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【連載第18回】大人による大人のための洋ゲー連載
■Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」■
プレイステーション3「20/60GBモデル」追悼企画
今だからこそオススメしたい海外PS2タイトル4選
「Grand Theft Auto San Andreas」
「Madden NFL 2005」
「SOCOM 3: U.S. Navy SEALs 3」
「Champions of Norrath」
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昨日1月31日を持ってプレイステーション 3(以下PS3)の20GBおよび60GBモデルの出荷が終了した。これはSCEがプレイステーション 2(以下PS2)以降、受け継いできたフラッグシップモデルにおける後方互換機能のサポートの終焉を意味する。
PS3の新しい40GBモデルは読者諸氏もご承知の通り、既存PS3に搭載されていたPS2用の互換に必要なEE(Emotion Engine:CPUに相当)およびGS(Graphics Synthesizer:GPUに相当)という2つの主要プロセッサが搭載されていないため、プレイステーションプラットフォームの大きな特徴だった互換性の確保が、現状の仕様としてはできない。
本連載は海外ゲームを主題にしているので、海外の情勢を言えば、昨年のホリデーシーズン中で既に各パブリッシャーは主要フランチャイズのPS3およびXbox 360プラットフォームへの移行を完了しており、今後PS2プラットフォームでゲームファンの脚光を浴びるようなビッグタイトルが登場することはなさそうだ。
しかしPS2は、もう過去の遺物なのだろうか? 答えは「ノー」だ。2000年10月(米国での発売)に発売してから8年目を迎えたPS2は、今も数多くの新作タイトルが投入されている現役プラットフォームであることは揺るぎのない事実だ。
PS2の互換機能を持った20/60GBのPS3が市場から無くなると、これからPS3を購入するユーザーはPS2用ゲームソフトという資産を腐らせないようにするために、PS3と一緒にPS2も並べて置いておかなければいけない状況になる。
既存のPS3はファームウェア1.50以降でPS2互換機能が改善され、PS3の持つパワフルなスペックを活かしてHDTV環境で従来以上の滑らかな表示を実現させ、Dual Shock 3の発売でコントローラの振動機能も復活した。すなわち、PS3の20/60GBモデルは「最強のPS2プラットフォーム」だったわけだが、新モデルにおける後方互換性のカットという大胆な仕様変更は、家の主柱が一本取り払われたような感じがする。
過去の資産、あるいはこれから発売されるPS2ゲームソフトが1台の本体で遊べなくなるというのはとても惜しいことだ。また、日本における海外ゲームの勃興を語る場合にPS2というプラットフォームは決して避けて通ることができない名作を数多く揃えている。
今回の海外ゲームレポートでは、PS3 20/60GB(あるいは海外の80GBも)モデル追悼企画と称して、海外ゲームファンであればプレイしておきたい、筆者一押しのPS2海外ゲームを4本ご紹介していきたい。その意図はハッキリしている。PS3フランチャイズにおけるPS2互換機能の早期の復活だ。ふたたびPS3でPS2タイトルがプレイできるようになる日を心から願っている。
【お断り】 |
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当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
GAME Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません
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■ 予想以上に長期政権化したPS2市場。PS3への移行が緩やかに進むなか、新作リリースは続く
PS2タイトルの紹介に入る前に、久々のPS2タイトルを扱うということもあり、欧米のPS2事情をざっとおさらいしてみたい。
現状のPS2タイトルはゆっくりと終息期に入っている感があるが、世界中で1億台以上の生産出荷台数を誇るゲーム機市場屈指の大勢力であり、北米市場では初代PS1用に「Madden NFL」や「FIFA」などの需要の高いスポーツタイトルは2004年まで提供された例もあることから、PS2でも同様にPS3に移行してから数年間は数は減らしつつも、主要なマルチプラットフォームタイトルの新作は供給され続けるだろう。
一方で「メダル オブ オナー」や「バーン アウト」シリーズなどでは、Xbox 360とPS3(あるいはPC)用、PS2とWii用と、スペックにあわせたグループ分けをして異なるタイトルを開発するという新しい展開も出てきている。次世代への移行も過渡期と言っても良い状況であるにも関わらず、「Guitar Hero」や「Rock Band」と言った人気ゲームソフトも昨年末登場しており、PS2ゲーム市場はまだまだ元気がある。
SCE側もまだまだPS2を盛り立てて行く気はマンマンにあるようで、昨年末には薄型で電源も内蔵されたSCPH-90000番台のPS2本体が発売されており、アジアリージョンではオリジナルカラーが投入されるなど、PS2の長期活躍はSCE側も望んでいるように見える。
この状況を見れば今回PS3 20/60GBモデルを販売終了させた理由の予想がつく。まずなんといってもバリエーションの増えたPS3のSKU(在庫の管理単位)を1本化したいのが1つ。PS3から後方互換を取り払う事でコストを下げることが1つ。そして今なお売れ続けているPS2本体から可能な限り収益を得たいという思惑の3つでほぼ間違いない。
エミュレーション技術の進歩でいずれ後方互換が復活するのか、このまましないのかは不明だが、プレイステーションプラットフォームは、据置型本体はPS3とPS2の2ライン、携帯機はPSPという形で当面展開して行くことは間違いなさそうだ。
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「アンチャーテッド(左)」や「Unreal Tournament III(右)」など昨年末に発売されたPS3タイトルラインナップは充実しており、PS2からPS3への移行がより一層進むだろう |
■ 2004年こそがPS2の黄金時代だった!PS3でもプレイしたいおススメタイトル4選
今回紹介するタイトルは1本を除いて全て2004年に発売されたタイトルだ。この年こそPS2のゲームソフトが最も豊作で、良質なタイトルが続々と提供されたPS2の絶頂期と断言できる。翌年2005年のホリデーシーズンにはXbox 360が発売され、「Call of Duty 2」などのハイデフ環境に対応した新しいゲームが次々に投入され、次世代機にメインターゲットの移行が開始されているからだ。
PS2のハードウェアを熟知した開発者達によって生み出されたゲームソフトは2004年が最大の山場なのは上記の理由によるところが大きい。PS2をよりはるかに性能の高いハードウェアに合わせてつくったゲームをPS2に落とし込めば、マルチプラットフォームという言い方が適用されるにしても品質は全く異なるものになる。
そこでPS2のゲームが最も輝いていた時代の4タイトルをピックアップしてみた。このうち半分はXboxなどでも発売されているが、先行発売されたり、オリジナル要素があったりと、当時のPS2にアドバンテージがあったタイトル達と言って差し支えないだろう。日本版も発売されているタイトルを含むが、筆者は英語版を先にプレイしてしまっていたし、なんと言っても当連載は洋ゲー連載なので、今回は全てオリジナルの英語版を使用している。
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これら4タイトルは今なお増え続けているPS2ゲームソフトの中でも筆者独断によるオススメタイトルだ。PS3やXbox 360世代のゲームを見てしまうと、ビジュアル面での見劣りは否めないが、今後もしばらくはPS2タイトルの新作には事欠くことはないだろう |
■ 海外PS2タイトルと言えばやはりコレ。「Grand Theft Auto San Andreas」
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主人公CJを狙う悪徳警官にはサミュエル・L・ジャクソンを起用
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ギャングスターとなって生まれた町を他のギャングから守れ
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おそらく今年一番のヒットとなることが現時点から確実視される「Grand Theft Auto(GTA) IV」の発売日が2008年4月29日に決定した。世界中のゲームファンも期待していることだと思う。この「GTA」シリーズはPS2との結びつきが欠かせないフランチャイズだ。
最新作はPS3とXbox 360、2プラットフォーム同時発売となるが「GTA」シリーズと言えば「Grand Theft Auto III」から、今回ご紹介する「Grand Theft Auto San Andreas(以下GTASA)」まではPS2版が常に先行して発売されており、XboxもしくはPCユーザーは相当な時間を待たないとプレイできなかった。半ばPS2専用という感もあったタイトルだ。
日本国内で最も知名度が高いであろう「GTA」シリーズの現行最新作となる「GTASA」は、シリーズ最大の規模を誇る架空の州・サンアンドレアスを舞台に、プレーヤーはギャングを生業とするカール・ジョンソン(CJ)となり、自分の所属する「グローブストリートファミリーズ」の再興を目指す。州をまるごとゲームに入れ込んだだけあって、前作の約5倍ものマップスケールに、それぞれ特徴的な8つのエリアを用意している。
カリフォルニア州をベースにしたと思われるサンアンドレアスは、近代的な都市圏があれば様々な所得層に分かれた住宅街、郊外の農村や砂漠などが表現されており、それぞれ全てがきちんと道路で結ばれている。GTAシリーズも「GTA III」以降は町が3Dで再現されたオープンワールドシステムを採用しており、町1つがゲーム中で再現されている点に驚かされたものだが、「GTASA」の規模感は今でも圧倒されてしまう。
規模が大きくなったことに伴いストーリーも濃厚になり、プレーヤーの敵役となる悪徳警官役にサミュエル・L・ジャクソンを起用するなど、雰囲気はバッチリ。シリーズおなじみのラジオ局・サウンドトラックも11局用意され、マップ同様、というかそれ以上にゲーム内容の充実具合も未だ本作を超えるタイトルは見かけない。
やれること、やることが多くなった影響で難易度もシリーズ過去最高で、特に特定ミッションの難しさは半端ではなく、筆者も当時何度か挫折してしまった記憶が生々しく甦ってきた。ストーリーが進むと敵対ギャングとの抗争に入るが、仲間のギャングを集めて一緒にクルマに乗って敵の縄張りに殴りこみに行ったり、逆に自分の縄張りに敵が攻め込んできて応戦するなど、プレーヤーにギャングスターの生き様をゲームで体験させてくれる貴重な1本だ。
暴力表現や、開発側が当初意図的に残したと思われる「Hot Coffee(性的描写)」問題などがあり、あまり良い印象を持たない人もいるかもしれないが、本作の持つゲーム内容の充実度と面白さは、同ジャンルタイトルはもとよりゲームソフト全体を見てもなかなかお目にかかれない。「GTA」を超えることができるタイトルは「最も新しいGTA」のみ、というゲーム市場において支配的でかなり特殊な地位を得ているタイトルと言えるだろう。
まだ本作をプレイしたことのない海外ゲームファンは、なかなかいないと思うが、もしまだ本作または「GTA」シリーズをプレイしていない人は、即プレイを強くオススメしたい。米国版には「GTA III」、「GTA Vice City」、「GTASA」の3作セットになった「GTAザ・トリロジー」が廉価で発売されており、もし本当に1度も「GTA」をプレイしていないのであればこちらのパッケージを購入すると良いだろう。一生モノのパッケージだ。
カプコンから発売中の日本版パッケージはオリジナル版に収録されていた一部内容が自主規制のため削られているが、日本語でストーリーを追えるのはありがたい。どちらもゲームの楽しさは変わらないので、未経験者は是が非でもプレイして欲しい。
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CJの所属するギャング達は緑色の服で統一されている |
サンアンドレアスの町で架空の人生を楽しもう |
■ EA Sportsの代名詞的存在。「Madden NFL 2005」
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当時としては驚きのビジュアルだった「MADDEN」の試合風景
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PS2になり今に至る「MADDEN」の基本スタイルが確立された
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米国限定の超ヒットゲームと言えば、アメリカンフットボールを題材にした「MADDEN NFL」シリーズで決まりだ。本作は代表的なマルチプラットフォームタイトルで、主要なハードはほぼ全て網羅しているが、筆者はPS2で初めて見た「MADDEN NFL 2001」の印象がとても深いため、PS2の代表的タイトルとして挙げさせていただきたい。
2000年8月に発売されたPS2版「MADDEN NFL 2001」はハードウェアスペックの向上にともない前作からビジュアルクォリティが大きくアップ、まるでテレビ中継を見ているかのようなゲームの展開をプレーヤーに体験させ、同シリーズが、よりインタラクティブ志向に強くなるきっかけとなった。
今回選んだ「MADDEN NFL 2005」は現在も続く同シリーズのうち、最もバランス良く、充実したゲーム内容を持ち、本場米国においてもゲームメディアやユーザーから高評価を得ている1本だ。「Madden」シリーズを含めてEA Sportsのスポーツタイトルは「2005」シリーズを最後に4桁の年号表記から「06」などの下2桁の表記に変更しており、次世代機移行を翌年に控えた集大成的なタイトルとしても存在感が大きい。
ボルティモア・レイブンスのラインバッカー レイ・ルイスがパッケージを飾る「MADDEN NFL 2005」は、通常版に加えてPS2版のみ「Collector's Edition」が発売されている。Maddenファン垂涎のビデオ映像や、トリビア、過去15年分のプレイオフチームデータ、などに加えて、PS1用やセガ・ジェネシス(日本のメガドライブに相当)向けの16bit版などクラシック版が収録されたお買い得パッケージになっている。
PS3などに移行を果たしている最新版の「08」は、選手の動きや仕草などが非常にリアルで、より本物の試合をプレーヤーが操作している感が強くなっており、「2005」は最新版の「08」に比べるとハードウェアスペックの差から見た目が劣るのはさすがに仕方の無い所なのだが、ゲームデザイン面の優秀さは、最新版にも全く見劣りしていない。
毎年新作が出る定番ゲームである以上、開発を行なっているEA Tiburonは毎年ちょこちょこと改良を加えたり数年に1度エンジンを換えるなど、常に新しい「MADDEN」を見せるために努力をしているが、ベースになっているのは「2005」と言っていいように思う。
例を挙げると、それまで難のあったディフェンス側のゲームデザインに改良が加えられプレーヤーのやりたいことがほぼゲーム上で実現できるようになったこと、お好みのチームを育てていくフランチャイズモード、オンライン対戦など主要な機能に正しい意味での「改良」が行なわれ、最新版である「MADDEN NFL 08」に至る現在まで、シリーズ中最も面白いのはこの「MADDEN NFL 2005」と、推すファンはかなり多い。
本作は毎年8月に新版が発売される「季節物」なので、3年前のバージョンを買うのはやや気が引けるかもしれないが、アメフトゲームファンであれば「2005」は必ず手元に残しておきたい1本だ。日本でもルールの複雑さからスポーツゲームの中でも「超」がつきそうなマイノリティの部類に入るゲームではあるが、PS2版が英語版・日本語パッケージという構成で発売されているのは幸いと言える。
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Collector's Editionにはクラシック版も収録 |
フランチャイズモードにはEA Sports Radioが初実装 |
■ PS2を代表するオンラインFPS。「SOCOM 3: U.S. Navy SEALs 3」
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発売から3年を経過しているがゲームサーバは健在
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この頃からテロリストとの戦いを描いたゲームが増えてきた
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PS2におけるオンライン対応タイトルは、日本では「ファイナルファンタジーXI」や「信長の野望ONLINE」と答える読者が多いかもしれないが、おそらく海外では上述の「Madden NFL」もしくは、この「SOCOM」と答える人の方が多いはずだ。
2002年8月に発売の「SOCOM: U.S. Navy SEALs(以下SOCOM)」は、アメリカ特殊作戦軍(United States Special Operations Command:略してUSSOCOM)の指揮下にある海軍特殊部隊SEALsが世界各地の紛争地域で活躍する3rdパーソン・シューティングゲームだ。
米軍の全面協力を得て開発された「SOCOM」シリーズは、1作目からオンラインによるマルチプレイをサポートしており、今も続くPS2+ネットワークアダプタによるオンラインマルチプレイタイトルの先駆的な存在と言える。
今回紹介するのは同シリーズの集大成とも言える3作目「SOCOM3」だ。本作では特殊部隊SEALsの指揮官となり、北アフリカ、南アジア、東欧の3地域、全14の作戦を戦い抜く。本作より、ボートやバギーなどの乗り物による移動や攻撃要素が加えられ、作戦を成功に導くために、より戦略性の高いゲーム内容に仕上がっている。
ゲームは実際に作戦を進行するように、移動ルートを可能な限り敵に気づかれずに、交戦を避けながら進めていく。この緊迫感がたまらない。チームメイトにも様々な指示を出すことが可能で、前方の偵察や攻撃など状況に応じて仲間の力に頼ることが作戦遂行の鍵だ。登場する武器は全てSEALsで実際に使用されている兵器(MP5やM4カービンなど)が登場し、装備の構成も作戦開始前にプレーヤー側でカスタマイズすることができる。
マルチプレイ部分もよく作りこまれており、現状、米国サーバーは現在でもピーク時には5,000人近いユーザーがゲームを楽しんでいる。この人数は発売から2年以上を経過したシューティングゲームにしては多い方で「SOCOM3」のマルチプレイがユーザーから高く支持されている証拠だ。
ビジュアル面ではさすがにXbox 360やPS3といった世代のゲームには全く太刀打ちできないが、7種類ものゲームモードが用意され、おそらく米国のPS2ゲームでは初と思われる追加マップがダウンロード販売という形でオンラインロビー上から提供されており、チート対策もメモリーカードにパッチを適用する形で対応するなど、細やかなサポートがゲームの寿命を伸ばしている。
「SOCOM」シリーズは2作目までは日本版も発売されていたが「SOCOM3」については欧米および韓国でのみ発売され、日本では未発売タイトルになっている。既に日本版「SOCOM」のオンラインサービスは終了しているため「SOCOM」のマルチプレイを楽しみたい場合は海外版の「SOCOM3」を購入するしかないのが残念な所だが、PS2ファンであればシリーズ通してコレクションしておきたい良作だ。
なお「SOCOM3」以降はシリーズ新展開となった「SOCOM: U.S. Navy SEALs Combined Assault」がPS2で発売中のほか、PSP用に「SOCOM: U.S. Navy SEALs Fireteam Bravo」シリーズ、シミュレーション要素を取り入れた「SOCOM: U.S. Navy SEALs Tactical Strike」などが発売されており、PSプラットフォームの純正ミリタリーゲームとして、重要なポジションを占めている。
Slant Six Gamesという新興スタジオが現在「SOCOM: Confrontation」というタイトル名でシリーズ最新作をPS3で開発しており、今年中の発売が予定されている。オリジナル版を開発したZipper Interactiveも現在PS3向けの「SOCOM」開発を進めているという噂があり、今後も続々と登場するであろう新作「SOCOM」に備えて、まずは「SOCOM3」で腕試しというのも悪くないだろう。
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オンライン対戦は今でも相手に不自由しない程度の活気がある |
「SOCOM3」からバギーなどの乗り物が登場するようになった |
■ 「Ever Quest」をモチーフにした異色のオンラインアクションRPG。「Champions of Norrath」
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ゲームデザインはDiabloライクのアクションRPG
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NPCとの会話には演出が一工夫されている
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中毒的なプレーヤーが続出したことで知られるMMOPRG「Ever Quest」の世界観をベースにした外伝的なタイトルで、PS2向けにアクションRPG化したのが本作「Champions of Norrath」だ。開発は「Baldur's Gate: Dark Alliance」で高い評価を受けたSnowblind Studiosが行なっている。
基本的なゲームデザインは「Baldur's Gate: Dark Alliance」を踏襲しており、PS2としては高いクォリティを誇るビジュアルと、ゲームバランス・操作性持っており、海外ゲームとしては非常にプレイしやすいのが特徴だ。
プレーヤーはNorrathの世界を舞台に人間やエルフなど「Ever Quest」おなじみの5種族からキャラクタを作成し冒険の旅に出る。ゲーム内容は、かの名作「Diablo」に近く、襲いかかってくる敵を武器でひたすら倒しつつ、レアな武器・防具を集め、強化していくことでゲームのやり込み度を追求している。
本作はオンラインプレイにも対応しておりPS2にネットワークアダプタが装備されていれば最大4人が集まって一緒に冒険することが可能になる。マッチングサーバーの利用に関しては無料だったが、本稿を書くにあたって久しぶりにオンライン接続をしてみたところ、何度かチャレンジをしてみたのだがマッチングサーバーに接続することは適わず、残念ながら既にクローズされていた。
もっとも発売当時もユーザー人口は3桁を切る程度しか見受けられなかった覚えがあるので著名オンラインゲームの派生としては意外なほど米国のユーザーには受け入れられていなかったのかもしれない。別売のUSBヘッドセットを使えばボイスチャットをしながらプレイできたりと、面白い要素もあっただけに残念だ。ちょっと早すぎた大作ということになるのかもしれない。
「Diablo」系アクションRPGにおいてマルチプレイが無いのはやや物足りなさを感じるかもしれないが、シングルプレイに関してはおそらくPS2用同ジャンルタイトルの中では1、2を争う出来栄えで、筆者も購入時はこのタイトルだけを黙々とプレイし続けたものだ。
本作の高評価を受けて、続編となる「Champions: Return to Arms」も翌年に発売されトカゲのような種族Iksarの登場など「Ever Quest」ではおなじみの追加要素が盛り込まれたが、ゲーム性で前作を超えることができず、残念ながら本シリーズは現時点では2作目以降は発売されていない。
蛇足ながら日本のゲームファンからの認知度は恐ろしく低いと思うが「Ever Quest」シリーズは本シリーズ以外に本家MMORPGをPS2向けに落とし込んだ外伝作として「EverQuest Online Adventures」というタイトルも2003年に投入している。こちらも海外PS2タイトルとしては極めて希な月額制のMMORPGであり、筆者も一時参戦してプレイしていたが、MMORPG初心者にとっては非常にプレイしやすい内容だったことを覚えている。
「EverQuest Online Adventures」はシリーズ2本のリリースを経て、現在も運営を続けているが、発売当時もあまりユーザー人口は多くなく、一応パッチも存在したがメモリーカード(8MB)の範囲内にとどまる更新しかできず、PS2の仕様としてHDD無しでは拡張が難しいことも考えると、現在もプレイしているユーザーは多くなさそうだ。
SOEは過去に「Ever Quest」フランチャイズをPC以外にも展開しようとPS2に外伝的タイトルを多数投入し、それらは総じて出来が良かったという点は筆者としては印象深い。ただ、ユーザーからの支持はそれほど得れなかったところを見ると「Ever Quest」はPCゲーマーのもの、というポジションが不動のものだったということかもしれない。
本作は日本版が発売されていないが、米国のお店でBest版などが発掘できれば、確保しておきたい価値ある一本だ。類似作としては同じスタジオが手がけた「Baldur's Gate: Dark Alliance」はジャレコより日本版が発売されているので、こちらをプレイしてみるのも良いだろう。
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インベントリーもDiablo系だが自キャラの装備状況が一目でわかる |
マルチプレイにはシングル用キャラをコピーして使うことも可能だ |
■ PS3とXbox 360の立場が逆転した現状を憂う。PS2新作には今後も期待を
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PS3のライバル機、Xbox 360ではソフトウェアエミュレーションによって初代Xbox用に発売されたゲームソフト465種類がプレイできるようになっている
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今回4タイトルに絞ってみたが、実際にはこれら以外にも国内外問わずPS2にはオススメタイトルが無数に存在する。それらをPS3でプレイする場合、アップコンバート機能で、HDTV環境であればPS2本体よりも高精細で滑らかな表示を可能にし、HDTVでは目立ちやすいジャギーもスムージングの補正機能で滑らかな画像になる。
PS3をPS2で動かすと受けられる恩恵は、見た目以外にもある。中でもセーブデータをHDDに保存できる機能は大きい。PS2のゲームを多くコレクションしている人やメモリーカードをたくさん使って管理が面倒、というコアゲームファンであればあるほど有益な機能だ。
PS3の20/60GBモデルは1月31日に出荷を終了したばかりだが、日本では1月10日の発表直後から完売状態で、すでに主流は40GBモデルに移っている。新モデルへのシフトは確実・迅速に進んでおり、北米市場でも小売大手の「Best Buy」がPS3の80GBモデルの販売を終了するなど、昨年末のホリデーシーズン以降は在庫の補充も無いようで、こちらも40GBタイプへの一本化が粛々と進んでいる。
ライバル機のXbox 360は当初、初代Xboxタイトルの互換を限定的なサポートに限ったため、PS3が発表当初掲げたPS1の時代から蓄積された膨大な資産をほとんどそのまま使えるということにメリットを感じて次世代機はPS3を、という選択をした人は結構いるのではないかと思う。
その後発売1年でPS3は後方互換を捨て、かたやライバル機のXbox 360はソフトウェアエミュレーションで主要タイトル465種類(米国版:2007年11月現在)をサポートしており「Halo」シリーズなどは独自にアップコンバート対応するなど、後方互換に関しては今や立場が逆転してしまっており、この分野においては積極的にやってきたとはあまり思えないXbox 360側に先を行かれてしまった。
筆者としては、冒頭でも触れたが、PS3のPS2互換機能は何らかの形で復活することを願っている。理想はソフトウェアエミュレーションで無料で手持ちのPS2ゲームを活かせるようになることだが、PS2用のプロセッサが搭載されていないと全ての互換を保つのが難しいのであれば、マイクロソフトがXbox Live上で実施しているXboxクラシックのように、厳選したPS2タイトルをPS3に対応させ「PLAYSTATION Store」でダウンロード販売するなど、プレイステーション・プラットフォームが持つ膨大な過去資産をPS3からアクセスできるような仕組みを用意してほしい。
本海外レポートでは、いつか再びPS2互換がPS3に再実装されることを期待しつつ、今後も引き続き海外PS2新作タイトルに注目していくことを、洋ゲーファンの皆様にお約束したい。
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Xboxタイトルラインナップは、定期的にアップデートが実施されており、各タイトルの互換性向上と対応タイトルの追加のおかげで、Xbox用主要タイトルはXbox 360でも問題なく楽しめるようになった。後方互換完全対応というPS3の優位性は残念ながら立場逆転という形になってしまっている。願わくば40GB版PS3でも同じようなソフトウェアエミュレーションでの対応を検討してもらいたい |
「Grand Theft Auto San Andreas」
(C) 2006 Rockstar Games. All rights reserved.
「Madden NFL 2005」
(C) 2004 Electronic Arts Inc. Electronic Arts, EA, EA SPORTS and the EA SPORTS logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved. The mark "John Madden" and the name, likeness and other attributes of John Madden reproduced on this product are trademarks or other intellectual property of Red Bear, Inc. or John Madden, are subject to license to Electronic Arts Inc., and may not be otherwise used in whole or in part without the prior written consent of Red Bear or John Madden. (C) 2004 NFL Properties LLC. Team names/logos are trademarks of the teams indicated. All other NFL-related trademarks are trademarks of the National Football League. Officially licensed product of PLAYERS INC. The PLAYERS INC logo is a registered trademark of the NFL players. www.nflplayers.com (C) 2004 PLAYERS INC. Riddell is a registered trademark of Ridmark Corporation. All other trademarks are the property of their respective owners. EA SPORTS(TM) is an Electronic Arts(TM) brand.
「SOCOM 3: U.S. Navy SEALs 3」
(C)2005 Sony Computer Entertainment America Inc. All Rights Reserved.
「Champions of Norrath」
"PlayStation" and the "PS" Family logo are registered trademarks of Sony Computer Entertainment Inc. Champions of Norrath and Realms of EverQuest
are trademarks of Sony Online Entertainment LLC. SOE and the SOE logo are registered trademarks of Sony Online Entertainment LLC.
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「Unreal Tournament III」
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「アンチャーテッド」
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「Ghost Recon 2」
(C) 2001-2004 Red Storm Entertainment. All Rights Reserved. Ghost Recon, Jungle Storm, the Soldier Icon, Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries. Desert Siege, Island Thunder, Red Storm, and the Red Storm logo are trademarks of Red Storm Entertainment in the U.S. and/or other countries. Red Storm Entertainment, Inc. is a Ubisoft Entertainment company.
「Unreal Championship 2: The Liandri Conflict」
Unreal Championship(R) 2: The Liandri Conflict (C) 2004 Epic Games, Inc. All rights reserved. UNREAL, UNREAL CHAMPIONSHIP and The Liandri Conflict are trademarks or registered trademarks of Epic Games, Inc. Used by Permission. Distributed under license from Epic Games, Inc. by Midway Home Entertainment Inc.
□「Grand Theft Auto San Andreas」公式ホームページ(英語)
http://www.rockstargames.com/sanandreas/
□「GMadden NFL 2005」公式ホームページ(英語)
http://www.easports.com/platform_ps2.jsp
□「SOCOM 3: U.S. Navy SEALs 3」公式ホームページ(英語)
http://us.playstation.com/PS2/Games/SOCOM_3_U_S_Navy_SEALs/OGS/main.asp
□「Champions of Norrath」公式ホームページ(英語)
http://championsofnorrath.station.sony.com/
(2008年2月1日)
[Reported by Game Dude]
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