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チョコボ育成、チョコボレースと徐々に広がってきたチョコボ関連コンテンツ。ここについにチョコボサーキットという専用のエリアが登場した。冒険者のチョコボ同士で競える「冒険者参加レース」が実現したほか、「勝鳥投票」というレースの勝者を予想するギャンブル要素が加わったのだ。 チョコボサーキットで楽しめるギャンブルは、現実の競馬に近い「勝鳥投票」だ。「勝鳥投票券をギルで購入して、当たれば配当金をギルで得られる」という、直接ギルでやりとりする本格派ギャンブルだ。当初、チョココインというレースでも得られる専用のコインをギャンブルでやり取りする方向で開発が進められていたが、最終的には直接ギルを賭ける方向に変更されたようだ。
ライトな遊び要素、お楽しみ要素として登場してきた一連のコンテンツだが、ギャンブルとしてギルで投票ができる、ギルを増やせるとなってくると話は別。ひと味もふた味も違う。今回はこのチョコボサーキットでさっそくギャンブルを楽しんでみたので、「FF XI」初の本格的ギャンブルはどのようなものか、さっそく紹介していこう。
大きな特徴としては、どの都市の入り口から入ってもいったん転送装置を利用してチョコボサーキットという単一のエリアに移動することになるところだ。5カ国からレベルやミッションランクに左右されずに同じエリアにいけるわけで、今までのエリアにはなかった特殊な各国共通ロビー的な場所とも言える。 この特徴は単純にチョコボレースやギャンブルを楽しむ場所として以外にも、居場所が離れている冒険者とサーキットで合流したり、各国で身支度をしているパーティメンバーとの待ち合わせ場所にしたりと、いろいろと活用方法がありそうだ。もちろん、パーティ参加希望を出して誘われるまでの間に過ごすのにももってこいだろう。 5カ国から同エリアにつながっているというと、サーキットを経由して各都市に移動できる移動手段になるのでは? と期待してしまうところだが、出るときには入った国への出入口からしか出られない仕組みになっている。 チョコボサーキットは、円形の広間を中心に、各都市に繋がるワープポータルに行くための通路が伸び、総面積としては、ナシュモ程度の広さはあるだろうか。サーキットの中央部に施設の案内や勝鳥投票の説明を受けられる総合案内所がある。このカウンターには地図の入った書類箱が置いてあって、調べると地図が無料で手に入る。まず最初に、サーキットに点在する赤い帽子をかぶったNPCに話しかけて、総合案内所へ連れて行ってもらい、地図を手に入れるといいだろう。
サーキット内では常に4つのレース進行が同時並行で連続的に開催されている。レースはそれぞれ「出走受付」、15分後に「勝鳥投票権販売」の開始、さらに30分後に「レース開始」、そして10分間の休憩をはさんで次の「出走受付」というサイクルを繰り返し、自動的に進行していく。チョコボサーキットでは4種類のレースが用意されており、15分ずつずれた間隔で進行しているので、連続的に「勝鳥投票」が楽しめる。投票券を販売する4人のNPCはそれぞれ別々のレース進行を担当している。場内ではこの4つのレースの進行状況が常にアナウンスされる。 「勝鳥投票券」はレースに出走する8頭から上位2位を当てるギャンブルだ。1枠と2枠がくると思うなら1-2、4枠と7枠がくると思うなら4-7、といったように現実の競馬的な予想をする。1位と2位は順が入れ替わっても的中になるので、組み合わせは28通りになる。 予想の元になるのは販売NPCから確認できるパドック情報やオッズ表だ。パドックでは出走チョコボの各ステータスや所持アイテム、作戦などを確認できるので、基本的にはそれが元になる。オッズ表では「勝鳥投票券」の券の購入状況で変化する払戻額が見られるので、どの組み合わせが人気なのかがわかる。ちなみに販売開始時点からある程度オッズに差がついているのでとりあえずの指針にできる。 投票券の購入に使うのはもちろんギル。組み合わせを決定後に券を何口購入するかを決めるのだが、1口あたり100ギルを最低1口から最大で999口まで購入できる。つまり100ギルから99,900ギルと約10万ギル近くまで賭けられるわけだ。当初はもっと低額な、お遊び的な賭けだろうと思っていたのだが、最大約10万ギルとはかなり本格的だ。 オッズは投票券が購入されるごとにリアルタイムで反映されて数値が変化する。このため、オッズ表も30秒ごとに最新の状況に更新される。これを見ているだけでも人気、不人気が変わっていくのでなかなかに面白く、かつ悩ましい。オッズの変化はレース全体の購入口数などによって変わっていく。自分が購入した結果ももちろん反映されるので、それを踏まえて購入しよう。投票券の購入受付終了時に最終の払い戻し金額が確定されるので、レースの前に確認するのがいいだろう。
2つ目の施設は、自分がチョコボ育成で育てたチョコボを出走させる「東・西チョコボ待機所」だ。サーキットのレースは基本的には三国のチョコボレースセンターで参加できる「オフィシャルレース」や「プライベートレース」と進行は変わらないのだが、他の冒険者も参加すること、参加レースも「勝鳥投票」の対象になり、自分でも「勝鳥投票券」が購入でき、さらに入賞したときのレース賞金が高額になっていて、専用ポイント「勝鳥点」も得られるところなどが異なる。また、サーキットのレースは一度出走すると地球時間1週間が経過しないと次のレースには参加できない。
3つ目の施設はレースを観戦できる観客席。観客席は外のエリアになっていて入場するごとに50ギルの支払いか、「チョコボレース共通入場券」を渡す。「チョコボレース共通入場券」は投票券の購入時やレース出走時にもらえるので、この場合は無料で入場できる。レースの開始時点でこの観客席にいると、自動的にチョコボレース画面に入って観戦できる。
チョコボサーキット場では、ログにレース進行のアナウンスが流れる。レースの出走手続き、勝鳥券の販売開始と終了、各国レーシングチームのチーム勝鳥点成績、そしてレースの開始などだ。これだけでも雰囲気があっていいのだが、アナウンスっぽい音が耳障りにならないぐらいに一緒に聞こえるようになると、よりそれらしくなるかもしれない。 まずは総合案内所に行き地図を手に入れて施設の場所を把握する。続いて向かうのはもちろん、勝鳥券を販売するNPCの元だ。4人の帽子と服の色の組み合わせが異なる販売係員のNPCが並ぶ。最初はNPCによっては販売をしていない時もあってとまどうが、彼らが4つの異なるレース進行を担当していることを把握しよう。常に4人のうち2人は投票券を販売している。アナウンスでも服装の組み合わせで投票券販売を開始したNPCを説明されるのでそれで確認するのもいい。 さっそく投票券を販売しているレースとそのオッズ表を確認してみた。オッズ表には1枠から8枠までの組み合わせとその払戻金が一覧に並ぶ。オッズ表の数値は一定の額になると色がつくのだろう、払戻額が200ギル未満の緑が本命、1,000ギル未満の白が対抗、3,000ギル未満が黄色で穴、それ以上の赤文字は大穴といったところだろうか。
勝鳥投票券には自分の買った組み合わせ、口数、レースのグレードとIDが記されていた。グレードというのは、C4からC1まで4段階のレースランクだ。数字の小さいグレードほど能力の高いチョコボが出走する高度なレースになる。また、IDという数字は同グレードの他のレースと区別するための数字。たとえば「C4チョコボレースID:1」と「C4チョコボレースID:2」といったように違うレースとして分けられる。複数のレース進行が平行して行なわれていくだけに、慣れないうちは同グレードのレースを数字だけで区別するのは紛らわしく、味気なくも感じる。だが、連続的に数百のレースが開催されていくだけに致し方ないところだろう。 いよいよ投票券を買ったあとは、レースを観戦するべく観客席に入る。観客席はチョコボレース場の2階席にあるテラス。ここにも係員がいて、パドック情報とオッズ表を見られた。ほどなくして勝鳥券の販売を締め切ったアナウンスが流れ、続いてレースの開始が告げられた。画面が暗転しチョコボレース画面に変わる。 レース模様はサーキット用ということもなく、すでにチョコボレースを楽しんできた人にはおなじみの画面で展開される。チョコボレースの模様については、本連載の第20回で紹介しているので、詳しくはそちらをごらん頂きたい。とはいえ、これまでのチョコボレースは自分のチョコボを出走させていたがこのレースは違うこと、そして投票券を購入して自分のギルがかかっていることなど、心境は大きく異なる。自分の買った組み合わせである1枠と7枠のチョコボを目で追い続ける。心の中は「1-7がんばれ! 1-7こい!」という言葉でいっぱいだ。ギャンブルの魔力だろうか、徐々にテンションが上がっていく。 レース中は、さまざまなアイテムが駆使され、その都度順位が入れ替わる。1枠は順調にトップでレースを展開しているが、7枠がおもわしくない。そう思っているうちにトップを走っていた1枠のチョコボまでがホットクッキーを使われてスタミナを奪われてしまった。ずるずると2番手に後退していく。レースはそのまま終わり、1枠7枠ともに外れ。最初のレースは惨敗に終わってしまった。このときのレースは3-4で、払戻額は2,505ギル。1,000ギルで10口購入しても2万5,050ギルになるという約25倍の高配当だ。だがそれだけに予想するのは相当難しい。 へこたれずに次々とレースの予想をしていくが、なかなか当てられない。結果をみていると人気の高い低オッズの組み合わせのいずれかに収まることも多いのだが、3,000ギルや8,000ギルを越えるような高いオッズになっているのもみかける。ときには1万1,250ギルという万馬券ならぬ万鳥券? の払い戻し額もあったほどだ。
万鳥券が出るような荒れ模様は、冒険者の購入状況によるオッズの変化にあったようだ。逆に1万ギルを越えるオッズだった組み合わせが、急に数百ギルの大本命に変わることもあった。きっと、どーんと数百口を購入した人がいたのだろう。このときはまだ実装から間もないこともあって、投票券の購入数自体が少なく、一人の購入結果で大きくオッズが変化した。逆に多くの人が購入しているレースでは、オッズが安定するようだ。 そこで今度は、こうした流れを見守りながら、本命や次点に堅い組み合わせは外し、少し高めの組み合わせを購入していった。大本命の組み合わせは、一見大本命に見えるが、実際は少数の冒険者の大口購入で生まれている可能性を感じたため、避けてみたわけだ。また、当たったときの払い戻し額も高いのでそれも狙いだ。この考え方はこのときの流れにはあっていたようで、惜しい結果が続いた。ちなみに外れた場合も当たった場合も、投票券は販売係のNPCにトレードする。当たっている場合は払い戻してくれるし、外れている場合は引き取られる。 10口ずつの購入を10回近く連続で外したころだろうか、ついに予想が的中した。払い戻し額は518ギル、10口購入していたので5,180ギルになった。当たり前のことではあるが、本当にギルが増えたことにちょっと驚く。とはいえ、これだけではまだまだ赤字状態だ。続けざまに予想し投票券を買っていくと、ぽつぽつと当たるようになり3,000ギル程度、6,400ギル程度の払戻額を獲得! 運が向いてきたと感じはじめる。
そしていよいよレース開始! 1枠の黒チョコボ、7枠の青チョコボが2万ギルの運命を決める。レース前半では1枠7枠ともに出過ぎず、2番手争いのいい位置をキープしている。先頭に立つと他のチョコボからアイテムで攻撃されるかもしれない。その調子で最後に先頭に躍り出て欲しい。10口購入していたときとは比べものにならないぐらいテンションが高まってくる。 レース中盤に入って先頭を走っていた8枠のチョコボが後退、ついに7枠がトップに立った。だが、後続との差はほとんどなく、2番手がどのチョコボなのかも微妙な状態。1枠、4枠、7枠がほぼ横一線に並び、観客席前のゴールに向かってくる。1-7こい、1-7こいー! と、画面を見守るこちらもこの接戦を見て大興奮だ。そして決定的な差がつかぬまま先頭がゴール! 予想していた7枠がトップなのは確実だが、2位が非常に微妙。予想していた1枠なのか、それとも4枠なのか。実況のゴッチロによる順位発表を待つ。告げられた順位は、「1着は7枠のDuke、2着は1枠のSpirit」だった、見事に的中! なんと、4万5,600ギルの払戻額を獲得した。 そこまでの収支はとんとんといったところだったが、ここで一気に2万5,000ギル近くの黒字が生まれた。これはうまくやれればかなり儲かるのでは!? と自信を深めた。ギャンブルで失敗した人の決まり文句だが、今から思えば「そこで止めておけばよかった」のだ。
そして運命のレースが始まる。夜のレース。最終オッズは筆者が大きく購入した結果、3-6が168ギル、6-8が185ギルとなった。3枠の黄色チョコボと6枠の赤いチョコボが約10万ギルの運命をにぎる。レーススタート! すると同じく観戦していた他の冒険者から6-8! というSayが聞こえてきた。大本命になっていた連番だ。こうした応援の声が聞こえてくるとさらにそれらしくなって盛り上がる。6枠は先行してトップ争い、3枠は2番手争いの集団に入っていた。 「悪くないかたち」。そう感じていた矢先に、6枠のチョコボが後続からペッパークッキーの妨害を受けて、大幅減速! さーっと血の気が引くような思いのなかずるずると後退していく。だが、6枠の赤チョコボは間髪を入れずにスピードアップルを使用、なんとかペースを取り戻してレース中盤にかかるころには再びトップに躍り出る。あとの7頭はほぼ横一線。3枠が抜け出てくれれば勝てるのだ。 レースは終盤の前にあるトンネルへと進んでいく。ここを抜け出ると、順位ががらっと変わっていることが多く、魔のトンネルなのだ。どきどきしつつ見守ると、先頭でトンネルから出てきたのは6枠の赤チョコボ。だがトンネル前には横一線だった後続は差ができていて、3枠はなんと7番手にまで落ちていた。ちなみに筆者、この時点ですでに絶望に打ちひしがれていた。
あとは最終コーナーと直線を残すのみ。この形は変わることなく、そのままの状態でゴール。結果は着順で6-1、投票としては1-6が当選となった。10万ギルは見事消えていった……。投票券を係員に引き取ってもらい、チョコボサーキットを後にした筆者だった。
筆者も育ててきたチョコボをさっそく出走させてみた。アイテムを持たせられることやジョッキーに作戦を指示できる点は同じなのだが、チョコボに乗せる鞍を選択できるところが大きく違う。鞍は4種類あり、走りを安定させる「ラワン製」、持久力を損なうが力を上げる「ブラス製」、判断力でフィジカル面を上げる「草布製」、感受性でフィジカル面を上げる「野兎の毛皮製」となる。レース向きではない力が不足しているチョコボでも、他の判断力や感受性で補えるというわけだ。最後に他の冒険者が入っていない出走枠を選んで、出走手続きが完了する。 自分のチョコボを出走させる醍醐味はなんと言っても、自分のチョコボの投票券が買えるところだろう。馬主ならぬ鳥主気分で、応援の思いを込めて自分のチョコボを軸に投票券を購入する。 出走手続き後の内容は、基本的には投票のみで楽しむときと変わりはない。観客席で観戦し、自分のチョコボを応援する。ちなみにこのときの結果は、筆者のチョコボは残念ながら4着。賞金としてチョココイン1枚をもらえた。
少し気になるのは、出走間隔が地球時間で1週間と長めなところだろうか。できればもう少し短い間隔で出走できるか、もしくは1度だけでなく2、3回連続で楽しみたい。1週間に1度というのはかなりもったいない。また、友人の育てたチョコボと遊びでレースできるようなプライベートレースの仕組みも欲しい。友人と示し合わせるとさすがに投票券でギルを得るわけにはいかなくなると思うが、リンクシェルイベント向きの遊び機能としても欲しいところだ。
リンクシェルの仲間やフレンドと共に予想して、会話や応援をしながら一緒にレースを観戦すると盛り上がること間違いなしだろう。ジュノやアトルガン白門はもちろん、三国からでも誰でも入れるので、初心者、上級者を問わず一緒に集まって遊べるのが嬉しいところだ。チョコボレース目的だけでなく、各国から集まれるロビー的な役割として面白い活用ができそうだ。 だが、さすがに実装されたばかりとあって、改善してほしい点も多い。レース中の順位がわかりづらいことをはじめ、コース上での現在位置を見せるなど、盛り上げるための情報表示が欲しい。レース中の実況に関しても、トップのチョコボのことばかり話すのではなく、2位以下につけているチョコボについても実況してほしいところだ。 また、NPCとのやり取りにおけるインターフェイスなども同様に余地がある。キャンセルボタンで会話をすぐに終えられない場面が多く、テンポが悪く感じられる。また、パドックデータも1頭ごとの切り替えでなく、一覧できるような機能がほしい。ずいぶんあれこれ指摘してしまったが、それもチョコボサーキットはまだもっともっと面白くなれると思うからだ。
レベル1からでもお小遣いレベルでも、一攫千金の楽しさが味わえる「チョコボサーキット」。これまでチョコボ関連コンテンツは敬遠していた方も、ぜひ触れてみて欲しいところだ。くれぐれも熱くなりすぎて手持ちのギルが底をついてしまわないようにご注意を。 (C)2002-2007 SQUARE ENIX CO.,LTD All Rights Reserved.
□スクウェア・エニックスのホームページ (2007年8月31日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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