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【連載第170回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
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そろそろ替え時? DS Lite用「リチウムイオン充電池」
PSP用グリップ「BLACK FALCON」や電池ボックス付きケースをチェック |
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
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今回はDS Lite用、PSP用と、携帯ゲーム機のグッズを4製品試してみた。DS Lite用では、ある意味最も重要なパーツであるバッテリーパックに注目。これまで任天堂からの部品販売のみだった「リチウムイオン充電池」が店頭販売されていたのを機に、2年弱使い込んだDS Liteのバッテリーパックを交換。新品との劣化具合を比較してみた。
DS Lite用からもうひとつのグッズは、以前、PSP用を紹介した「キズ自己修復フィルム」のDS Lite用を試してみた。タッチペン操作をするだけに、自然にキズや擦り跡が消える保護フィルムは気になるところだ。PSP用グッズからは「MONSTER HUNTING GRIP」の通常版「BLACK FALCON」と、PSP用プロテクトケースに緊急充電用の乾電池ボックスを装着できる「ドッキングチャージャー」を試してみた。
● DS Liteをバッテリー劣化から蘇らせるバッテリーパックが店頭販売
・「リチウムイオン充電池」
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家電量販店で購入した「リチウムイオン充電池」。容量は1,000mAh、電圧は3.7Vとなっている |
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交換するときには、向きを合わせてDS Lite本体にはめこむだけ |
DS Liteをはじめとする携帯ゲーム機、携帯電話、その他諸々の充電式バッテリーを使っている機器は、使い込むとバッテリーが劣化して駆動時間が短くなってしまう。そうした場合、オプションとして販売されている専用の充電池を交換すればいいのだが、DS Liteはこれまで「リチウムイオン充電池」を店頭出荷しておらず、任天堂からの部品販売という形式をとっていた。詳しくは任天堂の公式サイト「部品販売のご案内」をご覧頂きたい。
ところがある日、某大手家電量販店でいつものようにゲームグッズをチェックしていると、この「リチウムイオン充電池」が販売されていた。店員さんに話を伺ってみると、最近、店頭販売が可能になったということだった。購入価格は任天堂からの部品販売価格から送料が省かれた2,000円だった。
研究所で使用しているニンテンドーDS Liteは、発売当日の2006年3月2日に研究所員が購入したもの。それから約2年弱、研究所員の私物として使われつつ、バッテリーグッズを含む様々なグッズの検証にも使われてきた。そのため普通に使用されている以上にバッテリーは劣化しているかと思う。
初期に購入したDS Liteなら研究所で酷使されているほどではないにしろバッテリーが劣化していることが多いだろう。店頭で購入できたことを機に、このリチウムイオン充電池のバッテリーパックを交換する手順、そして2年使い込んだバッテリーと新品のバッテリーの比較を行なっていこう。
「リチウムイオン充電池」のパッケージはとても簡素なもので、バッテリーパックと同サイズの箱に、リチウムイオン充電池とバッテリーパックの取扱い注意が記載された紙が折りたたまれて入っていた。この紙にはリチウムイオン充電池の交換方法などは書かれていないため、まさしく部品販売そのままという印象を受ける。バッテリーパックの容量は、1,000mAh。電圧は3.7Vとなっている。
バッテリーパックの交換はさほど手間はかからない。まず、DS Lite底面右側にあるネジで閉じられているフタを外す。中にはバッテリーパックが装着されているので、突起に指なりをかけて引っ張り出す。このツメは小さめなので、できれば細いマイナスドライバーなどを使ったほうが安全だ。あとは新品のバッテリーパックを装着し、フタを閉じるだけ。これでバッテリーは新品に蘇る。
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径の小さいプラスドライバーが必要になるが、交換手順自体はとても簡単。底面のフタを開け、古いバッテリーを取り出し交換する。交換後は日付や時間の初期設定も消えているので、そこから設定していく |
バッテリーパックの劣化はどれほど変化するのか。2年弱使われてきたバッテリーの連続駆動時間と、新品のバッテリーの連続駆動時間を測ってみた。テストはそれぞれのバッテリーをフル充電し、ピクトチャットに入室させて電源が自然に切れるまでを測定した。
【バッテリーの連続稼働時間】 |
バッテリー(交換前) | 4時間3分 |
バッテリー(交換後) | 4時間58分 |
約1時間近いこの差が、2年弱使い込んで起きた劣化というわけだ。発売当初に購入したDS Liteなら、研究所のものほどではないにしろバッテリーの劣化が感じられるようになっていると思う。大手家電量販店でバッテリーパックを購入できたのは嬉しいところだ。ただ、特殊な部品販売ではあるので、取り扱っているかどうかなど詳しくは店頭にお問い合わせ頂きたい。
● キズを自己修復する不思議な保護フィルムのDS Lite用が発売
・「DS Lite用キズ自己修復フィルム」
メーカー:ニチガン(製造元:サンクレスト)
購入価格:740円
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液晶画面用、タッチパネル用それぞれ1枚ずつ保護フィルムが封入されている。取扱い説明も丁寧に書かれているが、クリーニングクロスが付属しないのが少し残念 |
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保護フィルムの両面にはタブ付きのフィルムが貼られていて扱いやすい |
当連載第153回で紹介した、ちょっと不思議な液晶保護フィルムと同じコンセプトでDS Lite用が登場した。このフィルムの特徴は、製品名にもある「自己修復」だ。以前紹介したのはPSP用だったが、DS Liteはご存じのようにタッチペンを使って画面を操作するゆえ、キズを自己修復するという特徴に、より期待しつつ検証してみた。
パッケージには、液晶画面用とタッチパネル用の保護フィルムが各1枚ずつ封入されている。上画面用のフィルムは反射防止・防汚加工層、反射防止・帯電防止層、ハードコート層、PET層、シリコン粘着層の5層でできている。また、下画面用のフィルムは、自己修復加工層、PET層、シリコン粘着層という3層の構造だ。
フィルムは上下とも少し堅めの感触。堅めのフィルムはホコリが入ってしまうと大きく浮いてしまうので、できるかぎりキレイに貼りつけたい。ホコリが舞わないよう、水気のあるお風呂場などで貼るのがオススメだ。接着面はシリコン素材が使われており、ベタつきが少なく、貼り直しがしやすい。
上下のフィルムともに透明度は高く、貼り付け後の画面の色味はほぼ変わらず、特に不満は感じない。また、タッチパネルに保護フィルムを貼ると、タッチペン操作への影響が気になってくるのだが、そちらに関しても問題は感じられなかった。液晶画面用が5層なのに対し、タッチパネル用が3層になっているのは、タッチペン操作への影響を配慮しているのかもしれない。
保護フィルムを貼った下画面用にタッチペンを走らせてみると、何も貼っていない状態に比べ、タッチペンの滑りが少しひっかかるようになった。ペン先を滑らせているときはあまり変化を感じないが、力を抜いたときにぴたっと止まるビニール質な感触があって、軽い摩擦力を感じる。この感触は操作に支障があるというほどではないが、好みが分かれそうな特徴だ。
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貼り付け後の画面。左は全体に保護フィルムを貼った写真、右は半分だけに貼って色味の変化などを見てもらうための写真だ。全体に大きな変化はなく透明度が高い |
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キズの「自己修復」を試すべく、100円玉でタッチパネルを擦る。ところがあまりキズ自体が付かず、うっかり力が入ってしまった! |
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写真の左半分はキズをつけた直後のもの、右半分は翌日だ。大きなキズは消えてはいないが、薄く変化している。また、周辺の擦り跡なども自然に消えた |
さて、PSP用の保護フィルムにも行なったが、実際にフィルムにキズをつけて自己修復の具合を検証してみた。100円硬貨を使い、少し力を入れてフィルムをこすってみた。だが、あまり目に見える擦り跡が付かない。タッチペン操作を配慮してか、傷への耐性が高いようで、PSP用の同フィルムとは感触が明らかに違っていた。そこで、もう少し見えるキズを付けねば! と力がこもってしまったときに事件が起きた。
「ビィッ」というビニール質な素材が裂かれる音が鳴り、深い大きなキズがついてしまったのだ。「うわ、やってしまった!」と思いつつ、あわててフィルムを少し剥がし、タッチパネルを確認してみると、パネルにはキズは届いていなかった。思いがけず、フィルムの耐久性と保護力が試されたわけだ。
というわけで、今回は自己修復の限度を超えているのでは、と思えるキズをつけてしまった。だが、翌日に確認してみると、キズの大部分は残ってはいるが、明らかに変化しているのが確認できた。おそらく、自己修復加工層部分よりも深くキズついた部分に対して自己修復加工層がカバーしてくれた結果なのかもしれない。時間が経ってフィルムがパネルに吸着しただけとも思えるが、それ以上のものを感じる。その大きなキズ以外に、周囲に残った擦り跡もだいぶ消えていた。キズとまではいかない擦り跡も自然に消えるというのはDS Liteにとって大きなメリットだ。
キズを自己修復するという、なんとも不思議なフィルムだが、そのメリットはタッチペン操作をするDS Liteだとさらに魅力的に感じられた。初期に購入しフィルムを貼っておいたDS Liteをお持ちなら、バッテリーパックの入れ替えもさることながら、フィルムの貼り替えもそろそろ頃合いだろう。他にない付加価値のある保護フィルムとして、オススメの不思議な一品だ。
● あの「MONSTER HUNTING GRIP」にブラックカラーの通常版が登場!
・「PSP-2000専用グリップ BLACK FALCON」
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独特の形状をしたPSP-2000用のグリップアタッチメント。全体はラバーコーティングされている |
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ワンセグチューナー付きのPSPを装着。基本的な作りは全て「MONSTER HUNTING GRIP」と同じだ |
当連載154回で紹介したMSYのPSP-2000専用グリップアダプタ「MONSTER HUNTING GRIP」の、通常版と言えるのがこの「PSP-2000専用グリップ BLACK FALCON」だ。「MONSTER HUNTING GRIP」はカプコンライセンス商品として、「モンスターハンターポータブル 2nd G」のイメージをあしらったカラーリングやデザインが施されていたが、「BLACK FALCON」はブラックカラーに統一されている。
基本的に「MONSTER HUNTING GRIP」と「BLACK FALCON」は大きな違いのないグッズだ。全体の形状が共通している、つまりは成型が同じなので、使用感も変わりはない。表面のラバーコーティングもカラーリングの違い以外は同様のものになっている。詳しい使用感等は、連載154回をご覧頂きたい。
ただし、グッズ本体以外のところで2点の違いがある。ひとつは、PSP-2000を固定するための台をロックするネジのヤマが、長いものに変更されているということ。詳しくは写真を見てもらうのが早いが、「MONSTER HUNTING GRIP」の見栄えを意識してか、出っ張らないようネジのヤマは短いものだった。大きな支障はないものの、回しづらいという意見があったのだろう。それに比べ、つかみやすい長いネジのヤマに変わっている。
もうひとつの違いは、「BLACK FALCON」にはポーチが付属していないということ。「MONSTER HUNTING GRIP」に同梱されていたのはシンプルな作りのポーチだったが、このサイズのグリップをちょうどよく収納できるポーチというのはありがたい。別に用意するというのもなかなかに手間がかかるだろう。これは単純に残念な点だ。その分、価格は1,890円から1,600円と下げられている。量販店などで購入すればさらに下がるだろう。コスト最優先の方にはこちらがオススメといえそうだ。
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「MONSTER HUNTING GRIP」との違いとして、PSPを固定するためのネジが持ちやすい長いものに変わっている |
元の「MONSTER HUNTING GRIP」からそうだが、独特の形状とラバーコーティングの手触りの良さ、不満のない使用感などオススメのグッズだ。それだけにカラーリングが変わった通常版「BLACK FALCON」の登場は嬉しいところ。欲を言えば、ラバーコーティングゆえに塗装が難しいだろうが、その他のカラーバリエーションに期待したい。
● 乾電池で緊急充電! プロテクトケースと電池ボックスが一体化した充電グッズ
・「ドッキングチャージャー」
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PSP全体をクリアパーツで包むプロテクトケースに、単三型乾電池3本を収納する電池ボックスが一体となっている |
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PSPをケースに収納し、電池ボックスのケーブルも繋げた状態 |
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大きなネックなのが、UMDスロットにアクセスできないところ。ケースからPSPを出さないといけない |
「ドッキングチャージャー」は、PSPへ充電・給電ができる乾電池ボックスに、本体を保護するプロテクトケースがセットになっているグッズだ。乾電池は単三型3本を使用。プロテクトケースと乾電池ボックスは着脱が可能になっていて、乾電池ボックスを本体に装着するためにプロテクトケースを組み合わせるというスタンスになっている。
プロテクトケースはPSP-2000の前面、背面を完全に包み込むタイプ。方向キーやアナログパッド、○、×、□、△のボタン、下部に並ぶスタートボタンやセレクトボタンなど、各箇所にくり抜きがあってアクセスできるようになっている。また、側面も電源スイッチ、USB端子、充電用端子、イヤフォン端子、ワイヤレスLANスイッチは空けられている。
ただし、USB端子のくりぬきは左右のねじ穴あたりまで余裕が取られているのだが、ワンセグチューナーユニットやマイクユニットはくりぬきの余裕が足りず、しっかりと差し込めない。併用はできなかった。
大きなネックとして、背面のUMDスロットはケースによって塞がれているところが気になる。そのため、UMDを交換するときにはケースからPSPを取り出さなければならない。また、メモリースティックデュオスロットも同様に塞がれている。UMDスロット付近に乾電池ボックスを装着する作りになっているためなのだが、このことから利用シチュエーションを想像すると「充電ができない環境でUMDを頻繁には交換せず長時間プレイしたい」ということになる。通常の利用にはアンバランスに感じられる仕様だ。
ケースの厚みは2mm弱あるため、装着するとだいぶ全体の厚みが増してくる。方向キーと○、×、□、△のボタン周りのくりぬきはあまり余裕が取られていない。方向キー周辺のフチは一応、厚みが2段階になっているのだが、その段階の幅は1mm程度と少なめ。ボタン周りに関してはその段階もなく、ケースを薄くする加工がされていないため、普通に操作すると指が当たってくる。方向キー、ボタン周りともにくりぬきの中心から外側に向けて操作することになる。
乾電池ボックスはプロテクトケースの背面に固定する着脱式の作り。ケースの上部にボックスのツメをひっかけ、下部の可動式になっているフタを閉じると固定される。手軽に着脱できる仕組みだが、簡単に外れてしまうようなことはない。
乾電池ボックスから伸びる給電用ケーブルの長さは、コネクタ部分を含め5.4cmと短め。乾電池ボックスをケースに固定したとき充電用端子に丁度届く長さになっている。乾電池ボックスにはそのほか、電源オン/オフのスライドスイッチが設けられている。電源状態を示すLEDなどはついていない。
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プロテクトケースと電池ボックスは分離できる。電池ボックスはケースの背面にツメで固定する作りになっている |
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プロテクトケースは方向キー、アナログスティック、ボタン周りのくりぬき方にもう一工夫欲しかった。また、ワンセグチューナーなどUSBユニットも使えなかった。電池ボックスのアイデアは面白いが、ケースはちょっと残念 |
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電池ボックスのケーブルは、写真のようにPSP本体までとちょうどいい長さ |
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重量がかなり増すのは辛いが、一体化することでケーブルが邪魔にならないのは嬉しい |
実際に乾電池による給電を試してみた。市販されているアルカリ乾電池3本を用意し、セッティングする。パッケージには、「PSP-2000のバッテリーフル充電、LCDバックライト最低輝度、ワイヤレスLANオフの状態で連続プレイ最大10時間」と記載されている。当研究所では、PSP向けバッテリーグッズの連続可動時間テストにバンダイナムコゲームスの「リッジレーサーズ」のAVプレーヤー機能を使って、LCDバックライト最高輝度で動作させるという方法を使っているので、今回もその方法でテストした。
結果は、7時間45分連続稼働した。緊急時の給電方法として実用性は十分だ。ただ、乾電池にエネループを使用してみたところ、電圧の問題か、給電されず使用できなかった。利用するにはアルカリ乾電池が基本となるようだ。
乾電池ボックスをプロテクトケースに装着させて使用してみた。他の外部バッテリー製品のように、PSP本体の外にケーブルが伸びることがなく、わずらわしさがない。そのかわり、乾電池を含む重量がPSPの背面側に加わってくる。ケースと乾電池ボックス、PSP、乾電池をあわせた重量は362g。PSP単体では202gなので、160gが加わっている計算だ。その160gの大部分は単三型乾電池3本の68gとボックスの36gという、背面側の重量になるため、両手で持ってのプレイでは、背面側へ重心が移動し、ちょっとプレイしにくい。
プロテクトケースは透明度も高くて質感は悪くないのだが、方向キーやアナログスティック、ボタン周りの余裕が少なく、操作しづらくなってしまったのが残念。また、UMDスロットにアクセスできないというのも辛いところだ。本体に取り付けられる乾電池ボックスで緊急給電するというアイデアは面白いのだが、もう一工夫欲しいグッズと思えた。
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□ 任天堂のホームページ
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□ UGAMEのホームページ
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(2008年8月12日)
[Reported by ゲーム環境向上委員会]
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