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「CSO」については、G★2007の「NEXON G★2007 Media Conference」レポートでもお伝えしたとおり、完全な新規タイトルではなく、「Counter-Strike Condition Zero」(以下、「CSCZ」)をベースに武器などの新規コンテンツやUIの拡張が盛り込まれたタイトルだ。韓国を皮切りに、日本、中国、台湾の東アジア4か国への展開を予定しており、ビジネスモデルは未定だ。 本家「Counter-Strike(以下、「CS」)」のリリースから9年が経過し、途中「CSCZ」、「Counter-Strike: Source(CSS)」といったワンポイントリリーフを経ながら、待望の新作となる。よりユーザーフレンドリーにオンラインFPSの形を取った本作は、「CS」シリーズのもつ素晴らしい射撃感の再現に成功し、「Special Force」や「Sudden Attack」といったオンラインFPSの原点回帰を狙うかのような存在感を放っている。 今回のテストは直前まで詳細な内容がほとんど知らされず告知も少なかったため、参加したユーザーの多くは、参加しようと狙いを定めていた「CS」ユーザーだった。筆者を含めて参加したユーザーの感想の多くが「CSO」はランチャーの変わった「CS」そのものという意見が多勢を占めた。 「CSO」はゲーム全体のつくりは本流の「CS」そのままだが、Valveのオンラインサービスプラットフォーム「Steam」を介さず、NEXON独自のユーザーインターフェイスを採用したのが大きな特徴だ。オンラインFPS「Special Force」や「Sudden Attack」に用いられているロビー型のインターフェイスをほぼ踏襲しているようだ。
「CS」シリーズの大きな魅力である射撃感や爽快感はオンラインFPSになっても健在で、ゲーム性としてはCSユーザーの筆者も満足の一作だ。他にも新規コンテンツとして「DM_Tunnel」、「CS_Camouflage」などの計4種類のマップや8種類のプレーヤーモデル、8種類の武器が追加された他、デスマッチモード及びBOTが実装されており、新たな「CS」の側面を見た。早速レポートをお伝えしたい。
■ ゲームランチャー「Steam」から解放された独自のロビーシステム
シリーズを通じてシャープな射撃感覚と共に、ミッションの成否やキル数によって支給されるお金を使って、武器や装備を買いそろえていく高い戦略性も併せ持っており、e-Sportsのメイン種目としても多く採用されている。公開から9年が過ぎた現在でも世界同時アクセスは30万人を誇っている。 「CS」のフランチャイズは、発売時期やアップデートによって、主に3つのバージョンが存在する。「CS1.6」は元の「CS」からバージョンアップが重なった本家の最新版。そして「CS1.6」をベースにし、BOTやシングルモード、グラフィックスのカスタマイズが行なわれたのが「Counter-Strike Condition Zero(CSCZ)」、最後は「Half-Life2」でも用いられた「Sourceエンジン」を採用した「Counter-Strike: Source(CSS)」の3つだ。 現行の3ラインナップ中もっとも高い人気を誇るのは「CS1.6」である。システム自体は人気の薄い「CSCZ」をベースにしている「CSO」だが、マップは「CS1.6」のものが採用されており、雰囲気は「CS1.6」のようだ。「CS1.6」の人気を背景に、韓国、日本、中国、台湾などアジア市場にフォーカスしていくのがNEXONとValveの戦略だ。 今までの「CS」フランチャイズと「CSO」の大きいな違いは、既存タイトルに用いられているValveのオンラインサービスプラットフォーム兼ゲームランチャー「Steam」の枠を外れたことだ。グローバルの「Steam」フランチャイズのサービスの枠外で、プレーヤーが1つのロビーサーバーに集まりルームを選択し、セッションを始める、ロビー型のインターフェイスを採用したことだろう。 今回のテストでは、ゲームをスタートするために必要なセッションの作成、ジョイン、チャット機能以外は未実装だった。メニューを見る限り、将来的にはアイテムショップやランキング、階級、クランなどの機能が確認でき、今後のアップデートの中で実装されていくようだ。 オンラインFPSというジャンルのくくりの中で本作を考えるならば、「Special Force」や「Sudden Attack」との明確な差異は、ハイエンドを突き詰める方向を目指したタイトルということだ。ヘッドショットを出すために狙わなければならないヒットボックスの大きさは非常に小さく、それさえ決まればほぼ1回のクリックで相手を即死させることができる。 また、ほとんどの壁や床をライフルの銃撃で向こう側に抜くことができ、秀逸なマップ構造と合わせて、上級ユーザー同士の戦いになっても非常に細かい部分での優劣が勝敗の明暗にきっちりと反映されるシビアなゲーム性を売りにしている。 カジュアルに遊びたいユーザーからすればなかなか魅力をお伝えしにくい部分でもあるが、上手いユーザーがライフルをリロード無しにヘッドショットだけで何人もなぎ倒していく光景は本作にしかない魅力だ。実力によって相手との差が大きく出るゲーム性こそが本作を語る上でもっとも重要な要素だろう。 ゲームの進行は本作ではセッションに入ってからチームの選択から始まる。「Sudden Attack」や「Special Force」といったオンラインFPSではセッションに入場した際にチームを選択してゲームをスタートするが、ロビーから実際のゲーム画面に入った後でチーム選択を行なうようになっている。「CS」の既存ユーザーには見慣れた仕様だが、一般的なオンラインFPSユーザーには真新しく映るかもしれない。 次にチームを選択し、使用するモデルを9種類の中から選択する。TR側は完全に架空の存在だが、CTは本作の展開予定地域の特殊部隊(たとえば日本ならSAT)がモデルになっている。外見的な作りとしては「CS」のプラットフォームが「Steam」からNEXONのロビーに変わっただけのようにも見える。武器の購入から見た目、ゲーム性、操作感など、まさに「CS1.6」そのままであり、まったく違和感なくプレイすることができた。 気になるアクション面は、シャープな動きと射撃と射撃の切れ目がしっかりと伝わってきた。射撃してから敵が倒れるまでのモーションもよくマッチしており、本家「CS」に劣らず遊び手のアクションに対するレスポンスが非常にダイレクトだ。被弾してからキャラクタが倒れるまでのモーションも早いため、敵を撃破できたかどうかをすばやく察知できる。本シリーズ特有の連続キルを重ねた時の痛快さは十二分に引き継がれている。
こうしたゲーム性と銃の反動などのリアリティが絶妙にバランスを保っており、多くの参加したユーザーからも射撃感は高く評価されている。
■ 4種類のマップ、8種類の武器、8種類のプレーヤーモデルなどの新規コンテンツに注目!
新規武器MP7A1、FN SCAR、XM-8は従来の「CS」では無かった武器が追加されていた。武器の変形機能だが、FamasやGlockのようにマウスの右クリックで武器のタイプを切り替える方式とは異なり、「1」キーを押すと2つのHUDが表示され、タイプを選択することができる。スコープを装着したり、弾倉を変えたり、武器の銃身以外の部品を差し替えて全く違うタイプに変化する。
これらの武器変形は状況によって武器のタイプを切り替えることで、2つのメイン武器でプレイするかのような感覚になった。単純な機能ではあるが「CS」の世界観の広がりに貢献していると感じた。
■ 爆破、人質救出といったオリジナルモードに加え、個人デスマッチ及びチームデスマッチモードを追加。最大32人のマルチプレイをサポート
デスマッチモードはキル数を競うモードだ。マップの特性に関係なく、全てのマップでプレイすることができる。個人デスマッチは撃破されるたびにマップ全体にランダムで復活するため、激しい乱戦が楽しめた。デスマッチには所持金の制限がなく、復活するたびに自由に兵装を選択できた。チームデスマッチはお互いのスタート地点から復活するため、戦線が途切れた際にリグループをチーム内に呼びかけるなど戦略的な楽しみ方もできた。 「CS1.6」や「CSCZ」におけるデスマッチモードは、ユーザーによるAdd-onであったため、サーバーなどの細かい設定が難しかったが、「CSO」ではセッションの作成時にオプションを通じて簡単に作ることができる。 BOT練習モードではコンピュータ(BOT)を相手にオリジナルモード、個人デスマッチモード、チームデスマッチモードを遊ぶことができる。マルチプレイに慣れないユーザーがプレイに慣れるのにもってこいだろう。 意外だったのは「CSO」がPtoP型のサーバーシステムを採用したであることだ。「NEXON G★2007 Media Conference」でお伝えしたサーバークライアント型とは異なっていた。なぜ、PtoP型に変更されたのかその理由は不明であるが、サーバー側のパソコンのスペックやネット環境が余程良くないと32人サーバーは重く感じた。 新規コンテンツは今後時間をかけてじっくり各種バランス調整を行なっていく必要があるが、本作の登場でチーム戦FPSの名作である「CS1.6」を手軽に楽しめるため、高いゲーム性がより身近なものになったと感じた。アジア市場に向けて活動し始めた「CSO」の展開に期待したいところだ。
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□NEXONのホームページ(韓国語) (2007年12月27日) [Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]
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