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サイカン、「ペーパーマン」プレスカンファレンスを開催
韓国未発表の新要素を続々発表、CBTは1月25日よりスタート

12月14日開催

会場:秋葉原ADスクエア

 株式会社サイカンゲームズは、グループ企業のセカンドファクトリーが運営を行なうイベントスペースADスクエアにて、オンラインシューティングゲーム「ペーパーマン」のプレスカンファレンスを開催した。

 発表会では、「ペーパーマン」のゲーム内容を改めて紹介し、日本でのサービススケジュールに加え、来年の正式サービスを見据えた今後のアップデート計画などが発表された。サービススケジュールは、まず10,000人規模のクローズドβテストを2008年1月25日から2月7日の日程で実施。その後、再開発を経て、3月初旬よりオープンβテストを実施する予定となっている。

 正式サービス開始時期については、今年の10月に開発体制が変わるなどの影響で、韓国での正式サービス開始時期が確定していないため、不明瞭な状況となっている。ビジネスモデルは、韓国と同様、基本プレイ無料のアイテム課金制を予定している。


■ ようやく完成の目処が付いたか!? “紙技”シューティング「ペーパーマン」

発表を行なうサイカンゲームズPaperMan事業部部長の朝倉脩登氏
「ペーパーマン」のコンセプトデザインは、「紙製」キャラが戦うFPSという非常に明快なものになっている
 「ペーパーマン」は、2005年11月のG★2005のGravityブースで、いきなりプレイアブル出展され、「ラグナロクオンライン」に次ぐ大型フランチャイズとして大きな期待を集めたオンラインFPS。紙のキャラクタで銃撃戦を繰り広げるという、当時韓国で流行しつつあったオンラインFPSと、可愛いらしいアバター性を強調したカジュアルゲームのエッセンスを混ぜ合わせ、G★会場で大きな存在感を示していたタイトルだった。

 しかし、その後、元Gravity会長の金正津氏がCykan Entertainmentを設立し、GravityからCykanへの開発中タイトルの移管が行なわれ、さらに開発体制も二転三転したことから、韓国でのサービススケジュールは大幅に遅れ、2007年12月現在でもまだ正式サービスの目処が立っていない。日本でもすでに2006年、2007年の東京ゲームショウでプレイアブル出展された経緯があるが、サービススケジュールは不明のままだった。

 2007年の後半に入り、韓国での開発体制の構築が一段落付き、正式サービスに向けた体制が整えられたことから、「ペーパーマン」単体としては初のプレスカンファレンスを開催し、ようやくサービススケジュールが発表されたという流れになる。発表は、サイカンゲームズPaperMan事業部部長の朝倉脩登氏が務めた。

 発表内容に入る前に、「ペーパーマン」のゲーム内容をあらためて紹介しておくと、紙で出来た人々が暮らす「パピルス王国」で人気のサバイバルゲーム“ペーパーマン”を、王国の姫が国技にすると言い出したことから、競技に参加するために人々が集まってきたというのがプロローグとなっている。

 基本的なゲームデザインは、「Counter-Strike」の影響が色濃いリアル系のFPSとなっており、登場キャラクタ全員が「紙製」であるところが最大にして唯一の特徴となっている。キャラクタが紙であることから、キャラクタの向きによって当たり判定が大きく変化し、穴が開いたり、燃えたりといった紙ならではのインタラクションが採用されている。また、キャラクタが紙であることから、当然のことながら肉体の欠損や流血といった残虐表現も皆無で、銃器を扱う点で暴力的な要素は残されているが、比較的低年齢層にも親しみやすいFPSとなっている。

 ゲームモードは、最大16人によるオンラインプレイのみとなっており、チームサバイバル、チームデスマッチ、爆破モード、個人戦といった4つのモードで勝敗を競うことができる。キャラクタは紙製ながら、銃撃に対してはそれなりに高い耐久力が設定されているため、しっかり頭を狙って連続ヒットさせないと敵を倒すことは難しい。見た目はカジュアルだが、実際のゲームプレイはややコア寄りといった印象だ。

【ペーパーマン】
アバターが可愛らしいので油断してしまうが、ゲーム性はかなりストイック。FPSビギナーがある程度実績を残せるようになるためにはかなりの練習が必要になるだろう

【マッチングロビー】
「ペーパーマン」は、オンライン専用のFPSであり、専用のマッチングロビーで対戦相手を募ったり、ゲームに入る必要がある。このシーンではアバターが大きく表示されるため、アバター部分をアピールできる場になりそうだ

【アバター要素】
韓国ではすでにオープンβテストまで実施されていることもあり、アバター要素はかなり充実している。新たに発表された動物キャラのアバターがどうなるのかが注目されるところだ


■ βテストでは新モード、新オブジェクトの実装に注目

「ペーパーマン」の日本でのサービススケジュール。正式サービスに関する記述がないのは、韓国で未決定のため
人間、ロボットに加えて動物も紙製キャラクタとして登場
 さて、今回の発表で注目されたのは、世界初公開となる今後のアップデートプランの発表である。「東京ゲームショウ2007出展バージョンからの変更点」という形で発表され、クローズドβテスト以降に順次実装される新要素が公開された。発表内容は以下のとおりだ。

「クローズドβテストにて実装予定の新規コンテンツ」
・動物キャラクタの追加(ネコ、オオカミ、ウサギ、ウシ、ハムスター)
・新規マップ追加(海賊船マップ等複数を予定)
・特殊武器「水爆弾」の追加(消火効果や火炎耐性を付与する手投げ弾)

「オープンβテストにて実装予定の新規コンテンツ」
・新ゲームモード「スチールモード(仮称)」の追加

「オープンβテスト以降に実装予定の新規コンテンツ」
・特殊武器「ペイント手榴弾」の追加(移動力低下効果や可燃性効果を付与する手投げ弾)
・ゲーム内オブジェクト「大扇風機」の追加(乗ると大ジャンプが可能)
・ゲーム内オブジェクト「鉄板ガード」の追加(銃弾を防ぎ、キャラクタを吹き飛ばす可動式の鉄板オブジェクト)

 見ての通り、「紙製」キャラクタを活かした新規コンテンツが目白押しだ。新ゲームモード「スチールモード(仮称)」は、チーム対抗でそれぞれのチームに用意された染料の貯蔵庫から染料を盗んで、自分の貯蔵庫まで持ち帰り、チームでその総量を競うというゲーム。ポイントは染料を自らの身体にしみこませるところで、CTF(Capture The Flag)の変形のようなゲームモードだ。

 特殊武器に関しては、コンセプトはユニークだが、味方に当てるのならともかく、敵に当てるぐらいなら、そのまま銃撃したほうがいいのではないかという気がする。いずれにしても単独行動ではほとんど意味がなさそうで、銃撃より、特殊武器を使った方が有利になるようなチームベースのゲームデザインをより煮詰めていく必要があるだろう。

 大扇風機と鉄板ガードは、紙の特性を活かすための可動式オブジェクトだ。「Unreal」や「Quake」といったスポーツ系のFPSでは比較的メジャーなオブジェクトだが、リアル系では余り見られない。どのような演出で実装されるのか楽しみだ。

【CBTで実装予定の新要素】
新規マップについては、初心者の参加を考慮し、視界の開けたマップも別途実装したいという。水爆弾は味方に使うべきなのか、敵に使うべきなのか、位置づけがよくわからないアイテムだ

【OBTで実装予定の新要素】
スチールモードは、染料を身体に含ませて、タンクにため込むというCTFの変形のようなゲームモード。染料を含ませるとキャラクタがどうなるのかは不明瞭だが、どろんこレスリング的な楽しさを期待したいところだ

【OBT以降で実装予定の新要素】
ニュアンスとしては正式サービスに合わせて実装を予定している新コンテンツ。大扇風機と鉄板ガードが実装されると、ゲームデザインに大きな影響がでる可能性がある


■ ネットカフェ展開でゲームヤロウと業務提携 「オンラインシューティング全国推進プロジェクト(仮)」構想

突如発表された「オンラインシューティング全国推進プロジェクト(仮)」。内容は大規模なネットカフェ向けプロモーションプランだった
ゲームヤロウの金明均氏と握手を交わすサイカン朝倉氏。水面下では人的交流が活発な韓国メーカー同士らしい風景だ
 朝倉氏は最後に、「オンラインシューティング全国推進プロジェクト(仮)」を発表した。全国各地に「支部」となる拠点を設置し、近隣ユーザーが集まるリアルコミュニティの場を提供していくというプランである。支部では、定期的にゲーム大会を実施し、オンラインのみならず、オフラインでも交流を深めていく方針だという。

 支部の拠点候補としては全国のネットカフェを想定。支部特典としては、会員証の発行や販促物の提供、イベント等の賞品提供、アイテムチケットの販売権などなど。実質的にはサイカンのネットカフェ展開プランの発表といった印象だ。

 その後、スペシャルゲストとしてゲームヤロウの金明均氏が登壇すると、たちまち会場内には苦笑のようなものが巻き起こった。それは、ゲームヤロウが今週土日、秋葉原UDXにて開催するLANパーティーイベント「BIGLAN socket6」のメインスポンサーであり、サイカンも同じスケジュールでADスクエアで「ペーパーマン」祭りを開催する。言わば、両社は同じ秋葉原で客を取り合うライバル同士だからだ。

 ゲームヤロウの金氏が登壇した理由は、両社とも韓国独立系のオンラインゲームパブリッシャーとして、方向性に近いものを感じ、先述した「オンラインシューティング全国推進プロジェクト(仮)」を共同で取り組んでいくことに両社が合意したため。発表会は、金氏と朝倉氏の握手という発表会の趣旨から外れた予想外の風景で幕を閉じた。

 朝倉氏によれば、現在、ゲームヤロウ以外の数社にも賛同を呼びかけており、3、4社合同で展開していく方針だという。ADスクエアを運営するセカンドファクトリーの発展系のようなビジネスだが、「ペーパーマン」ともども、「オンラインシューティング全国推進プロジェクト(仮)」の今後の展開にも注目したいところだ。

【「ペーパーマン」祭り】
ADスクエアの会場は、土日に開催されるユーザー向けの体験会「ペーパーマン祭り」のために、辺り一面が「ペーパーマン」関連のポスターで埋め尽くされていた。発表会終了後は、明日の前哨戦とばかりにメディアを集めた大会が実施された。興味のあるユーザーは明日ADスクエアで体験してみてはいかがだろうか

(C) Cykan Games Co.,Ltd. All rights reserved.
(C) Cykan Games Korea Co.,Ltd. All rights reserved.

□サイカンゲームズホームページ
http://www.cykan-games.com/
□「ペーパーマンまつり!」の特設サイト
http://www.paperman.jp
□関連情報
【12月6日】サイカンゲームズ、「ペーパーマンまつり!」
スケジュールやゲストなどイベントの詳細情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071206/pm.htm
【11月29日】サイカンゲームズ、WIN「PaperMan」
「ペーパーマンまつり!」をADスクエアで開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071129/pm.htm
【10月9日】セカンドファクトリー、「ADスクエア」の内覧会を開催
イベントフロア、カフェ、PCルームなどをゲームコミュニティに提供
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071009/adsquare.htm
【9月21日】サイカンゲームズブースレポート
「PaperMan」、「R-MAN」をプレイアブル出展、ほしのあきさんも参戦
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070921/cykan.htm
【7月9日】Cykan、「ペーパーマン」オープンβテストレポート
コミカルな紙型キャラクタを侮るなかれ、07年期待の本格派オンラインFPS
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070411/paperman.htm

(2007年12月14日)

[Reported by 中村聖司]



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