|
【第11回文化庁メディア芸術祭】 会場:国立新美術館
入場料:無料
昨年までは恵比寿の東京都写真美術館にて開催されていたが、今年は国立新美術館に場所を移し、展示面積も約2倍に拡大して開催される。集まった作品数は2,091点で、43の国と地域から応募があり、この中から約160点の優秀作品・推薦作品が展示されている。さらに各受賞作品のクリエイターを集めたシンポジウムや、SIGGRAPH「Electric Theater」のオリジナルフルバージョンをハイビジョンシアターで上映するなど、各種企画が用意されている。 ゲーム関係で言えば、受賞作品となったWii「Wii Sports」、プレイステーション 3「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」、PSP「MONSTER HUNTER PORTABLE 2nd」をはじめ、審査委員会推薦作品として、Xbox 360「Gears of War」、「Halo 3」、プレイステーション 2用「シーマン2 ~北京原人育成キット~」、Wii「スーパーペーパーマリオ」、「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」、「ポケモンバトルレボリューション」、ニンテンドーDS「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」などが展示されている。それぞれ実際に楽しむことができるが、1タイトルにつき数台しか出展されていないため、時間帯によってはなかなか混雑することも考えられる。 「第11回文化庁メディア芸術祭」は6日から一般公開されるが、5日には報道関係者に公開されると共に、受賞作品への贈呈式が行なわれた。ゲーム関連の受賞作品に絞ってお伝えすると、エンターテイメント部門の大賞に任天堂の「Wii Sports (Wii)」が輝いたほか、優秀賞としてKONAMIの「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS (プレイステーション 3)」、カプコンの「MONSTER HUNTER PORTABLE 2nd (PSP)」がそれぞれ受賞した。 「Wii Sports」を受賞した任天堂の「Wii Sports」チームを代表して登壇した太田敬三氏は「ソフトの発売にあたって今まで感じたことのない感覚を得た。それは流れに乗れたと言うこと。Wiiリモコンという特徴的なコントローラを開発したハードの開発チーム、テレビのチャンネルのようなOSを開発したチーム、プロモーションチーム、たくさんの仲間の顔が浮かびます。受賞理由が私の思っていることをそのままズバリ言ってくれたことも嬉しい。Wiiのプロジェクトを代表したお礼を申し上げます」と挨拶。
今回の「Wii Sports」の受賞理由として挙げられたのは「『Wii Sports』のソフト単体での受賞ではなく、ゲームマシン、インターフェイス、OS、Mii (アバター) などを含めた、Wiiというシステム全体に対する評価」という点。太田氏のコメントもこれを指している。なお、審査にあたり大賞は満場一致で結晶したという。審査員には水口哲也氏をはじめ、河津秋敏氏などゲーム開発者も参加しており、それだけWiiのシステムが開発者にとっても衝撃的だったと言うことだろう。 大賞、優秀賞以外にも推薦作品等も出展されており、面白いところでは、ジャパンイメージコミュニケーションズのCS放送「MONDO21」のドキュメンタリー番組「TVゲームジェネレーション~8bitの魂~」から生まれたファミコンソフト「ミスタースプラッシュ!」も出展されている。もちろんファミコンが置かれており、プレイすることができた。 また、エンターテインメント部門には“遊具”が含まれており、インタラクティブな観点から興味を引くものが出展されている。最も面白かったのは「Freqtric Project」。体に通電するシステムを使ったインターフェイスで、「Freqtric Project」を複数の人で持ち、片方の手で他の人に触ると音が出るというもの。制作者によれば、アプリケーションを変えることでゲームに利用することも可能だという。さらに、このシステムは小型化することができ、たとえばWiiのコントローラなどに取り付け、さらなる新しい遊びを創造することもアイディア次第では可能だという。
弊誌では「GAME Watch」という特性上、ゲームに限ってお伝えしたが、こういった展示会では新しいインターフェイスがたくさん出展されており、次の時代の遊びを一足先に体感できるという楽しみがある。2月11日には水口哲也氏と、受賞作のクリエイターによるシンポジウムも開催される。ぜひとも一度足を運んでいただきたい。 □「文化庁メディア芸術祭」のホームページ http://plaza.bunka.go.jp/ □関連情報 【2007年2月23日】「第10回文化庁メディア芸術祭」が2月24日開幕 エンタテインメント部門大賞のPS2「大神」などを展示 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070122/bunka.htm 【2007年1月22日】文化庁メディア芸術祭10周年企画展「日本の表現力展」 国立新美術館で開催。FC「ドラゴンクエスト」など出展される http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070122/bunka.htm 【2006年2月23日】「第9回文化庁メディア芸術祭」が2月24日開幕 エンタテインメント・ディビジョンにGC「大玉」など展示 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060223/cgarts.htm (2008年2月5日) [Reported by 船津稔]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|