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価格:8,390円
CEROレーティング:C(15歳以上対象)
「デビル メイ クライ 4」はシリーズ最新作にして、プレイステーション 3、Xbox 360の最新グラフィックスで描かれるゲームとして力の入った制作が続けられている。またPC版の発売も決まっており、同社のゲームエンジン「MTフレームワーク」をベースに各プラットフォームにおいて高いクオリティでゲームが楽しめるよう設計されている。 今回、小林プロデューサーによるデモンストレーションとゲームにかける意気込みについて伺えたのでお伝えする。まだまだお伝えできない部分も多いが、発売まであと1カ月半と迫った現在の意気込みを感じていただきたい。
説明会ではまずゲーム冒頭からスタート。小林氏はいきなりプロローグのデモシーンにおいて「全てリアルタイムで描画している。それを証明するために、コントローラのスティックでカメラアングルをほんの少し動かすことができる」と切り出した。実際に小林氏が少しスティックを倒すとデモシーンにもかかわらずカメラアングルが少し動き、リアルタイムに描画されていることが証明された。 ゲームスタートと同時にド派手な戦いが描かれる同作だが、デモではすでに公開されている今作の主人公ネロとダンテとの戦いが公開された。ネロでの戦いは右手のデビルブリンガーを使用した戦いが重要なポイントとなる。これまでにシリーズ作品をプレイしたことのない人でもプレイ感を掴めるようにチュートリアル要素も用意されている。ここでは剣と銃、側転などの移動などを学ぶことができる。
ステージをプレイ中にも細かくカットインされるデモシーンで、ネロとキリエの関係やダンテの謎めいた行動が描かれ、気になるストーリー展開が描かれていく。これらのデモは前述のようにリアルタイムに描画されているため、スムースに挿入され、ゲームプレイの妨げになることはない。
ネロのアクションについては、通常のショットの他、ボタンを押しっぱなしにするとチャージショット (溜め撃ち) となる。もちろんチャージショットは空中で放つこともできる。剣による攻撃については、連続斬りもあるが、斬り上げたり離れた位置からダッシュ斬りを行なうことも可能。アクションとして重要となるデビルブリンガーだが、敵を投げる (バスター) ことができるほか、離れていれば敵を引き寄せる (スナッチ) ことができる。もちろん空中でデビルブリンガーを使用して敵を引き寄せることが可能であるため、引き寄せた上でバスターを炸裂させたり、銃や剣とのコンビで戦略的にアクションを組み立てていくことができる。 敵を引き寄せることができるスナッチだが、引き寄せる相手は敵だけに留まらない。離れたところに掴めるところがあれば、移動にも使用することができる。たとえば移動できそうもない崖でも掴めるところがあれば、スナッチを使用して移動し進むこともできる。 シリーズをプレイしてきた人はダンテが魔人になることができるというシステムをご存じかと思うが、ネロの魔人化も確認できたが詳しくは今後紹介していく。 まだまだデビルブリンガーには秘密が隠されている。デビルブリンガーは敵によって攻撃が変化。たとえばフロストという悪魔であれば、ボタンを押すことで掴むことができ、連打するとこの敵を振り回すことが可能となっている。連打でブンブンと振り回し、投げたい方向にレバーを倒せばその方向に投げ飛ばす。投げた方向に障害物があればあたり判定が発生するので、そういった攻撃方法も考えられる。 攻撃に関してだが、ネロの剣はバイクのアクセルのように吹かして、パワーアップした技 (イクシード) を出すことも可能で、画面の左上にゲージが表示され、レベル2、レベル3と上げることができる。もちろん使えばゲージは減るので、無制限に使えるわけではないが、こういった機能もうまく戦略的に繋いでいくことでより多彩なアクションを楽しむことができるだろう。これらのアクション要素は、ゲームの進行に応じて増えていくという。
3作目ではステージ突入時に「スタイル」と呼ばれるアクション形式を選択していたが、今作では最初からスタイルを4つまで持っており、十字キーで切り替えることができる。これを使い分けて進んでいくことが今回の肝となる。スタイルは、トリッキーな動きで幻惑しながら空中移動などが可能な「トリックスター」、上から下に撃つアクションやショットガンによる銃撃などが行なえる「ガンスリンガー」、地上でも空中でも剣を回転させながら連続斬りが可能な「ソードマスター」、敵が攻撃してきた瞬間にブロックして反撃する「ロイヤルガード」となっている。 さらに、ダンテは通常の武器以外にスゴイ武器も確認できた。まずは格闘武器の「ギルガメス」。これは近距離攻撃を行なえば格闘攻撃となり、溜めればパワーアップしたパンチなどが発生する。
ふたつめは「無尽剣ルシフェル」。これは魔界から無尽蔵に剣を生みだし敵めがけて撃ち放つ技。かなり戦略的な武器で、地上でも空中でも敵を串刺しにして固定させることができる。そして剣は爆破させる事もできる。これらは改めて紹介する。また、シリーズでおなじみのダンテの魔人化も見られた。
プレイステーション 3版とXbox 360版は同時発売となるが、内容に違いはない。プレイステーション 3はハードディスクへのインストールが可能。Xbox 360版はハードディスクがないことを前提に作られているため、若干のディスクアクセスが発生する。小林氏によるとそれも「不利にはなっていない」と言い、十分早いという。これ以外についてはポリゴンもテクスチャもまったく同じで、「マシンの性能による発色の違い程度」と言い、「持っているマシンで楽しんでもらい、両方持っていれば後はお好みで」と語った。 プレイステーション 3のDUALSHOCK 3にも対応しており、振動機能も楽しめることができる。 小林氏によれば、今回、次世代機になったことで屋外での戦いが多く描かれているという。屋外は明るいシーンが多く基本的に遠景まで描かなければならず、どうしてもマシンパワーを喰ってしまう。そういった意味では今回はこれまでとは違った舞台を体験できると言うことだ。港町やこれまでは考えられなかったジャングルステージも用意されている。ちなみに、ネロとダンテ、両方ともジャングルステージは登場するが、ネロの時は晴れており、ダンテで挑戦すれば雨が降り同じ場所でも雰囲気を変える演出が施されている。 また、マシンパワーという点では「巨大な悪魔と戦いたいというのがあった (小林氏)」ということで、炎のベリアルやエキドナを始めとした巨大な敵キャラクタが登場する。中ボスなどに人型の悪魔なども登場するが、その一方でものすごく大きな敵も登場するので「楽しみにしていて欲しい」とアピール。 ダンテは3作目でコミカルな一面をみせたが、「デビル メイ クライ 4」では3作目より歳を取ってはいるが、それだけデビルハンターとして経験を積み大人なキャラクタとして登場する。ただ、大人だから落ち着いているわけではなく、ユーモアのあるところはあり、この点に関して小林氏は「ユーモアがなければダンテではなくなる」とキッパリ。デモ部分については映画監督の下村氏が今作でも手がけているが、そういったパフォーマンスは今作でもきちんと描かれている。小林氏は「ダンテファンはそういった点でも期待してもらえれば」と付け加えた。 とはいえ「デビル メイ クライ 4」の主人公はネロ。開発者側としては、7:3で7がネロという比率で捉えているという。これまでネロとダンテのアクションの違いなどに触れてきたが、ストーリーの中でプレーヤー側がプレーヤーキャラクタを好きに選べるのではなく、ストーリーの流れの中でネロとダンテのいずれかを操作して進めていくこととなる。 小林氏はネロについて「僕は開発をはじめてネロとは2年から3年の付き合いになります。かなり好きなキャラクタに育ってきていて、6年ほど前に『デビル メイ クライ』の1作目を作っていたときのダンテをやっているような感覚で、新キャラクタとしては魅力あるキャラクタに仕上がったと思います」と思い入れもたっぷり。ダンテのようなユーモアはないとしながらも「ひねくれ者だけどキリエに対しては一生懸命で、少し熱血っぽいところもある。カッコイイネロが沢山見ることができると思います」と新たな魅力を見て欲しいとした。 ゲームを楽しむという点では、「これまでの銃と剣というアクションに加え、デビルブリンガーという第3のアクションが楽しいので、ダンテとはまったく違う悪魔とのバトルが楽しめます」とネロのアクションをアピールしながらも、「ダンテはダンテで盛りだくさんで、3作目のスタイルは全て入っていますし、新しい大きな武器も入って、さらに魔人もあり、いきなりいろんなことができますので、シリーズファンの人は“どうやって組み合わせて遊べるか”を考えてもらえると思う」と様々な楽しみ方がぎっしり詰め込まれていることを伺わせるコメントを残した。 最後に苦労話として、カプコンとしてプレイステーション 3初のソフトということで、ソニー・コンピュータエンタテインメントとかなり協力して制作が進められたという。小林氏の「60フレームでこの解像度を表現するのは他社にはなかなかできないと思う」というコメントは、その完成度の高さに自信の溢れるものとなった。もちろん、その道のりは平坦ではなく、苦労の連続だったようだ。
とにかく発売まであと1カ月半と迫ってきた。一目で「デビル」らしいアクションとわかるが、そこには様々な新要素が織り込まれていることがわかるかと思う。プレイステーション 3、Xbox 360時代におけるアクションゲームのひとつのマイルストーンとなるであろう同作の発売が待ち遠しいところだ。
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□カプコンのホームページ (2007年12月18日) [Reported by 船津稔]
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