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会場:秋葉原ADスクエア
発表会では、「ペーパーマン」のゲーム内容を改めて紹介し、日本でのサービススケジュールに加え、来年の正式サービスを見据えた今後のアップデート計画などが発表された。サービススケジュールは、まず10,000人規模のクローズドβテストを2008年1月25日から2月7日の日程で実施。その後、再開発を経て、3月初旬よりオープンβテストを実施する予定となっている。 正式サービス開始時期については、今年の10月に開発体制が変わるなどの影響で、韓国での正式サービス開始時期が確定していないため、不明瞭な状況となっている。ビジネスモデルは、韓国と同様、基本プレイ無料のアイテム課金制を予定している。
■ ようやく完成の目処が付いたか!? “紙技”シューティング「ペーパーマン」
しかし、その後、元Gravity会長の金正津氏がCykan Entertainmentを設立し、GravityからCykanへの開発中タイトルの移管が行なわれ、さらに開発体制も二転三転したことから、韓国でのサービススケジュールは大幅に遅れ、2007年12月現在でもまだ正式サービスの目処が立っていない。日本でもすでに2006年、2007年の東京ゲームショウでプレイアブル出展された経緯があるが、サービススケジュールは不明のままだった。 2007年の後半に入り、韓国での開発体制の構築が一段落付き、正式サービスに向けた体制が整えられたことから、「ペーパーマン」単体としては初のプレスカンファレンスを開催し、ようやくサービススケジュールが発表されたという流れになる。発表は、サイカンゲームズPaperMan事業部部長の朝倉脩登氏が務めた。 発表内容に入る前に、「ペーパーマン」のゲーム内容をあらためて紹介しておくと、紙で出来た人々が暮らす「パピルス王国」で人気のサバイバルゲーム“ペーパーマン”を、王国の姫が国技にすると言い出したことから、競技に参加するために人々が集まってきたというのがプロローグとなっている。 基本的なゲームデザインは、「Counter-Strike」の影響が色濃いリアル系のFPSとなっており、登場キャラクタ全員が「紙製」であるところが最大にして唯一の特徴となっている。キャラクタが紙であることから、キャラクタの向きによって当たり判定が大きく変化し、穴が開いたり、燃えたりといった紙ならではのインタラクションが採用されている。また、キャラクタが紙であることから、当然のことながら肉体の欠損や流血といった残虐表現も皆無で、銃器を扱う点で暴力的な要素は残されているが、比較的低年齢層にも親しみやすいFPSとなっている。 ゲームモードは、最大16人によるオンラインプレイのみとなっており、チームサバイバル、チームデスマッチ、爆破モード、個人戦といった4つのモードで勝敗を競うことができる。キャラクタは紙製ながら、銃撃に対してはそれなりに高い耐久力が設定されているため、しっかり頭を狙って連続ヒットさせないと敵を倒すことは難しい。見た目はカジュアルだが、実際のゲームプレイはややコア寄りといった印象だ。
■ βテストでは新モード、新オブジェクトの実装に注目
「クローズドβテストにて実装予定の新規コンテンツ」
「オープンβテストにて実装予定の新規コンテンツ」
「オープンβテスト以降に実装予定の新規コンテンツ」 見ての通り、「紙製」キャラクタを活かした新規コンテンツが目白押しだ。新ゲームモード「スチールモード(仮称)」は、チーム対抗でそれぞれのチームに用意された染料の貯蔵庫から染料を盗んで、自分の貯蔵庫まで持ち帰り、チームでその総量を競うというゲーム。ポイントは染料を自らの身体にしみこませるところで、CTF(Capture The Flag)の変形のようなゲームモードだ。 特殊武器に関しては、コンセプトはユニークだが、味方に当てるのならともかく、敵に当てるぐらいなら、そのまま銃撃したほうがいいのではないかという気がする。いずれにしても単独行動ではほとんど意味がなさそうで、銃撃より、特殊武器を使った方が有利になるようなチームベースのゲームデザインをより煮詰めていく必要があるだろう。 大扇風機と鉄板ガードは、紙の特性を活かすための可動式オブジェクトだ。「Unreal」や「Quake」といったスポーツ系のFPSでは比較的メジャーなオブジェクトだが、リアル系では余り見られない。どのような演出で実装されるのか楽しみだ。
■ ネットカフェ展開でゲームヤロウと業務提携 「オンラインシューティング全国推進プロジェクト(仮)」構想
支部の拠点候補としては全国のネットカフェを想定。支部特典としては、会員証の発行や販促物の提供、イベント等の賞品提供、アイテムチケットの販売権などなど。実質的にはサイカンのネットカフェ展開プランの発表といった印象だ。 その後、スペシャルゲストとしてゲームヤロウの金明均氏が登壇すると、たちまち会場内には苦笑のようなものが巻き起こった。それは、ゲームヤロウが今週土日、秋葉原UDXにて開催するLANパーティーイベント「BIGLAN socket6」のメインスポンサーであり、サイカンも同じスケジュールでADスクエアで「ペーパーマン」祭りを開催する。言わば、両社は同じ秋葉原で客を取り合うライバル同士だからだ。 ゲームヤロウの金氏が登壇した理由は、両社とも韓国独立系のオンラインゲームパブリッシャーとして、方向性に近いものを感じ、先述した「オンラインシューティング全国推進プロジェクト(仮)」を共同で取り組んでいくことに両社が合意したため。発表会は、金氏と朝倉氏の握手という発表会の趣旨から外れた予想外の風景で幕を閉じた。
朝倉氏によれば、現在、ゲームヤロウ以外の数社にも賛同を呼びかけており、3、4社合同で展開していく方針だという。ADスクエアを運営するセカンドファクトリーの発展系のようなビジネスだが、「ペーパーマン」ともども、「オンラインシューティング全国推進プロジェクト(仮)」の今後の展開にも注目したいところだ。
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□サイカンゲームズホームページ (2007年12月14日) [Reported by 中村聖司]
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