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★オンラインゲームレビュー★

大勢の新規ユーザーで賑わう新ワールド「嵐世記」
大人気コンテンツ「九州三国志」の様子をレポート

「信長の野望 Online~争覇の章~」

  • ジャンル:MMORPG
  • 開発/運営元:コーエー
  • 対応プラットフォーム:プレイステーション2、Windows 2000/XP/Vista
  • 価格:7,140円(パッケージ版)、5,355円(ダウンロード版、Windows版のみ)、2,940円(アップグレード版)
  • 利用料金:1,260円(30日プレイチケット)
  • 発売日:3月26日(正式サービス中)



 コーエーの歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」の世界観をベースに、プレーヤーが仮想の戦国時代の住人として、侍、僧、神職、鍛冶屋、薬師、忍者、陰陽師、傾奇者の職業となって生活するMMORPG「信長の野望 Online(以下、「信On」)」。その最新拡張ディスク「争覇の章」が3月26日についにスタートした。

 ユーザーが待ち焦がれた新仕様の合戦「大決戦」や「信On」史上最大のボリュームを誇るクエスト「九州三国志」に多くのユーザーが寝食を惜しんでチャレンジしている。そんな熱い「信長の野望 Online ~争覇の章~」の人気コンテンツと、新規ユーザーの多数参戦で活気のみなぎる新ワールド「嵐世紀」の様子をレポートしていきたい。


■ 数百人が一斉に冒険をスタートした新ワールド「嵐世記」

シネマティックバトルというコマンド形式の戦闘がMMORPGとして異彩を放つ
記念品の巨大な剣「第七天魁之剣」は重量軽減20%の特殊効果を使用できる
 まずは待望の新ワールド(サーバー)となる「嵐世記」の動向について触れてみたい。「信On」は、2004年2月のWindows版発売以降、群雄伝、風雲録、覇王伝、天翔記、将星録、烈風伝の全6ワールドで運営を行なってきたが、「争覇の章」の発売に合わせて7つ目の新ワールド「嵐世記」が導入された。

 ワールドの内容は既存のものと同じだが、他ワールドからキャラクタのマイグレーション(移住)ができず、参加するすべてのユーザーはLv1からのスタートという完全なリセットサーバーとなっている。「信長の野望 Online」初心者や昔遊んでいたユーザーをターゲットに、プレーヤーの資産格差が少ない新鮮な世界を提供することが主な狙いだ。

 導入後の週末にかけて「嵐世記」でキャラクタを作成してログインしてみると、スタート地点となる街「隠れ里」には、ピークタイムではないにも関わらず250人以上ものユーザーが溢れ、街の外にも150人以上のユーザーが確認できた。夜にはプレーヤー数はさらに増えて1,000人を超し、初期クエストの対象となる敵NPCを取り合う光景も見られたほどだ。この規模のユーザー数が定着するとすれば、「嵐世記」は十分にパーティーメンバーが確保可能で、生産物が流通するワールドに育つといえるだろう。

 他のワールドと比較して初心者が多いという点で、「争覇の章」から「信長の野望 Online」に入るというビギナーも仲間を作りやすい。筆者としてはやはり既存ワールドに人が増えてほしいという願いもあるのだが、これからゲームを始めるというプレーヤーは「嵐世記」から始めるのがスマートといえるだろう。

 サービスインから約2週間後ともなると隠れ里から多くのユーザーが巣立ち、諸国の大名に仕官。早くもLV.50へ到達したユーザーがちらほらと見られるようになってきた。「嵐世紀」というワールドでキャラクタの短期間育成が成功したことで、運営チームが目指す「信長の野望Onlineのカジュアル化」が実証されたともいえるだろう。

 現在「嵐世記」ワールドでは、2008年4月30日(水)のメンテナンス開始時(13:30予定)まで、2つの記念サービス企画が催されている。一つは、「嵐世記」ワールドで作成した全キャラクタに配布される攻撃力の高い武器「第七天魁之剣」の贈呈。もう一つは、戦闘終了後に得られる経験値、修得度、金、熟練度が全て2倍になるパーティー隊列「青嵐の隊列」を使用することができるサービス。育成速度が2倍のこの機会に、多くのユーザーで賑わい活気溢れる新ワールド「嵐世記」でキャラクタを作成してみてほしい。

【嵐世記】
両替所に人が集まり、大声チャットで盛んに徒党員を募集している様子は5年前のサービスインの盛況さを思い起こさせる
隠れ里は多くのプレーヤーで賑わい、数多くのインスタンスが用意されていた 隠れ里の看板の教訓に思わず涙が……。この規則をいつまでも忘れないようにしたい


■ 両軍で200人のユーザーが激突した集団合戦「大決戦」がついに始動!!

戦意ゲージは武将をターゲットすることで、通常PCの体力が表示される部分で確認できる
撃破されて本陣まで後退した武将は、対人戦の勝利で得たアイテムを使うことで再出撃する
 「大決戦」は、敵対する二国間の勢力、合わせて200人のプレーヤーが通常合戦発生週の金曜日から日曜日(毎21時から約3時間)に集結し、約3時間で決着をつける大規模合戦だ。「信On」の個性を体現する存在として今まで5年間続けてきた通常合戦「陣取戦」との大きな違いは、専用MAP・BGMの導入、参戦NPCの大幅増加、敵・味方の武将が移動、三回死亡するとマップから強制退出、等が挙げられる。

 大決戦の目的は陣取戦と同じく、敵軍の兵士や武将といったNPCを倒し「戦果」ポイントを貯めて自軍を勝利に導く点は変わらない。だが、陣取戦ではレアなケースであった勝利条件の「大名の敗走(総大将の討ち取り、もしくは総大将の戦意が0)」を狙うチャンスが多く、陣取戦に張りつめた緊張感と一発逆転の面白さを加味した内容となっている。

 大決戦は通常合戦ゾーンにいるNPCに話しかけて専用マップに移動する。すでに味方の参戦者が100人を超えている場合は登録を先に済ませて待機することになる。登録済みの待機者が一定値を超すと、一定のタイミングで新しいインスタンスが生成される仕組みとなっている。筆者が参戦した「三国峠」の大決戦専用MAPは縦に長く、マップ中央の川を挟んで両軍が対峙する。マップのサイズは陣取戦に比べるとやや狭く、これまで安全地帯であった「味方の陣」が皆無に等しいために身を隠しにくい。見晴らしがよくNPCも多いせいで両軍の大激突する感じが上手く演出されているといえる。

 自軍の本陣エリアからいざ足を踏み出してみると、敵NPCの異常な多さと襲撃範囲の広さに驚いた。赤いネームの敵NPCは倒しても再POPするまでの時間が短く、遠距離からでもプレーヤーを襲撃してくる。下手に敵NPCが多いエリアに踏み込むと、戦闘終了後にすぐ別の敵NPCから襲撃を受けて連戦になり脱出が困難となる。筆者の初陣は3時間の大半を敵NPCとの戦闘に費やしてしまった。敵NPCの襲撃範囲の広さからソロプレイは非常に困難、大決戦では基本的に7キャラクタで徒党(パーティー)を組むことが前提となるだろう。

 敵武将へ戦闘を仕掛けるルールも陣取戦とは異なっている。大決戦の武将には「戦意ゲージ」が設定されており、戦意ゲージが50%を切っていない武将には攻撃を仕掛けることができない。戦意ゲージは、その武将に影響する特定のNPCを倒すことで減少する。陣取戦のようにソロプレイを組まずに集団で強襲し、救援募集をかけて戦闘に参加者を呼び込むゲリラ戦術はほぼ使えないと言っていいだろう。つまり、武将を倒すためには敵NPCをたくさん倒す必要があるわけで、勝利のためには必然的に敵NPCを狩る行為は増えてくる。

 かといって、対人戦闘もおろそかにはできない。NPCを倒しているプレーヤー徒党を排除することで、自軍の武将を守ることは有効な戦術であるからだ。また、対人戦で勝利することで「討ち取られた武将が歳出撃するまでの時間を短くするアイテム」も出現するのも見逃せない。自軍100人という枠の中で、NPCを排除する徒党と、対人戦をメインにする徒党をうまく配分することが大決戦の勝利の法則といえるだろう。

 大決戦は戦国時代の合戦をゲーム化した「信On」ならではの独自性を保ちつつ、3時間限定というスケジュールの導入で通常合戦の魅力をうまくコンパクト化することに成功している。何より、5年間も同じ形式の合戦をしてきた対人戦好きのユーザーには斬新さという点で好意的に評価されているようだ。プレーヤー同士のPvPを売りにしたオンラインゲームは多いが、5年もの運営の歴史の中で改善・熟成された「信On」の合戦システムの完成度は高い。新規ユーザーはぜひ大決戦に参加し、そのグルーヴを肌で感じていただきたい。

 「信On」の通常合戦の勝敗を分ける要因は、個々人のレベル差やプレーヤースキルよりも、参加している数の多さに比重が置かれる。ユーザーの少ない過疎ワールドでのプレーヤーの少ない弱小国は人数不足に喘いでいるのだが、大決戦という最大100人という縛りの合戦があれば何とか小国の生き残りが図れる可能性も出てきた(それでも本音で言うと、やっぱり厳しいと思うが)。大決戦には敵NPCの数や襲撃範囲のバランスなど未整備な面も多いが、合戦のあらたな方向性が見えてきたことはプレーヤーにとってありがたいことだといえる。

 「大決戦」でひとつだけ難を言わせてもらえば、やはりPS2ユーザーの「合戦でキャラクタモデルが中々表示されない」という問題だろう。数年前から言われていることだが、PS2版では数百人単位が戦闘を繰り広げる合戦では、キャラクタモデルの処理能力が追いついていない。プレイ不能というレベルではないが、「見えない辛さ」は、敵NPCも多くなった大合戦では特に顕著で限界である。筆者もまずまずのスペックのPCとPS2で遊んでいるが、PS2の画面では本当に「キャラが見えにくい」。合戦好きのPS2ユーザーは、PS3版の開発を渇望しているのが現状だ。

名だたる戦国武将と配下のNPCが幾何学的な配置で整列している絵は圧巻。「武将が馬に乗っている」という点も新鮮だ

名だたる戦国武将と配下のNPCが幾何学的な配置で整列している絵は圧巻。「武将が馬に乗っている」という点も新鮮だ


■ 新兵器「固定大筒」が導入された「陣取戦」

ランキングが用意されているのが嬉しい兵站活動
 「争覇の章」の発売以後「合戦」は、週末の3日間に開催される「大決戦」と、毎日12時間のスパンで行われる「陣取戦」で構成されるように変更された。仕様に関しては変更が多いものの、ユーザーは順応しながら勢力間の争いを楽しんでいる。合戦の頻度も以前と比較して増え、勢力の領土拡大と滅亡の機会も増大した。まさに現在は情勢が目まぐるしく変わる戦国時代、これまで以上に勢力に所属するユーザーの意思統一が必須になったといえるだろう。

 この合戦は、「争覇の章」以降は、発生の仕組みや中身において追加・変更点がある。まず、発生に関しては、勢力のPCが生産品などを納入するなどして軍資金を80%以上貯め、進軍目標の献策(ユーザーによる投票)で攻め込む国を決定することで定期メンテナンス明けに発生する。これまでの合戦は、勢力間の友好度を献策で「敵対」にしたうえに、必ず一週間「次はどこどこに戦を仕掛ける」という合戦告知が行われてから合戦に突入していた。だが、今回の仕様変更で合戦の発生確率が飛躍的に高まった。

 12時間のタイムスケジュールで開催される「陣取戦」には、「兵站活動」という資材を運搬して大砲などの自軍に有利な建造物を構築できる要素が追加された。「兵站活動」は抜け道を築造する「逆茂木」、砲撃で敵PCの動きを止める「固定大筒」、敵陣のNPCを弱体させる「伏兵」がある。どの活動も資材となるアイテムを味方NPCから受け取り、合戦各所に用意されている設置地点まで運搬するという作業になる。

武将攻め・対人戦が得意でない人や、長時間合戦に参加できない人が「兵站活動」で合戦の裏方として参加できるようになったことは大いに評価できる。「兵站活動」に対する報酬やランキングも用意されているので働き損にならない点も、ユーザーのモチベーションを高めることに一役買っている。筆者も「兵站活動」は単純労働ながら、スニーキングミッションのような緊張感が楽しくついつい何度も資材配給元と設置場所を往復してしまった。

「固定大筒」の部品を設置地点まで運搬する活動。一度や二度では固定大筒は完成しないため、多くのユーザーが何度も部品を運搬する必要がある。大砲が完成すると大砲に接近した敵PCをオートで砲撃、進撃の足を止めてくれる。一度大砲に捕まると、中々逃げられないという声も多い

敵陣近くにワープできる抜け道「逆茂木」の部品を運搬・築造する活動。固定大筒と同じく何十回と資材を運搬しないと「逆茂木」は完成しない。当然、敵陣付近に築造地点があるために敵PC、敵NPCの目をかいくぐりながらの設置となる。透明化技能を駆使して進むなど、アクションゲームのようで何か楽しい


■ 数多の冒険者達が九州に集結!? 大人気コンテンツ「九州三国志」

九州三国志に参加するだけで、一部の新目録は手に入る。チャレンジするメリットは大きい
一定ポイントで新生産に必要な新材料も販売される
 「争覇の章」で導入された新規コンテンツの中で、ユーザーがもっとも熱中している物が「九州三国志」だろう。「九州三国志」は、九州地方の三勢力である「大友家」、「島津家」、「龍造寺家」のいずれかの勢力に味方して、戦場フィールドや城型ダンジョンを攻略する侵攻型クエスト。クエストを進めると各大名との友好度ポイントが貯まり、ポイントが一定量に達するとプレーヤーが喉から手が出るほど欲しい新技能・新生産目録が与えられ、新生産物の素材も販売されるようになる。この目録と新素材をゲットするために、プレーヤーは毎夜九州に通っているといっても過言ではないだろう。

 個人的に、「九州三国志」クエストは戦国時代の雰囲気が前面に押し出されていて好みだ。意外にも「信長の野望 Online」は大名から依頼を受けるというタイプのクエストは少ない。既存の大規模クエストは神話をベースにした神・魔物討伐系がほとんどで、それはそれで楽しいのだが、戦国時代の雰囲気には乏しかった。その点「九州三国志」は大名からの依頼で他勢力の武将と戦うことができるというありそうでなかったクエスト。九州武将のファンだけではなく、歴史ファン、「信長の野望」シリーズファンに好感の持たれる内容に仕上がっている。三勢力のクエストはそれぞれ登場武将、居城マップ、クエストマップが異なるが、基本的に内容・報酬はほぼ同等。どの勢力から始めても支障はないし、途中から別勢力のクエストを引き受けることもできる。好みの勢力からスタートして問題はない。

 前回の体験レポートでは、大友家に荷担したが今回のレポートでは島津家に手を貸すことにした。実際のプレーヤー人気は島津家、大友家、竜造寺家の順。さすがに熊に乗った武将は人気が無いのだろうか…。島津家に組みするために、堺・南蛮街の近衛前久に話しかけて巨大な城フィールドの鹿児島城へとワープする。鹿児島城は広大で、荷物を出し入れする両替所や他のPCの販売物が購入できる市司、修理屋といったプレーヤーの使用頻度が高いNPCが配置されている。城の形状や大名・武将は異なるが、大友家の府内城、竜造寺家の佐賀城も同等の規模・機能が備わっている。

写真は鹿児島城。広過ぎるという声もあるほど雄大なスケールを誇る。噴煙を上げる桜島がいかにも九州らしい

山腹をそのまま居城にした天然要塞佐賀城。長い吊り橋や石垣のテクスチャは粗野ながら城らしい雰囲気を出している

敵大友家の府内城は西洋調のオブジェクトが配置されている。キリシタン大名の大友宗麟らしい居城となっている

陣の中にいる武将は陣側面や背後から侵入するのがトレンドだ
 ここで島津家当主の島津義久に話しかけて「大友家勢力の撃破」のクエスト依頼を受ける。鹿児島城庭の島津義弘に話しかけ、「耳川の合戦」という合戦場に似たフィールドへワープしてクエストを進めていく。これが大友家でクエストを受けた場合は山岳地帯の「今山の合戦」、竜造寺家では「沖田畷の合戦」という海戦を舞台にしたマップに移動する。

 「耳川の合戦」は大友家の武将を撃破するという連続した5つのクエストで、「耳川の合戦・壱~伍」という形で分割される。島津義弘に話すと先に進んでいくので追いかけ(大友家なら立花道雪、竜造寺家なら晶を追う)、陣に配置されている武将を戦闘で討ち取れば一つのクエストが終了。クリア時点でNPCから友好度ポイントを得られ、さらに鹿児島城で報告することで、勢力より経験値・潜在熟練度が受け取れる。

 基本的に三勢力のファーストクエストは味方武将に話しかけて進ませ、敵対武将を撃破するという内容で三勢力は統一されている。ただし、三勢力の依頼を進めていくと敵対する大名の居城攻略などのクエストに繋がっていく。クエスト自体は30分程度で終わるのだが、全体となると2~3時間では終わらない量がある。ボリュームという点では「九州三国志」は非常にやり応えのあるコンテンツとなっている。

 どの勢力でもいいので友好度を10,001ポイント貯めると、高千穂という最大14人で攻略するダンジョンのクエストがスタートする。現時点では筆者も含め、まだ10001ポイントは未達成というプレーヤーがまだ多数を占める。だが、上覧武術大会が本格化する5月中旬以降では、高千穂に挑むプレーヤーも増えてくると思われる。

「耳川の合戦」は島津義弘に話しかけてスタート。味方の武将の陣を経由し、敵武将を撃破すればクリア。「九州三国志」では特定の条件に沿って敵を倒すことで、残りの敵が逃亡する「総崩れ」が起こる。戦闘時間の短縮に使える

「九州三国志」クエストを進めていくことで、「戦闘技能技能」が入手できる。演出効果やモーションも「争覇の章」で追加されたものばかりで、発動されると新鮮な印象を受ける


■ ソロプレーヤーに人気の長期クエスト「中級者クエスト」、「上級者クエスト」

チュートリアル的存在の中級者クエスト
生産時に槌を振り下ろすなどのモーションも実装された
 徒党を組んで進めることが前提となる「大決戦」や「九州三国志」とは異なり、ソロプレイでもこなしやすいのが「中級者クエスト」と「上級者クエスト」だ。中級者クエストはレベル15以上、50未満のキャラクタが受けることのできるクエストで、NPCの出すクエストをクリアすることで装備の付与や入魂、楽市楽座の使い方などゲーム内で必須のシステムを自然な流れで学習するとともにキャラクタの成長を促進させる。

 中級者クエストでは、初心者ゾーンの「隠れ里」のクエストでは学習できなかった「知行」、「合戦」といった要素のチュートリアルが用意されている。特に「合戦」は参加の仕方が独学ではわかりづらいので、こうしたクエストで誘導してもらえるのは初心者にとってありがたいシステムといえるだろう。

 これらのクエスト達成時に得られる報酬の経験値、技能を覚えるために必要な修得度、潜在熟練度 、ゲーム内通貨の量も全般的に高く設定されており、クエストをこなすだけでレベルが上がっていく仕組みだ。サービスイン当初は膨大な数の戦闘を必要としていたレベル上げが、クエスト消化でポンポンとアップしていく姿には時間の移ろいを感じる。

 中級者クエストは、特化目録という上級技能の修得、つまりレベル50ギリギリまで続く。これから「信長の野望Online」を始める人は、「中級者クエスト」を活用することでキャラクタ育成にかける時間を大幅に短縮できるはずだ。また、レベル50以上の上級者のキャラクタも中級者クエストを受けているキャラクタと徒党を組むことで、武功(貯めることでさまざまなアイテムと交換可能なポイント)や成長アイテムを手に入れることができる。仲間との絆も深まりやすいクエストといえるだろう。

 レベル50以上のキャラクタが受けられる上級クエストはチュートリアル的な中級者クエストとは違い、独立した二本の物語「剣聖信綱編」と「不老秘薬編」が用意されている。右京にいるNPC「楠木正虎」に話しかけ、どちらかを選べばクエストがスタートする。ストーリー性を重視したというだけあり、どちらのクエストもテキスト量と全体のボリュームが充実。先の展開を追いかけたくなるスタンドアローンのRPGのような魅力がある。

 上級クエストも一定のポイントまで進めるで、中級クエスト同様に経験値、修得度、潜在能力値が報酬として入手できる。本当に惜しいと思うのが、「クエストの目的がゲーム内で明示されてない」という点だ。たとえば、「剣聖」編は剣豪たちとの出会いの中で剣を強化していくというストーリー性の高い内容。だが、序盤は「剣を強化する」という目的が判然とせず、「あの国へ行け」、「アイテムを持ってこい」といったお使いクエストばかり発生してしまう。

 単調なクエストの連続であるため飽きやすく、結果として中盤以降、ストーリーが盛り上がるにも関わらず待ちきれずに「九州三国志」など面白さが分かりやすいクエストに足を運んでしまう。せめて、もう少しクリア目的の説明を詳しくするなど後半に期待を持たせる流れになっていれば良かったように思う。ちょっと惜しい部分だ。

【剣聖信綱編(左)、不老秘薬編(右)】
“剣聖”上泉信綱は上野国の生まれで剣術“新陰流”の開祖とされる人物。武人の問いに対して、プレーヤーがその応えを探すというクエスト “不老不死”の秘薬を巡る上級クエスト。いきなり三体の中ボスクラスと戦うなど、難易度は高め


 「争覇の章」では、「大決戦」、「九州三国志」など華やかな追加実装のほかにも、プレーヤーの荷物を更に50個預けられる蔵の拡張や戦闘アイコン表示の進化、アカウント共通倉庫の実装や特化技能枠の増加などユーザビリティが向上しているのもありがたい。ゲーム内の空気は、「争覇の章」の新要素に大きな不安は生じず、ファンは安心して春の新生活を楽しんでいるという印象だ。今後は6月に開始予定の「東西大合戦」の仕様がユーザーの関心事となるだろう。「信長の野望 Online」の動向に今後も注目していきたい。

【パッケージ版特典アイテム】
パッケージ版を購入したユーザーの購入特典として、武将のグラフィックをモチーフにした「特製装備品」が入手できる。左から「本多忠勝モデル」、「直江兼続モデル」、「千利休モデル」

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□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/
□「信長の野望 Online」のページ
http://www.gamecity.ne.jp/nol/
□「争覇の章」特設サイト
http://www.gamecity.ne.jp/nol/souha/
□関連情報
【3月5日】「信長の野望 Online ~争覇の章~」開発/運営チームインタビュー
新サーバー「嵐世記」実装の狙い。「信on」の今後の展開は?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080305/souha.htm
【2月28日】コーエー、「信長の野望 Online~争覇の章~」体験レポート
「争覇の章」の全要素を撮り下ろし画像と共にたっぷり紹介!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080228/souha.htm
【2月15日】コーエー、WIN「信長の野望 Online」新情報公開
隠れ里の卒業者向けの「中級者クエスト」の概要ほか
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080215/nobuon.htm
【2007年12月17日】コーエー、「信長の野望Online ~争覇の章~」製品発表会を開催
九州三国志、大決戦、戦国絵巻など、ストーリーMMOとしての大幅な仕様拡張を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071217/souha.htm

(2008年4月10日)

[Reported by 福田雄一郎]



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