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【連載第267回】 あの、おもちゃを徹底レポート




召喚、育成、バトル、そしてネットワークゲームが楽しめる!
バンダイ「デュエルポッド プロミネンスファイヤーVer.」

「デュエルポッド プロミネンスファイヤーVer.」
発売 バンダイ
価格 5,250円
電源 コイン電池(CR2032)×1(内蔵)
対応OS Windows XP
PCスペック 1GHz以上のPentiumおよび同等のプロセッサ、HDDに50MB以上の空き容量、USB端子
発売日 発売中



パッケージ。小学校高学年~中学生を意識したデザインで、シンプルなあしらいだ
 今回取り上げる「デュエルポッド」は、ひと言でいうと豪華絢爛なToyだ。「デュエルポッド」本体でモンスターの召喚やバトル、育成、トレードなど様々な遊びがたっぷりと行なえるかと思えば、「デュエルポッド」本体をPCにつなげれば、オンライン上でモンスターを使った対人バトルを楽しめるのだ。「がっつりとバトルで遊びたい!」という少年たちのニーズを満たしたToyだと言えよう。

 発売から約8カ月が過ぎたToyだが、まだまだ人気は白熱していて、入手するのに数件のToyショップを巡らなければならなかった。オンラインにアクセスしてみれば、モンスターバトルもまだまださかんだ。この熱いToyを今週はレポートしてみたい。


カラースキャンをして、モンスターを召喚。敵とバトルをさせる!

 「デュエルポッド」本体で行なえることは多種多様にあるので、順を追って説明したい。まずはカラースキャンから。「デュエルポッド」本体の裏側に組み込まれたカラーセンサーを利用して、身の回りにあるものをスキャンすると、魔彩獣と呼ばれるモンスターをゲットできるのだ。本棚、テーブル、本の背表紙、観葉植物……色がついているものなら何でもいい。「デュエルポッド」のカラーセンサーをピッタリくっつけた状態で、ボタンを押すと、魔彩獣を召喚できる。召喚できる魔彩獣の種類は、スキャンするもので変わり、全部で150体いるという。

「デュエルポッド」本体。光の3原色がシンプルにデザインされており、“DuelPod”というロゴもスタイリッシュだ 「デュエルポッド」本体の裏面。丸い円の部分がカラーセンサー。その上には「2Pデュエル」やトレードで使用する赤外線通信部がある コピー用紙の外箱が色鮮やかなレッドだったので、カラースキャンしてみた。「デュエルポッド」本体裏のカラーセンサーをピタリと合わせ、ボタンを押す

 「デュエルポッド」本体の電源をオンにして、プレーヤーの名前と年月日、そして時間を設定すると、最初の魔彩獣、プチベリオが召喚される。なぜ最初に魔彩獣が1匹召喚されるかといえば、カラーセンサーで色をスキャンしてモンスターを召喚したとき、魔彩獣同士でバトルが勃発する場合があるのだ。プチベリオはそのための最初の1匹というわけだ。

 プチベリオを手に入れたので、どんな魔彩獣を召喚しても大丈夫になった。「デュエルポッド」本体を使い、仕事部屋にあるものを片っ端からスキャンしていった。このスキャンが実に楽しい。魔彩獣のドット絵が緻密に描かれており、それぞれの個性が豊かに表現されているためだ。そのため、「つぎはどんな魔彩獣が手に入るのだろうか?」とワクワクして、カラースキャンをする手が止まらないのだ。

魔彩獣の召喚。まず最初に小さなシルエットが表示され、「ショウカン」という文字が出たらそれを押す。すると、魔彩獣をゲットできる

 筆者は順調に魔彩獣をゲットしていった。コボルン、ユキラビ、ウミノコ、ウソボスク、オピニーク、ハンギョルン、キャベッチ……。

 魔彩獣が集まってくると、デッキを組むことができる。デッキとは、最大3体の魔彩獣を集めたセットのことで、バトルに使用すると有利に戦えるものだ。ただし、どんな魔彩獣でもデッキに組み込めるわけではない。プレーヤーにはMPが設定されており、デッキに入れる魔彩獣のMPの合計が、プレーヤーのMPの範囲内に収まっていなければならないのだ。

 プレーヤーのMPを上げるには、組んだデッキでデュエル(決闘)を行ない、経験値を稼ぐ必要がある。デュエルにはコンピュータのデッキと戦う「1Pデュエル」と、「デュエルポッド」を持っている友だちと戦う「2Pデュエル」の2種類がある。

 デュエルはオートで進行する。事前に設定した攻撃作戦と魔法作戦に従って、魔彩獣たちが攻撃と防御をくり返すのだ。デュエルにはランダム性があり、いくら強い攻撃を放ってもミスすることがある。そのためレベルの高い魔彩獣を出しても、弱い相手に負けてしまうこともある。まさに片時も目を離せない熱い展開がくり広げられるのだ。勝利すると経験値を獲得でき、経験値に応じてMPが上がることがある。

 「2Pデュエル」は、「デュエルポッド」本体裏側にある赤外線通信部を向かい合わせることで行なえる。デュエルの流れは、「1Pデュエル」と同じだ。勝利すると経験値のほか、★(キラ)と呼ばれるステータスを獲得できる。

プチベリオを使ったバトルシーン。攻撃と防御が交互にくり返される
モード変更画面。この場合、「デュエルポッド」本体は横向きにして使用する 「2Pデュエル」は、このように赤外線発信部を向かい合わせて行なう。モンスターのトレードも同じだ


別売の「D'sタグ」を読む込むと、強力なモンスターが手に入る!

「D'sタグ」は、現在4種類が発売されている。筆者はその中から「獄炎獣の章」と「神獣騎の章」を手に入れた。1パックで420円
 強力な魔彩獣を手軽に手に入れたいのなら、別売の「D'sタグ」が有効だ。「D'sタグ」とは、トレーディングカードによく似たカードで、表面には魔彩獣や魔法のビジュアルが描かれ、裏面には召喚コードと3つの色がプリントされている。ポイントとなるのが、裏面の召喚コードと3つの色だ。「デュエルポッド」本体に召喚コードを入力したうえで、3つの色を連続してスキャンすると、魔彩獣や魔法をゲットすることができるのだ。

 魔彩獣の中には、「D'sタグ」からしか召喚できない種類もあり、ライバルとのデュエルに勝利するには、この「D'sタグ」のコレクションも重要になってくる。筆者の購入した「D'sタグ」には、ユニ・ホルンという一角獣を思わせる魔彩獣が描かれたカードが入っており、これがキーカードであることはひと目でわかった。さっそくスキャンしたことは言うまでもない。

「D'sタグ」の1枚「神獣騎ユニ・ホルン」のカードの表面と裏面。裏面には召喚コードと3つの色がプリントされている
「デュエルポッド」本体に召喚コードを入力したら、今度はカードの裏面の色を左から右へと順番にスキャンしていく

 そのほかに、魔彩獣同士をトレードすることが可能だ。手順は簡単で「デュエルポッド」本体を「2Pデュエル」と同じような配置に並べ、ボタンを押すだけだ。このトレードは、魔彩獣のコレクションコンプリートに有効だ。ダブった魔彩獣がいれば、同好の士を集めて、どんどんトレードに励みたい。


ドット絵からリアル絵のバトルへ! トーナメントで展開するオンラインバトル!

 オンライン版を楽しむには、もちろんPCが必要。付属のクレードルを使用し、USB接続でネットワークにログインする。利用するには、バンダイが運営するサークルリンクへの加入(無料)が必要で、そこで取得したユーザー名やパスワードを使用する。

 ソフトウェアは「デュエルポッド」のホームページからActiveXを介してインストールする方式。CD-ROMなどは付属していないので不安に感じる人も多いかと思うが、「デュエルポッド」のホームページには丁寧なチュートリアルが用意されているので、それに正しく従えば無事にソフトウェアをインストールできるはずだ。

付属のクレードルを使って、「デュエルポッド」本体をPCに接続したイメージ。ソフトウェアのインストールに成功すれば、あとの作業はスムースに行なえる 「デュエルポッド」公式ホームページ。ここにアクセスすれば、「デュエルポッド」に関するあらゆる情報が手に入る

 オンライン版は、独自の世界観が用意されている。オンライン版「デュエルポッド」は、異世界「リ・タース」が舞台。「リ・タース」の中心には謎の塔・プリズムタワーがあり、塔の頂上にはこの世のすべてを統べることができる「なにか」が隠されているらしい……。

ログインすると、リ・タースの世界観に関する文章が表示される。オンライン版のプロローグ的な画面だ プリズム・タワーの外観画面。中に入ることができるほか、全国ランキングや自分のランキングを確認することができる

 一度ログインさえすれば、「デュエルポッド」本体とオンライン版の連携は実にスムースだ。操作はPC側で行ない、デッキや魔法の転送などがワンクリックで行なえる。デュエルはトーナメント戦で開催され、優勝者がプリズム・タワーのさらなる上の階に進める、という仕組みになっている。

オンライン版のメイン画面。「デュエルポッド」との連携やデッキの確認、バトルに使う名前や決めゼリフの変更などが行なえる オンライン上から「デュエルポッド」本体にアクセスすると、この画面に切り替わる。これは「デュエルポッド」本体のデータをPC上に読み込んでいる画面だ 魔彩獣の転送画面。「デュエルポッド」本体からPCへ送ることもできるし、PCから「デュエルポッド」本体へ送ることもできる

 もちろん筆者も挑戦してみた。まだまだMPが足りないため、デッキに入れられる魔彩獣はユキラビとウソボスクの2体。魔法はバラン1個のみ。この弱々しい布陣で、どこまで挑戦できるか試してみた。

 バトルシーンは2Dタイプだが、ドット絵だった魔彩獣が色鮮やかにリアルに描かれ、目を奪われる。自分の手で鍛えた魔彩獣がUSBケーブルを通じてオンラインの世界に出現し、リアルな勇姿を現わしたことに、感激させられる。

 デュエルは、「デュエルポッド」本体と同様にオートで行なわれる。プリズムタワーの1階というだけあって、敵対する魔彩獣も決して強くはなさそうだ。

 筆者はユキラビで挑んだのだが、ユキラビVSユキラビというカードもあり、さすがは1階だと思わされた。筆者は1回でも勝てればしめたものかな、と思っていたのだが、意外や意外、筆者のユキラビは、並み居るライバルをどんどん倒していった。途中で、鎧を着た豚のような魔彩獣、狂戦士ブラウンと勝負したときは、その迫力に「連勝もここまでかな……」と思わされたが、なんと筆者のユキラビは軽々とブラウンを倒してしまった!

 結果は……何と優勝。予想もしなかった結果だったので、しばし唖然としてしまったが、しばらくしたら自然と笑みがこぼれてきた。オンライン対戦は1日1回までという仕組みとなっている。

デッキの編集画面。「デュエルポッド」本体から転送した魔彩獣を使って、デッキを組む。最大で4個のデッキを持つことができる 魔法作戦の画面。「D'sタグ」などで入手した魔法をバトル中に使用できるようにする トーナメントの開始画面。ログインすると、間髪入れずに同好の士が集まってきて、トーナメントがスタートする
バトル画面その1。「デュエルポッド」本体ではドット絵だった魔彩獣が、ここでは色彩豊かににリアルに表示される バトル画面その2。バトルが終わると、お互いの決めゼリフが表示される 優勝画面。「優勝」という文字のあとに、次なるバトルの条件が表示される

 当初は、5,250円という価格は、子ども向けのToyとしては高いと感じていたのだが、体験してみると、モンスターの召喚に育成、バトルにトレード、そしてオンラインとの連携と「ここまで楽しませてくれるのなら安いものだ」と感じられるようになった。

 基本的には、デュエルのくり返しとなるToyなので、バトルが好きな人にお奨めだ。子供向けのToyではあるが、大人でも楽しめる熱い駆け引きもある。そのひとつひとつが徹底して作り込まれたバリエーション豊かな遊びを高く評価したい。

(C)BANDAI


□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□「デュエルポッド」のページ
http://www.duelpod.com/
□関連情報
【2007年8月22日】バンダイ、ネットワークゲームと連動する液晶玩具
「デュエルポッド」9月下旬発売予定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070822/duelp.htm


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(2008年5月1日)

[Reported by 元宮秀介]



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