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【連載第257回】 あの、おもちゃを徹底レポート




自分の描いた絵を動かせるペイントツール!
エポック社「ドラえもん うごく!おえかき」

「ドラえもん うごく! おえかき」
発売 エポック社
価格 10,479円
電源 単3電池×4(別売り)または、専用ACアダプター
発売日 発売中



 これは楽しい商品だ。内容をひと言で表すとすれば、ドラえもんを題材にしたペイントツールなのだが、なんと描いた絵を動かすことができるのだ。筆者もひと通り体験したが、まるでドラえもんの四次元ポケットから飛び出してきた秘密道具のような面白さがある。価格は1万円を超えるので、少々高めだが、その価値は十分にある、と断言できる。小さなお子さんへの贈り物としては最適だろう。

パッケージ。「かいた絵がぐんぐんうごくよ!」と書いてある
 つい興奮して、ほめ言葉を並べてしまったが、実際に優れたアイテムであることに間違いない。本体は当連載でたびたび取り上げている新世代株式会社のXAVIXシステムを搭載しているため、セッティングはとても簡単。電源は、本体の裏側に別売の単3アルカリ乾電池4本を入れるか、別売のACアダプターを使用する。

 テレビとの接続は、本体から伸びるAVケーブルをテレビに接続するだけで完了する。セッティングに要するのは、長く見積もっても5分間だろう。この簡単さは、何度体験してもいいものだ。

 操作に使用する本体とペンマウスを紹介しよう。ペンマウスは、絵を描くためのツール。マウスボタンを押すと、ペンの色を変えたり、太さを変えたりすることができる。

 本体は、ゲームなどに使用するアクションボタンやキャンセルボタンなどがあり、ひときわ目立つのがジョイスティックだ。ジョイスティックは、上下左右方向への操作が可能で、描いた絵を自在に動かすために使用する。

本体とペンマウス、マウスパッド。マウスパッドは小さな子どもが思い切り動かせるように大きめになっている ジョイステッィク。描いた絵を動かすときに使用する ペンマウス。ペンがあるおかけでグリップがしやすく、小さな子にも扱いやすそう



ひたすら楽しい「うごく!おえかき」

 モードは大きく分けると3種類ある。塗り絵や絵を描く練習ができる「おえかきモード」、ゲームを楽しめる「ゲームモード」、絵を鑑賞できる「かんしょうモード」だ。

 「おえかきモード」では、「うごく!おえかき」というメニューの中から描きたいイラストを選ぶ。イラストは、働く乗り物、昆虫、恐竜、魚、動物、ドラえもんとその仲間たちなどがあり、ペンマウスを使って、描きたい絵を選択する。絵の種類は豊富で、例えば動物ひとつをとっても、ライオン、トラ、ゾウ、ウサギ、ヤギ、犬、猫、馬、牛、豚、ニワトリがあり、これだけあれば好みにあった題材ときっとめぐりあえるはずだ。

「うごく!おえかき」のタイトル画面。大量のテンプレートが用意されている
 描きたいイラストを選ぶと、テンプレートが表示される。ペンでなぞって描くためのお手本だ。漫画でいうと、キャラクタを描く黒い主線に相当する。

 テンプレートをなぞる作業は重要だ。キャラクタの外見がこれで決まってしまうからだ。主に細いペンを使って、慎重に行ないたい。主線を描いたら、今度は色を塗る作業だ。主線は、ほかの色では塗りつぶせないような仕組みになっているので、思いっきり色塗りを楽しむことができる。

 描いているときに、励みになるのがドラえもんの声。「じょうずだな~」、「本当にうまいね~」などと、音声でほめてくれるのだ。小さなお子さんなら、ますます“やる気”がかき立てられるだろう。

   絵が完成したら、さっそく動かしてみよう。絵の本体はジョイスティックを使って移動させ、アクションボタンを押してジャンプなどをさせる。蝶やトンボはペンマウスで動かすことができる。

ドラえもんのカテゴリーを選択。ドラえもん、のび太くん、しずかちゃん、ドラミちゃんの絵を描ける ドラえもんの顔を書いているところ。黒い主線は上からなぞっても消えないので、思い切った色塗りができる
ドラえもんのアクションは、曲に合わせたダンス。アクションボタンを押すと、顔が愉快に変形する


 このときに素敵な演出がある。例えばカクレクマノミの絵を描いたのなら、自分の絵がコピーされ、色違いのカクレクマノミが画面に表示されるのだ。画面は一気に華やかになり、楽しい気分にさせられる。筆者は、自分の描いた絵の中では、ティラノサウルスが気に入った。ティラノサウルスは、ジョイスティックを動かすと左右に走り出し、アクションボタンを押すと前かがみになって咆哮する。筆者はゴジラ世代なので、口から火を吐いている姿を描いたのだが、こういう自由度があるのも楽しいところだ。

カクレクマノミを描いて動かしたら、仲間が5匹も増えた。これは楽しい!
ティラノサウルスを描いて動かした。こんなに大きなキャラクタを動かせるとは興奮!
「じゆうにおえかき」というモードもある。大きな赤いリンゴを描いて、動かしてみた



本格的な手ごたえのゲームモード

 「ゲームモード」は「レーシングカーゲーム」と「シューティングゲーム」、「クレーンゲーム」の3種類が楽しめる。「レーシングカーゲーム」と「シューティングゲーム」はそれぞれ、自分のキャラクタや敵キャラクタを描くことができる自由さがあるのだが、紹介するにあたって原型を留めていないとわけがわからなくなりそうなので、この誌面ではデフォルトのキャラクタを使用する。

 「レーシングカーゲーム」は、レースゲームには珍しい横スクロールのタイプ。ライバルの自動車と競い合い、1位でゴールを目指す。コースのところどころには、加速する床があり、これを利用することで、数台の車を一気に抜かすことができる。

「レーシングカーゲーム」。競争相手の自動車を避けながら、加速する床を利用して、1位をめざす


 「シューティングゲーム」は、敵を倒しながら、高得点を目指す縦スクロールのシューティングゲーム。敵キャラクタを倒すと、アイテムが出てくることがある。ハートは、ライフが1個増える。鈴は攻撃がパワーアップする。星はバリアが付き、敵の攻撃を2回まで防ぐことができる。のび太とドラえもんは、一般的なシューティングゲームでいうところのオプション。プレーヤーのキャラクタに添って飛び、攻撃に加勢してくれる。

シューティングゲーム。難易度は低めだが、内容は本格派。ボスキャラクタも登場する


 「クレーンゲーム」は、ジョイスティックを使って、クレーンを操作してカプセルや星、ドラ焼きを取る。要領は、実際にあるクレーンゲームと同じで、クレーンは左→奥へと進んでいく。「レーシングゲーム」と「シューティングゲーム」が小さな子が対象ということもあり、易しめの難易度だったのに対し、この「クレーンゲーム」はひたすらに難しい。クレーンとカプセルがほんの少しずれるだけで、ポロンと落ちてしまう。取扱説明書には「すべてのアイテムを取るとクリアです」と書いてあるのだが、反射神経に優れた小さな子ならできるのだろうか……。

「クレーンゲーム」。クレーンを左から奥へと動かして、カプセルや星を取る。実際のクレーンゲームさながらの手ごたえがあり、飽きあせない


 「かんしょうモード」では、これまでに描いた絵を見たり、動かしたりできる。描いた絵の保存は、それぞれのジャンルで20枚までで、それ以上描くと古い絵から削除、上書きされる。

 購入にあたって悩むのは1万円を超える価格だろうが、それに見合う価値は十分あると太鼓判を押したい。マウスを使うので、パソコンの練習になり、知育玩具としも活用できる。面白さと実用性、両方の面で文句のつけようのないアイテムだ。

(c)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK
(c)2007 SSD CO.,LTD.
(c)2007 EPOCH CO.,LTD.


□エポック社のホームページ
http://www.epoch.gr.jp/
□「ドラえもん うごく!おえかき」のホームページ
http://www.epoch.gr.jp/oekaki/index.html


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(2007年7月12日)

[Reported by 元宮秀介]


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