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8月27日より オープンβサービス開始
また、ショックウェーブ エンターテインメントのポータルサイト「55Shock!」のプロデューサーを務める岡山博紀氏と、株式会社ハドソンから「ボンバーマンオンライン Japan」事業統括プロデューサーの佐藤昭洋氏、開発プロデューサーの斉藤裕志氏にも同席していただき、今後の展開などについて伺った。 本題に入る前に、これまでの流れをおさらいしておく。「ボンバーマンオンライン」は、以前、ハドソンが自社のポータルサイト「ハドソンキングダム」で運営していたことがある。しかし2007年7月にサイトのサービスを終了し、同時に「ボンバーマンオンライン」もサービスを閉じた。
今回始動した「ボンバーマンオンライン Japan」は、「ボンバーマンオンライン」の改良版ではなく、アイテム課金モデルに合わせて作り直されている。詳細は後述するが、ベースのシステムこそ「ボンバーマン」だが、ゲーム内容は一変している。開発としても明確な違いを出すことを意識しているようで、斉藤氏は、「『ハドソンキングダム』の時は、“普通のボンバーマン”だった。今回はアイテム課金モデルに合わせて、新しいものを作ろうと思った」と語っている。
■ アイテムを装備してゲームスタート! アイテム課金モデルを前提にしたことで、まず1つ、これまでの「ボンバーマン」シリーズにはない斬新な要素が組み込まれた。それが「アイテムを装備する」という概念だ。火力アップ、爆弾所持数、移動スピードといった基本性能から、キックやリモコンなどの能力も、自ら選んで持ち込める。もちろん、プレイ中にブロックを破壊すれば、アイテムが登場する。これを取れば、持ち込んだアイテムに上乗せした能力が得られる仕組みだ。 持ち込めるアイテムの数は、各アイテム、ならびに各キャラクタに設定された「コスト」によって制限される。例えば、あるキャラクタのコストが8で、火力アップがコスト2だとすると、火力アップを装備すると、残りコスト6となる。キャラクタのコストが許す限り、各種アイテムを装備できるという仕組みだ。 使用するキャラクタも複数用意されている。外見が違うだけでなく能力も異なり、火力や爆弾所持数などの初期値と最大値、そしてコストで差がついている。どのキャラクタが強いとはいえず、それぞれのプレイスタイルに合ったものを選ぶことになりそうだ。
アイテムの種類は実に豊富で、置かれた爆風の範囲を視覚的に表示するものや、他のプレーヤーがキックした爆弾をボタン1つで止めてしまうアンチアイテムもある。相手がどんなアイテムを持ち込むかを予想して、それに対抗できるアイテムを持っていくというのも重要になりそうだ。
■ 最大8人同時対戦。マップに合わせた戦略も重要
対戦するマップは、ハードブロック(爆風で壊せない)が等間隔に並んだベーシックなものだけでなく、足元が動くベルトコンベアーや、爆風は通るが歩いて通過できない穴といったギミック、さらにはハードブロックがないものや、最大4画面分の広範囲なものなど多岐にわたる。ステージに合わせた装備アイテムの選択がかなり重要になるという印象だ。 誰かに倒された後も、「みそボン」となってゲームに参加できる。今回の「みそボン」は、名前の通り、自らが動く爆弾になって、まだ生き残っているプレーヤーに攻撃できる。ボタンを押すと自らに点火して動きを止め、一定時間で爆発する。動きはかなり遅く、爆風も小さいが、他のプレーヤーを倒せば復活できるという逆転要素にもなっている。また落ちているコインを拾えばゲーム内通貨を獲得できる。ちなみに「みそボン」は爆弾扱いなので、他のプレーヤーはキックなどで動かせるそうだ。
コアなプレーヤーの中には、アイテムを持ち込まずに、ストイックな対戦を楽しみたいという人もいるだろう。ルール設定には、「アイテム持ち込み禁止」という項目はない。ルーム名に「アイテム装備禁止」などと書いておき、納得した人で集まってプレイするといいだろう。
■ ボムワザで豪快に大逆転! アイテム装備と並び、本作の新要素として目立つのが「ボムワザ」だ。これは爆弾を使わず、全く別の手段で攻撃を仕掛けられるもので、アイテムと同様、好みのボムワザを選んでゲームに参加できる。
ボムワザをいくつか紹介すると、マップに複数の雷を落として直撃した相手を倒せるもの、相手プレーヤーの頭上にハンマーが現われ、一定時間行動不能にするもの(素早く離れれば逃げ切れるようだ)、自分が巨大化して、相手に体当たりしてマップ外に弾き飛ばして倒せるものなどがある。見た目は派手だが、これを使えば勝てるというものではなく、あくまで補助的に使うのがほとんど。もちろん状況に合わせて使えば非常に効果的だ。
■ 無料と有料のアイテムの違いは?
無料・有料のアイテムの違いは、コストの差によってつけられている。例えば、ゲーム内通貨で購入できる火力アップがコスト2だとしたら、有料アイテム版はコスト1といった具合に、低コスト版が提供される。有料アイテムで余ったコスト分だけ、さらに能力を伸ばしたり、別のアイテムを装備して新たな能力を持たせられる。 アイテムには使用回数が設定されており、装備して対戦を重ねるほどに消費されていく。普段は無料のアイテムで遊び、大会など、ここぞという時には有料アイテムを使うといったやり方も可能だ。 有料アイテムには各種アイテムのほか、一定期間コストを増やすなどの補助サービス、服やアクセサリのような外見を変えるアバターアイテムが用意されている。対戦中のキャラクタ表示は小さいものの、対戦待ちのルームはビジュアルロビーになっており、大写しになったキャラクタを操作しながら他のプレーヤーと会話できる。外見で自己主張できる場所にもなっている。
一通りゲームについて紹介したところで、開発・運営陣へのインタビューを紹介しよう。
■ ハドソンとショックウェーブが「上下なしで」共同運営
斉藤裕志氏 : 話を始めたのは去年の9月くらいです。既に開発には手を付け始めていましたが、やはり運営は大事、ポータルは大事だなと。大きなポータルサイトはいくつかありますが、我々としては、がっちり一緒にやってくれる会社さんというのがどうしても欲しいと思っていました。 その時に、「そういうポータルサイトはないですか?」と岡山さんに話をしたところ、何と彼が「実はショックウェーブでポータルサイトをやるんだ」と言うので、それなら一緒にやろうか、ということになりました。ショックウェーブさんにはかなり助けていただいて、ゲームでどういう物を用意して、どう売っていくかといった話もしています。本当に、一緒に開発と運営を進めている感じですね。 ――タイトルとしての開発・運営はハドソンということになるのでしょうか? 斉藤氏 : 開発に関してはそうですが、WEBのランキングやBBS、インフラなどをショックウェーブさんにお願いしています。運営は共同事業ですね。 岡山博紀氏 : 今までは、そういうことをやろうとしたときに、ジョイントベンチャーを作ったりとか、どちらかがライセンスを持ってイニシアチブを取らないと難しい部分がありました。しかし今回は、どちらが上だ下だということはなく、お互いがお互いを尊重し、一緒に考えています。ただ、パート分けは綺麗にできていて、うまくいったと思っています。 斉藤氏 : ハドソンはオンラインゲームに関してはまだまだなところが多いので、オンラインゲームを成功させる上で、うちだけでは絶対にうまくいかないと思っていました。ショックウェーブさんも、オンラインゲームに関してはこれからという部分はありますが、ポータルサイトが強力な集客力を持っています。「ボンバーマン」のユーザー様は、オンラインゲームの中では比較的ライトな人が多いと思いますので、その点でも上手くかみ合うと考えています。 岡山氏 : ショックウェーブのユーザー様は、Flashゲームのようなライトでカジュアルなゲームを、ヘビーに遊ぶ方が結構いらっしゃいます。例えば、ずっと同じパズルゲームを遊んでいて、気がついたら朝だった、ということもよく言われます。MMOなどのゲームではなくて、ライトに遊べるものをやりたいというユーザー様が多いので、「ボンバーマン」のようにブランドがあってルールもわかりやすく、カジュアルなゲームだけれどもヘビーに遊べるという意味で、うちのユーザー様向きだなと感じています。 一般的にはオンラインゲームは障壁が高いので、これをきっかけにオンラインゲームにデビューしてくれれば嬉しい、という気持ちでみんな一致しています。オンラインゲームの市場を広げるという意味でも結構頭を使って、ハドソンさんと一緒にやっています。 ――今後のスケジュールはどういった予定になりますか?
斉藤氏 : 9月10日に正式サービスを開始予定です。この段階で、ゲーム大会の「ボンバーマンワールドカップ2008」でオンライン予選を始める予定です。
■ キャラバンのノウハウを活かし、世界大会を成功させたい
佐藤昭洋氏 : 世界展開を視野に入れているからです。 斉藤氏 : 他の国になった場合は、他の国の名前が付きます。 ――世界展開、世界大会をされるというのは、「55Shock!」でも話されていました。であれば、「Japan」ではなく「ワールド」などにすべきでは? と思いました。 斉藤氏 : 例えば、韓国に持って行くと「Korea」になります。なぜかといえば、世界大会やるときに、国同士で戦いたいからです。オリンピックでは、日本人なら日本選手を応援するじゃないですか。その意識で、俺は「ボンバーマンオンライン Japan」をやっている、相手は「ボンバーマンオンライン Korea」をやっていると。そういう対抗意識を是非燃やしてもらいたいのです。 先々はランキングサーバーは繋げて、韓国のこういう奴が強いらしいよといった話もできるようにしたいと考えています。それで、ChinaJoyやTGSで、みんなの目の前で決勝戦を行なって盛り上がりたい、それを毎年1回やりたいと思ってます。配信国もどんどん増やして、参加する人を何百万、何千万とか増やしていって、そのナンバーワンを決める戦いを是非やりたいなと考えています。だから、「Japan」です。 ――では仮に「ボンバーマンオンライン Korea」ができたとしても、ゲーム内容は共通した物になるということですか? 斉藤氏 : そうですね。基本は同じ物を配信していきます。 ――私は20年ほど前から、スーパーファミコンなどで対戦型のボンバーマンをプレイしています。今回触らせていただいて、色々な新しい要素は増えているものの、爆弾を置いて相手を倒すというところは全然変わっていないことに安心しました。最初からパワーアップしたとしても、劇的にゲーム内容が変わったわけでもありませんし。 斉藤氏 : 「ハドソンキングダム」では、上手い人たちだけのゲームになってしまったので、マッチングに関しては非常にデリケートにやらなくてはと思っています。できるだけ自分と同じレベルの人と対戦していただいて、勝っても負けても面白い展開になるようにしたいですね。 「ボンバーマン」は競技性がとても高いので、勝つ人は絶対勝つというゲームでした。それはボムワザやアイテムの持ち込みによって、緩和はされていると思います。今までは100対0の可能性だったものが、80対20くらいにはなったかなという感じです。勝つ人は勝つというのは「ボンバーマン」としては正しいことなので、それがあった上で、あとはできるだけ実力の近い人とマッチングさせ、常に負け続けて止めてしまうという以前の状態は必ず直したいと思います。 ――ショックウェーブさん側としては、ハドソンさんと協力して今後どういう風にやっていきたいとお考えですか? 岡山氏 : ショックウェーブはこれまで、いつの間にか知られるようになって、いつの間にかユーザー様が一杯いて……という状況でしたから、「ショックウェーブってこうだよね」という説明をできる人が世の中にあまりいない感じでした。ユーザー様に対して「一生懸命サービスしています」というより、「置いてあるので自由に遊んで下さい」という意識の方が強い部分がありました。 ハドソンさんが強いなと思ったのは、キャラバンなどで高橋名人が一生懸命ユーザー様の前に出てイベントをやったりするところです。ショックウェーブも、そういう気持ちを付けていけるよう勉強させていただき、ユーザー様に対して色々なイベントを開きたい思っています。我々が一生懸命に集客して、ハドソンさんが持つユーザーさんに対する気持ちを吸収して、どんどん皆さんに見えやすいショックウェーブにしていくことが、近々の課題だと考えています。 ――タイトル発表と同時に世界大会というのは、正直にいうと「ずいぶん大きな風呂敷を広げたな」と思いました。ですが、確かにハドソンさんはキャラバンなどの大規模なイベントをずっとやられていますし、そこにノウハウはあるんですね。それぞれの得意分野を上手く組み合わせると、こういう大規模な大会も、なるほどと納得できます。 佐藤氏 : あまり外に言っていませんから。聞かれないと言わないような話です(笑)。 ――余談ですが、ハドソンさんとしては、「ボンバーマンオンライン Japan」に続くタイトルの予定はありますか? 斉藤氏 : 内緒です(笑)。まだ「ボンバーマンオンライン Japan」がオープンもしていないので、オープンβをきちんと迎えて、正式サービスを迎えて、大会をしっかりとやりたいと思っています。 ――ではユーザーに向けて、一言メッセージをお願いします。 斉藤氏 : 基本無料で、お金を使わなくても十分戦えるようにもしていますので、まずはとにかく遊んでもらいたいですね。そして、少しでも腕に覚えがあったら、是非大会に参加してください。トップはラスベガス旅行にペアでご招待など、豪華賞品も用意しています。TGS自体も、上位8名の出場選手に関してはご招待という形になります。是非、プレイしてみてください。 ――岡山さんもお願いします。「ボンバーマンオンライン Japan」に限らず、「55Shock!」というポータルサイトについてお聞かせください。 岡山氏 : 「ボンバーマンオンライン Japan」のほかにも、「テトリスオンライン」も一緒にやりましょうと話を進めています。そういう、皆さんがわかりやすい、安心して遊べるゲームを色々取りそろえて、「55Shock!」というポータルからオンラインゲームを遊びたいと思ってもらえるように、サービス側も努力していきたいと思います。まずは「ボンバーマンオンライン Japan」から始めてみませんか? というのが一番のメッセージですね。
――ありがとうございました。
□ショックウェーブ エンターテインメントのホームページ (2008年8月27日) [Reported by 石田賀津男]
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