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EA、Wii「ぼくとシムのまち キングダム」、「シムシティ クリエイター」を発表
かわいらしいキャラクタが登場する低年齢層も視野に入れた新たな戦略とは?

「ぼくとシムのまち キングダム」 2008年 発売予定

価格:未定

「シムシティ クリエイター」 2008年9月 発売予定

価格:6,090円



 エレクトロニック・アーツ株式会社は、5月28日、社内にて「ぼくとシムのまち(原題:My Sims)」の続編「ぼくとシムのまち キングダム」と、「シムシティ クリエイター」のプレゼンテーションを行なった。2本のソフトはともにWii用ゲームで、発売日は「ぼくとシムのまち キングダム」が2008年、「シムシティ クリエイター」が2008年9月の予定だ。

EA本社入り口で来場者を出迎えてくれるシム。一緒に写っているのはEA Singaporeの高橋ナナ氏。「シムズ」シリーズのアジアを統括するブランドマネージャーを担当している。プレゼンテーションでは通訳を担当
 「シムシティ」や「シムズ」シリーズは以前は米MAXISで作られていたが、現在「シムズ」シリーズはSims Studioが担当している(MAXISは「SPORE」を制作)。前作に当たる「ぼくとシムのまち」は新しい「シムズ」シリーズを象徴するタイトルとなった。WiiとDSで発売された「ぼくとシムのまち」は日本スタッフを多く起用し、3頭身で目の大きなキャラクタデザインを採用しした。

 特にWii版ではキャラクタ達の生活を見守るというシミュレーション要素はNPCのAIとして継承しながら、プレーヤーキャラクタを直接操作し、街を自由にカスタマイズするという「シムシティ」的な要素も取り入れている。家具などを積み木感覚で作ることができるのだが、リンゴや花、さらには優しくすることでキャラクタが生み出す「喜びの感情」などを“ペンキ”にして、「部屋に置くだけで楽しくなってくる家具」といったものを作ることができるという、ユニークな作品となっている。

 3頭身のかわいらしいキャラクタは、日本のみならず世界のユーザーに受け入れられ、これまでEAのタイトルでは少なかった“マスコット”としてもアピールされている。日本で開催された体験会やイベントでも子供達の人気を集めた。日本のEAでも会社の入口で出迎えてくれる。

 キャラクタは続編である「ぼくとシムのまち キングダム」はもちろん、「シムシティ クリエイター」でもアドバイザーや、住人の代表として登場する。かわいらしいキャラクを登場させる「シムズ」シリーズの世界的なマーケット、低年齢層を意識した戦略がどう展開していくかも興味深い。


■ 魔法の杖で街を作り、パズルを解く。ストーリー要素と世界観を強化した「ぼくとシムのまち キングダム」

Sims Studioのバイスプレジデントであり、本作のエグゼクティブプロデューサーであるティム・レトルノ氏。デモプレイでゲームの内容を紹介
中央が主人公(外見はカスタマイズ可能)と、仲間のバディ(右)とリンジー。ゲームでは3人で様々な場所を冒険する
 「ぼくとシムのまち キングダム」は2008年発売予定で、現在の開発は60%。ゲームの舞台は“ローランド国王”が治める王国となる。王国はいくつもの島によって構成されており、島はディズニーランドのように様々なテーマが設定されている。プレーヤーは様々なものをカスタマイズできるという魔法の杖を持つ者「ワンドリア」となるため、テストに挑戦することになる。

 本作は「ぼくとシムのまち」の続編となる。前作では新しい街の住人として街の人とコミュニケーションを取りながら、家具や建物を作っていく楽しさが体験できたが、今作はよりストーリー性を強化し、“魔法の杖”を使って様々な謎や冒険に挑戦することとなる。「ぼくとシムのまち キングダム」は、前作の直接的な続編というわけではないが、前作に登場したNPCが違う役割を与えられて随所に再登場する。前作をプレイしていればさらに楽しめるだろう。

 今回のプレゼンテーションではSims Studioのバイスプレジデントであり、本作のエグゼクティブプロデューサーであるティム・レトルノ氏によるデモプレイが行なわれた。主人公はちょっと意地悪な女性に雇われる豚を管理する少年としてスタートする。主人公は平凡な日常に物足りないものを感じていた時、新しいワンドリアを求める国王の話を耳にする。主人公はおっちょこちょいのボーイのバディと、冒険好きのエッセンスマスター、リンジーとともにワンドリアのテストに挑戦する。

 「ぼくとシムのまち キングダム」では、頻繁に会話シーンやイベントシーンが入る。前作に比べて、ストーリーに関する演出が強化されている印象を受けた。3頭身のキャラクタがくるくると動くのもとてもかわいらしい。特にローランド王の娘「バター姫」はわがままな雰囲気と、オーバーアクション気味のかわいらしい仕草で強い印象を残すキャラクタとなっている。バター姫もまたワンドリアに立候補する。彼女がストーリーでどのように関わってくるのかが楽しみだ。

 「ぼくとシムのまち キングダム」では魔法の杖を頭上に掲げることでいつでもカスタマイズモードに移れる。材料を合わせて新しいアイテムを作ったり、仕掛けを作動させたり、オブジェクトを動かすことも可能だ。前作では家具を作り、住人の建物をカスタマイズするのがメインだったが、今作では歯車を組み合わせてスイッチを作動させたり、川にブロックを置いて橋にするなどマップに仕掛けられたパズルを解いて進むことになる。

 部品を使うのには「エッセンス」が必要となる。収集作業はWiiリモコンを使い、木の近くでリモコンを揺すると木の実が落ちるし、横に振ると斧を使って木のエッセンスを採集できる。岩場の近くで振り下ろすようにリモコンを操作すると、その操作に従って、キャラクタがツルハシを振り下ろし金属のエッセンスを得る。

 アクション要素としては、ジャンプで段差のある地形を飛び越すことも可能だ。本作の場合は、主人公は常にバディとリンジーとともに冒険していくことになるため、障害を単純に飛び越すだけではダメで、仲間のことを考えて階段を作る、といった作戦が求められる。アクションよりもパズル要素が強い印象だ。ゲームが進むごとにパズルの難易度は上がっていく。

 スタート地点の「キャピタル」はチュートリアルステージになっていて、ここで得た知識を、他の島で起きている事件を解決するのに使っていく。「カウボーイの島」では前作で海賊だったジニーがカウボーイとして登場、おもちゃの馬で走り回ったり、手を鉄砲の形にして「バン、バン!」と叫んだり、投げ縄で縄跳びをしたりと、様々な仕草を見せてくれる。

 この島ではラスティというキャラクタが様々な悪さをしている。プレーヤーはワンドリアの力を使い、ラスティが壊してしまった給水装置を直してトマトに水をあげたり、壊されてしまった柵を直し、牛を追い込んだりと活躍することになる。どこでエッセンスを集めるか、どういう組み合わせでパズルを解き、困っている村人を助けるかなど挑戦しがいがありそうだ。他にもロケットの島など様々な島が用意されるようで、今後島のコンセプトなども徐々に明らかにしていくという。

 前作から世界観とストーリー要素を大幅に強化した「ぼくとシムのまち キングダム」だが、システム面では特に「ロード時間の短縮」というところに注目したい。前作では頻繁にロードによる待ち時間が発生していたのだが、ユーザーからここを指摘する意見が多かったという。今回は特にロード時間には気を配り、島を移動する時に発生する以外は、ほとんどロードによってプレイが止まることはなくなった。ディテールや、遠くを見渡せたり、高い建物が建てられたりと、グラフィックス面も進化している。

 本作は特に「任天堂ファン」を意識して制作されている。ティム氏自身も任天堂ファンで、特に「ゼルダの伝説 時のオカリナ」が大好きだという。本作は前作同様、特に「日本でも受け入れられるゲームを」という考えで作られており、日本人スタッフのセンスを活かし、「日本以外の国で作ったゲームだ」ということをユーザーに意識させないように気を配っている。

 前作は自由度が魅力だったが、今作はより明確な目的、きちんとしたストーリーライン、パズル要素など、ゲームとしての楽しさを強化している。もちろん、ゲームを進めるだけでなく、1つの島に集中し、住人達との繋がりを深めるといった楽しみ方もできる。現在開発度は60%とのことで、ここからさらにどのように要素が盛り込まれていくかも楽しみだ。

【デモプレイ】
仲良し3人組。前作以上にキャラクタの表情やアクションがパワーアップしている 魔法の杖を使ってカスタマイズ。今作ではロード時間無しで様々なカスタマイズができる 魔法の杖で橋を造る。仲間のことを考えて通行可能な道を造っていく
歯車を置いて門を作動させる。歯車を作るには金属のエッセンスが必要だ 王様の城の中、オブジェクトなども前作以上に細かい チュートリアルである島を出て王国の他の島へ。どんな島が待っているのだろうか
【スクリーンショット】
豚を追いかける。今作では様々な動物も登場するという プレーヤー達のライバルとして登場するバター姫。ちょっとわがままなで多彩な表情を見せてくれそうだ 前にいるのは魔法使いのマーロン。背後には複雑な歯車の仕掛けが見える
様々な冒険が待っている。キャラクタのかわいらしい表情や、強化されたグラフィックス、そしてストーリー要素と見所たくさんのゲームとなりそうだ

リモコンを使ったアクション。前作同様ものを運ぶだけでなく、木を切ったり、仕掛けを動かすためにアイテムを組み合わせたり、様々な要素が追加される


■ フリーハンドや円形ツールで道路を描く! 新しい街作りに注目の「シムシティ クリエイター」

Sims Studioで本作のシニアプロデューサーを務めるミッチー・上野氏。Sims Studioで活躍する日本人スタッフの1人だ
フリーハンドで描く道路。Wiiのリモコンを使った手軽な街作りが楽しめる
 「シムシティ クリエイター」は「シムシティ」シリーズの最新作に当たる。プレゼンテーションを行なったのはSims Studioで本作のシニアプロデューサーを務めるミッチー・上野氏だ。発売は2008年9月予定で現在の開発は80%。

 「シムシティ」は都市育成シミュレーションとして代表的なシリーズで、世界中にファンが多い。日本でも最新作を心待ちにしているユーザーは多いだろう。「シムシティ クリエイター」はWiiのWiiリモコンの操作性を最大限に活かし、フリーハンドで道路や水の地形が描けるという新しいインターフェイスを取り入れている。

 画面に向かって、線を引くことでそこには簡単に道路ができ、ドローツールのような手軽さで商業地域や工業地域を設定できる。街作りのハードルの低さは、シリーズの新しい展開を感じさせる。フリーハンドで線を引いて設定するだけでなく、一点を中心に円形に地域を広げて設定したり、環状道路も中心点を決めるだけで設定できる。

 これまで「シムシティ」シリーズはグリッド化されたマップで、1本1本線を引いて街作りを行なっていたが、今回は画用紙にクレヨンで線を引くように自由に街作りを行なえる。もちろんオプションでグリッド表示も可能で、これまでのような繊細な街作りもチャレンジできるが、シリーズに触れるのはこれが初めて、というユーザーにこの自由度は魅力だ。

 本作には自由に街作りができる「フリープレイ」、ゲームの基本的なルールが学べる「チュートリアル」、様々な条件に挑戦する「ミッション」、そして他のプレーヤーとWi-Fiコネクションを通じて街作りのランキングを競う「街づくりコンテスト」といった様々なモードがある。ミッションをクリアすることで集めた建物やゲームでのイベントなどを閲覧できる「コレクション」や、街の風景を32枚まで保存できる「思い出アルバム」という機能もある。

 手軽に始められる街作りだが、シミュレーション部分では従来のシステムを受け継ぐ細かさがある。必要なものをその場に応じて足すのも、綿密な計画に沿った街作りも楽しめる。こだわる人は税率なども細かく設定できる。Wii版の制作に際し、従来の「シムシティ」から削られた要素は全くないと上野氏は語る。

 初心者ユーザーを助けるのがアドバイザーだ。アドバイザーは「ぼくとシムのまち」のキャラクタが担当する。彼等にはそれぞれアドバイザーとしてのレベルが設定されていて、レベルが上がるとより的確な助言をしてくれる。低いレベルのキャラクタでも経験を積みレベルアップすることで有能なアドバイザーになれる。初心者はアドバイザーの言葉に耳を傾けながらプレイしていくのが良いだろう。

 また、アドバイザーはさらに、「エリア助手」として地域の街作りそのものを任せることもできる。彼等に手伝ってもらえば、より広い地域の開発も可能だろう。初心者はアドバイザーと協力しながら、上級者は全てを自分で管理した街作りが可能なのだ。

 「シムシティ クリエイター」では飛行機やヘリコプターに乗って自分が作った街を散歩することができる。建物にぶつかるほど高度を下げて飛ぶことはできないが、犯人を追いかけるなど様々な仕事にも挑戦できる。

 また、「ミッションモード」をクリアすることで入手できる「ヒーロービルディング」もユニークな要素だ。これら特別な建物は、日本の城風の「大和城」や「お菓子の城」、「ルミナスタワー」といった様々な種類がある。面白いのは、これらの建物を建てると周囲の街が変化するところ。大和城を立てると周手の建物がどんどん日本風の建築に代わり、お菓子の城を建てると、生クリームやイチゴを載せた“お菓子の国”に変わってしまうのだ。ヒーロービルディングは1つの街に2つまで作ることが可能で、自分の街にユニークな彩りを加えることが可能だ。

 街作りとは正反対の「壊す楽しさ」も盛り込まれているのが「シムシティ」シリーズの特徴だ。今回もUFOが街の建造物を奪い去ったり、地震や火事、さらには恐竜など様々な災害が用意されている。災害に強い街作りを目指すのも、わざと壊してみるのもこの作品の楽しみ方の1つだ。災害の1つには巨大な鉄球を落とすものがあって、これはなんとリモコンで転がる方向を指示できる。自分の手で街を壊すというのも独特の楽しみ方である。

 「シムシティ クリエイター」はゲームとしての奥深さは従来のシリーズを受け継ぎながら、間口の広さを目指した作品という印象を持った。フリーハンドや円形ツールによって、どのような街が生み出されるのかも興味のあるところだ。「ぼくとシムのまち キングダム」も含めて、Sims Studioが日本市場を意識して作り出した作品を、日本のユーザーがどのように楽しむか注目したい。

【デモプレイ】
フリーハンドで道路を描き、商業地域を設定、発電所を設定すれば街は発展していく。建物は道路に向かって自動的に生成される
エリア助手を指定することで、アドバイザーが街を作ってくれる 円形ツール。中心点を指定するだけで円形の道路を造ることが可能 街の住人に直接話を聞くことも。登場するのは「ぼくとシムのまち」のキャラクタだ
EAの形をした湖。今作ならば文字をモチーフにした地形や道路も簡単に描ける 水道施設など、今までのシリーズの要素は全て受け継いでいる 公害や人口密度などを調べることももちろん可能だ
【スクリーンショット】
アドバイザー選択画面。「ぼくとシムのまち」のキャラクタが登場する モード選択画面。多彩なゲームモードが用意されている 飛行機で街を散歩。犯罪者を追いかけるなどの要素も
お菓子の城を建てると街の他の建物も変わるなど、ユニークな街作りが可能だ
街はスムースに拡大縮小できる。ミッションモードを進めることで様々な建物が登場する。「コレクション」で閲覧することも
災害も本作の魅力の1つ。宇宙人や怪獣、流星など驚異的な災害の他、火事や嵐などもある

(C)2008 Electronic Arts Inc. EA, the EA logo and MySims are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved. All other trademarks are the property of their respective owners.

(C)2008 Electronic Arts Inc. EA, the EA logo and SimCity are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved. All other trademarks are the property of their respective owners.

□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.japan.ea.com/
□「ぼくとシムのまち」のページ
http://boku-sim.jp/
□「シムシティ」のページ
http://simcity.jp/index.html
□関連情報
【2007年12月6日】EA、Wii/DS「ぼくとシムのまち」
体験イベントを東京と名古屋で開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071206/boku.htm
【2007年9月20日】EA、クローズドイベントに新作を多数出展
古典的名作「ポピュラス」がDSで復活!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070920/ea.htm
【2007年8月22日】EA、Wii「ぼくとシムのまち」
「ザ・シムズ2」プレーヤーを対象にした体験会を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070822/sim.htm
【2007年5月28日】エレクトロニック・アーツ、「ぼくとシムのまち」
カスタマイズで自分の街を作れるWii版、ミニゲーム中心のDS版
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070528/sims.htm

(2008年5月31日)

[Reported by 勝田哲也]



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