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【連載第19回】大人による大人のための洋ゲー連載
■Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」■
このハイスピード感はクセになる!
Paradise Cityはまさに破壊と暴走の楽園
Burnout Paradise |
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- ジャンル:レースゲーム
- デベロッパー:Criterion Games
- パブリッシャー:Electronic Arts
- プラットフォーム:プレイステーション 3 / Xbox 360
- 価格:59.99ドル(北米版)
- レーティング:ESRB:Everyone 10+(10歳以上推奨)
- 発売日:1月22日(発売中)
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「スピードと爽快な破壊」が楽しい個性派レーシングゲーム「Burnout」の最新作がPS3とXbox 360の2機種で登場した。ハイエンドPC顔負けのスペックを備える両機種の持つ表現力を如何なく活かし、ハイデフ環境で繰り広げられるアクション映画顔負けの迫力は、「これこそまさにゲームだ!」の一言。
近作では仮想の街「パラダイスシティ」を舞台に、オシャレなベイサイドのオフィス街やダウンタウン、峠、高速道路、あらゆる場所でスピードと破壊の宴が今始まる!! 日本版の発売を2008年2月21日に控えているが、今回は(も)発売日までガマンができず一足お先に英語版を購入して早速プレイしてみた。
【お断り】 |
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当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
GAME Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません
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■ ミドルウェアで名を馳せたスタジオは破壊ゲームの大家だった!
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Paradise Cityを舞台にプレーヤーの活躍が始まる
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道なき道も何のその、行けるとこならどこまでも!
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「Burnout」シリーズは、ミドルウェアで有名な「RenderWare」で名高い英Criterion Gamesが一貫して手がけているレーシングゲームだ。シリーズ2作目まではAcclaim Entertainment(ゲームパブリッシャーとしては老舗だが2004年に一度倒産して現在はMMORPGなどのパブリッシングを手がける会社になっている)から発売されていたが、3作目の「Burn Out 3:Takedown」よりEAがパブリッシングを手がけ、同時期に約4,000万ポンドでEAに買収された経緯がある。
EAの傘下に入った後は、それまで続けられていた「Rendar Ware」の外販はEAのライバル会社への対抗戦略からか、商業ミドルウェア市場への投入は撤退状態にある。一方でゲームソフトの開発は、「Buronout」シリーズのほか、2006年2月にはFPSゲーム「Black」の発売に漕ぎ着けるも、最初のステージとそれ以降のステージの作りこみ具合にバラつきがひどく、見切り発車で発売した感が強く、同スタジオがあまり平穏な雰囲気ではないことを奇しくもユーザー視点からも強く感じさせるものだった。
その後EA全体の再編に伴い、2006年に英国ダービーにあるスタジオを閉鎖し、従業員の約半数をカット。英国チャートシーにあるEAUKのスタジオのメンバーと一緒にセントラルギルフォードの新しい拠点に引っ越しを行ない現在に至っている。
本シリーズは敵車と衝突してスコアを稼ぐというアクションゲームのような要素をレーシングゲームに取り入れたパイオニア的存在だ。ゲームデザイン的には「Burnout 3:Takedown」で一応の完成がされており、4作目「Burnout Revenge」5作目「Burnout Dominator」を経て、今回取り上げる6作目「Burnout Paradise」でゲーム内容の抜本的な刷新が図られている。
Criterion Gamesは「破壊の美学」をゲーム中に追求したいのか「Burnout」も「Black」も色々壊せる・色々な壊し方ができるという点に異様なこだわりを持たせているのが特徴だ。本作でもクルマが文字通り鉄の塊になるまで徹底的に破壊することができ、ぶっ壊しマニアにはたまらない一作と言っても過言ではない。
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広大な街中を自由に走れるのが醍醐味だ |
邪魔なライバルカーは一発ブチかませ! |
■ 邪魔な車はTakedown!広大なParadise Cityを爆走しよう
プレーヤーは架空の都市「Paradise City」にやってきたドライバー、街中に点在する様々なレースに参加していくのが目的だ。クズ鉄状態になったクルマをジャンクヤードで再生させ、街中を暴走するライバルカー達を蹴散らす男らしい(!?)ゲーム性を持つ。
本作がこれまでのシリーズと最も異なる点としては、PS3とXbox 360に完全移行したことでビジュアル面での底上げが図られたところだ。ゲームデザイン面も刷新され、ステージクリア型の通常のレーシングゲームのデザインから「GTA」のようなオープンワールドシステムを採用して「Paradise City」全体を箱庭のようにゲーム内に再現させ、プレーヤーは愛車を駆って自由に街中を走りまわり、お気に入りのレースにいつでも参加できる、レーシングゲームとしては自由度の高い設計に進化している。
EAはこの手のオープンワールド+レーシングゲームの組み合わせは過去に「Need for Speed(NFS) Underground」シリーズで大成功を収めた経緯もあり、NFSと肩を並べる同社のレーシングゲームフランチャイズ「Burnout」でも採用された。NFSシリーズと同じように「Burnout」も新しい世代に進化を遂げたと言っても差し支えないだろう。
プレーヤーが「Paradise City」のジャンクヤードからスタートした後は、ゲームの進行を妨げる要素は何もない。街中を縦横無尽に走り回り、レースに参加し、様々なやり込み要素をこなしつつ「ゲームを楽しみ切る」ことができる。
街中には一般車も多く走っており都心部に行くほど交通量は多くなる。レース中でも一般車は走行しているため、衝突しないように心がけたい。稀に一般車に混じってやたらと飛ばすクルマを見かけると思うが、この暴走車に「Takedown(後述)」をうまく仕掛けることができれば、このクルマをプレーヤーが使用することができる。乗り換えはジャンクヤードに行けばいつでも可能だ。
最初は何をしたら良いのか戸惑うこともあるかもしれないが、ゲーム中に流れるFM放送「クラッシュFM」がチュートリアル代わりの内容を伝えてくれるので、どうやってプレイすれば良いのかヒントになるだろう。レースのルールなどは以前のシリーズを知っていれば、特に困るようなこともない。要するに自分以外のライバルカーは全部ブッ壊す(Takedown)ことができればOK、わかりやすいシンプルなルールが本作の醍醐味だ。
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自分の愛車はクズ鉄同然の廃車状態から始まるが、修理すれば一瞬で新車同様に再生されるのでご安心あれ。車体の塗装もいくつかのパターンと質感を選べる。これらのペイントは街中の塗装屋を通過すれば自動的に違うパターンにしてくれる便利機能付だ。新しいクルマは街中を暴走するライバルカーをTakedownすれば獲得できる
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■ 街中を自由に走れる楽しさと新しさ、レース中道に迷う危険性も!?
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レースイベントの概要などはメニューから参照できる
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クラッシュの瞬間はスローモーションでじっくりと
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前述の通りゲームの要素的には街中を自由に走れることになった大きな変更点を除くと「Burnout」シリーズおなじみのレースイベントを含む5種類が用意されており、シリーズ経験者であれば、すんなりとゲーム内容を理解することができるだろう。
今までどのレーシングゲームにも無かった点は、自由に走れるという要素がレースイベントにもそのまま適用されるということだ。オープンワールドを採用したレーシングゲームは今までも何作か存在したが、大体レースイベントに入るとコースが固定され、わき道にはそれることができないようになっている。
しかし本作の場合、スタート地点とゴール地点は当然設定されているが、間のコース策定についてはプレーヤーの自由だ。ゴール地点の方向、および残りの距離表示と、曲がるべき交差点に差し掛かると、どちらに曲がるかを教えてくれるようになっているが、実際にどういうコースを取るかはあくまでプレーヤーの自由意志。ショートカットできるコースを知っているのであれば、そちらを使って構わない。レース中「道に迷う危険性」のあるレーシングゲームは、もしかしたら本作が初めてかもしれない。
本作ではライバルカーにガンガンとボディをぶつけて故意にクラッシュさせたり、あるいはクラッシュを誘引させることを「Takedown」と言い、いくつかの例外を除いてレースは「Takedown」を駆使してライバルカーをいかに邪魔していくかが勝敗を分けるコツになる。もちろんライバルカーもプレーヤーカーの「Takedown」を狙ってくるので気をつけないとやられてしまう。
いくつかのレースイベントを除いて、重要なのは2位以下は勝者の範疇に入らないことで、本作のレースは1位ゴール以外は全くの無意味。従って自分より前方にいるライバルカーは何としてでも追い抜かないといけない。そこで前述の「Takedown」や、ブーストで更に加速をかけて勝負を仕掛ける局面が頻繁に発生する。
ブーストはシリーズおなじみの要素で、対向車線をわざと走行したり「Takedown」をうまくキメると、チャージされるクルマの車種によっては加速率や耐久性などスペックにバラつきがあり、加速の低い車種の場合は、ブーストは一層重要な要素になる。
本作ではクルマの壊れっぷりも見所のひとつで、その堂々たる「破壊道」の追及は後述するとして、あちこちにぶつかったり、ライバルカーとの接触を繰り返すと必然的にクルマは傷だらけになり、あちこちが壊れてくる。壊れすぎるとクルマ本来の性能が出せなくなり、レースにも影響が出る。また、4回クラッシュすると、ダメージ限界でレースが強制終了してしまうため、こちらも気をつけないといけない。
ブーストに必要な燃料のチャージや車体の修理は、街中のガソリンスタンド、修理屋に行くことで自動的にフルの状態にリカバリーされる。レース中でもコース近くにスタンドや修理屋があれば、利用可能で、もしもの際は有効利用するのも戦略のひとつだろう。ただし、ライバルカーは待ってくれないのでコースから外れてまで利用をするかは、今ひとつ考えどころではある。
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壊れっぷりを求めてクラッシュしまくるのも面白い |
復活は4回まで。敵に潰される前にゴールしよう |
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ガソリンスタンドを発見!燃料を給油だ |
燃料満タンでレースに復帰! |
■ 5種類のレースイベントが街中いたるところに仕込まれている!
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Raceでは1位以外は全て敗者だ
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どんな手を使ってもライバルカーを追い潰せ!
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「Paradise City」に用意されたレースイベントは以下の通り。主に交差点などにイベント開始ポイントが用意されており、難易度は千差万別。最初からどれでも参加可能なため特定の攻略方法は存在しないが、距離の短いレースなどすぐに決着のつくものからプレイしていくのが、さしあたっての定番攻略法と言えるだろう。
レースイベントに勝利していくとライセンス(免許証)のグレードが上がる。グレードが上がれば更にパワフルなクルマに乗ることができるようになり、レースも破壊も更に白熱した展開になりそうだ。あと何勝すればグレードが上がるかは、メインメニューからいつでも確認することができる。
Race
スタート地点とゴール地点が設定された通常のレースゲームだ。ゴールまでの距離はイベントによりけりで、長距離では道に迷うなどのリスクがあり、短距離では、ワンミスで1位が難しくなるなど、状況によって攻略法が異なってくるため、ベーシックだが奥の深いイベントだ。
Road Rage
ライバルカーを制限時間内に指定回数「Takedown」させることが勝利目的で、ゴールは設定されていない。クリア条件となる「Takedown」数が上がればあがるほど、難易度はアップする。ライバルカーに「Takedown」されたり、操作ミスでクラッシュしないよう、うまく敵を巻き込んでいく必要がある。
Marked Man
ゴール地点に向かうのは通常のRaceと同じだが、黒塗りのライバルカーがクラッシュの誘発や「Takedown」をしようとプレーヤーカーを付けねらって来る。ゴールまでの距離が長くなるほどイベント失敗のリスクが高くなるため、いかにライバルカーの妨害をかわして無事にゴールするか、走行と回避テクニックが問われるイベントだ。
Stunt Run
制限時間以内に指定されたスコアを稼ぎだすのがStunt Runモードだ。ビッグジャンプやドリフトなど、地形をうまく活かした技を繰り出し、目標を超えるスコアを稼ぎ出す。プレーヤーのテクニックが最も純粋に問われるイベントだ。あらかじめ周辺のコース事情をよく把握しておくことが高スコア追及のポイントになるだろう。
Burning Route
このレースイベントのみ特定のクルマに乗っていて、なおかつイベント発動ポイントを通過するとレースイベントがスタートする特殊なもので、1台のライバルカーのみ登場し制限時間内にどちらが速くゴールをするかタイマン勝負に挑む。レースに勝利すると、ライバルが使用していたクルマをゲットすることができる。
各レースイベントの場所や概要はメニュー中の「Paradise City」全体マップから確認することができる。
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Road Rageでは目指せ連続Takedown |
クラッシュを恐れず突っ込みまくろう |
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Marked Manではライバルカーの猛追をかわす |
敵の執拗な攻撃にTakedownを取られないように注意しよう |
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ハイスコア目指してアクロバティックな技を繰り出す! |
コンボボーナスでまとまった得点のゲットを目指そう |
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「激写!Takedownの瞬間」
Burnout名物Takedownの瞬間を様々な視点から撮影してみた。このように単なる潰し合いだけではなく、連続してTakedownを取ったり、一般車を巻き込むなど様々なバリエーションが用意されているため、ゲームをプレイしていてもなかなか飽きがこない
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■ 看板とフェンスを見かけたらご用心、残らず壊せ!!
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空中からの超ジャンプ!!
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全50ヵ所のジャンプポイントを制覇しよう
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レースイベントに疲れたら、「Paradise City」を走り回って気分転換をするのが一番だ。街中にはプレーヤーのやる気をかき立てる3つのやり込み要素が用意されており、レースの合間にちょこちょこと攻略を進めるのがこれまた楽しい。
1つ目は街中の随所に設置された工事用のフェンスを突き破る「Smash」は全部で400カ所用意されており、全部探すのは至難の業。大体わき道に多く設置されており、見つけ次第破壊するべし。ただしレース中に破壊してもカウントされないので注意が必要だ。
2つ目はビルボード(道路脇に掲示されている大型看板)をクルマで突き破る「BILLBOARD」。看板は全部で120カ所ある。簡単にクリアできるところもあれば、どうやってあんなところに!? という場所にも設置されており、プレーヤーの機転と何よりも「とりあえず突っ込んでみる」という思い切りの良さが攻略の鍵だ。
3つ目が「Jamp」。文字通りハリウッド映画のカースタントみたいに絶対超えられないような場所を大ジャンプでクリアするというアクロバティックな要素で、全部で50カ所用意されている。最高速度+ブーストによる加速が必須の場所が多く、とりあえず道が切れてる所は猛スピードで突っ込んでみるというチャレンジ精神が攻略の決め手だ。
これらの要素は「Paradise City」の道やエリアを把握するためにもこまめに進めておいたほうが良いだろう。意外なショートカットが発見できるかもしれない。
また、EAタイトルおなじみの豪華サウンドEA Traxは本作でも健在だ。今回は歴代シリーズで採用されたオリジナル曲を含めて約70曲ものサウンドが収録されており、日本が誇るアーティスト「B'z」の「Friction」がリストに入っており、日本人ゲーマーにはちょっと嬉しい要素と言えるだろう。
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Burnoutの看板発見!今すぐブチ破れ! |
全120ヵ所制覇への道のりは遠い |
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工事中フェンスも発見!こいつもブチ破れ! |
全400カ所にも上るフェンスは探すだけでも一苦労だ |
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B'zの曲も収録!EA Traxで再生リストの編集も可能 |
全70曲というボリュームはかなりのものだ |
■ 都心の交差点は格好の狩場、ショウタイムモードで破壊の宴をブチかませ
「Paradise City」シリーズの名物“踊るクルマ”(勝手に命名)ことショウタイムモードは、レースイベント以外での本作の大きな特徴のひとつだ。「Burnout 3:Takedown」以降、プレーヤーカーのクラッシュ時に一般車をいかにたくさん巻き込めるかをチャレンジする「クラッシュイベント」が設けられていたが、ショウタイムはその発展的要素だ。
クラッシュイベントと決定的に異なる点は、いつでもどこでも、例えレースイベント中だろうがプレーヤーが「ここだ!!」と思った時にいつでも発動できるようになったことだ。発動ボタン(Xbox 360の場合はLB/RB同時押し)を押せばプレーヤーカーはその場でクラッシュするので「塊魂」のように周囲を走行中のクルマを次々とクラッシュに巻き込み、クラッシュさせたクルマの台数とスコアを競う。
ショウタイムが発動するとブーストゲージの分だけ、クルマを任意の方向に跳ねさせることができ、タイミングをうまく見計らって可能な限りたくさん巻き込むことが肝要だ。高そうなクルマやバス、道路案内の看板などを狙えば、より高いスコアを狙える。
ド派手な一発をかましたい時は、都心部の広い交差点や高速道路など交通量の多い場所でやるとスコアの稼ぎがいがあるだろう。いつでも発動可能なので、まれに操作を間違えてショウタイムに突入してしまうことがあるのがたまに傷だが、新車同様のクルマが、まさしく鉄クズ状態になるまで徹底的に破壊されていく様子は圧巻の一言。
レース中のクラッシュシーンなどでも「おおっ」と思わせる壊れっぷりを見せてくれるが、ショウタイムモードは本作のクリエイター達が徹底的にこだわったであろう破壊の美学を、じっくりと鑑賞するのにも適している。「こんなところまで壊れるのかよ!」と初めて見るプレーヤーは驚きあきれること必至だ。
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ショウタイムが発動した瞬間から破壊の宴は始まる!いかに多くの一般車を巻き込めるかがゲームの決め手、クルマの原型がなくなるまで転がしまくりエリア最高のハイスコアを目指すべし!
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■ ボイスチャットを駆使したくなる。最大8人までの多彩なマルチプレイモード
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Paradise City Live!へはメニューから直接アクセスできる
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レースルートの自由なエディットが可能だ
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マルチプレイモード「Paradise City Live!」は、ひとりがホスト役になり「Paradise City」に最大8人が集まって、各種レースイベントを楽しむことができる。特にレースに関してはコースエディットが可能で、スタート地点とゴール地点を設定して、オリジナルのレースを展開したり、ジャンプやドリフトを競うなど数百ものチャレンジゲームが用意されている。
筆者も他のプレーヤーのホストにつないでみたが、ホスト側の回線環境にパフォーマンスがかなり左右されるのか、海外プレーヤーとのマルチプレイは他のゲームに比べて良好なパフォーマンスで楽しむことが若干難しかった。ただこれは筆者の回線環境も影響しているので、参考程度に受け取っておいていただきたい。
マルチプレイモードを遊んでみた感想としては、参加している他のプレーヤーとのコミュニケーションが非常に重要だと感じた。ネットワークに接続していきなりホストの「Paradise City」に放り込まれるため、ボイスチャットでのコミュニケーションを取らないと、今他のプレーヤーがいまどういう状態なのかよくわからない。
もちろんメッセージ欄を見れば、何が始まって、どういう展開をしているのかは把握できるが、初心者プレーヤーはどうすればそのイベントに参加できるのかがわからない。まずは友人に誘って貰うなどのプロセスを経ないと、なかなかマルチプレイを楽しむのは難しいように感じた。
この点は日本版が発売されて、日本のゲームファンが参加するようになれば普通に解消される問題なので特に気にするようなことでもないが、マルチプレイの敷居の高さについては自由すぎるゲームデザインが若干仇になったかな? と思わなくもない。
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最大8名までの様々なレースイベントが楽しめる |
膨大な数のチャレンジがプレーヤーを待っている |
■ インターフェイスの練り込み不足感はあるが、ゲーム本編の面白さは太鼓判
「Burnout Paradise」で体験できるスピード感と破壊の美学はプレーヤーに清々しさと良い意味でのバカらしさを感じさせてくれる。硬派なアクション+レーシングゲームであり、やり込み嗜好のゲーマーも満足できる本作の出来は極めて高く、筆者のゲーム機を現在も独占中だ。
クルマの破壊行為に目が行ってしまいがちだが、筆者としてはParadise Cityの作りこみがとてもお気に入りだ。エリアごとに特徴的な景色を持ち、裏ルートも豊富、道路も一般道から高速道路まで破綻のないルート設計がされており、レース無縁の超高速ドライブも、大きな楽しみのひとつになっている。
建物や風景などの町並みはアメリカの各都市から特徴的な部分を色々持ってきているようで、どこかで見たような雰囲気の景色が次々と目に飛び込んでくるため、プレイ序盤はレースをするよりもParadise Cityの周遊観光をぜひともオススメしたい。
とても良質なゲームだが唯一文句がある点は、インターフェイスまわりの練り込みが不足している。例えば街の全体マップだが、どの交差点にどんなレースがあるか一目瞭然なのは良いが、全体マップ上からレースに直接参加できず、お目当てのレースに参加するためにはスタート地点まで自走していく必要があり、「Test Drive」をプレイした筆者からするとこれが非常に面倒くさかった。
いくつか気になる点はあるが、ここ最近のレーシングゲームの中ではトップクラスと言える出来栄えで、レーシングゲームファンであればぜひ押さえておきたいタイトルだ。PS3とXbox 360各機種版の差異はオンラインマルチプレイ部分のネットワークサービスの違いだけと思われるので、この辺のチョイスはプレーヤー側のお好みで購入に走るべし。
日本版の発売も間近いが「クラッシュFM(ゲーム内のFM放送)」のDJも過去の前例からすると英語から日本語化されていると思うので、ゲーム内容への理解を一層深めたいということであれば、辛抱を重ねて日本版の発売を待つのも悪くない。レーシングゲームではあるが、どちらかというとアクションゲームファンにぜひプレイしてもらいたい。きっと大満足の1本になるだろう。
そろそろ年度末期で、2008年最初の新作ラッシュが始まろうとしているが、本作はその第一波にあたるタイトルだ。年始から気合の入ったタイトルをプレイすることができて筆者も力が入る。大作・佳作を含めて年度末要注目タイトルは積極的に取り上げていくのでご期待いただきたい。
記述内容の一部に誤りがありましたので訂正させていただきました。(2月8日追記)
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前作に比べて演出面・ビジュアル面でのクォリティは大いにアップしている。まだまだ次世代機向けのレーシングゲームはまだまだ数が足りていないため、本作のクォリティは確実に五指に入る屈指の内容を誇っている。なるべく多くのゲームファンにプレイしてもらいたいものだ
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□「Burnout Paradise」公式ホームページ(英語)
http://www.burnout.ea.com/home.asp?lang=us
(2008年2月7日)
[Reported by Game Dude]
当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
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