【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

★オンラインゲームファーストインプレッション★

アイテムを装備できる“パネルデッキ”を搭載
“ボムワザ”も駆使して戦略で敵を倒せ!

「ボンバーマンオンライン Japan」



 1985年、「ボンバーマン」シリーズの第1作目「ボンバーマン」がハドソンから発売された。爆弾を置いて相手プレーヤーを爆風に巻き込んで倒すというシンプルなルールで、20年以上経過した現在でも新たな作品が作られており、様々なハードを通して世界45カ国以上で楽しまれている人気シリーズだ。

 以前、ハドソンは自社で「ボンバーマンオンライン」を運営していたが、そちらは月額課金制となっていた。今回、ショックウェーブと組んで改めてサービスする「ボンバーマンオンライン Japan」は、「ボンバーマンオンライン」の改良版ではなく、アイテム課金を前提に作り直された作品である。

 本作は、既存の「ボンバーマン」シリーズのベースのシステムを踏襲した上で、“パネルデッキ”、“ボムワザ”、“スーパーみそボン”の3つの新システムにより、今までにない戦略と、幅広く自由な遊び方で楽しめる作品となっている。現在行なわれているオープンβテストでは、登場するアイテム数が限られているが、正式サービスと同時にアイテム数も増える予定だという。

 8月27日に掲載した開発・運営陣へのインタビューでは、本作を作ることになった経緯や意気込み、タイトルに“Japan”が取り入れられた理由等も語られているので、興味のある方はこちらもご覧いただきたい。



■ “パネルデッキ”システムで、対戦前にアイテムを装備

パネルデッキでアイテムを装備する画面。火力は初期値で1のため、火力アップはなるべく装備しておきたい
 本作では、爆弾を置いて相手を倒す「ボンバーマン」シリーズにおける基本的なシステムと、対戦型というゲーム性を受け継ぎながら、新たに3つの特徴を加えている。まず1つ目の特徴は“パネルデッキ”。これはショップで購入したアイテムを装備してから対戦できるシステム。装備アイテムを購入するには、対戦で取得できるBPと呼ばれるポイントか、リアルマネーで購入するCPと呼ばれるポイントが必要になる。CPアイテムは正式サービス開始時より販売される。

 BPで購入できるアイテムでは、火力アップの「ファイアーアップ+1」が2,000BP、爆弾を蹴って転がせる「ボムキック」が7,800BPで販売されている。1度の試合では約1,000BP程度取得できるうえ、10,000BPを最初から所持している。アイテムは対戦中に何度でも使用可能だが、使用回数が決められているため、対戦を開始すると残り使用回数が1回分減る。ほとんどのアイテムは使用回数が10回となっており、10戦するとなくなる仕組みだ。

 パネルデッキ用のアイテムにはコスト制が導入されている。初期キャラクタの装備可能コストは7と設定されており、アイテムのほうは「ファイアーアップ+1」はコスト2、「ボムキック」はコスト3、爆弾を3マス吹っ飛ばす「パンチ」はコスト4と、それぞれ異なるコストが設定されている。例えば、「パンチ」と「ボムキック」を装備すると合計コストは7となり、他には何も装備できなくなる。

 ちなみに対戦全般において、「ボムキック」か「パンチ」のどちらかを装備していないと満足に戦えなかった。マップによっては「ボムキック」や「パンチ」などのアイテムが対戦中に取得できる場合もあるが、それらの装備がない場合は、爆弾に挟まれて身動きが取れなくなった際に逃げる術がないからだ。「ボムキック」と「パンチ」は比較的高額なアイテムではあるが、使用しているプレーヤーは多かった。

【スクリーンショット】
これは基本の火力アップ「ファイアーアップ+1」。1作目からおなじみのマークだ 「パンチ」は使い勝手がいい分、コストは4と少々高めだが効果も絶大 最初に置いた爆弾の火力が最大になる「パワーボム」。「プロレスじゃありませんから」と書かれている




■ 華麗な“ボムワザ”で、相手を妨害せよ!

「ライトニングブレード」のボムワザは、龍が上昇していき、他のプレーヤーに襲い掛かる
 2つ目の特徴は“ボムワザ”。これは対戦中、時間経過や爆破によって溜まるゲージが満タン状態のときに使用できる特殊攻撃だ。また事前にボムウェポンの装備が必要となる。ボムワザを発動すると画面が暗転し、装備しているボムウェポンに応じた効果が発動する。

 例えば、ボムウェポン「ライトニングブレード」のボムワザを使用すると、他のプレーヤーの頭上に円形のマークが出現し、一定時間キャラクタを追尾した後、その位置に雷が落ちる。雷が直撃すれば倒され、さらにその近辺にいると痺れたようになって一定時間行動不能になる。この技が怖いのは2戦目の対戦開始時で、発動されると逃げ道が少ないため、一斉に倒されてしまうこともあった。

 またボムウェポン「ピッポコハンマー」のボムワザは、同様に円形のマークが出現し、一定時間後にハンマーが打ち下ろされる。当たった相手は混乱し、一定時間方向キーの移動方向が入れ替わる。上に移動したくても下に移動してしまったりして、焦って自分から爆風に飛び込んでしまうこともある、あなどれないボムワザだ。

 また、発動したキャラクタは一定時間無敵になるため、サドンデス時に爆弾を画面内に大量に設置し、爆発寸前にボムワザを発動して自分は無敵状態となり、爆風で相手を倒すという使い方も面白かった。

【スクリーンショット】
“ボムワザ”のエフェクトはフィールドのあちこちに発生するものもあり、「ボンバーマン」シリーズでは過去にないほど派手。「ピッポコハンマー」では、可愛いウサギも登場する




■ 見た目は滑稽な“スーパーみそボン”。プレーヤーを倒せば復活もできる凶悪なシステム

自分を倒したプレーヤーに対し、スーパーみそボンで復讐!
 3つ目の特徴は“スーパーみそボン”。「ボンバーマン」シリーズの“みそボン”といえば、倒されたあとに画面外から爆弾を投げ込めるもの。しかし他のプレーヤーに対する妨害効果は弱く、倒された後の暇つぶしのようなものだった。それが本作では、自らが1つの爆弾となり、マップ内を自由に歩き回って邪魔できるようになった。さらに自らの爆風で他のプレーヤーを倒すと、元のキャラクタとして復活可能で、倒されたプレーヤーを救済するステムとなっている。

 キーを押すとその場に留まり、一定時間で爆発する。爆発が終われば、また移動できる。爆弾状態になると普通の爆弾と同じ扱いになるため、壁の間に他のプレーヤーを閉じ込めたりもできる。ただ移動は遅いので、そうやすやすとは倒させてもらえない。

 狭いマップでの多人数戦は乱戦になりやすかったが、それはそれで騒ぎながらプレイできて面白い要素であった。なお、残り時間1分を切るとみそボンは消滅してしまうため、それまでに頑張って他のプレーヤーを倒して復活を狙いたい。



■ パネルデッキシステムを活用し、オリジナルコンボを作り出せ!

中央下のアイテムは絶好の罠ポイント、爆弾は2個重ねて置くと「ボムキック」を装備した相手に効果的だ
デンジャラスボムは範囲が広いため、「ボムキック」と合わせると使い勝手がよい
障害物がなくなった場合では「パンチ」や「ボムキック」が重要となってくる。装備していなければ単調な攻撃しかできない
 本作の特徴として、ゲーム中に獲得できるアイテムが少ないことが挙げられる。先述したパンチやボムキックといった、対戦におけるキーアイテムは出現しないマップが多い。だからこそ、パネルデッキで持ち込んだアイテムによるコンボというのは非常に重要になる。また何のアイテムが出るマップかを把握した上で、どのアイテムを持ち込むかを考える必要もあり、今までの「ボンバーマン」シリーズになかった戦略性が生まれている。

 例えば、3方向が壁に囲まれた場所のアイテムをわざと放置しておき、他のプレーヤーがとった瞬間に走りこんで爆弾を設置。アイテム欲しさに誘われた相手に対して「かかったなっ!」と叫びたくなるが、実際はがめつい筆者が捕らえられてしまう事の方が多い。ここで対戦前にパネルデッキに「ボムキック」か「パンチ」を装備しておけば、爆弾を蹴り飛ばすか、吹っ飛ばすかして抜け出せる。これは、回避のためのパネルデッキの使用法だ。

 次は攻撃用のパネルデッキの使い方だ。まずは「デンジャラスボム」と「ボムキック」のコンボ。「デンジャラスボム」は3×3のマス目に格子状に爆風が広がる爆弾。通常の爆弾とは違い、斜めにも強い。コンボは、「デンジャラスボム」を設置して爆発ぎりぎりまで待機、相手が近づいてきた時に一気に蹴り飛ばして爆風に巻き込めばいい。相手は蹴り返す暇もなく、斜め方向の爆風で倒せることが多い。

 そして、「パンチ」と「ボムキック」のコンボ。画面端に向けて爆弾を「パンチ」で吹っ飛ばすと、画面逆側から爆弾が出現するという仕組みを利用し、続いて相手に向けて爆弾を2発「ボムキック」で転がす。相手は両側から爆弾が迫ってくるため、障害物を上手く利用して横方向に逃げられない状態で使うと決定的な攻撃となる。自分がその場に留まっている時間が長いため、逆に相手の攻撃も受けやすいが、相手の意表をついた攻撃は効果的だ。

【スクリーンショット】
「パンチ」で右に吹っ飛ばした爆弾が、左側から出現して相手にヒット! あとは「ボムキック」で左へと爆弾を蹴り飛ばせ! 爆弾で相手を挟み撃ちにするコンボで勝利をゲット!




■ 共に勝利を目指すか? 寝首をかくか? 疑心暗鬼で心理戦が面白い「脱獄ごっこ」

 マップには、「ボムキック」で転がした爆弾の向きを変えてしまう矢印マークや、爆弾やキャラクタが飛ばされてしまうシーソー、押した方向によって障害物の場所が変わる回転扉などがあるが、それらを利用した変わった遊び方も考えられる。本作をプレイ中に筆者が面白いと感じ、勝手に命名した遊び方の1つ、障害物を必死に破壊し、最終的に残ったプレーヤーで対決する「脱獄ごっこ」を紹介したいと思う。

 まず、マップはワールド1-3「アイテム争奪レースin海辺の街」を選択し、制限時間を1分30秒、サドンデスは「途中まで埋まる」を選択。みそボンはオフで、「パンチ」、「ボムキック」は装備禁止とし(設定にはないのでルーム名に記すなどして伝える)、参加人数は多ければ多いほうが面白い。このマップの特徴は、横15×縦27と縦長のマップであることと、中央には最大3回爆破しなければ破壊できない障害物があること。

 そして、制限時間は1分30秒のため、30秒経過すれば残り時間は1分間となり、サドンデス状態になる。すると、マップの上と下から順番にブロックが降ってきて、最終的にブロックは中央の横3列を残して全て埋まってしまう。プレーヤーの出現ポイントは中央以外のため、中央を目指して進まなければブロックに押しつぶされてしまうというわけだ。

 マップの上下4カ所には「パワーアップ+1」という、爆弾の威力を上げ、1回で破壊できない障害物を破壊しやすくするアイテムが設置されている。取って中央を目指すか、取らずに中央を目指すかを選ぶのだが、出現した位置と障害物の配置により、判断を間違うと中央までたどり着けずにブロックに巻き込まれて終わるため、時間との勝負になる。

 対戦が開始されると、プレーヤー達は一斉に中央目指して障害物を爆破し始める。しかし、他のプレーヤーも近くにいるため、いつ後ろに爆弾が設置されるかという緊張感を味わいながら爆破を続けなければならない。

 中央にたどり着く前にプレーヤー同士のバトルが始まると、ブロックに巻き込まれて両者共倒れになってしまう。「私は危険人物ではないですよ、安心して中央を目指してください」と言っているかのように振舞っておき、あと少しで中央にたどり着きそうなプレーヤーがいれば、走りこんで爆弾を設置。それで倒されてしまったプレーヤーは、次の試合では疑心暗鬼になって中央を目指せなくなってしまうというように、プレーヤー同士の心理戦にもなってくる。

 こういった遊び方以外にも、装備、マップ、設定を組み合わせることで、様々な遊び方ができると思う。自分なりに面白い遊び方を見つけて楽しんでもらいたい。

【スクリーンショット】
画面右上に見えるのが「パワーアップ+1」アイテム。上に行くか、下向きに中央を目指すか、判断が重要だ 上から迫ってくる黄色いブロックが早いか、中央へたどり着くのが早いか、手に汗握る瞬間だ 最終決戦は中央の横3列の狭い場所だ。制限時間内に決着がつかなければ引き分けとなる




■ 独自システムは好感触。ラグ対策とクライアントの改善が正式サービスへの課題

 オープンβテスト中の本作だが、バグや致命的な問題に遭遇し、まともに対戦できない場面があった。一番の問題は、対戦中に突然、全プレーヤーの動きが止まるというもの。数秒経つと動き出すが、同時に設置されていた爆弾が一斉に爆発して、爆風でやられてしまう。初めは筆者の回線が問題なのかと思ったが、チャットで他のプレーヤーに確認したところ、全員動けなかったそうで、これはサーバー側に問題がありそうだ。正式サービス以降に課金アイテムを装備してこうなると、笑っていられない状況になるだけに、これは早急に改善していただきたい。

 また、長時間プレイしていると、エラーが発生してクライアントが落ちることもあった。推奨環境は満たしているが、ゲーム自体が重く感じられると話しているプレーヤーもおり、そういったプレーヤーは、対戦中にクライアントが落ちる頻度も多かった。クライアントの安定性を高めていくことはもちろんだが、それ以外にもPCの性能が低いプレーヤーにも遊んでもらえるよう、画質やエフェクトを調整できるコンフィグ機能を用意してくれると嬉しい。

 他にも、対戦中に音が鳴らなくなる、爆弾が置けなくなる、みそボンが残り時間1分を過ぎても、マップ内に残ったままになる、といった不具合もあった。こういった不具合でユーザーが減ってしまうのはもったいない。正式サービスまでには何としても修正し、万全の体制で楽しませてもらいたい。

 ただ、そういった不具合が起こらなければ、パネルデッキや、ボムワザなどを使用した対戦は面白い。マップに合わせ、コスト制限を考慮してアイテムを装備し、パネルデッキを駆使したコンボが決まると爽快だ。また対戦設定も豊富で、柔軟な遊び方を提供しているのも魅力といえる。

 「ボンバーマン」はパーティープレイも醍醐味ということで、自宅にPCを2台用意して、知り合いを呼んで遊んでみた。ワイワイ騒ぎながら声をかけあってプレイするのはやはり面白い。音声チャット等の外部ツールを使用して遊んでも面白いだろう。コンシューマ向けの「ボンバーマン」と同様、大いに騒ぎでプレイしてもらいたい。

 今後は、正式サービスが9月10日に予定されており、ここで実装される有料アイテムでゲームがどう変わるのかも気になるところ。またゲーム大会「ボンバーマンワールドカップ2008」も正式サービス開始直後から始まる予定。ベテランプレーヤーが実力を見せつけるのか、若いプレーヤーが経験に関係なく勝利するのか、そういったところも注目して見ていきたい。

(C)HUDSON SOFT, (C)Shockwave Entertainment, Inc.



【必須環境】(オープンβテスト時)
  • OS:Windows XP/Vista
  • CPU:Pentium 4 1.6GHz以上(VistaはPentium 4 1.7Ghz以上)
  • メインメモリ:512MB以上(Vistaは1GB以上)
  • ビデオカード:ビデオメモリ64MB以上(Vistaは128MB以上)
  • HDD:1GB以上の空き容量
【推奨環境】(オープンβテスト時)
  • OS:Windows XP/Vista
  • CPU:Pentium4 2.4GHz以上
  • メインメモリ:512MB以上(Vistaは1GB以上)
  • ビデオカード:ビデオメモリ128MB以上
  • HDD:1GB以上の空き容量


□ハドソンのホームページ
http://www.hudson.co.jp/
□ショックウェーブ エンターテインメントのホームページ
http://www.shockwave.co.jp/
□「55Shock!」のページ
http://www.shockwave.co.jp/55shock/
□「ボンバーマンオンライン Japan」のページ
http://www.bomberman-online.jp/
□関連情報
【8月29日】ショックウェーブ、WIN「ボンバーマンオンライン Japan」
加藤夏希さんへの挑戦権を賭けたランキングバトルを開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080829/boj.htm
【8月27日】ショックウェーブ、WIN「ボンバーマンオンライン Japan」オープンβサービス開始
“正式サービス、即大会”と動く運営・開発陣にインタビュー
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080827/boj.htm
【6月30日】ショックウェーブ、WIN「ボンバーマンオンライン Japan」
オープンβサービスを8月27日より開始。PVも公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080820/boj.htm
【6月30日】ショックウェーブ、オンラインゲームポータル「55Shock!」
7月2日正式オープン。各タイトルのリリーススケジュールを発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080630/55shock.htm
【6月6日】ショックウェーブ、オンラインゲームポータル「55Shock!」発表
広告収入を料金に還元。「オンラインゲームを日本最安値で提供」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080606/sw.htm

(2008年9月3日)

[Reported by 日高文典]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.