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コーエー/CJIJ、「真・三國無双 Online」開発者インタビュー
「Revolution 2」の魅力と秘密を全部聞く。PvPシステムは「お客様次第」

7月収録

会場:CJインターネットジャパン本社

 株式会社コーエーが開発し、CJインターネットジャパンが運営を行なっているオンラインアクションゲーム「真・三國無双 Online」の大規模アップデート「Revolution 2」が7月15日導入された。

 「Revolution 2」では、同作では定番になりつつある、サーバーリセット、全ユーザーの転生を前提とした新シナリオの導入や、他タイトルにおける新ジョブに相当する新武器の実装、そして争奪ルールの変更やギルドシステム、師範システムの導入など、多岐にわたるシステムアップデートが行なわれた。

 今回の特徴は、バトル重視というより、バトルまみれの同作において、ユーザー待望となるコミュニティ関連のアップデートが行なわれたことと、昨年11月以来、約半年ぶりとなる新シナリオの実装の2点が大きい。今年3月に実装された「Revolution 1」と比較すると、ユーザーへのインパクトが大きいアップデートといえる。

 今回は、「真・三國無双 Online」開発プロデューサーの藤重和博氏と、リードゲームデザイナーの越後谷和広氏のおふたりに話を伺った。インタビューは、「飛将呂布」実装時以来ということになるため、「Revolution 2」関連の話題にとどまらず、先月韓国で正式アナウンスされたPvPシステムや、水面下で開発が進められていると見られる拡張キットなどなど、気になるところをたっぷり伺ってきた。


■ 「Revolution 2」の概要とその魅力とは?

「真・三國無双 Online」開発プロデューサーの藤重和博氏。コーエーのオンラインゲーム開発部門 ソフトウェア3部の部長を兼務する
新武器のひとつである「夏圏(かけん)」。越後谷氏によれば、対戦が苦手な人向けだという
編集部中村聖司: まずは「Revolution 2」で目立つ存在である、新しい武器の実装経緯について教えてください。

越後谷和広氏: 馬超の武器を使いたいという要望がありました。張遼も同等の理由です。孫尚香は変化を出したかったんですね。需要と変化を出せるという両方の意図があります。

編: 7月15日に実装された武器は3種類中1種類のみで、その後は1カ月おきになりますが、この1カ月という期間は、コアユーザーが極めるのにかかる時間という捉え方で良いですか?

越後谷氏: まさにそういう意図です。およそ1カ月だと争奪が2回開催されることになります。2回の争奪を通して研究が進み、ある程度使われ方が確立されるかな、と。武器鍛錬に関する仕様の中に改造がありますので、それを踏まえた上でどういう武器なのか見極めてもらうために1カ月くらいは最低でもかかります。バランス調整も必要に応じて行なうつもりです。

編: 「Revolution 1」の実装の際に、武器の大幅なバランス調整が入り、ユーザーさんには悲喜こもごもありました。今回はそのあたりはどのようになると考えていますか?

越後谷氏: 全体として個性や使い方は変えずに、適度なところに落ち着かせたつもりです。単純に弱くしたわけではなく、色々な使い方をした際の合計値が同じになるように持ってきました。今回のアップデートをするときも弱いものを引き上げたことはありますが、色々な勝利条件なども合わせて合計すると同じになるようにしています。

編: 新武器の特徴を教えてください。

越後谷氏: 孫尚香の「夏圏(かけん)」は足が速めであるということと、拠点の制圧に向いた武器です。1人に集中して攻撃を当てやすく、高楼などを破壊する能力に優れています。勢力を問わず、実装時から入手することができます。なお、7月15日に実装される武器は夏圏だけですが、3種類の新武器を装備した副将も登場します。

編: 鉄槍(てっそう)と鉤鎌刀(こうれんとう)についてはいかがですか?

越後谷氏: 両方ともリーチが長いです。鉄槍の方が対プレーヤー向きの武器で、わりと攻撃のモーションも早いです。鉤鎌刀の方は万能ですが、移動はその分遅いです。

編: それぞれどういったユーザー向けの武器なのか紹介してもらえますか。

越後谷氏: まず、夏圏は直接対戦が苦手な人向けです。逃げ足が速くていろいろなことができます。攻撃さえ強化すれば相手に与えるダメージも大きく成長します。鉄槍はとにかく長いリーチの武器を得意とする、対人戦好きなプレーヤー向けです。鉤鎌刀は、後方の拠点防衛でふんぞり返る人向けです(笑)。移動は速くありませんが総合力で強い武器だと思います。リーチは長く攻撃は偃月刀と似ています。しかし、偃月刀は高楼が苦手であったり、完全に対人向けの武器でしたが、どれにでも向くというのが鉤鎌刀です。どちらにしても移動はそれほど速くないので防衛型になります。玄人向けで拠点付近で仁王立ちって感じですね(笑)。

編: 鍛錬除去は何を意図したものですか?

越後谷氏: 鍛錬除去は間違って鍛錬してしまったり、仲買で買ってきた武器の鍛錬を削り取ることができるコマンドです。

編: なるほど、鍛錬除去のコストはどれぐらいですか?

越後谷氏: 強化した星の数とランクを掛けた分だけの「無双ポイント」が必要です。強化は0に戻ります。仲買の取引もより活発になりそうです。

編: 鍛錬除去のニーズは多そうですね。

越後谷氏: 多いですね。自分で間違えて鍛錬してしまったものに対するニーズが中心になります。戦場で狙った通りに武器が拾えなかったり、こちらがバランスを変更した結果、違う強化を目指したいといったときのニーズの違いで削りたいと。その結果、仲買商でのやりとりも発生すると思います。当然時間のとれないプレーヤーほどそうした要望は多くなる傾向がありますね。


■ 待望の「ギルドシステム」の狙いと今後の展望について

ユーザー待望のギルドシステムがついに実装された。企画そのものはプロジェクト開始当初からあったというが、実装時期を計っていたようだ
ちょっとわかりにくいが、初心者の呼びかけに応じ、師範がtellメッセージを送ろうとしているところ。コミュニティのきっかけとなるシステムだ
編: ついにギルドシステムが実装されますね。

越後谷氏: ギルドシステムと師範システムは、よりコミュニティを活性化させることが目的です。まず、校尉以上の4人の仲間でパーティーを組んでいただきます。そのパーティーのリーダーが所属する将軍のところにギルド作成を申請します。もちろん、その後メンバーを増やしていくことができます。

編: なるほど。“桃園の誓い”のようなイメージですか?

越後谷氏: そこまで大それたものではありませんが、校尉以上という限定の仕方はそれに近いものがありますね。最初にギルドを発起する仲間4人ありきというところが他のMMOとは異なると思います。ギルドに所属することでギルドクラスという所属勢力内での順位付けが設けられます。ギルド戦果というものを通じてギルドの格を上げていくことで、利用できる機能が増えていく形になります。

 最初はギルドチャットやギルド宝庫という基本的な機能が利用できるだけですが、さらにギルドクラスが2になるとギルド金庫を介して軍資金を共有できるようになります。ギルドクラス3になると消費アイテムを共有できるようになります。ギルドの部屋というものがあるのですが、ギルド家具を共同で購入してもらってギルドの部屋で使っていただけるものです。今後はギルドの目的に合わせて武器を交換しながらプレイしたいなどと言うご要望が出ると思いますので、先々の拡張で対応を考えていきます。

編: ギルド家具は、やはり通常の家具と同じように無双コインを使って入手するのですか?

越後谷氏: そうです。マスターが購入します。

編: なるほど、それはマスターが大変ではないですか。たとえば、一定の無双コインをメンバーで出し合って、ギルド単位で無双コインをプールするようなことはできないのですか?

越後谷氏: できません。その代わりに「ギルド宝珠」というギルドの機能を使うためのアイテムをみんなで共同で買ってもらって、それと交換する形です。このようなシステムにすることで、いろいろなギルドのスタイルに対応できると考えています。現時点では、ギルドクラス3までのことしか紹介していませんが、今後の拡張でさらに参加できる人数も増やしていこうとしています。

編: ギルドルームはどれくらいの大きさですか?

越後谷氏: プレーヤーの家と同じぐらいです。家具や飾りつけも将来的に拡張していきますが、まずは便利な機能を公開して、ギルドのいいところを体験して欲しいと考えています。

編: たとえば、今後、ギルド専用の旗のようなものを作ったり、メンバー間でそれを共有したりといったことはできますか?

越後谷氏: 考えています。今後の拡張で、ギルドの紋章を作れるようにしたいです。ある程度ギルドクラスが上がったところでマークを作れ、それをアイテムにプリントできるようなものを考えています。

編: ギルドの旗を作るような?

越後谷氏: ええ。そうしたものも今後できればよいなと思います。

編: ギルドの活動の指標、ギルドクラスアップの目標となるギルド戦果は、どのようなたまり方になりますか?

越後谷氏: 1戦闘ごとに、義と同じような形で溜まっていきます。

編: だったら、2万もの数字が必要なことを考えると、1人だけの力では難しそうですね。10人から20人で、力を合わせてギルドクラスアップを目指していくようなイメージですか。

越後谷氏: はい、そのとおりです。少数のコアメンバーだけでなく、全員で協力してみんなのギルドに育てていってほしいと、思います。

編: 新たに生まれる「ギルド」という単位で、何ができますか?

越後谷氏: ギルド激突とギルド演習が実装されます。ギルド戦果を得ることができる激突と考えてもらえればイメージしやすいと思います。もちろん、相手もギルドである必要があるのですが、それ以上のことは求められません。たとえば、同勢力のギルドとも、ギルド演習を通じて戦うことができます。

編: 最大対戦人数は4対4ですか。

越後谷氏: はい。現状はそうです。しかしこれをフックにギルド対抗戦みたいなイベントもやっていければよいなと思います。

編: ギルドのキャパシティが最大24人に対して、ギルド対抗戦の参加人数が最大4人というのは寂しくないですか?

越後谷氏: 今のところはそうですが、何本勝負といった積み重ねた形で、トータルで24人対24人の勝負ができるかなと考えています。

編: といいますと?

越後谷氏: あくまでアイデアですが、将来的には何本勝負のような形で勝敗を決めるモードが実装できればいいと考えています。しかしそのようなシステムを導入するのは24人メンバーがいるギルドがいくつもあることが前提になりますので、まだその時期ではないかなと思いますが……。

編: ちなみにギルド機能は、先月、韓国で先に発表されましたが、これは韓国向けの仕様ということなのですか?

越後谷氏: いえ、最初の段階から構想はありました。スタートした際のプレーヤーの動向から、ともするとギルド機能の実装がコミュニティを分断させる方向に働いてしまうという懸念がありました。構想はある程度作ってあり、海外のみならず日本の運営パートナーからもそうしたニーズがあり、実装タイミングをいつにするかということを考えた結果今回になりました。

編: 今後ギルド機能はどのようなところを考えているのでしょうか。

越後谷氏: ギルド対ギルドに絞った「ギルド争奪」を実装するところが最終目標です。現在までは激突と演習までが実装されていますが、4対4を1つとした発展もありますし、争奪にそれが導入できれば良いかなと思います。争奪の行方もギルドがある程度の命運を握るような形になれば争奪の様子も様変わりしていくのではないかと思います。

編: なるほど、開発側の想定としては、すべてのプレーヤーにギルドに加入してもらいたいと。

越後谷氏: なるべく多くのお客様に参加していただきたいと思います。お客様同士で楽しみを共有していただいて、長く遊んでもらいたいというのが導入の趣旨です。

編: そう考えると、仲間3人を集めるというのは結構ハードルが高くありませんか?

藤重氏: ギルド結成の条件に関しては、これくらいの実力による基準は必要かなと考えます。何より対戦ゲームですし、見ず知らず同士で寄り集まって仲間意識がでなかったりするよりは、ある程度のプレイを楽しめるくらいになれてからやってもらったほうが良いかなと。

編: 身分が足りない人、仲間が集められない人は、ギルドに加入してくださいと。

藤重氏: そうですね。そのための橋渡しをするシステムが師範システムになります。1人2人でもギルドで遊べるということはコミュニティのアイデアとしてあったのですが、ギルドが乱立してしまってわけがわからない状態になることも考えられる。戦闘が4人規模なので、4人というのを1つのコミュニティ単位として結成することで、それが悪い方向にはいかないのではないのかなという見込みはありますね。

越後谷氏: 師範システムを噛み砕いて説明しますと、前将軍以上の身分となり、内政スキルを一定以上に高めたプレーヤーは、すべて長史から師範になる権利を与えられます。師範になる権利を与えられたプレーヤーには交流設定の中で師範表明という新しい機能が使えます。

 これとは別に街の市場に“長史”という主に初心者が利用する新しいNPCがいますが、彼の機能のひとつに、今現在ログインしている師範プレーヤーを表示するものがあります。その画面からそのプレーヤーに直接メッセージを送ることができます。たとえば、今後どうしたらいいということを、今まではシャウトで「誰か教えてください!!」とやっていたものを直接師範に呼びかけることができる。師範のほうのメリットとしては師範の表明をすることで、俸給にプラスアルファを設けています。毎日のようにログインし、師範を表明していただけているプレーヤーの方が、より多くの俸給を得ることができます。

編: 基本的にはボランティアというわけですね。

越後谷氏: そうですね。アクションゲームということもありマニュアル的に教えられない部分がたくさんあります。なので、前将軍以上ということであれば教えられる素養があるということで、初心者の方達を導いていただき、プレーヤー同士の交流が進んでいってくれるのではないかという期待があります。

編: 師範の指導の中身は評価されるのでしょうか?

越後谷氏: いえ、評価のシステムは考えていません。今の時点では、まずは1人でも多くの方に師範になっていただくのが理想かなと思っていますので。表明していただくだけでもメリットがあるようにしました。こうした形で初心者が壁に当たったときに上級者に橋渡しをしてもらいやすくなる。そこからギルドでつながってゲームに定着していただければと思います。


■ 新シナリオ「官渡の戦い」の遊びどころを聞く

「Revolution 2」のイメージイラスト。前シナリオ「飛将呂布」では呂布が実質的な中心的な人物だったが、「官渡の戦い」ではズバリ袁紹が主役となっている
袁紹勢力のランドマークとなる塔。「塔を見た人はほとんどいないのではないか」というのは、当時の人口の少なさを言っている
編: 次に新シナリオ「官渡の戦い」についてですが、ついに袁紹が復活しましたね。

越後谷氏: 今回は人気が高いと思います。「今度こそ」という思いもあります。武将はいつもどおりの甄姫と張コウが出ています。袁紹勢力の都市の中がどういうものかを見ていただきたいです。都市にある塔を見た人はほとんどいないのではないかと思いますし。実は私と藤重は、かつて袁紹に所属していたのですが、一緒に滅亡を体験しました(笑)。

 今回のシナリオは袁紹、曹操、代が変わって孫権、劉備の4勢力で争う形となります。また、ルールも変更があります。大きな変更点としては滅亡がなくなりました。すべての所属都市を奪われた勢力は、最後の都市を奪った勢力の「属領」になります。それに対し奪った勢力が「宗主国」になるという関係が生まれます。「属領」として、通常通りの活動ができた上で、復興戦という形で新たに奪い返すことも可能になります。これが今回の基本的な考え方です。

 争奪のルールの変更もあります。地図を見ていただくとわかるのですが、各勢力に主要都市と戦略目標都市という概念を盛り込みました。たとえば、袁紹の場合、主要都市はギョウになります。ここが袁紹の本拠地になります。戦略目標都市は基本的にはどこを落とすつもりで勢力が動くことになるのかという目標です。袁紹の場合は許昌(きょしょう)になります。戦略目標都市を落とすためにどの勢力も頑張るということになります。

 主要都市を落とされてしまいますと、それ以降、勢力の人口増加が激減するというペナルティが発生します。人口増加が少ないと内政値が成長しにくく、結果として俸給の額などの面で不利になってきます。戦略目標都市を領有しますと、人口増加が大きくなります。この2つの要素の導入により、今までよりどこを攻めるか、という判断に明確な指針ができることになります。

 さらに主要都市には争奪の際に影響があります。イメージとしては、軍団は主要都市で編成されて、出撃するというものです。そのため、争奪が起きたとした場合、その地点から主要都市までの距離に応じて動員される兵力が減っていきます。遠いところと対戦する場合、たとえば新野の劉備と戦う場合、袁紹は主要都市から最短で5つ目の戦場となるので、動員できる兵力が少なく、不利となってしまいます。この近くで戦う場合は劉備が圧倒的に有利です。逆に袁紹の主要都市に近いと、袁紹に有利になります。

編: 具体的にどのように有利なのでしょうか。

越後谷氏: 兵力の総数がはじめから違う状態でスタートします。しかしそれ以外のハンデは一切ないので、挽回は可能です。ハンデをわかりやすくするために主要都市という概念をおきました。

編: 結構ドラスティックな変更ですが、この開発意図は?

越後谷氏: 一番の意図は争奪で同じ勢力と戦うと同じような戦いになりやすいので、なるべく違った印象で戦っていただきたいというのが意図です。今回はこの兵力差だが、次回は違う兵力差になるはずなので違う展開になる。だからその工夫を考えていただけるといいなと。毎回の争奪を同じ勢力と戦っていても違った雰囲気になります。違う戦場になれば違うハンデが存在するというところでモチベーションを持ってもらいたいです。

編: 押してる押されているというのがはっきりわかるようになるわけですね。ちなみにうまい人がいればひっくり返せるぐらいのハンデですよね?

越後谷氏: そこはアクションゲームなのでちょっとくらいのハンデならひっくり返せるようになっています。

編: 属領になってしまったらどうなりますか? 再び独立はできますか?

越後谷氏: 宗主国と争奪をすることになります。謀反に近いですね(笑)。勝つと最後に領有していた都市で復興することになります。敗れても再チャレンジすることができます。争奪のタイミングで復興できるチャンスができるということになります。

編: 逆に宗主国になるメリットは何がありますか?

越後谷氏: 属領への仕官ですね。属領にはいつでも流れていくことができますので、劣勢勢力に加担することができます。宗主国がさらに別の勢力の属領になった場合は、その勢力の属領となり同じラインに並びます。すべての国を属国にしたら天下統一になります。

編: 話を戻しますが、「官渡の戦い」のテーマは何ですか?

越後谷氏: 基本的には曹操と袁紹でガチンコの決着をつけてほしいということとです。先の展開を決めてないということがこのゲームのウリの1つだと考えています。そういう意味での統一が見られることもあるかな、と。「飛将呂布」がまさにそうでしたが、呂布による乱世統一という、三国志としてはありえない流れになりました。その予測できないところが本作の楽しんでいただけるところだとおもいます。

編: 3つのシナリオにはそれぞれ主役がいますよね。最初は董卓、2人目は呂布、3人目は袁紹です。三国志なのに、いわゆる三国勢力が常に脇役扱いなのがおもしろいですよね。

越後谷氏: 主役というよりはメインテーマと思っていただいた方がいいかもしれません。

編: ええ、中でも呂布は抜群の人気でしたから、なぜ今回呂布がいないのだというユーザーさんも多いと思いますが。

越後谷氏: 呂布を残すことも考えましたが、「官渡の戦い」は袁紹対曹操の対立構造がわかりやすいため、そこをクローズアップする方がいいのかな、と思い、今回の勢力構成にしました。統一のルールも変わりましたし、新たな感覚で楽しんでいただきたいですね。

編: たとえば、今後呂布がこのシナリオで勢力として登場することはあるのでしょうか。

越後谷氏: このシナリオではありませんが、将来的にifシナリオも構想していますので、そのときには登場するかもしれません。

編: 新しいギミックとして無双武将の仕官がありますが、これはどのようにゲーム内で処理されるのですか?

越後谷氏: 年号が進みますと各勢力に登場します。イメージとしては元服してくるような感じでしょうか。具体的な例としては曹操勢力の曹丕、劉備陣営の関平などが仕官してきます。

編: マップの初期配置によって有利不利はあるのでしょうか。

越後谷氏: 今回からはPCでない勢力を奪い合うときにも基本的にはPC同士の争奪の結果で奪い合う形になります。たとえば長安は曹操と袁紹が対峙しており、基本的には曹操と袁紹の争奪戦になります。NPC勢力の都市のうち1つの勢力としか接続していないときには援軍として遠い勢力が呼ばれてそこと戦うということになります。戦場が決まると、距離に応じて援軍の勢力も変化します。主要都市から近い方が兵力が動員しやすい勢力になります。

編: 今回無双武将で注目してもらいたいのは誰ですか。

越後谷氏: 曹丕や関平といった次の世代の武将達が追々登場します。いつ出てくるかはまだ秘密ですが、陸遜などもいます。


■ 「Revolution 2」の武器バランスについて

夏圏は拠点周りの攻防戦に適した武器だ
編: 夏圏を試してみましたが、ビジュアルは女性キャラ向きですが、癖もなく使いやすいですね。

越後谷氏: 夏圏は比較的使いやすい武器ではあると思います。対人性能はそれほどありませんが、破壊の強化スロットが2つ目にあるので序盤から拠点を落としにいけます。チャージ攻撃3が攻撃のキモになると思います。対人での勝負に弱い設定ですが、移動が速いので、うまい人は対人にも使えてしまうと思います。

編: 「味方指揮官の体力を回復」という究極強化は、非常にマニアックですよね。通好みの武器ですか。

越後谷氏: 地味に強いですよ。後半戦に夏圏が味方にいると突然しぶとくなります。しかも自分は回復しないというのがミソです。立ち回りがうまい人が使うといやな武器ですね。また、当たる範囲が広いですので、初心者の方でもお使いいただけると思います。

編: 武器のランクはいくつが最高ですか。

越後谷氏: ランク5まであります。新武器も一気に5まで実装されます。

編: 入手の仕方はどうなるのでしょうか。

越後谷氏: 戦場で敵を倒して入手する形になります。種類が増えてきましたので狙い通りの武器はなかなか手に入れられないかもしれません。

編: そのほかに特徴はありますか。出やすい刻印など。

越後谷氏: 刻印はまったくイーブンです。夏圏はこれという長所、短所がない分、上級者の方が真価を引き出せるのではないかと思います。

編: 新武器の追加による、武器全体のバランス調整はどのように行なっていくつもりですか?

越後谷氏: 現時点で大きな調整を行なう予定はまだありません。ただ、全体的にイコールにするという条件で、現時点で使われすぎていると思われている武器の、特に強い部分を弱めることと、あまり使用率が高くない武器を少し底上げしていきます。武器の使用頻度を見ながら調節しています。特徴や使用感は変えないのが前提ですね。

編: 弱体化される武器の話はがっかりなのでおいておいて、今後、強化が期待できそうな武器はどれですか?

越後谷氏: 一番なんとかしてあげたかった武器は“蛮拳”になります。「Revolution 2」で強化を実施しました。

編: 「真・三國無双 Online」の武器は、ジョブに相当する要素ですが、新武器は今後も増え続けていくと考えていいのでしょうか?

越後谷氏: どこまで増やすかというのはありますが、止めることはしないと思います。

藤重氏: 最終的にはお客様のニーズによります。武器は、追加すると喜んでいただけて、遊びの幅が広がるのはわかっているので、基本的には増やし続けることになると思います。それが100個になるかはまた別の話ですが。

越後谷氏: 種類を増やすだけではなくて、今ある武器のバリエーションも考えていいのではないかなと考えています。今は後半に強いと思われている武器で、前半勝負の武器が出てきたり、刻印の追加をしたり。刻印が今は6個ですが、追加していくこともあるかと思います。

編: となると、今後も指数関数的にバリエーションが増えていくということですか?

越後谷氏: バランスの調整はもちろんありますが、縦にも横にも武器にも変化をつけていくことは大事かなと思います。

藤重氏: いずれにしても武器がモチベーションの根底にあると思いますし、愛着の一番深いところだと思うのです。強さだけでは同じ武器しか使わないという流れになると思うのですが、そうではない。「僕はこの武器」といった愛着を持って使って遊んでいただいているプレーヤーも少なからずいますので、その意味でもいくつかのバリエーションを持たせて、色々なシチュエーションで使っていただけたらなと思います。

編: 大型アップデートのたびに、転生によって身分がリセットされますが、ユーザーから批判はないのでしょうか?

越後谷氏: 身分は下がりますが、義が減っているわけではないのですぐに元に戻すことができます。また、新しくマントを貰えますので、新しく服が増えるという点では歓迎する声の方が多いですね。身分だけを考える上ではデメリットかもしれませんが、他のMMORPGと比べると、レベルがすべてを握っているゲームではないので、身分に執着しない最大の要因ではないかと思います。身分ではなく武器に目線が集まるのは、狙い通りです。

編: 副将の人数は拡張されないのでしょうか。

越後谷氏: その前に、街を連れて歩くことができるようになったり、家の中を動き回るようになったりしていきたいと思います。その後、ニーズを見ながら人数を増やすかもしれません


■ アイテム課金ビジネスの自己評価と展望

服飾の分野を有料アイテムとして拡大する方針はないという藤重氏。この方針はアイテム課金制にシフトした当初からかわっていない
仲買商に集う思い思いの衣装に身を包んだユーザー達。各部位の組み合わせによって個性をアピールしている
編: 現状のアイテム課金のビジネスモデルについてどのように評価していますか。

藤重氏: 一般的な基本無料のアイテム課金のビジネスモデルを考えたときに、運営する側のメリットとしてお客様が増える可能性があるモデルだと思います。たとえば10万人、20万人というお客様に遊んでいただいてコミュニティが発展する可能性があることを考えますと、運営としてもありがたいと思います。

編: 「真・三國無双 Online」のビジネスを見ていると非常におとなしい。他社さんは毎週のような勢いでどんどん新規の商材を投入し、投入するだけでなくディスカウントもするし、セット販売もする、ガチャもやるという感じで、有料アイテムを売るために、本当に心血を注いでいます。

 それだけならオンラインゲームとしては論外ですが、同時にコンテンツアップデートもしっかり行ない、その両輪をうまく回しているゲームもあります。「真・三國無双 Online」の場合は、コンテンツアップデートは充実していますが、有料アイテムの拡充が非常におとなしい。これはなぜなのでしょうか?

藤重氏: 射幸心を煽るような提供の仕方はあまりやっていないです。元々スタンドアロンでモノを作っていて、それを楽しんでいただいた結果売り上げが伴えばいいという発想があります。売り上げのためにすべてをやっていくのかといえば、そこだけに走ってしまうのはどうかなと。走った結果ついてくるものだと思うのです。まずはそっちという発想はあります。

編: とはいえ、収益の柱は有料アイテムですよね。有料アイテムの売り方、収益の上げ方はどのような考え方に基づいているのでしょうか? たとえば「信長の野望 Online」のようにひと月当たり1人1,500円くらい売り上げが上がれば良いという感じなのか、あるいはまったく別の見方なのか。

藤重氏: 数字的な指標はお答えできないですし、CJインターネットジャパンさんはCJインターネットジャパンさんで違った見解を持っていると思います。我々が開発の立場としては、売り上げの基準だけを見てものづくりをするのは良くないと思います。あくまで満足の結果として利益が出るというところを開発チームにも言っていることですし、私も心がけています。

 一般的にアイテム課金のゲームの売り上げだけを上げようと思ったら手法はあると思うのです。それをずっと続けていくことができるのかといえば、そうではないと思います。私たちは1年2年という期間で終わらせるつもりはなくて、3年、5年、10年続けていきたいと考えている。その中で一時の売り上げが上がったというもので終わらせたくはないのです。まずはコンテンツを深く作りこんでいくようにしていきたいですよね。

編: ちなみにアップデートのたびに実装される記念服飾ですが、今回はいかがですか?

越後谷氏: 今までのドロップで手に入ったもののバリエーションチェンジが2タイプずつとそれに合うであろう頭装備を各1点ずつ導入しました。これまで頭装備はでていなかったので、これに合う胴もコーディネイトして買っていただければうれしいなと。男性用の孔雀の羽根を使ったデザインはだいぶ派手ですね。文官服もコーディネイトに合うはずです。パラメータ的にもテイストを少し変えてあります。防御は防御でも少し破壊が1あるといったバリエーションで変えてありますので、そこでも購買意欲を持っていただけるのではないでしょうか。記念服飾はすべて販売ですね。ドロップの方もいずれそのうち武器のドロップと合わせて登場させていこうかなと思います。

編: ちなみに記念服飾の購入率はどの程度なのですか?

越後谷氏: 見た目の変化が大きく、目新しいものほどよく購入していただけます。パラメータ的に個性の強いものも人気がありますが、誰も着ていなさそうな派手だったり奇抜だったりするものが一番人気があります。やはり、胴が一番注目されますね。

編: とはいえ今回は新規の胴装備はないですよね。

越後谷氏: 胴はまたいずれ違う方法でお見せできるのではないかと思います。

編: 服飾は、大型アップデートの肝になる場合が多いと思いますが、逆に導入のタイミングにこだわらないのは面白いポリシーですね。

藤重氏: あまりそういう構図にしたくないです。装備にこだわるより、戦闘にこだわってもらいたいですね。

越後谷氏: 月次のもので衣装のアップデートはできると思うのです。しかしこうした節目では変化を与えたいという希望の方が強いので、システム的に改変する方向で力を注ぐという気持ちで私たちも作っています。まずはそういう楽しみ方を知ってもらいたい。そういう中で変化を楽しんでいただいて、そのプロセスで服を買うということを楽しんでもらいたいです。

編: 過去にピンクのチャイナドレスにハイヒールが実装されたことがありました。あの路線が進化するのかと思いきやそうはならなかった。あそこで踏ん張ったところが私は偉いなと思ったんです(笑)。

越後谷氏: (笑)。バリエーションの中ではそういうものを考えていきますけど、三国志のゲームなので、「無双」らしさを保ちながらやろうということはあります。お遊び的なものも少しは入れていくつもりですが。

編: お遊びの服というカテゴリだと、これまで何がありましたか?

越後谷氏: 男性でいえば西方服ですかね。今も少しは仲買商で出回っていると思います。そういう意味で模様などのデザインは中国らしさをどこかに残すようにしています。

編: アバター衣装のビジュアルバランス的には、華美さ、派手さで、無双武将に追いつかないですよね。このあたりは何か意図があるのでしょうか。

越後谷氏: この世界の中で無双武将は特別な存在として生き続けているので、華美なところはそういう象徴的なところに寄せています。全部が全部派手なのではなくてどこか1つ特徴があるなど、プレーヤーの服はそういうところで特徴を出していけるようにデザインしています。

編: 「バーチャファイター」のように特定の部位が光りだしたりしないのでしょうか。

越後谷氏: そうしたところもやってみたいですね。


■ 期待のPvPシステムと海外展開について

5月に韓国CJ Internetと共同で開催した「真・三國無双 Online」記者発表会で、PvPシステムを発表する藤重氏
編: 韓国の発表会でPvPシステムが発表されましたが、概要と実装時期を教えてください。

藤重氏: あれは韓国向けにとりあえず発表したものです。日本では実装しないということはないと思いますが、それぞれの市場にあわせてお客様のニーズの強さに応じて入れるタイミングを変えたいと思います。

編: このゲーム自体がPvPの連続ですが、ここで言うPvPとは何を指しているのですか?

藤重氏: よりプレーヤー対プレーヤーにフィーチャーした感じです。デスマッチや個人戦とはニュアンスが違います。韓国には別の運営パートナーがいますのであまり詳しくは言えないです。日本に関してはCJインターネットジャパンさんとやっていて、韓国はCJインターネットさん、中国台湾ではまた別の運営パートナーさんがいて、それぞれの地域のニーズをフィードバックしていただいています。当然こちらにも届いて、こまめに打ち合わせを行なっています。それぞれのニーズはやはりちょっとずつ違い ますのでここには先に入れようということで選んでいます。

編: あえてPvPシステムと表現するからには何か意図があるのではないですか?

藤重氏: このゲームのPvPというのは1対1を意味しているわけではないですよね。そういう意味でより1対1にフィーチャーした戦いになるという感じです。

編: 街の中で決闘という感じでしょうか。

藤重氏: ご想像ください(笑)。

編: 先月、韓国で発表会をされまして、海外展開が本格化してきました。手ごたえはいかがですか。

藤重氏: 台湾では4月、中国では5月、韓国では先月クローズドベータテストを行なっています。そこである程度の手ごたえは感じています。台湾と中国では正式サービスを開始していて、細かい数字は言えないのですが、ある程度の数のユーザーさんがいらっしゃいます。

編: ビジネスモデルはいかがですか。

藤重氏: 日本と基本的に同じです。多少バランスは変えています。色々な文化や現実社会の経済が異なりますので、それにあわせた形をお客様に対してとっていく必要があり、それは各パートナーさんが情報をくださいますのでそれと話しながら適正なバランスを考えています。

編: カルチャライズの例を教えてください。

藤重氏: 言語の翻訳だけではなく、無双コインのバランスなども市場ごとに違いますので適宜やっていきます。また、コマンドの実行制限です。この地域ではOKだけどこの地域ではふさいでくれといった要望はありました。たとえばブリーフィングのキック機能がありまして、中国ではその機能を切ってあります。

編: ほう、それはなぜでしょうか?

藤重氏: フレンドではないと蹴りだすらしいです(笑)。日本ではキックすること自体が気が引けるところがありますよね。中国ではキックが当たり前です。文化的なものがリアルにあります。それからブリーフィングの細かい設定や勝利条件もそれぞれの地域で全部オープンにするのではなくて、ここは一部分だけにして欲しいといったニーズもいただいています。

編: コーエーさんは、「信長の野望 Online」、「大航海時代 Online」といったMMORPGの展開経験はお持ちですが、今回初めてアクションゲームを海外展開して、これまでと違う変化は感じましたか?

藤重氏: MMORPGを提供するところを考えますと、ある程度ノウハウもありましたが、このプロジェクトを通じて、市場性の違い、文化の違いなどをそれぞれの地域に根強くあるということを感じています。日本に提供した時は新しいゲームシステムだと思って提供している。それを中国や台湾で同じような受け入れ方をされるものとして提供していて、そこは伝えていく部分では工夫をしていかなければならないと感じていました。

編: そのあたりは乗り越えなければならない壁ですが、海外展開に関する今後の抱負を聞かせてください。

藤重氏: 楽しんでいただけるユーザーの方がいれば提供していきたいと開発の立場では思います。オンラインゲームは単にものを作るだけではなく、ビジネス的なこともふまえて作らなければならないところが多分にありますし、規模という意味では色々と考えなければなりません。そうしたところは会社でしっかりと判断しながら、どこでどういうタイミングでということを考えなければなりませんよね。

編: 現状はアジアだけですが欧米はいかがですか。

藤重氏: 欧米も一緒にやっていただける方がいらっしゃればありがたいですね。

編: その表現ですと今のところ現われていないということでしょうか。

藤重氏: いえ、私にはお答えできないことがございます、ということです(笑)


■ 「Revolution 2」以降の「真・三國無双 Online」の世界

今後の展開について「戦闘のルールを変える」と意味深長な発言を行なった藤重氏
編: 「Revolution 2」の実装によってゲームはどのように変わると期待していますか。

藤重氏: よりたくさん熱く「真・三國無双 Online」に関わっていただきたいなと思います。少しリフレッシュ感も出しつつ、ギルド機能でコミュニティ要素を強化する。そうしたことを全体的に強化していくことが今回の流れです。

編: 「Revolution 2」は9月までのロードマップを見せていただきましたがどのくらいのスパンなのでしょうか。

藤重氏: 基本方針は変わっていないです。3、4か月に1回、大型アップデートをしていく形です。

編: 個人的に「真・三國無双 Online」はようやくビジネス的に軌道に乗ってきたという印象を持っています。そろそろ、クリエイター集団として、開発側の欲求の実現というフェイズに入ってきたのではないかと思うんですね、現在、開発現場ではどのようなことを考えていますか?

藤重氏: お客様のニーズがあるところから考えますと、戦闘の幅を広げること、武器を増やすこと、個人対戦をフィーチャーしたものを実装することなどに注目しています。そこにやはりオンラインゲームでのアクション性というものがあると感じていますし、私たちもある程度意図して提供している。それに対してこれからも幅を広げて横にも縦にも広げていくことを続けていきたいですね。

編: 新しい武器の追加、刻印の追加以外にアクションやゲームプレイの変化はありえるのでしょうか。

藤重氏: もちろん、ありえますね。それは最初から、いろいろと越後谷と最初に立ち上げた頃から激突を積み上げてきたつもりではあるのです。それだけで満足しようということではなく、これからも新しい遊びを入れていきたいです。実現できることの中ではちょっと違ったルールのものですね。

編: 考え方のヒントとしては「真・三國無双5」があると思います。馬に乗ったり、ハシゴに登ったり水を泳いだりと新しいインタラクションが増えました。「真・三國無双 Online」はそうした新しいインタラクションは実現されていない。私自身がそうですが、「真・三國無双 Online」に求めているのは、そうした部分を含めた、まったく新しいゲーム性の追加ではないかと思います。

藤重氏: 細かいことは言えませんが、単刀直入にいいますと戦闘のルールを変えます。そういう方向で考えています。

編: なるほど、たとえばFPSでは、工兵が味方を回復するだけでポイントになったりします。そういう敵を倒す以外の活躍の仕方があるとか?

藤重氏: そこはご想像ください(笑)。武器の追加というのは1つのルールの中でバリエーションが増えることだと思うのですが、本当に大きな意味でのルールが変わるということは同じ武器でも遊び方で新しいものが生まれてくる。そこに私たちもものを作る立場としてチャレンジしていきたいです。

編: それでは、開発側の課題として考えているものは何ですか?

藤重氏: まだまだ新しいお客様に楽しさを伝え切れていない部分があるのではないかというところがあります。今回の機能の追加もそうですが、そういうニーズがあって入れられるタイミングでは入れていきたいです。今回実施しましたが、ちょっと地図を大きくして見やすくするだけで入りやすさは違うと思うのです。ちょっとしたことを気づいた時にどんどんやっていきたいですね。

編: 「真・三國無双 Online」のコンシューマへの展開は考えていないのでしょうか。

藤重氏: ゼロではないと思うのですが、まだまだ先にやるべきことがいくつかあるのではないでしょうか。1クリエーターとして考えたら単純にやってみたいと思いますが、今のお客様に接することがまずは大事だと思います。


■ 拡張パック、全国大会、PvPシステム、ネットカフェ展開など、気になる部分を聞く

「Revolution 2」のコミュニティシステムはまだ「さわりの部分」だという。今後、どのようなオンラインゲームに進化していくのか楽しみだ 藤重氏
編: 「Revolution 2」以外についてもいくつか伺いたいのですが、まず、拡張ディスクについて現時点でお話いただけることはありますか。

藤重氏: 現在、よりたくさんのお客様に楽しんでいただけるように準備していて、遊びの幅を広げるものにしていきたいです。パッケージという形にこだわるかどうかはわかりませんが、アップグレードするのにいくらかかりますというようなビジネスモデルも考えています。

 「真・三國無双 Online」に関して、このモデルを採用するかどうかはわかりませんが、拡張パックという形で提供していくことは考えています。発売時期については、またお話をする時期に合わせてあると思います。そこは当然オンラインゲームですので、ゲームを大きく変えるものを導入していくことを考えています。

編: Revolutionと拡張パックの違いはなんですか?

藤重氏: 規模感の違いです。拡張パックを出そうという話が出ると、社内でマーケティング的にもコンテンツの内容的にも作品をチェックします。そこで一定の理解を得られたものを拡張パックという形で出しましょうということになります。その規模に満たないものやもう少し細かい規模感である程度まとめたものをRevolutionという形で提供していて、小さい仕様修正やバランス修正も毎月入れていきます。

編: 当然ですが、拡張パックはやはり有料になるのですよね?

藤重氏: そこはまだ決まっていません。

編: というと、無料で配信される可能性はあると?

藤重氏: ノーコメントです。CJインターネットジャパンさんと決めていきます。

編: コーエーさんのソフトウェア3部の新規コンテンツというと、オフラインイベントを兼ねた発表会が定例になりました。「真・三國無双 Online」ではどうなりますか。

藤重氏: まずは、CJインターネットジャパンさんからアナウンスしていただくのが筋かなと思います。たくさんのお客様に楽しんでいただくことがありがたいことですので、企画があれば積極的にご協力していきたいです。

編: それではCJインターネットジャパンさんにお伺いしますが、現在何か企画していることはありますか?

CJIJ木部氏: システムとして入れることで可能になるゲーム内イベントと、GM主導の少し毛色の違うイベントを定期的にやっていきたいと考えており、現在、精査している段階です。イベント以外でもキャンペーンを含めた展開案もいくつか挙がっていまして、検討しています。「Revolution 2」の実装を機に今後はもっと積極的に打って行きたいです。

編: せっかくのアクションゲームなので、単一の指標で誰が一番強いのか、どれぐらい強いのか、そういうものがわかるシステムがあるといいなと思います。それが可能になれば、全国大会、アジア大会といったものも可能になり、既存の「無双」シリーズにはない広がりが出せますよね。

藤重氏: そうですね、前向きに検討していきます。

編: 今回、師範システムとギルドシステムが実装されたことによってコミュニティシステムはすごく強化されました。コーエーさんが想定しているコミュニティサービスはどの程度まで完成したとお考えでしょうか。

藤重氏: まださわりかなという感じです。

編: ほう、その先には何があるのでしょうか?

藤重氏: それは先々のRevolutionで入れていきます。初心者の人がコミュニティを取りやすいようなものです。あまり言ってしまうと越後谷がかわいそうなので、これぐらいで勘弁してください(笑)。

編: それでは質問を変えますが、コミュニティシステムが一通り完成した暁にはどういったオンラインゲームになるのでしょうか?

藤重氏: 完成という形がオンラインゲームにはあるのかという気がします。しかし、今考えているものが一通りできた後には、次の段階のコミュニティが必要になると思うのです。それがシステム的に大きく変えていかなければならないものか、細かくやるものなのか。そういったものに逐次対応していくことが必要だと考えています。

編: つまり、そのひとつがPvPシステムになるのではないかと?

藤重氏: PvPシステムはコミュニティとは違った段階で、韓国では日本よりも対人プレイ志向の強い方の割合が多いと思いますので優先的に入れていきます。

編: 日本についてはどのように考えていますか?

藤重氏: 日本に入れるかどうかは日本のお客様のニーズの強さによって変わると思います。お客様の声はオンラインゲームでは数値化しやすい傾向にあります。スタンドアロンの場合ではアンケートをとった声でわかるものがありますが、オンラインゲームではGMのコールの内容でといったこともいえます。オンラインゲームはプレーヤーの動向というのがデータとしても分析できますので、そうしたものを踏まえて順番を変えていきます。お客様の答えがノーですというものは多分入れないと思います。

編: ネットカフェへの展開はどのようになっているのか教えてください。対外的にはもっとも見えづらい部分ですが、ビジネス的に無視できない部分ですよね。

藤重氏: 数もそうですし、お客様のプレイ頻度や満足度も私の印象ではすごく良いです。特に5月6月では、キャンペーンを機に1.5倍といった数字が出てきていて、業界全体のネットカフェの稼働ランキングでも上位に上がってきています。

編: 好調ということですが、今後、新しい試みは何か考えていますか?

藤重氏: 対戦して順番を決めるというものはネットカフェの中で独自にイベントをやっていただけるようなツールとしても利用していただけると思いますし、お客様が望んでいる部分もあると思います。時間はかかると思いますが、準備していこうと思います。

編: 現在何割くらいのユーザーがネットカフェでプレイしていると思われますか。

藤重氏: 1割くらいだと思います。

編: 多いですね。

藤重氏: 多いと思いますし、好調だと思います。ネットカフェ独自のユーザー像、お客様像というものが、既存のユーザー像とは別にあるようでしたら、それに対して独自の特典だったり、独自のアレンジした仕様みたいなものを考えたいと思います。

編: 最後にユーザーさんに対してメッセージをお願いします。

藤重氏: 「Revolution 2」で、これまでずっと温めてきたギルドシステムや師範システムをやっと入れられました。これから楽しんでいただくお客様にも満足していただけると思いますし、昔からプレイされているお客様にも今まで以上に遊んでいただけるコンテンツになっています。これからも「真・三國無双 Online」で楽しんでいただければと思います。

越後谷氏: 袁紹復帰おめでとうございます(笑)。今回3種類の武器を追加しましたが、これで終わらず、今後もいろいろな無双武将の武器を続々登場させていくつもりです。次の武器に関しては、いただいたご要望をもとに選んでいますので、もしお時間があれば皆さんの大好きな武将と武器をアピールしていただけるととても参考になります(笑)。今後ともご期待ください。

編: ありがとうございました。

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□CJインターネットジャパンのホームページ
http://www.cjinternet.jp/
□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/
□「真・三國無双 Online」のページ
http://www.musou-online.jp/
□「Revolution 2」のページ
http://www.musou-online.jp/announce/080625/02/
□関連情報
【5月9日】CJ Internet/コーエー、「真・三國無双 Online」記者発表会を開催
ギルドシステムやPvPシステムなどが韓国で先行実装!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080509/korea_29.htm
【7月11日】CJIJ/コーエー、「真・三國無双 Online」“Revolution 2”先行体験レポート
大幅進化した「争奪」ルール、ギルドシステムなど新要素が目白押し
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080711/musourev2.htm
【7月8日】CJIJ、WIN「真・三國無双 Online」
大型アップデートで新武器や新システムを実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080708/musou.htm
【7月1日】CJIJ、WIN「真・三國無双 Online」
新シナリオ「官渡の戦い」の情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080701/musou.htm
【6月25日】CJIJ、WIN「真・三國無双 Online」
争奪イベント「最終決戦」7月13日開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080625/musou.htm
【6月10日】CJIJ、WIN「真・三國無双 Online」
アップデート「七夕」を6月17日に実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080610/musou.htm
【5月14日】CJIJ、WIN「真・三國無双 Online」
アップデート「初夏」を5月21日に実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080514/musou.htm

(2008年7月25日)

[Reported by 中村聖司]



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