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会場:秋葉原UDXビルディング内特設会場
都合6回目、1年半ぶりの開催となる今回の「BIGLAN Socket 6」は、ゲーマーやナード達の聖地「アキバ」が会場となった。この界隈で最大の建物、秋葉原UDXビルディング内の特設会場には、「BIGLAN」過去最大となる80名規模のBYOCエリアが設置されたことに加え、各種企業協賛によるゲームイベントが大々的に同時開催され、なんとも賑やかなビッグイベントとなった。
■ 大規模化した今回の「BIGLAN」は同時開催イベントも盛りだくさん
また今回は、前回に比べて大規模化しただけではなく、各種協賛企業によるコラボレーションイベントが目玉だ。ひとつは、オンラインFPS「Sudden Attack」を国内展開しているゲームヤロウによる「Sudden Attack Clan Tounrnament League(SACTL)」。全国128個のクランがオンライントーナメント予選を戦い、これを勝ち抜いた精鋭4チームが「BIGLAN」内特設ステージで雌雄を決するという、「Sudden Attack」日本最高の頂上決戦だ。会場には数百人の「Sudden Attack」ユーザーがつめかけ、今回のイベントで最大の盛り上がりを見せていた。 もうひとつの一大イベントはGoodPlayer.jpが主催する「Eスポーツスタジアム ステージ3」。本誌でも度々お伝えしているイベントだが、今回は「BIGLAN」内特設会場にて今年最後の競技を行なっていた。種目は前回までと同じく「WarCraft3」、「WARSOW」、「旋光の輪舞 Rev.X」に加え、変化球として株式会社ケイブのアーケード用シューティング「ケツイ~絆地獄たち~」を使った大会も実施。さらに「Eスタ」2日目には、参加者へのクリスマスプレゼントイベントとして有限会社グレフ社長・丸山氏から「旋光の輪舞2」の発表も行なわれ、ファンにはたまらない内容のイベントになったようだ。 これらのコラボレーションイベントの詳細については別稿で詳細にお伝えするとして、本稿ではまず、「BIGLAN Socket 6」のメインイベントであるユーザー参加型のBYOCエリアの状況と、その他協賛企業ブースの情報をお伝えし、LANパーティならでの楽しさにフォーカスして本イベントをご紹介していきたい。
■ 過去最大規模となったBYOCエリア。LANパーティならではの楽しみとは?
会場全体を眺めてみると、中でも1番人気だったタイトルがValveの「Team Fortress 2」。お祭り騒ぎ的なゲーム内容が会場の雰囲気に合っているのだろうか、5、6人が並んで一緒にプレイしている風景がそこかしこに見られた。同じFPSタイトルではコラボレーションイベントの開催された「Sudden Attack」の人気も高い。またXbox 360を持ち込んだ参加者も相当数いて、買ったばかりの最新ゲームを楽しむ姿や、中には「Forza Mortorsport 2」を使ってデコレーションカーのエディットを披露するプレーヤーの姿も。横から覗き込み、操作の手際を観察するのがなかなか面白い。 また、ユーザー主催のミニイベントも充実していた。中でも人気を集めていたのは、「FLATOUT 2」大会。これはレースゲームの中でも「車の破壊」にフォーカスした、いわば“バカゲー”のノリを持つレースゲームで、こういった会場にはぴったりのタイトルだ。ほとんど運任せという対戦形式でミニトーナメントが行なわれ、会場の一角に黒山の人だかりができていた。面白いところでは、イロモノ対戦格闘ゲーム「ビキニカラテ」のミニ大会を開く面々などもいて、ゲーム内でヘンな技を決めるたびにゲラゲラと笑い声が上がるという異様な盛り上がり。頭のネジをちょっぴり緩めて楽しむLANパーティならではの空気感といえるだろう。 BYOC参加者として来場していた人の中には各種ゲーム大会で勇名を馳せたプレーヤーの姿も。「Eスポーツスタジアム」の「WarCraft3」部門で何度も入賞しているnemuke氏や、同大会の「WARSOW」部門で決勝戦常連となっているfumio氏などは、やはり得意とするゲームで遊んでいた。その周りに幾人もの参加者があつまり、トッププレーヤーの操作を興味深く見守るという風景が見られたのが印象的だ。 また「Sudden Attack」の公式インストラクターとして活動するKeNNy氏も、自らPCを持ち込んでBYOC会場に参加。会場内で開かれた「Sudden Attack RustyEgg Shootout!」大会では、KeNNy氏率いるクラン「RustyEgg」メンバーと来場者チームが戦い、勝者には商品が授与されるという内容だった。しかし「Sudden Attack」のトッププレーヤーKeNNy氏率いるチームは激しく強く、5つの挑戦者チームは全敗するという結果に。用意された商品がジャンケン大会で分配されるという状況に、思わず筆者も笑いを漏らしてしまった次第だ。 実は、筆者も参加者として会場入りしている。BYOCエリアにゲームPCを持ち込み、いつもは自宅で使っているジョイスティック、ラダーペダル、「TrackIR」などフライトシム装備一式を設置してみた。実際のところ取材活動のため、存分に遊ぶというところまではいかなかったが、ある程度「本格的」なフライトシム環境に興味を持った一般来場者の方が現われ、「遊んでみてよいですか」と問われたので喜んで自慢の環境を試してもらった。 というわけで、自分ではなかなかプレイ時間が取れなかったものの、いつもとは違う「LANパーティならではのゲームの楽しみ方」に触れることができ、PCを持ち込んだ甲斐を感じることができた。これも「BIGLAN」でしか掴めない手応えというもので、次回以降も是非参加したい、次はどんな環境を持ち込もうかな、などと思った次第だ。
■ 企業ブースも盛りだくさん! 国内発のゲーミングマウス「DHARMA TACTICAL MOUSE」が初公開
このゲーミングマウスは、PC用プリフェラルの国内メーカーとして知られるシグマA・P・Oシステム販売のゲーマー向け新ブランド「DHARMA PONT(ダーマポイント)」の最新製品。最大の特徴は「日本人のためにデザインされた」という小ぶりな筐体サイズと、7,080fpsの高速スキャンレートを誇る高性能レーザーセンサーを搭載していることなど、ゲーマー向けとして妥協が無いということだ。国内メーカーによる製品設計ということで、実際に手に取ってみた感触は「一瞬でしっくり来る」の一言。重量は軽く、重量バランスは後部よりで、ハイスピードなゲームでの使用に最適な印象を受けた。 この「DHARMA TACTICAL MOUSE」の製品開発を担当するシグマA・P・Oシステム販売によると、この「BIGLAN」会場で展示されていたモデルが製品の最終版であり、発売は来年1月頃を予定しているとのことだ。日本メーカーとしては例のない「ゲーマー仕様」の製品開発には色々と難しい問題もあったようだが、製品スペックを見る限りは文句なしの製品に仕上がっている。会場では本製品の貸し出しも実施しており、実際に試したゲーマーも多かったようだ。間違いなく来春の注目製品になることだろう。
他には日本SHUTTLEおよびエルザジャパンによる最新ゲームPCの展示、「Crysis」仕様のグラフィックボード「ELZA GLADIAC 088 GT 512MB」や、Thermaltakeによる各種最新クーラー製品の展示、「Sudden Attack」など各種オンラインゲームを運営するRED BANANAのブース、株式会社アスクによる最新PCゲーム環境の展示など、ゲーマー御用達製品の展示が盛りだくさん。ユーザー参加型イベントである「BIGLAN」もここまで成長したか、と思わせる充実の内容だった。
■ 次回以降の方向性は? より「ユーザー本位」の大規模LANパーティへの成長を望む
これまで続いてきた「BIGLAN」から見て、今回の「Socket6」で見られた最大の特徴は、単独でメインを張れるほどの各種イベントが同時開催され、PC持込参加以外の来場者も含めて会場が大いに賑わったことだ。「Sudden Attack」なり、「Eスポーツ」なりの様々なフックで、こういったゲーマーの為のお祭りに大勢の人々が訪れるというのは、これまでになかった魅力的な現象だ。その意味で、「BIGLAN」は大いに進歩した。 ただ、筆者なりに感じたこととして今回のイベントについてひとつ言えることは、「同時開催」のために各イベントの「色」が多少薄まってしまったのではないか、ということだ。特に「Eスポーツ系」として同系統と言える「Sudden Attack 公式大会」と「Eスポーツスタジアム」が完全に同時進行となってしまい、全体としてみれば相当なタイトスケジュールだ。 結果として、一方で決勝戦をやっている最中に、他方で別のゲームの決勝戦をやっており、また「BYOCエリア」では各自が思い思いにゲームをプレイしているという按配になり、参加者の意識がやや分断されてしまった面が否めない。各イベントステージが互いに一望できないという間取りの問題もあったし、しっかり一元化されたスケジュール表が存在しなかったのも混乱に拍車を掛けた原因だろう。その意味では、「BIGLAN」の本筋である「ユーザー本位」の盛り上がりをさらに高める方向で、LANパーティとしてのさらなる洗練を期待したい。 なお、「Sudden Attack 公式大会」および「Eスポーツスタジアム ステージ3」の模様については別稿にて詳しくお届けするので、ファンの皆様はお楽しみに!!
□BIGLANのホームページ (2007年12月17日) [Reported by 佐藤“KAF”耕司]
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