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NTTドコモ、新型携帯電話「906i」シリーズなどを発表
「レイトン教授」などがプリインストールアプリで登場

5月27日 開催

会場:ザ・プリンスパークタワー東京

新端末のタッチ&トライ会場は、いつもよりかなり広い場所を設けて、発表会とは別にステージイベントも行なっていた
 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモは5月27日、新商品発表会をザ・プリンスパークタワー東京にて開催した。この発表会では、FOMA端末の新型となる「906i」シリーズ8機種と、「706i」シリーズ11機種が発表された。

 各端末の詳細なスペックや、端末以外に発表された新たなサービスについては、ケータイWatchを始めとした僚誌にてご確認いただきたい。ここでは、フラッグシップモデルである906iシリーズの各端末にプリインストールされたゲームアプリについて、実際に触ってみた感触などをレポートしたい。

 まず全体的な感触としては、ゲーム用端末として何かしら進化したという様子は特に見られない。ゲームに関する新たな機能やサービスも特に発表されていないため、905iシリーズ相当であると考えていいだろう。端末の形状も現行機種である905iシリーズをシェイプアップしたものという印象が強く、ゲーム機として905iから906iに乗り換える魅力というのは、今のところほとんど感じられない。

 ただ、アプリの方はかなり進化している。905iが発売されてから約半年が経過し、コンテンツプロバイダ各社の研究開発も進んでいるようだ。905iシリーズの登場時に比べて、プリインストールされているゲームのバリエーションも広がり、クオリティも一段上がっている。WVGA表示に対応したものも多く、今後の配信版の登場も期待したい。

 では、906iシリーズのプリインストールゲームアプリを紹介していく。紹介順は、端末の発売日順とさせていただいた。



■ P906i

P906i
 906iシリーズのトップバッター「P906i」は、6月1日に発売予定の端末。現行モデルのP905iに続いて、液晶が横に開く「ヨコオープンスタイル」を踏襲している。外見もやや薄くなったりした程度で、触った感触は大きくは変わっていない。しかし、横開きによって、両手の親指を使って操作できるスタイルは、携帯ゲーム機に慣れ親しんだゲームユーザーには馴染みやすく、「じっくり遊びたい」という本格派アプリでは実に効果的だ。

 プリインストールされているゲームは、「機動戦士ガンダム U.C.0079」と、「レイトン教授と不思議な町」の2本。「機動戦士ガンダム U.C.0079」は、905iシリーズの発表会でも参考展示されていた3Dアクションゲーム。当時も繊細な3Dグラフィックスには驚かされたが、半年でさらにクオリティが向上し、秒間30フレーム近く出ているのではないかという滑らかさや、それによって実現したスピード感あふれるアクションには驚かされた。「今の携帯電話はここまでできるのか!」と誰もが驚くだろう。

 もう1本の「レイトン教授と不思議な町」は、株式会社レベルファイブがニンテンドーDS用に発売しているナゾトキ・ファンタジーアドベンチャー「レイトン教授」シリーズの第1作を移植したもの。ゲームは元々、多湖輝氏の「頭の体操」をベースにしているので、携帯電話でも可能な問題を用意することで対応したものと思われる。

 アドベンチャーパートのグラフィックスも贅沢に使用しており、WVGA対応の画像はDS版よりも鮮明に感じられる。ナゾを解いた時などのキャラクタボイスもきちんと収録されており、アプリとしての完成度は非常に高い。なお、プリインストール版は序章のみプレイ可能で、別途完全版がダウンロード販売される。完全版では、本作のウリの1つであるムービーなども収録されるそうで、さらにゲームを盛り上げてくれそうだ。

「機動戦士ガンダム U.C.0079」
「レイトン教授と不思議な町」

【「レイトン教授と不思議な町」スクリーンショット】
(C)2007-2008 LEVEL-5 Inc.




■ SO906i

SO906i
 6月2日発売予定の「SO906i」には、「LUMINES for SO906i」がプリインストールされている。「LUMINES」は、キューエンタテインメント株式会社が展開しているパズルゲームで、落ちてくる2色のブロックを四角形になるよう並べて消していく。また音や映像による演出が特徴で、さまざまなアーティストとのコラボレーションも活発に行なわれている。

 「LUMINES for SO906i」には、「LUMINES」のプロデューサーである水口哲也氏が、自らプロデュースしている音楽ユニット「元気ロケッツ」を起用。「Heavenly Star」、「Breeze」、さらに新曲の「Smile」を加えた3曲を収録している。操作自体はシンプルなゲームなので、美しいBGMと映像を、WVGAの液晶で存分に味わいながらプレイできる。ゲーム自体はどこでも手軽に遊べるが、ぜひ音と映像をきちんと感じられる、落ち着いた場所でもプレイしていただきたい。

「LUMINES for SO906i」




■ SH906i/SH906iTV

SH906i
SH906iTV
 6月3日発売予定の「SH906i」と、6月から7月に発売予定の「SH906iTV」には、「デビルメイクライ for SH」と「直感プレーパーク」を収録。どちらも現行機種の「SH905i」に収録されているものと変わりないようだ。

 「デビルメイクライ for SH」は、株式会社カプコンの3Dアクション「デビルメイクライ」シリーズのモバイル版。もちろん3Dグラフィックスを採用し、剣や銃を使ったスタイリッシュなアクションを実現している。「直感プレーパーク」は、端末の動きを使って動かす直感ゲーム。端末を傾けたり振ったりして、色々なミニゲームをプレイできる。

「デビルメイクライ for SH」
「直感プレーパーク」




■ N906i/N906iμ/N906iL

N906i
N906iμ
N906iL
 「N906i」は3種類の製品展開があり、まず薄型の「N906iμ」が6月4日に発売される。続いて「N906i」と「N906iL」が6月発売予定となっている。

 N906iとN906iμのプリインストールゲームは、「パックマニア」と「アバター☆ボウリング」の2つ。「パックマニア」は、名作アクション「パックマン」を斜め方向からの見下ろしにして3D化したタイトル。基本的なルールは「パックマン」と同じく、落ちているエサを全て食べればクリアとなる。違う点は、パックマンがジャンプして敵を飛び越えられるところ。

 アーケード版の「パックマニア」は擬似3Dだったが、今回のアプリ版は本当に3Dで描画されている。ゲームがゲームだけに、グラフィックスの美しさに驚くといった類のものではないが、シンプルなゲームをまじめに作ったという印象を受ける。3Dが当たり前に使われ、それが何の違和感も見せないところは、モバイルゲームであることを考えるとなかなかのものだ。

 「アバター☆ボウリング」は、1人用の3Dボウリングゲーム。投げる位置とスピン、パワーを決めて投げるだけというシンプルな内容で、特定のピンを倒すといったミッションをクリアするゲームモードも用意されている。また「アバターメーカー for N」というプリインストールアプリを使ってアバターキャラクタを制作し、そのアバターを「アバター☆ボウリング」に持ってきて使える。WiiタイトルにおけるMiiのようなイメージだ。

 「N906iL」はプリインストールアプリが異なり、「絶対視覚」1本となっている。中身は「N905i」に入っていたものと同様、端末の傾きを使って答えるクイズゲームとなっている。

「パックマニア」
「アバター☆ボウリング」
「絶対視覚」




■ F906i

F906i
 6月5日発売予定の「F906i」は、「太鼓の達人もばいる4 F」をプリインストール。リズムアクション「太鼓の達人」シリーズのアプリ版で、流れる音楽と右から左へと流れていくアイコンに合わせて、タイミングよくキーを押していく。

 F906iでは液晶を横向きに傾けられるようになっており、「太鼓の達人もばいる4 F」も横画面をいっぱいに使ってプレイ可能。WVGA対応で解像度も高く、画質はコンシューマ版に引けを取らない。音質については、会場が騒がしかったこともあってきちんと確かめられてはいないが、収録曲は30曲とかなり多く、プリインストール版でもたっぷり遊べそうだ。

「太鼓の達人もばいる4 F」




■ ゲームに強いP906i。各社のゲームへの積極性の違いが明確に

 プリインストールアプリを見ていくと、各社がゲームアプリに対してどの程度比重を置いているかが見えてくる。最も力を入れていると感じさせられたのは、パナソニックモバイルのP906iだ。

 現行機種のP905iで、ヨコオープンスタイルという斬新な仕組みと、高品質な3Dゲーム「リッジレーサーズモバイル」をプリインストールしたことに驚かされた。そしてP906iではアプリを一新し、より凄さを感じさせる3Dゲームと、全く軸の異なる新タイトルの2つを投入してきた。他社の担当者も、「うちも3Dゲームを用意しています。Pさんほど凄いものではないですが……」と思わずもらしてしまうほどで、その差は歴然としている。

 ヨコオープンスタイルの対応ゲームも、P905iの発売当時はどの程度出てくるのか不安だったが、最近は横スクロールシューティングなどで、いくつかのタイトルが配信されている。画面を横向きにできる端末は、F906iなど他にもあるので、今後も横画面に対応したアプリは増えてくるだろう。

 ただ、携帯電話は片手で操作できることが利点でもある。両手を“使わせてしまう”ゲームだと、電車でつり革に捕まりながら遊ぶわけにはいかなくなるし、ニンテンドーDSやPSPといった携帯ゲーム機に対しては、操作性やクオリティでどうしても劣る。もっとも、「P906i」も普通に縦に開けられるので、時と場合によって使い分けるのがいいだろう。ただし、プリインストールされている2つのアプリは、ヨコオープンスタイルが基本となるので注意が必要だ。

□NTTドコモのホームページ
http://www.nttdocomo.co.jp/
□「906i」シリーズのページ
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/906i/index.html
□関連情報
【2007年11月1日】NTTドコモ、新端末「905i」、「705i」シリーズを発表
「リッジレーサーズモバイル」などのアプリを体験レポート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071101/docomo.htm

(2008年5月28日)

[Reported by 石田賀津男]



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