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【連載第269回】 あの、おもちゃを徹底レポート




カラー液晶を搭載したペット育成ゲーム!
セガトイズ「手のひら水族館アクアリウム」

「手のひら水族館アクアリウム」
発売 セガトイズ
価格 3,990円
電源 単4アルカリ電池×4(別売)
発売日 発売中



パッケージ。イルカの可愛らしさが強調されている
 今回取り上げるToyは、「たまごっち」から派生したペット育成型のゲームだ。その名も「手のひら水族館アクアリウム」。このアイテムが画期的なのは、フルカラー液晶画面を採用していること。そのため、育成するペットがかつてないほど可愛らしく、そして生き生きとして描かれているのだ。ペットには、イルカとエンゼルフィッシュの2種類があり、筆者はイルカの方を購入した。


イルカは3段階に成長する

 本体は、Apple Computerの一世代前のiPod nanoを意識したデザインになっている。サイズは34×17×96mm(幅×奥行×高さ) で、手のひらに収まる仕様だ。そのため、利き手で握って親指で操作するという片手で操作することが可能になっている。ボタンは上・下・左・右と決定が用意されている。

本体は旧iPod nanoを彷彿とさせるデザインだ イルカには、英語だが、名前をつけることができる

 肝心のカラー液晶画面は色鮮やかだ。イルカが暮らす海の青色が目に映え、美しいといえるだろう。ただし、イルカの動きが激しいときなど、残像が残ってしまう。とはいえ、遊びに支障があるわけではない。

 ゲームの目的はイルカを3段階まで成長させること。赤ちゃん期→子供期→大人期に分かれている。成長すると体が大きくなり、水槽も大きなものへと移し変えることになる。

 ペットは死んでしまうことはないが、ペットの健康状態や水槽の環境が悪かったりすると、手紙を残して去ってしまう。

イルカの赤ちゃん期。あどけない表情をしている イルカの子供期。「遊び」や「ゲーム」ができるようになる イルカの大人期。すべての「遊び」や「ゲーム」が行なえるようになる


水槽の環境を整えることが重要

 えさを上げたりミニゲームをしたりするのは、「たまごっち」などと同じだが、このゲーム独自の要素としてペットの環境を整える仕組みがある。プレーヤーは常に水槽の状態を気にかけ、悪化している場合はケアをしなければならないのだ。

 水槽の状態は、「現在の水温」、「現在の水質」、「現在の空気量」、「水草、サンゴ」の4つに分かれ、それぞれを調整していくことになる。いずれも同じくらい重要な要素だが、特に気を配らなければならないのは、「水草、サンゴ」だ。水草は水槽のサイズに応じて、水草を追加することができる。水草を追加することで水質と空気量が悪化することを避けられるが、置き過ぎるとペットの機嫌が悪くなってしまう。ほどほどの加減を見極めることが必要になっている。

「現在の水温」。上下ボタンを押すと、水温を変更できる 「現在の水質」。決定ボタンを押すと、浄化される
「現在の空気量」。決定ボタンを押すと、補充される 「水草、サンゴ」。枠があれば、好きなだけ置くことができる


お楽しみはイルカとのコミュニケーション

イルカの食事。小魚をつついた後、ジャンプしてパクリと食べる
 こうした要素は従来のペット育成型ゲームと変わらないのだが、「手のひら水族館アクアリウム」はカラー液晶画面を生かし、ペットの流麗なアニメーションを楽しめるようになっている。例えば「食事」では、手のひらから差し出された小魚をイルカが鼻でチョンチョンとつつき、次の瞬間にパクリと食べて海の中に潜るといった本当のイルカさながらのアニメーションを見ることができるのだ。これはとても楽しい。

 「遊び」は、「あわあそび」、「輪くぐり」、「ジャンプ」、「タッチ」の4種類がある。イルカが子供期のときは「あわあそび」しかできないが、大人期に成長すると「輪くぐり」、「ジャンプ」、「タッチ」の3種類も遊べるようになる。「遊び」は、基本的にはプレーヤーは見ているだけだが、イルカの機嫌をよくするという重要な役割がある。また、「輪くぐり」では時には輪をくぐれなかったり、「ジャンプ」では空中に浮かんだボールに尾が届かなかったりと失敗することがある。そのため、見事に成功したときは、「わあ~」と歓声を上げたくなるようなうれしさを感じる。

「あわあそび」。貝殻からでるあぶくの回りを1周する 「輪くぐり」。空中に浮かんだ輪をくぐる。アニメーションの残像によって、このようにブレて見えることもある
「ジャンプ」。空中に浮かんだボールを尾で叩く 「タッチ」。決定ボタンで画面をタッチして、イルカの機嫌がよければハートマークを出す

 「ゲーム」は、「ボールヒット」、「エスケープ」、「かくれんぼ」の3種類がある。これは「遊び」とは異なり、プレーヤーが参加して、操作を行なう。

 「ボールヒット」は15個のボールが画面左からランダムに投げ込まれる。ボールの位置に合わせて、イルカを左右に動かして、決定ボタンを押してジャンプさせる。見事に鼻先でボールを弾くことができれば成功だ。15個中、10個成功すると、サンゴが1つもらえる。負けてしまうとサンゴが1つ減ってしまう。

 「エスケープ」は、壁がランダムに現われるので、3秒以内に逃げる方向を決める。5回のうち、3回うまく逃げられれば成功だ。

 「かくれんぼ」は、イルカが水槽のどこかに隠れているので、上下左右のボタンを押して、隠れている場所を見つける。制限時間は30秒。見つけたら決定ボタンを押す。

「ボールヒット」。ボールを左右に追いかけて、ジャンプして弾く 「エスケープ」。上下左右ボタンを押して、目の前に現われた壁を避ける 「かくれんぼ」。上下左右ボタンで画面を切り替えて、水槽のどこかに隠れているイルカを探し出す

 「ゲーム」は、それぞれにルールが異なり楽しめるものになっているが、本体のボタンが押しづらく、ストレスを感じた。グッと力をこめて押し込まないといけないので、余分な時間がかかってしまうのだ。そのため反射神経が問われる「ボールヒット」などは難易度が上がってしまっている。子供が遊ぶToyなので、ここはもう少し遊びやすくチューニングしてほしかった。

 「薬」はペットが病気になってしまったときに薬を上げる行為だ。元気なときに薬を与えると、たちまち機嫌を悪くしてしまう。

イルカはデリケート。水槽のケアを少し怠るだけで病気になってしまう 注射で薬を注入。一度で良くならない場合は、数回くり返す

 1週間遊びこんだ感想は、まず液晶画面の美しさと、イルカの可愛らしさに惹かれた。赤ちゃん期のイルカを早く大人期のイルカにさせたくて、かいがいしく世話をした。

 気になった点は、ゲームの設定がシビアなこと。夜になるとイルカは眠り空腹度と機嫌が0になるのだが、目を覚ました直後に食事を与えて満腹にし遊んで機嫌をとらないと、すぐに手紙を置いて去ってしまうのだ。筆者は2回ほど手紙を受け取ることとなり、最初からやり直しとなった。スリルがあるともいえるが、厳しい設定にも感じた。

 購入を迷っている人は、ホームページに掲載されているイルカやエンゼルフィッシュの姿を見て、惚れられるかを判断してみよう。「世話をしてみたい」と思えればすべての要素が楽しく、やりがいに感じられるはずだ。

Copyright 2008 (C) SEGA TOYS


□セガトイズのホームページ
http://www.segatoys.co.jp/
□「手のひら水族館アクアリウム」のページ
http://www.segatoys.co.jp/products/lovely/aquarium/


 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)

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(2008年5月29日)

[Reported by 元宮秀介]



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