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【連載第15回】韓国最新オンラインゲームレポート

韓国で「Hellgate: London」1次クローズドβテストがスタート
延期した上にボリューム不足。アジア版の年内発売は絶望的か!?

10月4日~6日実施



 韓国HanbitSoftは10月4日から10月6日までの3日間、約2,000名のユーザーを対象に、米Flagship Studiosが開発しているアクションRPG「Hellgate :London」の1次クローズドβテストを実施した。

韓国ソウルで今年5月に開催された「Hellgate :London Asia Launching Party」。このときはβテストは7月と発表されていた
 第1次クローズドβテストで公開されたバージョンは、今年5月にソウルで開かれた「Hellgate :London Asia Launching Party」で披露されたバージョンとほとんど差がなかった。韓国語版はテキスト及び音声をすべて韓国語化が予定されているが、今回のβテストでは相変わらずテキストだけが韓国語で、音声は英語表記のままだった。

 今回の第1次クローズドβテストはオンラインプレイのみがプレイでき、わずか3~4時間でクリアできるACT1のみが実装された短い内容だった。当初、韓国では7月から世界で最も早いクローズドβテスト実施を謳っていたが、延期が重なり結局は9月にβテスト開始した北米版よりも出足もコンテンツも出遅れたスタートとなってしまった。

 北米版ではパッケージをプレオーダーしたユーザーなどを対象にしたクローズドβテストを9月18日から開始しており、正式サービス開始も10月31日と発表された。韓国語版のサービススケジュールは、具体的な日程は明らかにされておらず、「年内」とのみ発表されている。ビジネスモデルは月額課金が予定されている。

 肩すかしを食った感の強い今回の第1次βテストだったが、早速、韓国語版で公開された「Hellgate :London」ACT1の様子をお伝えしたい。


■ ロンドン中央のコベントガーデン駅から始まるACT1は、チュートリアルステージ

スタートはチュートリアルから。インスタントマップでもチャットでのコミュニケーションができる
自分を中心に結界を張り、周囲のモンスターを一気に叩き出すスキル
地獄からモンスターを呼び出す「ヘルリフト」。「大英博物館」、「コペントガーデン市場」マップに存在する。「ヘルリフト」の中でボス級モンスターとのバトルなどが待ち受ける。大英博物館の「ヘルリフト」ではプレーヤーが内部に爆弾を設置して逃げる設定になっている
 先述したように韓国語版で行なわれた第1次クローズドβテストはACT1のみがプレイできた。具体的には「コベントガーデン駅」、「レスター・スクウェア駅」、「ピカデリーサーカス駅」、「エンバンクメント駅」「チャリングクロス駅」という4つの著名なロンドン地下鉄駅が舞台となる。駅にはクエストNPCや商店があり、一般的なMMORPGでいう「街」の役割を担っている。

 ゲームをスタートするとチュートリアルモード専用のエリアである「ラッセル・スクウェア」地域からスタートし、NPCと会話するクエストをクリアしながら、ACT1最初の駅である「ユベントガーデン駅」に向かう。チュートリアルではメニューキーの説明や、アクション、攻撃方法、NPCとの会話の仕方といった基本的な説明はしているのだが、スキルやレベルアップ、アイテムの種類など、本作の重要なファクターの説明が不足がちだったのが不満だった。

 「ユベントガーデン駅」に到着すると本格的な「Hellgate :London」の世界に踏み込むことになる。本作のエリア展開は、クエストをクリアすることによって新しいエリアがオープンになるという、「Diablo」ライクなつくりだ。クエストはボス級モンスター狩り、一般モンスター狩り、アイテム収集などがあり、「Hellgate」にまつわるストーリーをたどるメインクエストも用意されている。

 駅と駅の間はインスタンスダンジョンになっており、マップにモンスターや道がランダムに生成されるが、Named Mobと呼ばれるボス級モンスターの登場するマップは固定マップとなっている。

 駅と駅を結ぶインスタントダンジョンを抜けて次の駅にたどり着くと、いままでに訪れた駅と相互にテレポートできるようになる。事前に駅でパーティーを組んでから次の駅に向かってダンジョンをクリアしていくスタイルになりそうだ。

 オンラインのみで実施された「Hellgate :London」韓国語版βだが、用意されたクエストはシングルプレイとほぼ変わりがないもので、シングルプレイに対してのメリットがチャットとパーティシステムしか見当たらないのが残念だった。さらに、ACT1はACTそのものが初心者のためのチュートリアルマップ的な展開となっており、登場するボス級モンスターも含めてパーティープレイを必要としない難易度になっている。つまり、残念ながらACT1だけでは、ゲームの魅力を堪能できないのだ。

地上マップを歩いていると崩壊したロンドンの姿があった。この光景がインスタンスで毎回ランダム生成される。実際にプレイしてみるとその驚きは倍加する

ACT1で登場するボス級モンスター「タントロス」。プレーヤーに接近して自爆する雑魚モンスターを召還するなど、近接職には手ごわい相手だ


■ ボリューム不足に韓国ユーザーに不満の声、アクション部分に未調整の部分あり

「ガーディアン」はオーラを使用するクラスで、スキルツリーは「DiabloⅡ」の「Paladin」に似ている
敵を倒すとアイテムは周囲の地面に散らかる。「Diablo II」を彷彿とさせる表現だ
 筆者は今回のテストで「ガーディアン」でプレイしてみた。アクションに関しては機敏な動きやダイナミックな攻撃モーションが印象的で、まさに「Diablo」フル3D版の楽しさ肌で感じることができた。しかし、サードパーソンビューのゲーム開発に慣れていないためか、モンスターとキャラクタのモーションが微妙で、剣を振り回しても当たり判定が曖昧な場面が多い。こうした違和感は、正式サービスまでにはぜひ克服してほしいところだ。

 公開されたACT1は3~4時間程度で回りきれてしまう短いもので、オンラインの魅力を見せるにはまだまだ物足りない。βテストに参加した韓国のユーザーたちは、アクション性には高い評価を与えたものの、コンテンツのボリュームの少なさは非常に不評だった。

 もっとも、ゲーム自体の評価は高かったと肯定的に捉えるべきかもしれず、Hanbitが韓国で公開を焦りすぎてしまったきらいもあり、一概にFlagship Studiosを攻められない。それでも北米版ではACT4までがクローズドβテストでプレイ可能となっている状況をふまえると、韓国語版、それと同時に開発が進められている日本語版は、ずいぶん開発が遅れてしまったという印象が強い。

 ゲームで大事なのは発売までの速さではなく、クオリティとはいえ、韓国語版や日本語版の発売が、英語版からあまり離れてしまうと、コミュニティが分断されてしまう懸念がある。ぜひ正式サービスでは、その辺を意識した上で、クオリティの高い状態でのリリースを期待したい。

アクション面では当たり判定に難ありと感じる場面が多かった。当たり判定がアバウトに設定されているようで、空振りしたり、遠い間合いでも当たり判定となることが多かった

(c) 2005 - 2006 Flagship Studios, Inc. All Rights Reserved. Flagship Studios, the Flagship Studios logo, Hellgate: London and the Hellgate:London logo are trademarks and/or registered trademarks of Flagship Studios, Inc.

□Flagship Studiosのホームページ(英語)
http://www.flagshipstudios.com/
□Hanbit Softのページ(韓国語)
http://www.hanbitsoft.co.kr/
□「Hellgate: London」の公式サイト(韓国語)
http://hellgate.hanbiton.com/
□関連情報
【6月1日】【韓国最新オンラインゲームレポート】「Hellgate: London Asia Launching Party」開催
韓国ではいよいよ7月からクローズドβテスト開始!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070601/korea_08.htm
【2006年11月13日】【G★ 2006】Flagship Studios CEO Bill Roper氏インタビュー
「Hellgate: London」マルチプレイモードの詳細に迫る
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061113/gs_bill.htm
【2006年11月11日】【G★ 2006】HanbitSoft、オンラインRPG「Hellgate: London」を全面展開
マルチプレイモードを初公開、正式サービスに向けて本格始動開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061111/gs_hell.htm

(2007年10月15日)

[Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]



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