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会場:マイクロソフト本社ビル内特設会場
【ロスト プラネット コロニーズ】 価格:各6,290円
CEROレーティング:C(15歳以上対象)
■ オンラインバトルを中心に大幅な拡張を施された「ロスト プラネット コロニーズ」に注目
そして本作「コロニーズ」は、続編というよりはパワーアップ版と呼ぶにふさわしい内容をもったシリーズ最新作。「エクストリーム コンディション」の持つゲーム性の基本はそのままに、オンラインバトル要素とソロプレイのやりこみ要素を大幅に拡張。プロデューサーであるカプコンの竹内潤氏によれば「『エクストリーム コンディション』でやりたかったことを詰め込んだ」というものになったようだ。 その「コロニーズ」の目玉のひとつは、オンラインバトルに7種類のルールを追加したことだ。その内訳は「カウンターポスト」、「ポイントサバイバル」、「VSデストロイ」、「エイクリッドエッグ戦」、「カウンターエッグ」、「エイクリッドハンティング」で、先行体験会では新ルールでも最も強烈な1種である「エイクリッドハンティング」の16人対戦を実際に楽しむことができた。 ・初心者も上級者もワイワイ楽しめる「エイクリッドハンティング」ルール
これに対抗する「HUMANチーム」は距離をとって戦ったり、VS(バイタルスーツ=本作における人型の搭乗兵器)を使って戦う。敵を倒すことによる獲得スコアは「HUMANチーム」のほうが多く設定されているのだが、VSですらほぼ一撃で粉砕してしまうエイクリッドの威力の前に、体験プレイで戦われた数セッションのゲームでは、ほぼ「AKチーム」側が圧勝だ。しかしゲームが進む毎にプレーヤーもコツを掴んできたようで、次第にいい勝負になってきていたのは印象的である。 このルールの特徴は、本作の他のルールや、他のFPSタイトルで採用されているルールなどと本質的に異なり、チーム毎のゲーム性が完全に非対称であることだ。「HUMANチーム」はいつものまま、対して「AKチーム」はボスキャラ級の能力で、射撃のセンスすら必要がないレベルだ。破天荒な内容とも言えるが、むしろそのおかげで、対称なゲームルールでは活躍が難しい初心者プレーヤーでもおおいに楽しめる。会場でもそこかしこで笑い声が上がり、非常ににぎやかな雰囲気でプレイが進行していた。 プロデューサーの竹内氏は、このモードについて、「ソロプレイの攻略対象であるボスキャラを人間がプレイすれば『世界最強のAI』を搭載するようなもので、とても楽しそうだというごく子供っぽい発想が発端。ゲームバランスを考えると普通のメーカーならやらない可能性が高いが、カプコンではそれを敢えてやって、その上でバランスをとる自信があった」と、クリエーター魂を披露。他に例を見ないユニークな内容は、オンラインで人気を集めそうだ。
・オンラインバトル用の新要素、ソロプレイのやりこみモードなど新要素満載
またソロプレイ用の拡張も面白い。本作では前作「エクストリーム コンディション」のキャンペーンモード全コンテンツが完全に引き継がれているのだが、さらに「トライアルバトルモード」、「スコアアタックモード」の2ゲームモードを搭載する。 「トライアルバトルモード」は、キャンペーンモード各面で登場するボス戦だけを連戦し、そのスコアとクリアタイムを競うというものだ。ゲームオーバー時のやりなおしは許されないので一通りクリアしたプレーヤー向けのモードとなり、いかに短い時間で各ボスを撃破していくかという、競技性の高い内容となっている。 会場でデモプレイを披露した、本作プログラマーの酒谷佑一氏(ゲーマータグ『LOST Technology』としてオンラインでも有名なトッププレーヤーだ)は、全ボスを3分少々の好タイムでクリア、会場の注目を集めていた。 もうひとつの「スコアアタックモード」は、キャンペーンモードに様々な「得点源」を追加し、クリアスコアを競うゲームモードだ。このモードではマップ上の破壊可能なあらゆるオブジェクトが得点源となり、それらを時間をおかず破壊し続けることで「コンボ」が蓄積される仕組み。
コンボ数が増えていくと獲得スコアが倍々で増えていくので、いかにスムーズなプレイを続けるかが好スコアの鍵だ。ソロプレイを違った角度から攻略する楽しみが増えそうである。
■ ついにクロスプラットフォーム対戦に対応。
今回、PC版ユーザーにとって何よりも嬉しいのは、「コロニーズ」がクロスプラットフォーム対戦に対応したことだ。PC版「エクストリーム コンディション」はオンラインプラットフォームとしてSteamに対応していたが、今回はGames for Windows - LIVEに対応する。つまり、Xbox 360版とPC版のユーザーが「LIVE」という同じ場で対戦できるわけだ。前作のPC版では対戦機会の掴みにくさが大きな問題だっただけに、これは本当に良いニュースである。
会場でもクロスプラットフォーム対戦環境が構築されており、それぞれ16台のXbox 360とPCがLANを通じて「システムリンク」接続されていた。マウス・キーボードを主体とするPC派と、Xbox 360コントローラを使ってプレイするXbox 360派の戦いはややPC版優勢にも見えたが、Xbox 360でプレイする本作プログラマーの「LOST Technology」こと酒谷氏がトップスコア連取の大活躍をし、Xbox 360ユーザーの底力を見せていた。このプラットフォームを越えた戦いが広くオンラインに波及する日が本当に楽しみだ。
体験会の最後には「コロニーズ」スタッフらとユーザーが集まってのトークセッションが開かれ、プロデューサーの竹内氏、ディレクターの大黒氏らがユーザーからの質問にジョークを交えつつ、「ロスト プラネット」開発にまつわる裏話を多数披露していた。 まず質問された「マルチプラットフォーム開発の難しさ」に関して竹内氏は、カプコンの独自エンジンである「MTフレームワーク」に触れ、技術的にはPC版の制作にほとんど障害はなく、今回のGames for Windows - LIVE対応についても、マイクロソフトからのサポートによりスムーズに進んだとのこと。PC版のリリースには元々積極的だったこともあり、大きな障害はなかったようだ。またクロスプラットフォーム対戦に関して「『Shadowrun』に先を越された感があった」と語っていたのは、今回実現された要因のひとつとして面白い。 むしろ開発の難しさは「ロスト プラネット」開発そのものにあり、カプコンの中でもあらゆる新しいことを真っ先にやるチームであるがために、社内では「地雷を踏むチーム」と言われているとも。新しいプラットフォームや新技術で何かを試みる際に発生する問題とその解決はもっぱら「ロスト プラネット」チームがぶつかることで、同じ「MTフレームワーク」を使って開発をしている他のチームからはお礼を言われることもあるそうだ。 このほか本作の新モードに関する質疑が飛び交った後、最後に飛び出した質問は、「『ロスト プラネット』の『2』は出るんでしょうか」という、続編を期待する声だった。竹内氏によると、具体的なプロジェクトとして「2」の話はまだできる段階ではないということだが、ユーザーの要望が多ければ「もちろん検討します」と心強い返答だ。 「でも、次は『ロスプラ2』ではなく『ロスプラG』かも? でもスペック的に『P』は無いでしょうね」と同社の「モンスターハンター」がらみのジョークを飛ばす竹内氏に、大受けする会場。続編を出す場合は「なるべくおまたせしないようにしたい」とし、今後の展開に期待を持たせた。まずは近日発売される「ロスト プラネット コロニーズ」を存分に楽しみたいところだ。
Character Wayne by (C)Lee Byung Hun/BH Entertainment CO., LTD, (C)CAPCOM CO., LTD. 2008 ALL RIGHTS RESERVED.
□カプコンのホームページ (2008年5月23日) [Reported by 佐藤“KAF”耕司]
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