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会場:幕張メッセ
■ コンパニオンと共に楽しめる「PaperMan」と「R-MAN」がプレイ可能
20日に開催されたカンファレンスではサイカンゲームズ代表取締役CEOの丹波利隆氏から、2007年10月に韓国にサイカンゲームズコリアを立ち上げて、サイカンブランドのゲームを世界に展開することを目標にしていくことが語られた。サイカンゲームズと共に新規タイトルをプロデュースし、魅力的なタイトルを開拓し、パブリッシングもしていくという。 サイカンゲームズブースで出展されたタイトルは、「PaperMan」、「R-MAN」、「Puppyon」、「Derbypark」の4タイトルだが、「Puppyon」、「Derbypark」は映像でゲームの一部が紹介されたのみで、実質的には現在韓国でオープンβテストが行なわれている「PaperMan」と「R-MAN」の2本のタイトルをプレイアブルで出展していた。 サイカンゲームズの特徴は、なんと言っても“コンパニオン”だろう。「PaperMan」では対戦台1人1人にコンパニオンがつき、対戦をやさしくサポートしてくれるというG★などでおなじみの出展方法をとっていた。他の試遊台にも担当のコンパニオンがいて、プレイをサポートしてくれる。さらにコンパニオンの写真を撮り、メーカーに写真を添付したメールを送ると抽選でプレゼントをゲットできるイベントも開催している。「コンパニオンとふれ合える」ブースといえるだろう。 ブースとしてはかなりテーマがはっきりしているサイカンゲームズだが、一方でゲームのアピールができているかというと疑問が残る。それは「現在試遊できているタイトルがいつプレイできるか」というのが明らかになっていない点だ。韓国では「PaperMan」、「R-MAN」共にオープンβテストしているタイトルにもかかわらず、日本では「PaperMan」をできれば年内にはプレイできるように、という予定があるだけで、明確なサービススケジュールや課金方法なども提示されていない。これではせっかくゲームショウでタイトルを紹介しても、ユーザーにとって本当に魅力的な情報となり得ない。
また、韓国と日本の利点を活かし、世界へのコンテンツ発信を目指すというサイカンゲームズの理念にも疑問がある。韓国のG★ではなく、昨年に引き続き日本の東京ゲームショウでアピールをする所からも、「日本へ」という姿勢は見えるのだが、実際サービスするタイトルはすべて韓国の開発者が制作したもので、サービスもまず韓国から。現在の日本のスタッフはクオリティアップのアドバイスのみ、というところからも理念と現実の齟齬が見える。今後こういった部分を克服し、「ゲームメーカー」としてユーザーにアピールできるか、サイカンゲームズの大きなテーマといえるだろう。
■ カジュアルなキャラクタデザインと硬派なゲームシステムの「PaperMan」
会場では8人対戦、16人対戦が楽しめた。死んでもすぐに復活するため「もう一回!」という気持ちになる。うまくすれば初心者でも敵をばりばりと撃てる。しかも横に一緒に喜んだり悔しがってくれるコンパニオンがいればその面白さはとても大きい。会場でのプレイをオススメしたいタイトルだ。ユーザーが参加できる明日からは、プレイ待ちの長い列ができるかもしれない。 今回プレイできたマップは、江戸時代のテーマパークのような日本建築の建物が建ち並ぶ独特のマップ。この中をかわいらしいキャラクタが動き回る違和感が独特の雰囲気を演出している。プレーヤー達がまだ不慣れなためか、紙のキャラクタである利点を活かし、横を向いて弾をすり抜ける、というテクニックを使う人は少なく、正面からばんばん打ち合う人が多かった。 写真の撮影のためコンパニオンにプレイしてもらったのだが、「研修で一回プレイしただけ」という彼女も、曲がり角では平行移動で通路をのぞき込み、敵から撃たれたときはジャンプで敵の攻撃を散らそうとする。FPSは本当に勝つためには戦略の追求と、「才能」が求められるが、ただ楽しく撃ち合うだけ、という視点ならば、ハードルは低いかもしれない、と思った。
現在気になっているのは、「PaperMan」はアバターはかわいらしいものの、マップのグラフィックスは硬質で、ゲーム性もストイックでハードなイメージが強いところだ。アバターの服を変えるのは楽しいが、ゲームの中で披露しようにも姿を見せると穴だらけにさせられてしまうし、ほのぼのしたチャットのコミュニケーションも想像しにくい。どのようなファンを獲得するか、非常に興味がある。その為にも早く日本でプレイさせて欲しい。
■ 丁寧な作り込みに強い魅力を感じる横スクロールオンラインアクション「R-MAN」
ゲームはMO形式で、挑戦するステージを選んでルームを作成し協力するプレーヤーを募る。1ルームは4人まで参加可能で、対戦プレイではバトルロイヤルから4vs4の戦いも可能だ。ステージでは開始時や重要な場面でNPCと会話するイベントシーンが挿入される。 キャラクタは魔法を使う女の子や剣が得意な少年、二丁拳銃のセクシーな女海賊などのタイプがあり、それぞれ使用できる武器が異なる。戦闘画面では方向キーと攻撃、ジャンプ、バックステップのボタンを使い、試遊台ではパッドでのプレイが可能だった。コマンドを入れ攻撃ボタンを押すことで、様々なスキルが発動する。雷を落とす魔法を使うとロボット系の敵がしびれて動けなくなるなどスキルをうまく使いこなすことでより優位に戦える。 本作ではキャラクタがレベルアップするのではなく、装備を強化していくことでキャラクタが成長する。装備だけでなく顔パーツまであるようだ。スキルは武器の系統によって変わり、コマンドでより多彩な攻撃を繰り出すことが可能だ。
キャラクタのデザイン、操作性、スキルをはじめとした演出の派手さなど、「R-MAN」はカジュアルなオンラインゲームとして魅力的なコンテンツだと感じた。限られた時間のためゲームの全貌を見ることはできなかった。本作は韓国ではすでにオープンβが始まっているが日本での予定は未定である。試遊台のバージョンはクエストも含め日本語化されており、それほど遠くない時期にプレイできるのではないだろうか。期待したい。
■ 秋葉原にオンラインゲームファンのコミュニティ新しい拠点「AD スクエア」をオープン
前川浩史氏は「RAG-FES」の事務局代表を務める人物。セカンドファクトリーはサイカンゲームズと同じコムシードの子会社で、コミュニティ事業を行なっている。 「AD スクエア」は1Fにステージを備えたイベントスペース、2Fにメイド風のコスチュームをまとったウエイトレスのいるカフェ、3Fに20台のPCを設置したネットワークゲームがプレイできるスペースがあり、さらに4Fを更衣室や控え室として利用できる。ユーザー達のオフ会や、メーカーの体験会やイベントにも利用できるオンラインゲームファンの「拠点」として必要な機能が盛り込まれているという。 セカンドファクトリーは「AD スクエア」を中心に、イベントスペースでのネットラジオの公開収録や、カフェでの企画イベント、さらにフリーペーパーの発行やポータルサイトの運営を行なうことでオンラインゲームユーザーの交流をより活発にするために働きかけていくという。メーカーにも会場限定のクローズドβテストを行ない直接ユーザーの意見を聞けるようにするような企画を提案していくという。
「ラグナロクオンライン」のユーザーコミュニティを管理し、「RAG-FES」というイベントを運営してきた前川氏が率いるスタッフが、「AD スクエア」という拠点を得てどのような企画を進行していくかは興味のあるところだ。秋葉原はNeeca秋葉原店が終了し、オンラインゲームユーザーのみ鳴らず、小さなイベントを企画したいメーカーとしても「新しい拠点」を探している。「AD スクエア」の活動には注目していきたいところだ。
□サイカンゲームズホームページ (2007年9月21日) [Reported by 勝田哲也]
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