21世紀のリカちゃん電話 タカラトミー「リカちゃん テレビでんわ」
「リカちゃん テレビでんわ」 |
発売 |
タカラトミー |
価格 |
7,875円 |
対応OS |
WindowsXP(SP2以降)(Vistaには未対応) |
電源 |
USB給電 |
発売日 |
発売中 |
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パッケージ。「リカちゃんとほんとうにおしゃべりができちゃう!」が少女の夢を表している |
今回紹介するトイは純粋に女の子向けだが、男性諸氏も必見必読のアイテムだ。
タカラトミーでは「リカちゃん」発売の翌年の'68年より電話をかけると「リカちゃん」がお話を聞かせてくれる「リカちゃん電話」のサービスを実施しているが、今回紹介するのは、その家庭用版トイだ。
遊ぶためにはパソコンが必要。データはDVD-ROMに格納、パソコンとの接続はUSBケーブルを通じて行なう……とまるでパソコンの周辺機器のようなスペックを持ったこのアイテム、くわしくレポートしていこう。
■ 250分以上のボイス、200本以上のシナリオ収録
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電話機本体。ハートマークに彩られた女の子好きするデザインだ |
「リカちゃん テレビでんわ」の最大の特徴は、音声認識機能により、実際にリカちゃんと会話できる点にある。ファンシーなデザインがあしらわれた本体の電話の受話器に話しかけると、リカちゃんがあらかじめ登録した名前を呼んで会話をしてくれるのだ。
付属のDVD-ROMには、会話はトータルで250分以上、シナリオにして200本以上とバリエーション豊かなリカちゃんボイスがたっぷりと収録されている。会話は、時間や展開に応じて変化し、特定の日のみ発生する季節の会話や連続性のある会話など、リカちゃんと話をするのが楽しみになる仕掛けがたくさん施されている。
実際の手順はこうだ。まず最初に付属のDVD-ROMをパソコンにフルインストールする。このときに注意しないといけないのが、パソコンのハードディスクの空き容量。音声データだけで250分以上も入っているので、インストールには1,5GB以上を必要とするのだ。
インストールが完了したら、ソフトのチュートリアルに従って、「はじめの設定」を行なう。まず最初は名前の設定だ。ひらがな6文字で名前を入力する。入力を終えたら、発音を聞く。発音に違和感がある場合は、発音を変更することもできる。
筆者はここで大変驚いた。「シュ・ウ・チャ・ン」とあくまで機械的な発音を想定していたのだが、実際は「しゅうちゃん」とごく普通の女の子のスムースな発音だったからだ。「リカちゃん テレビでんわ」恐るべしである。これなら小さな女の子も、リカちゃんに自分の名前を呼んでもらえることが、うれしく感じられるに違いない。
次に誕生日を入力する。さらに家族やお友だちの誕生日も入力する。日付の設定は、Windows XPの内蔵時計を使用する。
最後にマイクの音量と音声の認識を行なう。USB接続した電話機から受話器を持ち上げ、指定されたいくつかの言葉を実際に発声する。パソコンにマイク機能がない場合は、言葉による音声認識ではなく、電話機の1、2ボタンを押すことで会話をする。このフォローは素晴らしいと感じた。
残念ながら筆者のパソコンにはマイク機能がついておらず、ボタンを押すことでの会話となった。
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チュートリアルはリカちゃんのママが担当。まず最初にプレーヤーの名前を入れる |
入力した名前をテスト発音してもらう。「何か違う」と感じたらイントネーションを調整できる |
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プレーヤーの誕生日を入力する。誕生日には、リカちゃんから特別の電話がかかってくる |
パソコン側の都合で音声を認識しない場合は、ボタンの押し分けによって会話をする |
■ 特別メッセージやミニゲームもある
リカちゃんに電話をするには、本体から伸びるUSBケーブルをパソコンに接続する。するとソフトが自動的に起動し、会話を始められるようになる。リカちゃんに電話をするには、リカちゃんへの直通ダイヤル「12345」をプッシュする。すると、画面中にリカちゃんが現われ、受話器を取って会話を始めてくれるのだ。
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リカちゃんへの電話番号は「12345」。かけるとすぐにつながる |
電話に応答してくれるリカちゃん。いつもニコニコ笑顔だ |
このようにときどき質問を投げかけてくる。これに音声で答えるのだ |
リカちゃんとの会話はこんな感じだ。
「しゅうちゃん、お電話ありがとう。しゅうちゃん、元気かな? リカ、しゅうちゃんとお話しするの大好き。だけど、目が疲れたら少しお休みしてね」
会話の途中で、リカちゃんから返答を求められることも多い。
この場合は「1ひとりで」、「2パパやママと」のどちらかのボタンを押す。すると、それに応じたリアクションが返ってくるのだ。「1ひとりで」を選んだら、「リカとお話するのは簡単だから大丈夫だよね。でもわからないことがあったらパパやママに相談してね」と返ってきた。
前述の通り、会話のバリエーションは豊かだ。
「リカの夢はデザイナー。ママに教えてもらって、お洋服を作っているの」
「こねこをひろってきちゃったの。うちにはプリンちゃんがいるし……。でもリカもママもこねこが大好きだから、ママに相談してみるね。相談に乗ってくれてありがとう」
「いまミキちゃんとマキちゃんとヨガをしていたの。ママが習っていて、真似していたの。綺麗になるから、しゅうちゃんもよかったらこんどやってみてね」
「パパはアルバム作りに夢中なの。パパはリカたちを撮らせたら世界一って、ママが言っていたの」
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リカちゃんのファッションや繊細な表情など、グラフィックス面に優れている |
リカちゃんがママとフードマーケットに買い物に行ったときの話をしてくれている場面 |
リカちゃんがお友だちのスイーツちゃんの話を聞かせてくれている場面 |
こんなふうにしてリカちゃんは自分のことを語り、ときにはこちらの意見を聞いてくる。これだけやさしく親身になって語ってくれるリカちゃん、小さな子どもなら首ったけだろう。
ときどきリカちゃんから電話がかかってくることもある。会話自体には特別なものはないが、リカちゃんが自分に電話をかけてくれたと思うと、それだけで幸せな気分になる子どもたちも多いだろう。
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リカちゃんから電話が来ると、電話機が「ジリリリリリリン」と鳴る |
夜に電話をかけると寝巻きに着替えている。細かな演出に感心させられる |
誕生日には、リカちゃんから祝福のメッセージが贈られる。「今日はしゅうちゃんのお誕生日だね、おめでとう。いつもいつもリカとお話してくれて本当にありがとう……」と、気持ちが温かくなるようなメッセージはまだまだ続くのだが、以下はぜひともご自身の耳で確かめていただきたい。
ミニゲームもある。「おりょうりゲーム」、「おうたゲーム」、「きせかえゲーム」と3種類あるうち、筆者は「きせかえゲーム」を体験することができた。リカちゃんが3種類の洋服に着替えてくるので、その中でいちばんよいと思うものを選ぶと、それ以降、リカちゃんはその洋服を着て登場するようになる、というものだ。いかにも女の子が好みそうな遊びだ。
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きせかえゲーム。リカちゃんが着替えてくる服をよく見て、似合っていると思えば「これ」と答える |
ひと通り遊んだ感想は、“強い愛情”を感じた。その愛は、電話をかけておしゃべりをするという遊びや、丁寧に描きこまれたグラフィックス、200本以上のシナリオというボリュームなど、あらゆるところから伝わってくる。これは作り手のリカちゃんへの愛であり、このトイで遊んでくれる小さな女の子たちへの愛である。こういう優れたトイにはなかなかめぐり会えるものではない。
(C)1967 2007 TOMY (C)デジターボ
□タカラトミーのホームページ
http://www.takaratomy.co.jp/
□「リカちゃん テレビでんわ」のホームページ
http://www.takaratomy.co.jp/products/licca-denwa/
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(2007年5月17日)
[Reported by 元宮秀介]
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