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サイカンゲームズブースレポート
「PaperMan」、「R-MAN」をプレイアブル出展、ほしのあきさんも参戦

9月20日~23日 開催予定(20、21日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ
入場料:当日1,200円、前売1,000円
    小学生以下無料



 昨年は多数のオンラインゲームメーカーが東京ゲームショウに出展したが、今年はオンラインゲームタイトルのみ、というメーカーは極端に減少した。その中で元気にアピールしていたのがサイカンゲームズだ。たくさんのコンパニオンが来場者を待ち受け、ゲームイベントではほしのあきさんが登場するなど、非常に華やかなブースとなっていた。


■ コンパニオンと共に楽しめる「PaperMan」と「R-MAN」がプレイ可能

サイカンゲームズの事業説明、サイカンゲームズコリアの立ち上げを発表したサイカンゲームズ代表取締役CEOの丹波利隆
「PaperMan」イベントではほしのあきさんがゲームのキャラクタのデザインと同じコスチュームをまとって登場
 サイカンゲームズは2007年7月にモバイルやパチスロなどの事業を行なうコムシードが出資した子会社として設立された。昨年出展したサイカンはコムシードの親会社であり、サイカンにとってサイカンゲームズは孫会社に当たる。

 20日に開催されたカンファレンスではサイカンゲームズ代表取締役CEOの丹波利隆氏から、2007年10月に韓国にサイカンゲームズコリアを立ち上げて、サイカンブランドのゲームを世界に展開することを目標にしていくことが語られた。サイカンゲームズと共に新規タイトルをプロデュースし、魅力的なタイトルを開拓し、パブリッシングもしていくという。

 サイカンゲームズブースで出展されたタイトルは、「PaperMan」、「R-MAN」、「Puppyon」、「Derbypark」の4タイトルだが、「Puppyon」、「Derbypark」は映像でゲームの一部が紹介されたのみで、実質的には現在韓国でオープンβテストが行なわれている「PaperMan」と「R-MAN」の2本のタイトルをプレイアブルで出展していた。

 サイカンゲームズの特徴は、なんと言っても“コンパニオン”だろう。「PaperMan」では対戦台1人1人にコンパニオンがつき、対戦をやさしくサポートしてくれるというG★などでおなじみの出展方法をとっていた。他の試遊台にも担当のコンパニオンがいて、プレイをサポートしてくれる。さらにコンパニオンの写真を撮り、メーカーに写真を添付したメールを送ると抽選でプレゼントをゲットできるイベントも開催している。「コンパニオンとふれ合える」ブースといえるだろう。

 ブースとしてはかなりテーマがはっきりしているサイカンゲームズだが、一方でゲームのアピールができているかというと疑問が残る。それは「現在試遊できているタイトルがいつプレイできるか」というのが明らかになっていない点だ。韓国では「PaperMan」、「R-MAN」共にオープンβテストしているタイトルにもかかわらず、日本では「PaperMan」をできれば年内にはプレイできるように、という予定があるだけで、明確なサービススケジュールや課金方法なども提示されていない。これではせっかくゲームショウでタイトルを紹介しても、ユーザーにとって本当に魅力的な情報となり得ない。

 また、韓国と日本の利点を活かし、世界へのコンテンツ発信を目指すというサイカンゲームズの理念にも疑問がある。韓国のG★ではなく、昨年に引き続き日本の東京ゲームショウでアピールをする所からも、「日本へ」という姿勢は見えるのだが、実際サービスするタイトルはすべて韓国の開発者が制作したもので、サービスもまず韓国から。現在の日本のスタッフはクオリティアップのアドバイスのみ、というところからも理念と現実の齟齬が見える。今後こういった部分を克服し、「ゲームメーカー」としてユーザーにアピールできるか、サイカンゲームズの大きなテーマといえるだろう。

ほしのさんは丁半コロコロと「PaperMan」で銃撃戦を繰り広げた。ほしのさんのパートナーは、プロゲーマーのシオンさん。力強い味方を得たほしのさんが勝利した
たくさんのコンパニオンが来場者を迎えるサイカンゲームズブース。コンパニオンは時には対戦相手としても活躍した


■ カジュアルなキャラクタデザインと硬派なゲームシステムの「PaperMan」

「PaperMan」の試遊台は8人対戦が行なえるものと、コンパニオンのサポートを受けながら16人対戦が楽しめるもの用意されていた
 サイカンゲームズブースで大きくアピールされていたのが「PaperMan」だ。本誌でも何度か紹介しているオンラインシューティングゲームだが、紙でできたかわいらしいキャラクタが、激しい銃撃戦を行なうという本作のビジュアルは強いインパクトがある。ゲームの操作性も軽快で、FPSになれたユーザーならばすぐにプレイできる。わかりやすい魅力を持ったタイトルだ。

 会場では8人対戦、16人対戦が楽しめた。死んでもすぐに復活するため「もう一回!」という気持ちになる。うまくすれば初心者でも敵をばりばりと撃てる。しかも横に一緒に喜んだり悔しがってくれるコンパニオンがいればその面白さはとても大きい。会場でのプレイをオススメしたいタイトルだ。ユーザーが参加できる明日からは、プレイ待ちの長い列ができるかもしれない。

 今回プレイできたマップは、江戸時代のテーマパークのような日本建築の建物が建ち並ぶ独特のマップ。この中をかわいらしいキャラクタが動き回る違和感が独特の雰囲気を演出している。プレーヤー達がまだ不慣れなためか、紙のキャラクタである利点を活かし、横を向いて弾をすり抜ける、というテクニックを使う人は少なく、正面からばんばん打ち合う人が多かった。

 写真の撮影のためコンパニオンにプレイしてもらったのだが、「研修で一回プレイしただけ」という彼女も、曲がり角では平行移動で通路をのぞき込み、敵から撃たれたときはジャンプで敵の攻撃を散らそうとする。FPSは本当に勝つためには戦略の追求と、「才能」が求められるが、ただ楽しく撃ち合うだけ、という視点ならば、ハードルは低いかもしれない、と思った。

 現在気になっているのは、「PaperMan」はアバターはかわいらしいものの、マップのグラフィックスは硬質で、ゲーム性もストイックでハードなイメージが強いところだ。アバターの服を変えるのは楽しいが、ゲームの中で披露しようにも姿を見せると穴だらけにさせられてしまうし、ほのぼのしたチャットのコミュニケーションも想像しにくい。どのようなファンを獲得するか、非常に興味がある。その為にも早く日本でプレイさせて欲しい。

とてもかわいらしく、細かいカスタマイズが楽しめるアバター。それでいながらゲーム内ではぺらぺらで、近づいてくるとちょっと不気味だったりするのが面白い
ゲームシステムはあくまで硬派だ。ミスマッチ感は楽しいが、どんなユーザーがこのタイトルを気に入るかが見えにくく感じた。しかしぺらぺらでかわいいキャラクタが動くのは、緊張感だけではない独特の楽しさがある。硬派一辺倒の対戦型FPSに新風を吹き込めるだろうか


■ 丁寧な作り込みに強い魅力を感じる横スクロールオンラインアクション「R-MAN」

「R-MAN」はコントローラでプレイすることができた。コントローラの使用でよりスムースににゲームを楽しめた
 「R-MAN」は横スクロールのアクションゲームだ。キャラクタは3Dグラフィックスで描かれており、頭身の低いかわいらしいデザイン。並み居る敵をド派手な技でなぎ倒す爽快な戦いが楽しめる。

 ゲームはMO形式で、挑戦するステージを選んでルームを作成し協力するプレーヤーを募る。1ルームは4人まで参加可能で、対戦プレイではバトルロイヤルから4vs4の戦いも可能だ。ステージでは開始時や重要な場面でNPCと会話するイベントシーンが挿入される。

 キャラクタは魔法を使う女の子や剣が得意な少年、二丁拳銃のセクシーな女海賊などのタイプがあり、それぞれ使用できる武器が異なる。戦闘画面では方向キーと攻撃、ジャンプ、バックステップのボタンを使い、試遊台ではパッドでのプレイが可能だった。コマンドを入れ攻撃ボタンを押すことで、様々なスキルが発動する。雷を落とす魔法を使うとロボット系の敵がしびれて動けなくなるなどスキルをうまく使いこなすことでより優位に戦える。

 本作ではキャラクタがレベルアップするのではなく、装備を強化していくことでキャラクタが成長する。装備だけでなく顔パーツまであるようだ。スキルは武器の系統によって変わり、コマンドでより多彩な攻撃を繰り出すことが可能だ。

 キャラクタのデザイン、操作性、スキルをはじめとした演出の派手さなど、「R-MAN」はカジュアルなオンラインゲームとして魅力的なコンテンツだと感じた。限られた時間のためゲームの全貌を見ることはできなかった。本作は韓国ではすでにオープンβが始まっているが日本での予定は未定である。試遊台のバージョンはクエストも含め日本語化されており、それほど遠くない時期にプレイできるのではないだろうか。期待したい。

イベントシーンもあるストーリーモードと、8人で楽しめる対戦モードを搭載。派手なエフェクトの攻撃とスピード感は、爽快感のある戦いを体験できそうだ。


【「Derbypark」】
 映像出展のみの「Derbypark」。韓国では日本に比べて競馬の認知度は低く、日本市場向けて開発が進められている。ジャンルはオンライン競走馬育成シミュレーションだが、「サラブレッド言語研究」、「遺伝子研究」といった要素があり、リアルさを追求する日本の競馬ゲームとは全く違ったアプローチも取り入れられていくという。どんなゲームになるのか、楽しみなタイトルだ。

【「Puppyon」】
 こちらも映像出展の「Puppyon」。ペットを育てるシミュレーションであるが、アバターシステム、そしてペットを育て、他のユーザーとコミュニケーションをとるというところで女性の人気を集めそうなタイトルである。ペットと飼い主の両方をカスタマイズできたり、ふれあう楽しさというコンセプトには可能性を感じる。
 ただ現在のグラフィックスやマウスでくすぐるアクションなどでは、DSの「ニンテンドッグス」を連想するなという方が無理というものだ。日本のスタッフもグラフィックスのテイストなどで差別化が図れるように意見を出しているとのことだが、きちんとしたオリジナリティを発揮した上で「オンラインペット育成コミュニケーションゲーム」を実現して欲しい。


■ 秋葉原にオンラインゲームファンのコミュニティ新しい拠点「AD スクエア」をオープン

セカンドファクトリー代表取締役前川浩史氏。「AD スクエア」を中心とした前川氏のコミュニティ、メーカーへの働きかけには注目したい
 20日に行なわれたカンファレンスでは、サイカンゲームズ代表取締役CEOの丹波利隆氏による事業説明に加え、セカンドファクトリー代表取締役の前川浩史氏から、「AD スクエア(アド スクエア)」を10月10日より秋葉原にオープンすることが発表された。

 前川浩史氏は「RAG-FES」の事務局代表を務める人物。セカンドファクトリーはサイカンゲームズと同じコムシードの子会社で、コミュニティ事業を行なっている。

 「AD スクエア」は1Fにステージを備えたイベントスペース、2Fにメイド風のコスチュームをまとったウエイトレスのいるカフェ、3Fに20台のPCを設置したネットワークゲームがプレイできるスペースがあり、さらに4Fを更衣室や控え室として利用できる。ユーザー達のオフ会や、メーカーの体験会やイベントにも利用できるオンラインゲームファンの「拠点」として必要な機能が盛り込まれているという。

 セカンドファクトリーは「AD スクエア」を中心に、イベントスペースでのネットラジオの公開収録や、カフェでの企画イベント、さらにフリーペーパーの発行やポータルサイトの運営を行なうことでオンラインゲームユーザーの交流をより活発にするために働きかけていくという。メーカーにも会場限定のクローズドβテストを行ない直接ユーザーの意見を聞けるようにするような企画を提案していくという。

 「ラグナロクオンライン」のユーザーコミュニティを管理し、「RAG-FES」というイベントを運営してきた前川氏が率いるスタッフが、「AD スクエア」という拠点を得てどのような企画を進行していくかは興味のあるところだ。秋葉原はNeeca秋葉原店が終了し、オンラインゲームユーザーのみ鳴らず、小さなイベントを企画したいメーカーとしても「新しい拠点」を探している。「AD スクエア」の活動には注目していきたいところだ。

Cykan Games Co.Ltd. All rights reserved.

□サイカンゲームズホームページ
http://www.cykan-games.com/
□東京ゲームショウ2007のホームページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□関連情報
【6月25日】コムシード、子会社「サイカンゲームズ」設立
「サイカン・ブランド」でオンラインゲーム事業を展開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070625/cykan.htm
【7月9日】Cykan、「ペーパーマン」オープンβテストレポート
コミカルな紙型キャラクタを侮るなかれ、07年期待の本格派オンラインFPS
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070411/paperman.htm

(2007年9月21日)

[Reported by 勝田哲也]



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