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China Digital Entertainment Expo(ChinaJoy)現地レポート

テクモ、「DOA ONLINE」プロデューサー長谷川仁氏インタビュー
中国でクローズドβテストスタート!! 日本サービスも射程圏内に

7月17~19日 開催(現地時間)

会場:Shanghai New International Expo Center

入場料:50元(約800円)

 中国最大規模のゲームショウ「China Digital Entertainment Expo(ChinaJoy)」において、テクモの開発による「DOA ONLINE(中国名「生死格斗 ONLINE」)が昨年に引き続き2年連続で盛大ブースに出展された。

 現在中国での「DOA ONLINE」の展開はパブリッシャーの盛大を通じて、αテストが行なわれている。当初の予定では、北京オリンピック前としていたが、多少延期し、北京オリンピック終了後の8月末から9月初頭にクローズドβテストが行なわれる予定で、順次オープンβテストから正式サービスに移行していくという。

 ビジネスモデルはアイテム課金を予定。開発を担当しているテクモ側では、すでに1,000種類を超えるアバターアイテムをはじめ、ゲームの基本設計は既に完成させており、状況に応じて日本での展開も視野に動いているとのことだ。

 取材中には、テクモの筆頭開発スタジオ「Team NINJA」の新部長に、「DOA ONLINE」のプロデューサーの長谷川仁氏が就任したというニュースが飛び込んできた。今回は、さらに多忙を極めることになった長谷川氏に、「DOA ONLINE」の最新情報を伺ってみた。

【DOA ONLINE】
「世界で最も美しい」と表現した「DEAD OR ALIVE」の世界観は、オンラインの戦場でも変わらない存在感を放つ


■ 中国展開は順調。「DOA ONLINE」日本展開発表も秒読みか?

格闘ゲームに対する語り口が本当に熱い。「格ゲーこそ究極のコミュニケーション」とはばからない「DOA ONLINE」プロデューサー長谷川仁氏。プレイの最中に熱くなったユーザーの感情をいかにサービスにつなげていくかという着眼点を実にうまくタイトルに落とし込んでいる
盛大ブースでは今年も「DOA ONLINE」は大盛況
アバターキャラクタが暮らす「DOA ONLINE」の世界では、「DEAD OR ALIVE 中国大会」が開催されている。なぜプレーヤーがこの世界に暮らしているかという謎も、クエストを通じて明らかになっていく
編: 長谷川さんは、「Team NINJA」の部長に就任されたということですが、「Team NINJA」として、今後積極的に「DOA ONLINE」を展開していくことになるのでしょうか?

長谷川氏: 今までは「Lievo Studio」で「DOA ONLINE」の開発を行なってきました。今回「Team NINJA」の部長に就任してからは両方の仕事を見ています。これまで「DOA ONLINE」の開発について「Team NINJA」が協力していた部分がありますので、今後も引き続き、協力体制を持って進めていきます。

編: 「DOA ONLINE」や「Team NINJA」の元々の開発体制に変化はあるのでしょうか。

長谷川氏: 基本的には変わりません。同じラインで同じスタッフで変わらずやっています。実態に即していこうと思いますが、相互の協力などは積極的に行なっていきたいです。「Team NINJA」での活動もオフィシャルに話せる時期が来たらお話したいなと思います。開発チームのメンバーはみんな、良い顔をしながらびっくりするようなものを作っていますのでご期待下さい。

編: 「DOA ONLINE」は昨年に引き続き2回目の出展になりました。今回はプレイアブルも出展されましたが、ユーザーさんの反応はいかがでしたか。

長谷川氏: 前回は「DOA ONLINE」は映像出展がベースになりました。今年のブース展開は盛大さんが10周年を迎えた節目であり、今後の盛大のビジョンをブースに詰め込んだイメージになっていますね。

 「DOA ONLINE」は1stリリースでの完成形となってきています。それをもって5月の頭に一部のユーザーさん向けにαテストを行ないました。そこでの多くのプレイデータを参考に開発を進めているところです。

編: 「DOA ONLINE」のサービススケジュールを聞かせてください。

長谷川氏: 当初北京五輪前に正式サービスを開始し、オリンピック熱の相乗効果を狙って盛り上げていこうと計画していました。しかし今年は四川省にて大震災が起こり、その時期、国内でのエンターテインメントの自粛が突発的に入るなど、国家レベルで対応する事象に対して、エンターテイメントの中国での位置付けを深く考えさせられました。そのような経緯もあり、北京五輪以降に正式サービスを開始していくことが無難であると判断しました。

 予定では2次αテストを7月下旬~8月上旬に予定しています。クローズドβテストは北京五輪後、8月末から9月初め頃を予定しています。クローズドβテストの内容は2次αテストとほぼ近い状態でしょう。

編: 正式サービスはいつ頃になりますか?

長谷川氏: 中国市場は、運営会社の運営スタイルやタイトル性質に合わせてクローズドβテストからオープンβテストに入る期間がまちまちです。はやいものは3日で、モノによっては1カ月後や2カ月後といった形でオープンβテストが始まります。本タイトルはクローズドβテストの後、タイミングを見て早い段階でオープンβテストを始めていきたいと思っています。

編: 最近ではクローズドβテストとオープンβテストの差がないものや、リリースされた時点で課金サービスが存在するものさえあります。

長谷川氏: 中国ではクローズドβテストの段階で課金が始まっているものもありますね。どのタイミングで正式サービスなのか曖昧なのが中国市場ではあるのですが、クローズドβでの課金には理に適っている一面もあります。テストごとにサービスを止め、リセットかけて次の段階のテストを始めるとユーザーが離れていってしまう傾向があるからです。理想を言うならクローズドβテストの期間中にアカウントを徐々に増やしていき、そのままのプレイデータでオープンβテストにつなげていく。もっとも、作り手側からすると、それは非常にリスキーな面があり一発勝負的なところがありますが、中国市場の特性として理解し、今ではそんな市場を楽しめるようになりました(笑)。

編: 年齢層的にはどれくらいの人々が遊ばれているのでしょうか。

長谷川氏: 10代後半から20代の方が一番多いですね。

編: 遊んでいらっしゃるユーザーさんの男女比は?

長谷川氏: 9対1くらいの割合で男性のユーザーが多いです。アプローチ次第では、比率を若干変えていくことは可能だとは思います。日本の格闘ゲームの市場は何巡もしてしまっているのでコアゲーマーの方が楽しめる市場に変化してしまいましたが、中国の場合は全体がまだ成熟しきっていないので、尖ったゲーム性だけを打ち出すのではなく、浅い入り口を見せながらも深さがわかる設計にしてあります。その為のひとつとしてアバターキャラクタを導入しました。

編: クローズドβからオープンβの流れで何人くらいのユーザーさんを見込まれていますか。

長谷川氏: 盛大さんのイメージではクローズドβの初期アカウントはさほど用意しないと思います。小規模な数から徐々にユーザー数を増やしていき、オープンβで大規模にしていく計画です。今回の話したスケジュールは以前の計画から異なるところもあるので、調整しながら進めていくと思います。

編: 今年中に何人くらいのユーザーに遊んでもらいたいといった目標はあるでしょうか。

長谷川氏: 可能な限り多くの人にやっていただきたいですね。このプロジェクトをやり始めたときに、盛大さんと「500万人のユーザーを獲得しよう!」という話をしました。500万人という数は現実的に時間がかかると思いますが、盛大さんが抱えている会員数は非常に多いので、現実に即した目標値であると考えています。

編: 盛大さんとの「DOA ONLINE」の開発体制はどのように分けられているのでしょうか。

長谷川氏: メインの開発はすべてテクモが行なっており、その中で中国国内の嗜好・トレンドや多様なアイデアなどを盛大さんに出して頂き、両社で協議して開発に落としています。最終的には盛大さんにテスティングしていただく流れで進めています。

編: 中国のアーケードはご覧になりましたか。

長谷川氏: はい。格闘ゲームや大型筐体も含めて全体的に楽しまれている印象を受けました。僕自身ゲームセンター大好きなんですよ。ゲームセンターでは、プレイしている人の姿や対戦模様を生で見ることができます。私は対戦ゲームこそ究極のコミュニケーションゲームだと考えています。もちろん相手は「人」でないといけないんですが(笑)。

編: ユーザーさんの出身地やアクセスしている場所によって嗜好に偏りがでたりはしないのでしょうか。

長谷川氏: それは今の段階では出てはいないですね。例えば西安ではかすみの人気が出ないなどといった偏りなどもなく、ほぼ共通になっています。

編: 中国以外での展開はいかがでしょうか。

長谷川氏: 今まさにようやく形になってきたところがありまして、アジア圏・北米地域など色々なところから興味があるという話を頂いてます。日本もそのうちの1つと考えられていまして、中国でしっかりとサービスし、そこからどう展開していこうかというのは頭の片隅で既に動き出しています。

編: 日本ではどうなりますか?

長谷川氏: もちろん「Lievo」での可能性も含め、展開を検討しています。

【チュートリアルモード】
「P」を押せばパンチが出る、といった初歩の初歩から学ぶことができるチュートリアルも用意されている


■ 素早いマッチングを支援する仕組みとは!? シームレスな対戦環境

アバターキャラクタが暮らす世界はかわいらしさを強調しつつも非常に細やかな作りこみで、これから殴りあいの格闘ゲームが始まる雰囲気とはとても思えない
アバターがかすみの忍者服などの「DEAD OR ALIVE」キャラクタの装備を着ることで、そのキャラクタを対戦で使用可能になる
長谷川氏によれば目標ユーザー数は500万人という。とんでもない数ではあるが、アバターのバリエーションなどを見ているとそれだけのユーザーがいても1人として同じ姿のキャラクタが生まれないほどのバリエーションが準備されている
編: アバターキャラクタが暮らすのはどのような世界ですか?

長谷川氏: 今回、プレーヤーは自分の分身であるアバターキャラクタを介してこの仮想世界に入ります。その仮想世界では「DEAD OR ALIVE中国大会」が開催されており、そこに参加していくことが今回のストーリーです。メインはPVP対戦になり、ゲーム内で24時間開かれているオフィシャルマッチに参加して自分の腕を上げていくことが大きな目的のひとつです。他には、この世界にまつわるストーリーを追っていくクエストも存在します。これは本大会が開かれた真相に近づいていくという、ソロプレーヤーに向けたバックストーリーです。

編: ということは、「DEAD OR ALIVE」以外へのゲームへの転用も可能だと?

長谷川氏: できる作りにしています。今作は仮想世界にて「DEAD OR ALIVE」大会を開いている設定となっています。その大会を中国で開催しますよということが、今回の「DOA ONLINE」のコンセプトなのです。ですから「DOA ONLINE」の仮想世界の中で遠い未来に、異なった遊びが出てくる可能性もあるかもしれません。

編: アバターキャラクタがフックになってゲームセンターのいろいろなゲームを遊ぶというのも面白いですよね。

長谷川氏: 最初、そういったことを考えていた時期はありました(笑)。ミニゲームをたくさん盛り込むといったようなことですね。しかし、ゲームの幹は必要だなと。ミニゲームはあくまでミニゲームです。何回プレイしても楽しめるものでなければ、ゲームの体力ももたないと思います。

編: 日本における「闘劇」のような実際に行なわれているゲーム大会なども検討していくということですか?

長谷川氏: 盛大さんがしっかりと考えていますね。ゲームとして大会などをフォローできる部分はやっていきますが、最終的には運営会社さんのサポート力が重要です。今回のChinaJoyでもテクモの開発者と中国の「DEAD OR ALIVE」のトッププレーヤーが対戦するイベントを企画しています。このような企画は市場の対戦熱を煽るという意味で盛大さんでも定期的にユーザーを集めた大会のようなものはやっていくと思います。

編: 試合はどのようなプロセスを経て始まるのでしょうか?

長谷川氏: 回りくどい演出を省き、素早くVS画面に移行する流れをつくりました。ステージとキャラクタはあらかじめセッティングしておく必要がありますが、対戦のマッチ感覚はゲームセンターとほぼ同じです。

編: アバターキャラクタが離れたところの人同士でも対戦できるのでしょうか。

長谷川氏: マッチングにはいくつか種類があります。1つ目は「オフィシャルマッチ」と呼ばれるもので、自分と同段位付近のプレーヤーをランダムに選んで対戦を行ないます。これはどこのフィールドにいても行なうことができます。特徴は非常にシンプルで、画面右のボタンをワンクリックするだけで簡単に対戦ができてしまいます。カジュアルオンラインゲームで、ここまで対戦を単純化したものはないでしょう。従来のカジュアルオンラインゲームは対戦するまでに色々と手間と時間が掛かりすぎますからね。

 2つ目はフィールド上を歩いている人を指名して対戦する「指名マッチ」、他には対戦部屋を作って多人数で入れ替わり立ち替わり対戦したり、そこで行なわれている対戦を観戦することができる「フリーマッチモード」、1人で遊べる「クエストモード」などがあります。

編: フリーマッチモードは何人くらいで部屋を作れるのでしょうか。

長谷川氏: 設計上は1部屋1,000人くらいは入れるようになっています。ただそんなに人数を集める事はないと思いますので、実際には1部屋10人~30人程度を想定しています。

編: 試遊台で拝見したゲームのモードの1つにNPCと次々に組み手を行なっていくモードがありました。

長谷川氏: 「サバイバルモード」ですね。初心者から上級者まで楽しめるようなコースを用意しています。中にはレベルがいくつ以上でないと挑戦できないといった条件を含んだものや、有料のコースなどが存在します。そういったものはクリアすると特別な報酬がもらえたりします。

編: 報酬は主にアバターになるのでしょうか。

長谷川氏: 基本的にはアバターですが、例えば、「DEAD OR ALIVE」のキャラクタを使えるようになる「DOAカード」というものがあります。かすみの青いコスチュームカードを手に入れて、それを装備することで特定のコスチュームを着たかすみをプレイすることができるといったアイテムです。

編: 将来的には何人くらいのキャラクタを実装しますか?

長谷川氏: 気持ちとしては「DEAD OR ALIVE」の全キャラクタの歴史を追って進めていきたいですね。本作は中国における「DEAD OR ALIVE」シリーズの公式リリースとなります。いろいろな方に興味を持っていただいていますが、調査ではその内の6割の方は「DEAD OR ALIVE」をプレイしたことがないんです。なのでシリーズの1から順を追って「DEAD OR ALIVE」のキャラクタの展開をしていきたいと考えています。

編: 本作オリジナルのキャラクタ登場しますか?

長谷川氏: それに関しては、開発の初期段階からやってみたいという話は上がっていたので、現在も構想しています。まずは中国のユーザーさんに既存のDOAキャラクタを愛していただき、十分に満足いく段階になったら、ユーザーさんの声を聞きつつ新しいキャラクタを現実的に考えていきたいと思います。というのは表向きの話で、実は裏でデザイナーに色々と試してもらっています(笑)。まだまだトライアルの状態ですけど。

編: 1つのサーバーのキャパシティは何人くらいなのでしょうか。

長谷川氏: 現在1,000人程度を想定しています。

編: とすると設計上は、1つの部屋に全員入ってしまいますね。

長谷川氏: そうなりますが、実際にはそこまでは入らないと思います。テストプレイを見ていると5人とか10人、20人といった規模で部屋を作っていますからね。

編: 操作方法としては部屋を作って、ユーザーが入って、OKボタンを押すと対戦が始まるといった流れになるのでしょうか?

長谷川氏: まず、マスターになる人が部屋を作ります。部屋の中では対戦は1試合しか行なわれないので、残りの人は順番待ちになります。その間は観戦ができることと、対戦しているユーザーに対して「人気ポイントアイテム」というものをベット(賭け)することができます。

編: 賭けた方が勝つとポイントがどのような形で戻ってくるのでしょうか。

長谷川氏: 多く賭けた分だけ還元されます。「人気ポイントアイテム」は、後でいろいろなものに交換できる仕組みとなっています。

編: たとえば何を交換できるのですか?

長谷川氏: 現状「人気ポイントアイテム」は「花」の形をしています。何に交換できるかは秘密です(笑)。「DOA ONLINE」では、こうした細かな要素がいろいろなモードの隙間にたくさん仕込まれています。細かいところで言えば、「装備」や「捨てる」といったインベントリ内の機能がものすごく充実しています。例えば、特定のアイテムの自動補充設定というものをONにすると、アイテムの個数が設定した数値以下になると常に特定の個数を自動的に補充されるといった便利な機能などがあり、他にもユニークな仕組みがたくさん実装されています。

編: 格闘を純粋に追い求める上では便利な機能として前向きにとらえたいですね。

長谷川氏: そうですね。どこまでユーザーの声に応えるべきかと考えたときに、何でもやればいいというわけではありません。ただ、ユーザーが瞬間的に頭によぎる欲求にどう対応していくかがポイントです。いくつものステップを踏まないと購入できないという仕組みはできるだけ避けたいと考えています。

編: 本作を試遊台で早速プレイしてみたところ、操作は非常に簡単で、コンボもつながりやすい印象をうけました。オンライン専用ということで何か工夫はありますか?

長谷川氏: 操作系は従来の「DEAD OR ALIVE」とは変わりありません。また、中国のネットワークインフラは開発着手時期と比較して若干変わってきています。その変化に対応できるよう、いろいろなリサーチや調査を盛大さんの協力の下行なっています。現在中国でのインターネットユーザー数は世界でもトップクラスとなっており、オンラインゲームユーザーの数も非常に大きいです。ですから週末ともなると通信に過大な負荷が掛かることが多く、安定性のある通信環境とは言えません。しかし、それを理由に快適なゲームが届けられないというのは言いわけになります。そのような環境下でも対応できる内容には仕上げてきましたが、物理的な障害は別の手段で緩和するしかありません。例えばゲームの中に現在の通信状況を表示したり、自分の住んでいる地域を示すことで、近場のユーザー同士を引き合わせたりなど、ユーザーの理解を得る為の対策をいろいろと立てています。

編: 目標としている客単価はいくらぐらいでしょうか。

長谷川氏: 数字では非常に表現しにくいですね。中国でのカジュアルオンラインゲームユーザーの課金額は1人あたり月に30元~100元が多いと聞きます。プレイする世代のユーザーたちの収入を考えると、高収入の人はそんなに多くはないと思いますので、今後そこを目安に調整していくことになると思います。

アバターキャラクタが暮らす都市は上海の南京東路のようなおしゃれ繁華街あり、近未来的なSF都市あり、バックストーリーでも楽しませてくれそうだ

登場するアバターは1,000種類以上。アバターを飾るだけでも面白そうだ

アバターには帽子や上着、顔の形といった非常に多くのバリエーションが設けられており、プレーヤーの表現可能なキャラクタ個性の幅が非常に広い


■ 感情に訴える課金システム「リベンジコイン」

段位のかかった試合などで負けてしまった場合に有効な「リベンジコイン」。負けても段位などを失わない「保険」的なアイテムを設けるのではなく、自分の失敗は自分で取り返すというベクトルでサービスを盛り込んだところは話を聞いているこちらがワクワクしてしまった
お見せできないのが残念だが、「アバターバトル」を含め、進行中の企画資料をいくつか見せていただいた。8頭身キャラクタの対戦を取り巻くアバターキャラクタの世界がどのような広がりを見せていくのか目が離せない
編: 現在はαテスト中とのことですが、今後の展開を聞かせてください。

長谷川氏: 実は正式サービスのシステムは実装済みです。課金キャップをはずせばすぐに課金は可能となります。アバターも開発済みです。1,000種類といってもいきなり開放していくわけではありませんので、そのあたりは盛大さんと一緒に考えていきます。

編: アバターの他にはどういった課金アイテムがあるのでしょうか。

長谷川氏: まず基本は無料でプレイ可能です。その上でさらに楽しんでいただくためにアイテム課金があります。例えば、アバターのドレスアップであったり、経験値を底上げするブーストアイテム、エンチャントをかけるといった類のアイテムです。

 また、平行してアーケード型の課金スタイルも存在します。例えば対戦を繰り返していく中で段位やアイテムがかかった試合があるのですが、負けてしまうと段位が上昇しなかったり、対戦相手にアイテムを持っていかれてしまいます。そのとき再戦を申し込むことができるといったアーケードで言うならコンティニューと同じ感覚ですね。挑戦を受けた側はそれを断ることができません。再戦には「リベンジコイン」というものが必要となります。

 ちなみにリベンジコインはアイテムなのですが、直接お金を投入することでも同じ効果を得ることができます。あらかじめリベンジコインを購入しておくことはできるのですが、リベンジコインがなくなってしまった場合にでもすぐにポイントを引き落として再戦することができるわけです。

 この再戦申込みは拒絶することができません。ただ、アーケードで何度も同じ相手にコンテニューされた経験がある方はわかると思いますが、繰り返し行なわれると正直嫌になりますよね。故に、勝者には繰り返し勝利することで特典が付いていき、挑戦する方は2回目以降リベンジに必要なコインの数が2倍3倍と増えていくので、お互いが納得のいくバランスに仕上がっています。

編: 課金による収益の要として考えているのはこのあたりになるのでしょうか。

長谷川氏: 収益は総合力で考えてますが、期待している箇所の1つではあります。対戦ゲームではゲームの特性上、感情の起伏が瞬間的に起こりますので、そうした勝負に負けた悔しさや、プライドなど、ユーザー心理に絡めていくことが軸になると思っています。

編: 目安として「リベンジコイン」はどのくらいの値段を考えているのでしょうか。

長谷川氏: 値段は現在盛大さんのほうで調整中ですね。今後のテスト動向でのアイテム使用状況を見てきめていくと思います。

編: 昨年に比べると、「DOA ONLINE」はオンラインゲームとしてかなり仕様が固まってきましたね。

長谷川氏: そうですね。追加で提供したい要素は色々あるのですが、その中の一つが「アバターバトル」です。ここに関しては現在まさに開発調整中でして、詳細の内容やリリース時期は一切未定となっておりますが、かなり面白い内容になってきています。ただ、いろいろな情報を一度に上げてしまうとユーザーが混乱しますので、ネーミングでご想像ください。

 まずは中国ユーザーの方には「DEAD OR ALIVE」の対戦を楽しんで頂きたい。はじめて対戦に触れる方も多いので、Pボタンを押せばパンチですよというところから始めなければなりません。その上でプレーヤースキルの底上げが出来た段階で次の手を打っていこうと思っています。

編: 中国のユーザーさんと日本のユーザーさんに一言ずつお願いします。

長谷川氏: 中国の皆さんには本当にお待たせしました。中国オンラインゲーム界に対戦格闘ゲームの熱を一緒に作り上げていきましょう。開発も運営会社もしっかりと対応していきます。

 日本は「DEAD OR ALIVE」のファンと潜在的な格闘ゲームユーザーが非常に多い国です。遠い未来ではない時期に、新たなアプローチを加えた対戦格闘ゲームとして凱旋帰国いたしますのでご期待下さい。

編: 楽しみにしています。ありがとうございました。

対戦を軸にした感情に訴えるサービスが中国のユーザーにどのように受け入れられるか楽しみだ


(C) TECMO,LTD. 2008

□テクモの公式ページ
http://www.tecmo.co.jp/
□「DOA ONLINE」のページ(中国語)
http://doa.sdo.com/
□China Digital Entertainment Expoのホームページ
http://www.chinajoy.net/
□関連情報
【2007年7月19日】「DOA ONLINE」プロデューサー長谷川仁氏インタビュー
PC&オンラインで「DOA 4」超えを狙う意欲作の開発構想を聞く
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070719/doaint.htm
【2008年7月19日】第6回China Digital Entertainment Expoが中国上海にて開幕
中国国産タイトルのクオリティ上昇。パブリッシャが各国タイトルを積極展開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080719/cj.htm
「China Digital Entertainment Expo 2007」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070715/cdeelink.htm

(2008年7月24日)

[Reported by 三浦尋一]



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