会場で発表したい。プレイアブル出展も行ないます」とコメント。爽快感あふれるアクションが楽しみたい人は、東京ゲームショウの同社ブースに足を運ぶしかないだろう。
(C)TECMO,LTD.2008
□テクモのホームページ (2008年9月3日) [Reported by 豊臣和孝]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|