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会場:秋葉原UDXビルディング内特設会場
■ 「Sudden Attack」日本最強を決める頂上決戦! 栄冠を手にした精鋭チームとは?
そのオンライン予選を勝ち抜いて見事オフライン決勝トーナメントに出場したのは「oMaE:3)s」、「RustyEggs」、「sylphide」、「Tr1dent」の4クラン。128クランから選ばれたというだけに精鋭ぞろいだ。それだけに、「BIGLAN」メインステージで行なわれた試合はハイレベルで、見ごたえのあるものになった。 なお、予選にエントリーした128クランという数字は、エントリー可能クラン数の最大限度。実際に応募したクランの数は300を越えるということで、出場を逃したプレーヤーもかなりの数に上るようだ。それだけに、オフライン予選を勝ち抜いて見事決勝に進出したクランへの注目度は高い。そのことを反映し、オフライン決勝戦の会場である「BIGLAN」メインステージには溢れんばかりの人が押し寄せた。日本最強を決める最後の戦いを、大勢のファンやプレーヤーがその目に焼き付けたわけである。
さて、試合に先立つ開会式には「Sudden Attack」のイメージガール、“きゃんち少佐”こと喜屋武ちあきが登場。自身も相当な「Sudden Attack」プレーヤーだとのことで、早速「きゃんち少佐の始弾式」と題したセレモニーを演出。スタート地点に固まった5人の敵プレーヤーを1発の手榴弾で吹き飛ばし、会場内の大きな笑いを誘った。そしていざ、決勝トーナメントの試合が始まった。
■ ハイレベルな争いに終始した決勝戦。絶えず他を圧倒した「RustyEggs」が優勝
プレーヤースキルの見所は、リアル系FPSの流れを汲むゲームであるため、正確な照準能力と状況判断能力だ。この点、出場した4チームともかなり高いレベルにあったが、特に注目されていたプレーヤーはクラン「sylphide」のtelli選手。スナイパーライフルでの射撃において卓越した技能を持ち、チームの核として機能していた。 もうひとりの注目株は何と言ってもクラン「Rusty Eggs」のKeNNy選手だ。かつて「Counter-Strike」の日本代表選手として活躍した数々の海外遠征経験を持つ古参FPSプレーヤーであり、その腕を買われてこの12月に「Sudden Attack」公式インストラクターに就任している。大勢が認める凄腕プレーヤーなのだ。 準決勝第1試合では「sylphide」、「Tr1dent」の2クランが対決。ここでは下馬評どおり「shylphide」のtelli選手のスナイピングスキルが炸裂、試合開始直後にスタート地点近くの敵を串刺しにするというスーパープレイも飛び出した。正確な照準能力、判断、敵の位置予測などの能力がなければできない芸当である。Aqua選手が率いる「Tr1dent」もチーム力では負けておらず、取得ラウンド数は接戦のまま推移。全後半を戦い、最終的に6-8という僅差でクラン「sylphide」が勝利した。 準決勝第2試合は「oMaE:3)s」と「Rusty Eggs」が対決。こちらは力の差がはっきりと出た試合になった。KeNNy選手が率いるクラン「Rusty Eggs」は各個人のスキルも高いが、まずチームとして戦う上で必要な「声を出す」姿勢が顕著だ。試合開始の瞬間、リーダーのKeNNy選手が「ゴー勝つぞRustyEggs!!」。この声に各メンバーが「オウ!!」と呼応する。一般的に不利とされる攻撃側で始まった「Rusty Eggs」は序盤3ラウンドを失うものの、すぐに持ち直して5ラウンドを続けて奪取。後半戦もほとんど一方的な勢いでものにし、4-10というスコア差で準決勝を勝利した。 この結果、決勝戦のカードは「sylphide」対「RustyEggs」。決勝戦では場内に詰め掛けた「Sudden Attack」ファンの数も最高潮に達し、人があふれ出すほどの混雑。会場の盛り上がりは昨今のEスポーツシーンで最高レベルのものだ。対決するのは双方共に高いスキルを持つクランであり、接戦が期待された。
だが、試合はほとんど一方的な展開で推移した。「sylphide」の凄腕スナイパーtelli選手が毎ラウンド行動を抑えられ、仕事をさせなかった。結局地力で勝る「RustyEggs」がペースを握り、10-2の大差で勝利の勝鬨を上げた。優勝した彼らには、ゲームヤロウ株式会社より賞金10万円、そして来年開催の「Sudden Attack」世界大会へ向けた日本予選決勝のシード権が与えられた。
■ 「Sudden Attack」ヒーローインタビュー:優勝クランリーダーKeNNy選手に聞く
決勝戦後、そのKeNNy選手に話を聞いた。「Sudden Attack」プレーヤーの皆さんには日ごろのプレイの参考になる言葉が入っているかもしれない。詳しくお伝えしよう。
──まずは優勝おめでとうございます。今大会を振り返っていかがでしたか。 KeNNy選手: 正直、今回の大会は凄く不安でした。クランのコンディションがあまりよくなかったんです。「RustyEggs」は結成して4カ月になるのですが、これまでオンラインで練習してきました。それでメンバーの個人スキル、チームワーク、それに、僕以外のメンバーにとってオフラインの試合が初めてということに不安を抱えていたんです。 ──決勝戦の相手「sylphide」の印象はどうでしたか? KeNNy選手: やはりスナイパーのtelli選手が脅威でした。彼のスナイパースキルはおそらく日本一なので、僕らは彼に凄くビビっていたんです。リーダーのlemon_tea選手も優れたアサルターなので、一瞬たりとも気が抜けない試合でした。それに「sylphide」とはオンラインで対戦したことがあまりなかったので、どういう作戦を使ってくるか予想できませんでしたから。 ──それでも10-2の大差で勝利しましたね。勝因は何だと見ていますか。 KeNNy選手: 実は「第3倉庫」マップの攻撃側で5ラウンドも続けて取れたのは、ウチのK1LLuA選手がtelli選手を抑えてくれたからです。守る側が有利なマップなので、telli選手を倒した瞬間、僕らは「NICE!!」と大声で叫んでました。そのことで、僕らに流れが来ていたと思います。 ──K1LLuA選手の活躍が鍵だったと。自分自身の出来についてはどうですか? KeNNy選手: 80%くらいですね。実は、最初の方は結構テンパってました。1試合目で3ラウンド立て続けに取られてしまって、オロオロしちゃったんですね。僕が指揮を執り、1ラウンド毎に作戦を言わなくちゃいけないのに、頭が真っ白になってしまって。ですが、そこでチームメンバーのN0thing選手が助けてくれたおかげで、なんとか流れを掴むことができました。 ──世界大会へ向けた予選決勝のシード権を得ましたね。次の目標を聞かせてください。 KeNNy選手: もちろん世界大会での優勝を目指します。そのために今回出場したメンバーを少し入れ替える予定でいます。世界の強豪を倒すには、個人スキルもチームワークもトップレベルでなければならないからです。 ──KeNNy選手自身にとって、「Sudden Attack」とは? KeNNy選手: 自分にとって第二の人生です。ちなみに第一は「Counter-Strike」でした。「CS」の日本代表をやっていた頃はチームの皆が強くって、自分が引っ張っていく感じではなかったんですよ。ですが、今では自分がリーダーシップをとってメンバーをまとめているので、その意味では新たな挑戦ですね。とても重要で、やりがいのある役をやらせていただいています。 ──「Sudden Attack」公式インストラクターとして、敗れたクランたちにアドバイスをするとしたら? KeNNy選手: 印象としては、試合中の声出しが甘かった気がします。大声で叫ぶことで緊張もほぐれ、普段の実力を出しやすくなるはずです。また、作戦を実行するにあたっての手際のよさ、味方をカバーする意識、声を出しての報告など、戦術面を煮詰めていく必要があると思いました。本番というプレッシャーに負けないことも大事です。ほかにも、公式インストラクターとして、僕が今まで経験して身に付いたものをどんどん伝えていきたいと思っています。
Eスポーツの尺度で考えると、世界レベルではまだまだ上位に食い込めない日本のFPS界。そんな中、2008年に予定されている「Sudden Attack」の世界大会は、多くのプレーヤーにとって新たな挑戦になるだろう。何しろ、「Sudden Attack」は国内に数万人規模のユーザーを抱えているため、日本のFPSゲームとしては今までにない規模で新たな才能が発掘される可能性があるからだ。これまで別のゲームで勇名を馳せた熟練プレーヤーにも、まだ初心者という人にも、一様にチャンスがある。その1人としてトップを走るKeNNy選手の、今後の活躍に注目が集まる。
■ 「Eスポーツスタジアム ステージ3」、2007年シーズンの年間総合チャンピオンが決定!
・国際色豊かなトーナメントになった「WarCraft III」。ゲームは世界の共通語? 「WarCraft III」決勝トーナメントでは、国際色豊かなニューフェイスの活躍が目立った。まず、決勝トーナメントで4位に入賞したNvM.ToRReS選手は韓国人で、日本には留学生としてつい最近来日してきたそうだ。韓国でも「WarCraft III」の大会に出場したことがあり、全国レベルの大会でベスト40という実力の持ち主。4位に終わった今大会については、「日本でも『WarCraft III』の大会があって嬉しい。また出場したいです」と、好きなゲームを日本でも続けられることが喜びであったようだ。
決勝戦では常連のSaito.選手と、中国から仕事の都合で日本に滞在しているrincsavage選手が対決。rincsavage選手も本国で「WarCraft III」をプレイしていたとのことで、本大会を見つけるやすぐに参加登録をしたそうだ。結果としては常時優勢なペースでゲームを進めたSaito.選手に優勝を譲る結果になったものの、参加できたこと自体が満足であるようで、練習に付き合ってくれたというnemuke選手(決勝トーナメント不出場)への感謝を述べていた。ゲームは国際共通語、そんなことを感じた試合だった。
迎えた第4ラウンドは抜きつ抜かれつの展開。中盤に流れを掴み、ラウンド終盤に4ポイントをリードしたbluespear選手は「戦いを避ける」、「再復活を遅らせる」などの方法で逃げ切り策に出る。このまま勝利するかに思われたが、ここでfumio選手の怒涛の追い上げを見せ、なんと残り3秒そこそこという時点でスコアはタイ。ここで1回倒されれば決着するサドンデスへ突入。壮絶な撃ち合いになるが、互いの緊張のためか命中率が悪い。体力を削り続け・・・・・・、どちらが先に倒れるか、全ての観客が固唾を呑んで見守る。最後に瀕死で立っていたのはbluespear選手だった。この熱戦には会場から大きな拍手と歓声が沸き起こった。
多数のニューフェースも交えて行なわれた本大会だが、トーナメントを制して決勝戦に進出したのは、大会常連の2人、ROUGETSU選手とZiji ver202選手だった。両人は「ステージ1」、「ステージ2」ともに決勝戦に進出しており無類の強さを誇っている。もはや因縁の対決としか言いようのないカード、これまでの結果を見るとZijii ver202選手の2連勝だ。しかし今回の結果は違った。 決勝戦後、ステージ上にあったのは「いやー嬉しいです」とニコニコしながら勝利者インタビューに答えるROUGETSU選手。敗れたZijii ver202選手は相変わらずのクールぶりで、「ああ、負けたか、とだけ思ってたんですけど、ROUGETSUが喜んでるのを見てちょっとイラっと来ました」と、結構悔しそうだった。
しかし、Zijii ver202選手とROUGETSU選手の2007年の通算成績は28戦27勝1敗。なんと勝率97%で、負けたのはこの決勝戦だけだった。運で決まるゲームならこうはいかない。強い選手が結果を残す、「旋光の輪舞 Rev.X」は、Eスポーツタイトルとして申し分のない特性を備えていることをここで証明したように見える。
■ 「Eスタ」会場内で有限会社グレフによる「旋光の輪舞2(仮)」電撃発表会が開催!
発表会は、「旋光の輪舞 Rev.X」試合の実況解説を担当したプレーヤー兼MCのマンボウ氏が進行役となり、壇上にグレフ代表の丸山氏に加え、「旋光の輪舞」のメカ・キャラクターデザインで知られるイラストレーター曽我部修司氏が登壇。その場でグレフの新作とされる「旋光の輪舞2(仮)」の映像が初披露された。 映像は数十秒ほどの短いものだが、新機体と見られるメカや、3人の新キャラクタの存在を見て取れた。映像に流れたテロップは「英雄達の活躍により最悪の事態を回避することができたが──この事件をきっかけにアーリア連邦は分裂の危機を迎える」。早速マンボウ氏が世界観について質問をぶつけた。 丸山氏によれば、次回作は「旋光の輪舞」と継続性のある世界で、物語は新キャラクター「レーフ」、「アンリ」の2人を主人公として描かれる。新キャラクタの3人目は謎とされ、「プレーヤーキャラとして使えるかどうか?」についても丸山氏は明言を避けた。既存キャラについては、「チャンポ」や「ツィーラン」、「ファビアン」など人気キャラは次回作での登場が確約されたものの、他の既存キャラクターについては謎のままだ。「キャラクタの総数は少なくなる」と取れるような、他のキャラクタの使い手なら気にせざるを得ない発言も飛び出した。 ゲームデザイン面では、「変わります」と丸山氏。対戦シューティングでなくなるわけではなさそうだが、特に既存のゲームシステムの中で評判の良くなかった部分や、ゲームデザインの意図どおりに機能していなかった部分について、ドラスティックに変えていく考えは確かなようだ。開発チームは「旋光の輪舞」を手掛けたスタッフをほぼそのまま続投する。
気になるプラットフォームは、アーケードに決定しているとのことだ。現在Xbox 360版を主にプレイしているファンにとってはちょっと残念な事かもしれないが、逆に言うとアーケードから遠ざかっている人にはいい機会になるのかもしれない。また、現在の開発進捗度については「5%~10%で、基礎部分をやっている段階です」と丸山氏。まだ開発は始まったばかりということのようだが、リリース時期は「2008年中にお届けできると思います」とコメントしてくれた。
■ 「Eスポーツスタジアム」の2007年シーズンは閉幕。年間総合チャンピオンはbluespear選手に決定
競技別では、「旋風の輪舞 Rev.X」でZijii ver202選手、「WARSOW」でbluespear選手、混戦の「WarCraft 3」でSaito.選手が、それぞれ年間チャンピオンに選ばれた。そして全種目で最高の総合ポイント獲得者に与えられる「年間総合チャンピオン」は、「WARSOW」のbluespear選手が獲得。各節で果たした2度の優勝に、ポイント1.5倍の「ステージ3」が含まれていたことが総合1位になった理由のようだ。そのbluespear選手には特大トロフィー、賞品が贈られ、2007年を通じての健闘が讃えられた。
ということで、全3節で繰り広げられた「Eスポーツスタジアム」の2007年シーズンは幕を閉じ、来年には装い新たな新シーズンが始まる。来年以降も年間を通じた形で実施されていくのであれば、種目、ルール、試合形式など、色々な面で変化を望みたい。特にゲームタイトルについては世代交代も有り得るし、競技種目を増やす形で新しい定番ゲームを取り入れる余地もある。スポーツとしては競技内容を固定する必要は確かにあるが、より楽しくオープンな催しになっていくよう、GoodPlayer.jpの手腕に期待したいところだ。
□BIGLANのホームページ http://biglan.jp/ □「Sudden Attack」全国大会「SACTL」のホームページ http://biglan.jp/socket6/sactl/offline.html □「Eスポーツスタジアム」のホームページ http://esportsstadium.com/ □関連情報 【2007年12月16日】日本最大のLANパーティ「BIGLAN Socket6」が開催 「SuddenAttack日本大会」「Eスタ」他、イベント盛りだくさん! http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071217/biglan6.htm 【2007年10月26日】成、「BIGLAN socket 6」を12月15、16日に開催 「Eスポーツスタジアム ステージ3」を併催 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071026/biglan.htm 【2006年11月6日】BIGLAN実行委員会、「BIGLAN socket5」にて 賞金をかけた「Warcraft III」と「WARSOW」の大会を実施 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061106/biglan5.htm (2007年12月18日) [Reported by 佐藤“KAF”耕司]
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