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このイベントは、事前に行なわれたアンケート企画「ラグナロクオンラインをこうしたい!」に寄せられたユーザーからの意見などに対し、運営チームのスタッフが直接答えるというオフラインイベント。当日は、開発元であるGravityの開発本部 本部長のホン・サンギル氏、RO開発統括 部署長のチェ・ヒジュン氏、RO開発 企画チーム チーム長のヤン・フンテック氏のビデオレターから始まった。
■ 2008年後半施策発表
新ワールドの特徴としては、すべてのプレーヤーがレベル1のノービスからスタートする。韓国のフリーサーバーでは経験値獲得などにペナルティがかかっているが、日本ではキャラクタの成長速度やゲームバランスなどは既存のワールドと同じで、スペシャルアイテムも既存のワールドと同様に使用できる。そして無料期間終了後は既存ワールドで続けることになる。1回目となる今回は「Verdandi」に引き継がれる。
無料ワールドを導入する理由としては、「(1)新規ユーザー、休眠ユーザーの獲得」と「(2)ワールド統合プランの代替案」の2つが挙げられた。(1)については、2~3年前から増えてきた基本プレイ無料のタイトルに新規ユーザーを取られてしまっている状況、そして5年以上継続してきたことにより、高レベル帯のユーザーが多くて同じレベルの新規ユーザーに出会えない環境にあると分析している。 (2)については、ワールド統合はワールド間の接続人数格差を是正するために行なう施策だが、実施するにあたっては、キャラクタ名やギルド名の重複、ランキングポイントの合算方法、ランキングが変動することによる名声武器などへの影響、倉庫やキャラクタスロットの数の増加といった問題点がある。しかし、今回の無料ワールドの施策ではこれらの問題点を解決しつつ、接続人数の格差是正が行なえるとしている。 そして、この無料ワールドの施策を今後も実施することで、他のワールドの接続人数を増加させるために行なうことも予定されている。
続いて発表されたのは、次期アップデート「魔王モロク」について。実装は3段階に分けて行なわれ、9月上旬に実装される第1弾のアップデートではエピソード、クエスト、新カード、新装備が追加される。
このアップデートが実装されると、一部のクエストは進行できなくなるため、今のうちにクエストを進めてほしいという。
■ ユーザーアンケート結果発表 その1
Q1. 日本の「ラグナロクオンライン」で独自に展開している「ゲーム内実装」や「イベント」などについて、今後導入してほしい内容 これについては千葉氏による日本独自イベントの変遷の紹介から。まず、2003年はGMキャラクタによる手動イベントが中心で、実装系は実験的に小規模に実施。2004年はキャストのキャラクタ性を増強し、多数のキャラクタを中心に進行するとともに、アニメ連動イベントが毎週行なわれた。2005年はRJC開催をはじめ、マイグレーションやアニバーサリーなどの大掛かりなイベントが増加した。2006年は実装系イベントの頻度が上がり、Urdrがターゲットのイベントや「蜃気楼の塔」が誕生。2007年はキャストイベントよりも多くのユーザーに参加機会を提供できる実装型イベントにシフトし、ガンホーで作成できる部分も拡大し、より高度なクエストが作成可能になった。そして2008年は初めてガンホーによる永久実装要素が登場した。 そして、アンケート結果の上位10項目は以下の通り。
2位 配置変更、モンスター経験値見直し 3位 モンスターサイドストーリーズ(MSS)や同様のクエスト 4位 冒険者アカデミー 5位 季節イベントの増加 6位 独自のマップ、ダンジョン、街 7位 新しい集団戦やPvP 8位 経験値、ドロップ率アップイベント 9位 GMイベント 10位 襲撃イベント 3位の「MSS」については「やっぱり、ストーリー重視のイベントを求めている方も多いのかなと思います」と分析し、4位の「冒険者アカデミー」については「設計が古いゲームですから、初心者の導線の部分が弱い状態であったというところを懸念していました。『RO』を一通り楽しんでもらうために、今のコンテンツ状況からはどうしてもある程度レベルを上げないと楽しめないコンテンツが多いために、とにかく最初のところにてこ入れしたいと考えて実装しました」と実装の経緯を語った。 また、「MSS」は、「RO」において過去最高となる398,259キャラクタが参加する人気イベントであったことを報告。さらに、5thアニバーサリーのイベントには各イベントの合計で192万キャラクタが参加し、こちらも過去最高を記録したという。なお、この数字はキャラクタ単位でカウントしているため、プレーヤー数とは異なる。ちなみにガンホー社内には1人で13キャラクタ参加したという人もいたという。 「MSS」は全7話で構成されており、中でも4話については「4話がかなり長かったのは、最後にユーザーにプレゼントするアイテムをある程度いい性能にしたいと思ったときに、あまり苦労しないでいい性能のアイテムが手に入るというのは許可されないんですよ。だから、難易度でバランスを取ったりするのですが、それで4話の難易度を上げて、シナリオも長くしました」と制作の舞台裏を披露した。各話の人気は第1話、第4話、第7話が高く、「第1話と第7話は同じスタッフが制作を担当しているのですが、ストーリーとか、キャラクタのしゃべらせ方といったところにすごい愛着を持っていただけているユーザーが多くて、『NPCずっといてくれればいいのに』という意見も多数いただいて、かなり嬉しかった。第4話もミニゲームで文句言われるなと思って見ていたのですが、基本的には演出とかを気に入ってくださる方が多かった」とユーザーの反応に敏感な面を見せた。 さらに「『冒険者アカデミー』に入っている『アカデミーシークレットストーリー(ASS)』をプレイした人はわかるかと思いますが、この中に関係しているキャラクタが出てきます。これは『MSS』の(ユーザーの)投稿で『これで終わりなの?』とか『悪役をぶち殺したい』という意見が多数見られたため、企画することになりました。バックストーリーなどは私の方で監修することになっているのですが、続きを鋭意作成中です。基本的には今年のアニバーサリーを目指してという感じです。『MSS』をプレイしなくても『ASS』ができる仕組みにはなっていますが、『MSS』をしているとより楽しめるため、『MSS』の永久実装へ向けて動いています」と語った。 2位の「配置変更、モンスター経験値見直し」については、大岸氏は「みなさんのレベルアップやアップデートなどによって、“おいしいマップ”と“おいしくないマップ”ができてしまったのですが、その時々のタイミングにあわせて日本も独自に配置変更を行なって、過疎化してしまったマップにてこ入れをしたい。具体的なタイミングは後で発表しますが、皆さんのニーズにあったものをしていきます」とコメントした。千葉氏も「日本風のイベントはアマツなどでやっているのですが、普段あまり人がいないようなマップをあえて選定することで、見慣れない光景ができてスクリーンショットを撮りたくなるようなところでの開催を考えていきたい。次のイベントはアマツでもコモドでもないところで開催すると思います」と次のイベントを予告していた。
5位の「季節イベントの増加」は、野呂氏から「こどもの日などは休日でイベントをやりやすいのでぜひ開催していきたい。節分の2月3日もぜひやりたいのですが、翌4日は僕の誕生日なので何かやりたいのですがだめですか?(笑)」とこっそりと笑いをとっていた。さらにイベント担当の千葉氏は「バレンタインイベントやクリスマスなどはGravityのほうでクエストやアイテムを作ってくれるのですが、日本風のイベントとなると、例えば節分やこどもの日、七夕などをやろうとすると、アマツでとなってしまう」と世界観からくる時節イベントの難しさを語った。
10位の「襲撃イベント」については、“襲撃”と決め付けるのではなく“ハプニング”として何か突発的なことが発生するようなことを考えていること明らかにした。
■ ユーザーアンケート結果発表 その2 Q2. 「ラグナロクオンライン」のシステム面で改善してほしい部分
2位 不正・ノーマナー対策 3位 倉庫の拡張 4位 銀行システム 5位 露店システムの改善 6位 攻城戦アナウンスのON/OFF機能 7位 キャラスロット増加 8位 GMコール 9位 結婚・養子システムの改善 10位 チャンネル化 2位の「不正・ノーマナー対策」については先週行なわれたオフラインミーティングで触れたため、ここでは触れられず。 3位の「倉庫の拡張」は、野呂氏が回答。「倉庫は現在300個のアイテムが入りますが、キャラクタスロットの追加や今後のアップデートでアイテムなどが増えることを考えて議題として挙がっています。先ほどの動作が重くなることにもつながるため、慎重に進めています。単純に増やせない理由の1つとして、どこに何が入っているのかわからないというのがあります。アイテムの種類別のソートなど、機能面でのリニューアルも考えていきたいと思います」と実施する方向で動いていることを明らかにした。
6位の「攻城戦アナウンスのON/OFF機能」は実装予定がすでにあり、近々導入される。
9位の「結婚・養子システム」については、結婚の同性バージョンは無理ですが、親友システムならありかもしれないという結論。養子システムにおいて、解消して再び養子を持てない件については、今後修正していきたいとしている。
■ ユーザーアンケート結果発表 その3
2位 ネットカフェ特典はなくしてほしい 3位 アイテムの特典 4位 専用マップやダンジョン 5位 プレイ料金無料などの割引特典 6位 アカウントハッキングなどの対策 7位 転送場所の増加 8位 ドロップ率アップ 9位 現状くらいでちょうどいい 10位 ブレス・速度などの支援
そしてネットカフェ特典第2弾として、専用マップが今夏に実装されることが発表された。システム的には、公認ネットカフェからログインすると各街にいるネットカフェNPCから専用のロビーマップに移動できる。そこでは消耗品販売などのNPCが設置されており、火、水、風、地、不死の5種類の専用ダンジョンへの入口が存在する。ダンジョンはそれぞれ段階的に難易度がアップする3フロアで構成されている。ダンジョンはネットカフェ専用ということから、あまり長い時間を必要としない構造になる。また、入場が制限されているため、人を集めにくいことを考慮して、ソロもしくはペアで十分クリアできる内容になっている。
■ ユーザーアンケート結果発表 その4
2位 2次職からと上位2次職からの差別化 3位 職業間のバランス 4位 グラフィックについての要望 5位 ステータスに関しての要望 6位 公平圏の拡大 7位 名称の見直し 8位 転職方法自体の見直し 9位 特殊一次などの転生職 10位 情報の公開 続いておまけとして、2次職と上位2次職のキャラクタ数のデータを公開。2次職ではプリーストがダントツの1位で、続いてブラックスミス、アルケミストとなっている。ブラックスミスとアルケミストは露店のために多いと分析。4位からはナイト、ウィザード、アサシンと人気の戦闘職が並んでいる。そして、上位2次職ではブラックスミスの上位であるホワイトスミスが最下位という結果に。一方アルケミストの上位であるクリエイターは7位となっており、攻城戦での活躍のほか、ユーザーの間から「ホムンクルス放置!」の声が挙がり、スタッフも納得していたのが印象的だった。バードとダンサーはそれぞれの上位も少なく、人数そのものが少ないようだ。
そして、3次職のキャラクタグラフィックスの一部が公開された。公開されたのは、レンジャー、ウォーロック、メカニック、アークビショップ、ギロチンクロス、ルーンナイトの6つ。このうち、好評だったのはレンジャーのみで、アークビショップがやや好感触といったところ。ほかの4つはかなり不評で、参加者の支持も1割前後という結果だった。
廣瀬氏は、結果的に多数の不満点が挙がったが、これらは貴重な意見としてGravity側に伝えると約束。現在開発中のもので、実際にどこまで反映され、実装時にはどのようになっているか楽しみに待ちたいところだ。
■ 質疑応答 最後は参加者からの質問に直接答える質疑応答が行なわれた。3次職実装の際にはステータスの割り振りリセットなどを考えて欲しいという意見には、「職業バランスが変わり、戦術なども変わるため、前向きに考えています」と回答。ワールド統合については「今後一切ないとは言い切れないが、現時点では行なうことはない」という。
「韓国ではインターフェイスのリニューアルが行なわれているが日本では行なわないのか?」という質問には、廣瀬氏が「考えています。見た目の部分なども5年以上前からあまり変わっていないので。持ち帰ってGravityに提案します」と答えていた。ハンター系のアンクルはめについては、「対応したいが、ボスモンスターの攻撃力がインフレ傾向にあり、アイスウォールなどで攻撃されずに倒す攻略が多いため、モンスターのバランスから考え直す」としており、対応にはしばらく時間がかかりそうな印象だった。
□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ (2008年7月20日) [Reported by 滝沢修]
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