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会場:秋葉原UDX 4Fホール
「MGO」のジャパントーナメントは、日本全国から参加したプレーヤーが東日本エリアと西日本エリアの2地区に分かれ、10月11日の東京ゲームショウ2008にて行なわれる世界大会への出場権を賭けて争われる大会。8月3日~17日の15日間に渡ってオンライン上で予選が行なわれ、参加した人数は総勢5,367名となるなど大規模な大会となっている。各エリアの決勝大会では、オンライン予選を勝ち抜いてきた、個人戦の代表選手12名とクラン戦の代表4チームの中から日本代表の座を誰が手に入れるか決定される。 今回取材した、東日本エリアの決勝大会では、メインとなるジャパントーナメントのほかにも、開発チームの一員と思われる、謎のリアル鬼教官による「MGO講座」、当日に行なわれた飛び入り参加の大会を勝ち抜いた即席ユーザーチームとゲストチームによるエキシビジョンマッチなど、バラエティに富んだ内容になっていた。
今回は、東日本エリアの決勝大会の観戦を通して感じた、気になるトッププレーヤーの戦闘スタイルや、クラン戦におけるチームワークなどを中心に、本イベントをレポートしていこう。
■ 個人戦 準々決勝――定番のアサルトライフルではなくサブマシンガンが人気
参加者がどのメイン武器を使うかに注目していたが、サブマシンガンが多く、続いてアサルトライフル、ショットガンという順番のようだった。近距離戦が主体となるマップからか、距離による威力減衰をあまり考慮せず、弾数が多く連射時のブレが少ないサブマシンガンを選択しているプレーヤーが多いように見受けられた。 スキルでは、武器系マスタリーに加えて、ファストムーブ、エネミーエクスポージャーといったスキルの使用者が多いようだ。「チーム戦ではないのにエネミーエクスポージャーはどうなの?」と疑問に思うかもしれないが、攻撃中の敵に障害物に隠れられた際に、隠れた敵の動向が把握でき、手榴弾を投げ込んで追撃しやすいといったメリットがある。手負いの敵を確実に仕留めたいなら採用を検討するに値するスキルといえるだろう。
試合のほうは、制限時間の5分を待たずに、99チケットを消費する激しい戦闘の結果、上位の9名が準決勝にコマを進めた。
■ 個人戦 準決勝――アグレッシブに攻撃したプレーヤーが上位進出
スナイパーライフルを持ち出すプレーヤーがいるかと思っていたが、使用者はいないように見受けられた。自分以外の敵がすべて敵となるデスマッチでは、マガジンの装弾数が少ないスナイパーライフルでは継戦能力で劣る、ということなのだろう。
そのほかにも、細道の暗所にマガジンを仕掛けたり、建物に陣取るプレーヤー(いわゆるキャンプ)もいたが、いずれも有効には作用していないように思われた。デスマッチでは敵に倒されないことよりも敵を倒してポイントを稼ぐことが重要。このような狭い場所は、射線が限定されるため敵が通らないと時間を無駄に消費してしまいかねない。かといって多数のプレーヤーが集まると、グレネードを投げ込まれた際に、逃げ場を失っているように見受けられた。それよりは、戦闘が起こっているエリアを見極め、臨機応変に位置を変えながら敵を倒し、ポイントを稼いでいたプレーヤーが上位に食い込んでいたようだ。
■ 個人戦 決勝戦――最後は地力に勝るプレーヤーがキル数を稼ぐ結果に
新しいマップに対する各プレーヤー理解度が試される格好となったが、さすがは決勝まで勝ち上がってきた猛者達。移動先に迷うような仕草もなく戦闘をこなしていた。 また、特筆すべきはそのヘッドショット率の高さ。誰かが倒す度に「シャキーン!」というヘッドショット特有のSEが会場に鳴り響くといっても過言ではないほどヘッドショット率が高く、会場を訪れたギャラリーのほとんどは感嘆のため息とともに試合を見つめていた。
結果、70ポイントを獲得した「POX」選手が優勝、続いて61ポイントの「MOKKORI」選手が準優勝となり、個人戦における東日本エリアの日本代表として世界大会に出場することとなった。
■ クラン戦 準決勝第1試合――当日の話題性という意味では1番だった「SKJ」だが……
ルールは「Urban Ultimatum」でのチームデスマッチ2ラウンドと、「Tomb Tube」での拠点制圧ミッション2ラウンドの計4ラウンド。制限時間は7分、ドレビンポイントありで行なわれた。 チームデスマッチでは、通称赤ビル、白ビルと呼ばれる高所に対して、戦力をどれほど割くかが注目されたが、1ラウンド目、リスポーン地点に近い赤ビルに戦力1~2名配置した「Revolver」に対して、「SKJ」は全員が地上から攻撃を加える構え。結果、戦闘中に地上と赤ビルから攻撃を受けることになった「SKJ」が徐々にチケットを減らしていき、チームデスマッチは「Revolver」の2ラウンド連取となった。 後半戦となる拠点制圧ミッションでは、一転してSKJがいい動きを見せる。鮮やかな速攻で全拠点を占拠して1ラウンド目を制すると、2ラウンド目では、試合中盤に「SKJ」の「Col.Tactics」選手が敵チームの動きを止めるSOP DESTABの設置・発動に成功! そのまま一気に全拠点を占拠して、拠点制圧ミッションは「SKJ」の2連勝となった。
ラウンド数では2対2の同点となった場合は、ポイント数の勝負となる。ポイント集計の結果、532対503ポイントで「Revolver」が辛くも決勝戦に進出することとなった。
■ クラン戦 準決勝第2試合――接戦となったチームデスマッチを連取した「FOXY」が有利に試合を進める
ルールは準決勝第1試合と同様、チームデスマッチは「Urban Ultimatum」での2ラウンドと、「Tomb Tube」での拠点制圧ミッションの2ラウンドで行なわれた。 チームデスマッチの1ラウンド目、序盤は「LOVE and JOY」の「EL MARIACHI」選手が赤ビルを占拠してチケット数で優位に立つが、中盤に「FOXY」の「SOUL EATER 13」選手が赤ビルの奪取に成功、徐々に「FOXY」が挽回していく展開になる。残り1分で62対62のイーブンに追いつくと微差のリードを守り、「FOXY」が1ラウンド目を先取した。2ラウンド目は残り4秒までチケット数がタイとなる接戦となったが、最後に敵を倒した「FOXY」が59対58で辛くも逃げ切り、2ラウンド連取となった。
拠点制圧ミッションでは、両チームともSOP DESTABを次々と購入して相手チームにプレッシャーをかけるものの、設置・発動には至らず一進一退の攻防が続く展開。1ラウンド目の中盤には「FOXY」の残り拠点が1つになる場面もあったものの、全拠点の占拠には至らず徐々に挽回していく。結局、残り約1分の段階で「FOXY」が全拠点の占拠に成功し、決勝進出を決定する。第2ラウンドでは、「LOVE and JOY」が全拠点の占拠に成功して一矢を報いるものの、時すでに遅し。3対1のラウンド数で「FOXY」が決勝に進んだ。
■ クラン戦 決勝戦――逆転に次ぐ逆転を制し、「FOXY」が優勝!
チームデスマッチ1ラウンド目は、徐々にリードを広げた「FOXY」が46対57で先取するものの、「Revolver」も負けてはいない。2ラウンド目では大通りに面した高台の狙撃ポイントに「Revolver/T.O」選手が陣取ると、連続ヘッドショットを決めてリードを広げていく。結果67対46という大差をつけて「Revolver」が勝利し、ラウンド数をイーブンに戻す展開となる。なお、この時点でのポイントは301対226と、「Revolver」が若干リードしている状況だ。 続いて行なわれたキャプチャーミッションでは、序盤は互いのゴールに近いターゲットを設置してグレネードを投げ合う五分五分の状況。しかし中盤に「FOXY」の「White Doll」選手が「Revolver」が運搬中のガーコ奪取に成功すると、「FOXY」側のゴール付近に、2つのターゲットが存在する状況となる。結局そのままターゲットをゴール付近に維持することに成功した「FOXY」が徐々にカウントを減らしていき1ラウンド先取となった。
いよいよ勝負が決する最終ラウンド。2ラウンド連取してラウンド数で勝利したい「FOXY」と、ラウンド数をイーブンにしてポイント勝負に持ち込みたい「Revolver」。序盤に「Revolver」が2つのターゲットを運搬する状況も生まれるが、ゴールに運ぶ前に取り落としてしまう。「FOXY」がガーコをゴールに運び直し、カウント数が振りだしに戻る状況の中、1ラウンド目と同様に「FOXY」が2つのターゲットをゴール付近に運ぶことに成功する。「Revolver」がゴール地点に投げ込む激しいグレネードの嵐に耐えながら、時間をかけて「FOXY」がカウントを0に減らしていき、「FOXY」が2ラウンドを連取した。結果、3対1ラウンドとなり、「FOXY」が世界大会への東日本エリア代表の座を手に入れた。
■ エキシビジョンマッチではアメリカザリガニのお2人が登場 個人戦とクラン戦の決勝戦の直前には、ゲストとしてグラビアアイドルの杏野はるなさん、本大会の公式サポーターでもある、お笑いコンビ・アメリカザリガニの柳原哲也さんと平井善之さんの2人が登場。この3人に助っ人として小島プロダクションのクニベルトとオッキーを加えたゲストチームと、会場で行なわれた飛び入り参加のトーナメントを勝ち抜いた4名の即席ユーザーチームによるエキシビジョンマッチが行なわれた。 結果は操作もおぼつかないアメリカザリガニの2人がゲストチームの足を引っ張る格好で、即席ユーザーチームの圧勝となったが、試合中は軽妙なトークで終始会場の笑いをとっていた。ギャラリーにとっては思いもかけないサプライズゲストとなったようだ。 ■ 表彰式――「やはりチャンピオンは日本代表にとって欲しい」(吉富氏) 表彰式では、「MGO」のプロデューサーである吉富氏と松花氏の2人が登壇。東日本エリアの代表者2名とチームに記念の盾と賞品が贈られた。 なお、前日の30日にマイドームおおさかで行なわれた西日本エリアの代表は、個人戦が+RYU+選手とMARS people選手の2名、クラン戦の優勝チームはRITAとなっている。 この東日本エリアと西日本エリアを合わせて、個人戦4名、クラン戦2チームの日本代表が、10月11日に幕張メッセで行なわれる東京ゲームショウの世界大会に出場する。世界レベルの試合が生で観戦できるまたとないチャンスなので、「MGO」のファンなら忘れずに駆けつけたい。 ■ そのほかのイベント ● リアル鬼教官コーナー 決勝大会の合間に挟まれた休憩時間では、リアル鬼教官によるMGO講座が行なわれ、多くの来場者が熱心に講義に聴き入っていた。 内容も、初心者におすすめの汎用的なスキルの紹介から、初級者から上級者になるために必要となる、効率よくヘッドショットをするために画面のどのあたりを狙うかといった実戦的なもの、より気持ちよくプレイするために覚えておきたいマナーなど、幅広いものとなっていた。 特に麻酔銃に関する講義では、弾そのものに効果があるため距離による威力の減衰は受けにくいものの、弾速が通常の弾よりも遅いため、遠距離では先読みが必要と説明。関係者ならではの詳しい内容に、来場者の多くが関心を示していたようだ。
●衣装貸出&記念撮影コーナー 会場の入り口付近では、実際にかぶることができる段ボール箱やスネークの等身大パネル、「MGO」で使用されているグローブ・ズボンといった衣装はもちろん、モデルガンまでもが用意され、「MGO」のキャラクタになりきって記念撮影できるようになっていた。普段は顔を合わせることのない戦友と、かけがえのない思い出作りをした来場者もいたことだろう。
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□コナミデジタルエンタテインメントのホームページ (2008年9月1日) [Reported by 菅原哲二]
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