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会場:ザ・プリンスパークタワー東京
各端末の詳細なスペックや、端末以外に発表された新たなサービスについては、ケータイWatchを始めとした僚誌にてご確認いただきたい。ここでは、フラッグシップモデルである906iシリーズの各端末にプリインストールされたゲームアプリについて、実際に触ってみた感触などをレポートしたい。 まず全体的な感触としては、ゲーム用端末として何かしら進化したという様子は特に見られない。ゲームに関する新たな機能やサービスも特に発表されていないため、905iシリーズ相当であると考えていいだろう。端末の形状も現行機種である905iシリーズをシェイプアップしたものという印象が強く、ゲーム機として905iから906iに乗り換える魅力というのは、今のところほとんど感じられない。 ただ、アプリの方はかなり進化している。905iが発売されてから約半年が経過し、コンテンツプロバイダ各社の研究開発も進んでいるようだ。905iシリーズの登場時に比べて、プリインストールされているゲームのバリエーションも広がり、クオリティも一段上がっている。WVGA表示に対応したものも多く、今後の配信版の登場も期待したい。
では、906iシリーズのプリインストールゲームアプリを紹介していく。紹介順は、端末の発売日順とさせていただいた。
■ P906i
プリインストールされているゲームは、「機動戦士ガンダム U.C.0079」と、「レイトン教授と不思議な町」の2本。「機動戦士ガンダム U.C.0079」は、905iシリーズの発表会でも参考展示されていた3Dアクションゲーム。当時も繊細な3Dグラフィックスには驚かされたが、半年でさらにクオリティが向上し、秒間30フレーム近く出ているのではないかという滑らかさや、それによって実現したスピード感あふれるアクションには驚かされた。「今の携帯電話はここまでできるのか!」と誰もが驚くだろう。 もう1本の「レイトン教授と不思議な町」は、株式会社レベルファイブがニンテンドーDS用に発売しているナゾトキ・ファンタジーアドベンチャー「レイトン教授」シリーズの第1作を移植したもの。ゲームは元々、多湖輝氏の「頭の体操」をベースにしているので、携帯電話でも可能な問題を用意することで対応したものと思われる。
アドベンチャーパートのグラフィックスも贅沢に使用しており、WVGA対応の画像はDS版よりも鮮明に感じられる。ナゾを解いた時などのキャラクタボイスもきちんと収録されており、アプリとしての完成度は非常に高い。なお、プリインストール版は序章のみプレイ可能で、別途完全版がダウンロード販売される。完全版では、本作のウリの1つであるムービーなども収録されるそうで、さらにゲームを盛り上げてくれそうだ。
■ SO906i
「LUMINES for SO906i」には、「LUMINES」のプロデューサーである水口哲也氏が、自らプロデュースしている音楽ユニット「元気ロケッツ」を起用。「Heavenly Star」、「Breeze」、さらに新曲の「Smile」を加えた3曲を収録している。操作自体はシンプルなゲームなので、美しいBGMと映像を、WVGAの液晶で存分に味わいながらプレイできる。ゲーム自体はどこでも手軽に遊べるが、ぜひ音と映像をきちんと感じられる、落ち着いた場所でもプレイしていただきたい。
■ SH906i/SH906iTV
「デビルメイクライ for SH」は、株式会社カプコンの3Dアクション「デビルメイクライ」シリーズのモバイル版。もちろん3Dグラフィックスを採用し、剣や銃を使ったスタイリッシュなアクションを実現している。「直感プレーパーク」は、端末の動きを使って動かす直感ゲーム。端末を傾けたり振ったりして、色々なミニゲームをプレイできる。
■ N906i/N906iμ/N906iL
N906iとN906iμのプリインストールゲームは、「パックマニア」と「アバター☆ボウリング」の2つ。「パックマニア」は、名作アクション「パックマン」を斜め方向からの見下ろしにして3D化したタイトル。基本的なルールは「パックマン」と同じく、落ちているエサを全て食べればクリアとなる。違う点は、パックマンがジャンプして敵を飛び越えられるところ。 アーケード版の「パックマニア」は擬似3Dだったが、今回のアプリ版は本当に3Dで描画されている。ゲームがゲームだけに、グラフィックスの美しさに驚くといった類のものではないが、シンプルなゲームをまじめに作ったという印象を受ける。3Dが当たり前に使われ、それが何の違和感も見せないところは、モバイルゲームであることを考えるとなかなかのものだ。 「アバター☆ボウリング」は、1人用の3Dボウリングゲーム。投げる位置とスピン、パワーを決めて投げるだけというシンプルな内容で、特定のピンを倒すといったミッションをクリアするゲームモードも用意されている。また「アバターメーカー for N」というプリインストールアプリを使ってアバターキャラクタを制作し、そのアバターを「アバター☆ボウリング」に持ってきて使える。WiiタイトルにおけるMiiのようなイメージだ。
「N906iL」はプリインストールアプリが異なり、「絶対視覚」1本となっている。中身は「N905i」に入っていたものと同様、端末の傾きを使って答えるクイズゲームとなっている。
■ F906i
F906iでは液晶を横向きに傾けられるようになっており、「太鼓の達人もばいる4 F」も横画面をいっぱいに使ってプレイ可能。WVGA対応で解像度も高く、画質はコンシューマ版に引けを取らない。音質については、会場が騒がしかったこともあってきちんと確かめられてはいないが、収録曲は30曲とかなり多く、プリインストール版でもたっぷり遊べそうだ。
■ ゲームに強いP906i。各社のゲームへの積極性の違いが明確に プリインストールアプリを見ていくと、各社がゲームアプリに対してどの程度比重を置いているかが見えてくる。最も力を入れていると感じさせられたのは、パナソニックモバイルのP906iだ。 現行機種のP905iで、ヨコオープンスタイルという斬新な仕組みと、高品質な3Dゲーム「リッジレーサーズモバイル」をプリインストールしたことに驚かされた。そしてP906iではアプリを一新し、より凄さを感じさせる3Dゲームと、全く軸の異なる新タイトルの2つを投入してきた。他社の担当者も、「うちも3Dゲームを用意しています。Pさんほど凄いものではないですが……」と思わずもらしてしまうほどで、その差は歴然としている。 ヨコオープンスタイルの対応ゲームも、P905iの発売当時はどの程度出てくるのか不安だったが、最近は横スクロールシューティングなどで、いくつかのタイトルが配信されている。画面を横向きにできる端末は、F906iなど他にもあるので、今後も横画面に対応したアプリは増えてくるだろう。
ただ、携帯電話は片手で操作できることが利点でもある。両手を“使わせてしまう”ゲームだと、電車でつり革に捕まりながら遊ぶわけにはいかなくなるし、ニンテンドーDSやPSPといった携帯ゲーム機に対しては、操作性やクオリティでどうしても劣る。もっとも、「P906i」も普通に縦に開けられるので、時と場合によって使い分けるのがいいだろう。ただし、プリインストールされている2つのアプリは、ヨコオープンスタイルが基本となるので注意が必要だ。
(2008年5月28日) [Reported by 石田賀津男]
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