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会場:コーエー本社
「信長の野望 Online」はプレーヤーが仮想の戦国時代の住人として、侍をはじめ、僧、神職、鍛冶屋、薬師、忍者、陰陽師、傾奇者の職業となって生活していくMMORPG。時にはプレーヤーと協力し、時には勢力間の合戦に参加して戦い合いながら乱世の世界を楽しむことができる。すでに2003年のサービスインから5年が経過し、安定したユーザー数と運営スタイルを貫く姿勢から老舗のMMORPGという風格すら漂う作品といえるだろう。それでは早速、「争覇の章」の新要素「九州三国志」から紹介していこう。
■ 新勢力に加担する壮大なクエスト‐九州三国志
今回の体験会ではスタッフの方と7人のパーティーを組み、「大友家」に加担することができた。堺のNPCから、府内城へ移動。城主の「大友宗麟」から肥前の「竜造寺家」討伐のクエストの依頼を受け、佐賀の今山という合戦場フィールドへ赴くこととなる。山岳地帯のような合戦場フィールドでは、武将の「立花道雪」に話しかけることで一定距離を立花道雪が道案内をするように移動する。道中には敵NPCがいるので必要に応じて排除して進む。立花道雪が襲撃されて敗北することは無いようだ。
何度か立花道雪に話しかけて移動を繰り返し、敵陣に到達すると龍造寺家の先鋒「江里口信常」との対戦となる。武将NPCである江里口信常を倒すことでクエストの第一段階は達成したこととなり、大友家の友好度200ポイントが報酬として与えられた。ここまでの記録は保存され、次回から江里口信常を倒した状態から続きをプレイすることができる。スタッフの方の助言を受けながらだが、府内城へ移動してから江里口信常を倒すまでの所要時間は約45分。このように九州三国志は旧来の長時間を要するダンジョン攻略型クエストとは異なり、1時間~1時間30分程度で達成できるクエストの集合体となっている。時間を取りにくいユーザーでも比較的気軽に挑戦できる目標ができたといえるだろう。 今回は特別に友好度を1万以上貯めないと到達できないラストステージ「高千穂」の入口の「高千穂河原」ダンジョンに入れてもらうことができた。高千穂河原は黒雲渦巻く空とグレーを基調とした背景グラフィックの重々しい世界。ガイド役のNPCに話しかけると、40分以内に敵NPC30徒党を倒せというクエストがスタートした。
この「高千穂」ダンジョンは7キャラクタ+7キャラクタの二徒党で攻略する多人数参加型攻略ダンジョン。戦闘には5分程度の時間を要するため、普通に考えると一徒党で40分以内に30徒党というのは無茶な話だが二徒党なら達成も可能というわけだ。今回の試遊では二徒党のバトルを体験することはできなかったが、「集団会話」という専用チャットで互いの状況を連絡しながら、特定のギミックを操作したり、二徒党が一斉に2体のボスと対戦する、というシチュエーションが存在するそうだ。二徒党をまとめるリーダー役のプレーヤーには相当の負担がかかることは間違いない。メンバーの一人がマップを確認する、声を掛け合うなどしてフォローしてプレーヤー同士の連帯感が攻略の要となるだろう。
■ NPCの指示に従いキャラクタを成長させる-中級者クエスト レベル15以上、50未満のキャラクタが受けることのできるクエストが「中級者クエスト」。本作ではレベル1のキャラクタは「隠れ里」という初心者専用ゾーンからスタートし、簡単なお使いクエストなどをこなしながら、戦闘や生産の基本を学ぶことができる。中級者クエストは隠れ里クエストの延長といった形であり、NPCの出すクエストをクリアすることによって装備の付与や入魂、楽市楽座の使い方などゲーム内で必須のシステムを体験・学習できるようになっている。 試遊では実際に織田勢力に仕官したキャラクタが案内役のNPCに誘導され、「鍛冶屋に入魂をしてもらえ」、「密偵を倒せ」といった序盤のクエストを経験することができた。いずれも10分もあれば達成が可能なクエストで、クエスト達成時の経験値や修得度、金も街の外のフィールドで敵を倒していくよりは格段に大きい。3件のクエストをこなしただけでレベルが15から16に到達したことからも、キャラクタの成長スピードは「争覇の章」で格段にペースアップすることが予想される。 中級者クエストには、侍や鍛冶といった腕力と耐久力に長けた前衛職と、薬師や神職のようなサポート向けの後衛職ではクエストの達成の成功率にばらつきが生じるのではないかという疑問もある。だが、そこはクエスト受領時に所属勢力から後衛職を中心に一時的な強化アイテムが配布されるなどのフォローがあるというので安心してほしい。 現在レベル50以上になってしまったキャラクタは中級者クエストを直接受けることはできないが、中級者とパーティーを組むことによって間接的に中級者クエストをこなすことはできるという。その場合、報酬アイテムなどはパーティーメンバーにも授与されるそうだ。また、レベル50以上のキャラクタには「上級者クエスト」も用意されている。
上級者クエストは体験できなかったが、既存のダンジョンの捜索などを新たに盛り込みストーリー性の強い長編クエストが提供されるということだ。佐渡金山や富士洞穴など5年前からある懐かしいダンジョンの探索は、まさに「戦国原点回帰」という「争覇の章」のコンセプトにふさわしいクエストといえる。
■ ワールド中から強者が集う武道会-上覧武術大会
上覧武術大会は原則として2カ月に1度開催され、期間は2週間、20分ごとに試合を行なうというスケジュールで開催される。まず、各勢力の拠点となる町にいる武天翁に話しかけて、妙院郷に移動する。この際は技術的にはログアウト→再ログインに近い処理が行なわれているというが、体感ではフィールドから街へ移動するときと同じくらいのわずか数秒でスムーズに移動できた。妙院郷の上限は現在1,000人で、1,000人を超過した場合は妙院郷2、妙院郷3と“チャンネル”にあたる「インスタンス」が増えていく。
具体的なエントリー方法は、上覧札屋で団体用登録札を購入する。これはメンバー表のようなもので、徒党員となるキャラクタをターゲットして団体用登録札を使うことによって、補欠も含め最大9名のキャラクタを登録できる。ただし、現在は同じワールドのキャラクタしかメンバーに登録することはできない。メンバーを揃えたところで試合管理人に登録札を提出すればエントリー終了。申請した試合の開始時間10分前になると、改めて呼び出しのアナウンスメッセージが表示される。ただしアナウンスは妙院郷の中のみとなるため、所属ワールドに戻ったときは自分で開始時間を覚えておく必要がある。
今回の体験会では試合を体験することはできなかったが、試合自体は既存の7対7の対人戦と変更はないということだった。試合の結果によって個人成績、ワールド成績が変動する。これまで所属ワールド間が競うことは無かったため、「自分のワールドを1位にしよう」という新たなモチベーションが創出されそうだ。上覧武術大会は報酬も豊富に用意されている。試合に参加することで貯まり報酬と交換できる「評勲」ポイントは勝敗に関わらず一定量は授与されるようで、対人戦が苦手なプレーヤーでもコツコツと貯めていくことができるだろう。
なお、「上覧武術大会」には、他人の試合を観戦するという画期的な新機能が追加される。観戦方法は上覧札屋で観戦札を買い、観戦管理人に提出すると観たい試合を選ぶことができる。これまで一部の高レベルの対人戦参加者たちしかわからなかった対人スキルが、閲覧機能により誰でも学習できるようになったことは特に初級・中級者にとって喜ばしい。閲覧機能により「信長の野望Online」の魅力である対人戦が今まで以上に盛り上がることが期待される。
■ 訪れた名所や倒した敵をアルバム化する‐戦国絵巻
戦国絵巻のコレクションデータは大カテゴリと小カテゴリに分かれている。例えば、「形像」という大カテゴリの中に「大仏」や「七福神」といった小カテゴリが用意されている。この大・小カテゴリをコンプリートした時点で対応した報酬が貰える。先ほどの「大仏」カテゴリなら「鎌倉の大仏」と「奈良の大仏」を集めるとコンプリート。報酬受け渡し役のNPC「茶屋四郎次郎」から家具の「鎌倉大仏模型」を貰うことができた。
パーティーメンバーが集まるまでの待ち時間や何時間もガッツリ遊びたくないときの小目標として、戦国絵巻は特にライトユーザーにとって大きな魅力となるだろう。もちろん、ヘビーユーザーには「全武将を倒す」というような「本当に実現可能か?」という壮大な目標を掲げて楽しむことも可能だろう。一つ注意したいのは、新たに情報として戦国絵巻に登録されるのは争覇サービスイン以降の記録が対象ということ。既存の情報は記録されないため、集め直しということになる。
■ 武将が駆け巡る新機軸の合戦-大決戦 「大決戦」は両軍合わせて200人のプレーヤーが事前に決められた日時に終結し、約3時間という短時間で決着をつけることができる新しい大規模戦闘。既存の合戦では自陣から移動することのなかった武将たちは自発的に行動し、敵PCや敵武将との戦闘を繰り広げる。敵武将も自陣に攻め込んでくるため、敵の襲来から味方を守る戦術も大事な要素となる。大規模戦闘コンテンツであるため、今回は残念ながら体験できなかったが、週末にはテストサーバーで早くも特別イベントとして「大合戦」が行なわれる。本作の最大のセールスポイントともいえる合戦に大幅に手を加えた「大決戦」に大いに期待したい。
■ 「争覇の章」新技能ダイジェスト ここでは拡張パックのお楽しみである「争覇の章」の新技能の一部を紹介する。体験で触れることのできた職業はわずかで紹介する技能が偏ってしまうが、限られた取材時間の中での調査ということでご了承いただきたい。また、争覇の章の戦闘画面ではキャラクタ名の横に「状態表示アイコン」が付加された。結界が貼られている、回復量が上昇しているという状態が一目で確認できる。
今回の試遊で「争覇の章」の新要素に触れてみて、特に小人数向けクエストの追加によってスタンドアローンのRPGのような要素が高まったことを強く感じた。既存の「信長の野望 Online」では単独のプレーヤーができることは生産活動か簡単なNPCの狩りに限られ、それらの限界に来てしまうと目的を喪失してしまうというプレーヤーも少なからず見受けられた。 「争覇の章」の「上覧武術大会」や「戦国絵巻」、「中級・上級者クエスト」は、新規プレーヤーへのアピールであると同時に、既存のプレーヤーの閉塞感を打ち破り、戦国世界での生活を一変させるだけの可能性を秘めていると予感している。サービスインを一ファンとして楽しみに待ちたい。
「争覇の章」のコンセプトは「戦国原点回帰」というものだが、このコンセプトに関するアナウンスを開発スタッフへのインタビューという形で近日お伝えする予定である。続報を期待してほしい。
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□コーエーのホームページ (2008年2月28日) [Reported by 福田雄一郎]
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