|
会場:有明コロシアム
■ 大行列御礼の即売コーナーに、「RO II」体験コーナーなど内容盛りだくさんのRJC2007
今年で4回目を迎えるRJCだが、年々規模を拡大し、今年は会場もディファ有明から、その隣にある有明コロシアムに変更。昨年が3,000人規模で、1万席のコロシアムの客席を埋めるまでには至らなかったが、来場者数は5,000人(公式の速報値)を数え、堅調ぶりを見せつけてくれた。言うまでもなく、オンラインゲーム単体のイベントとしては、4年目4回目にして今なお日本最大規模だ。 その人気の秘密は、「ラグナロクオンライン」のユーザー数の多さ、GvGの人気の高さもさることながら、当日限定イベントの内容の充実ぶりにある。一番人気は即売コーナーで、今年も昨年以上の長い長い行列ができた。お目当ては、「RJC2007記念アイテムカード」や「RJC2007メモリアルパッケージ」など定番の記念グッズで、今年はさらに「ラグナロクオンライン福袋」や、ポリンを模した栗きんとん「ぽりきんとん」といったオリジナルグッズも販売され午前中でほぼ完売の人気ぶりだった。 中でも「RJC2007記念アイテムカード」は、1枚300円で67種類のアイテムの中から1つがランダムで封入されているというアイテムチケットだが、100枚入りケースが飛ぶように売れ、たちまち5万枚が完売した。また、協賛メーカーのWebMoneyは、3,000円分のWebMoneyを2,000円、500円分のWebMoneyを400円という出血覚悟のたたき売りを行ない、こちらもまた午前中で完売という人気ぶりだった。 こうしたことからイベントの午前中は、メインステージのイベントそっちのけで来場者が行列を作る姿、あるいは買った側から地べたに座り込み、戦利品を確認する姿などが至る所で見られ、RJCの風物詩といった感がある。主催者側のガンホーも、そうしたユーザー側の事情を見越してメインイベントであるRJC2007決勝トーナメントは午後にずらし、買い物してからゆっくり観戦できるようになっている。午前は買い物、午後はRJC観戦というのが、一般的な来場者の楽しみ方と言えそうだ。 その一方で、同人誌即売会「らぐへす3」やコスプレーヤーが集まり記念撮影を楽しむ「コスプレ広場」、コスプレーヤーやイラストコンテストといったユーザー参加型のイベントにも広いスペースを提供しており、ユーザーコミュニティと直結した様々な施策によって大きな成功を収めたメーカーとして、初志貫徹しているところは大きく評価できるところだろう。 なお、目新しい要素としては、今年リリース予定のシリーズ最新作「ラグナロクオンライン II」と、6月4日よりジー・モードより提供開始される「ラグナロクオンライン GAMES」の体験コーナーが用意されていたことだろうか。カンファレンス等でも、3タイトルを並列に並べるなど、「ラグナロク」フランチャイズを強調し、積極的に「ラグナロク」ファンにアピールしていた。
ちなみに「ラグナロクオンライン II」の体験コーナーは、完全当日予約制となっており、体験できたのはごく一部のユーザーに留まっていたのが残念だった。出展されていたのは日本語版だったが、共同制作しているというローカライズはまだ不十分で、クライアントも重く、仕上がりはいまひとつだった。韓国では現在クローズドβ3が実施されているが、今回出展されたのはクローズドβ2相当の内容だったのも気になった。「ラグナロクオンライン II」の日本展開はまだ始まったばかりといった印象である。
■ 常勝軍団Cafeteria不在のRJC2007決勝トーナメント。栄冠は「Ruf Prism」の手に
RJC2007決勝トーナメントは、1チームが欠場し、全7チームで優勝が競われた。大会ルールそのものは、昨年とあまり変化していなかったが、2006年3月に実装されたリヒタルゼンアップデートと、2006年7月に実装されたノーグハルトアップデートによって、上位2次職のスキルが開放された影響で、戦術に大きな違いが出ていた。ちなみに、選択可能な職業は全2次職、全上位2次職およびスーパーノービスが使用可能というルールであるため、忍者とガンスリンガー、テコンキッドは使用不可、拳聖やソウルリンカーは使用可となる。 さて、今大会は、2連覇を達成したLOKIサーバーのCafeteriaが予選敗退するという波乱があり、どのギルドが初優勝を果たすかに注目が集まった。予選を勝ち抜いたギルドの出身サーバーは、IRISサーバーが3チーム、IDUNサーバーが2チーム、LOKIサーバーが2チーム、CHAOSサーバーが1チームと、明らかな偏りが出ていることがわかる。やはりGvGが活発なサーバーで、日頃からチームワークを鍛える環境にあるギルドが強いという傾向があるようだ。 決勝戦に勝ち進んだのは、IRISサーバーのRuf PrismとLOKIサーバーのSTAR DUSTの両チーム。2本先取マッチで行なわれた決勝戦では、1本目を先取されたRuf Prismが、残りの2戦を連取し、見事に優勝を決めた。共に速攻を得意とする戦法で戦ってきただけに、昨年のCafeteriaのような無敵感はなく、僅差での優勝といった印象だった。 今年のセオリーとしては、クイック&チャージを基本とした短期決戦スタイルが目立った。一昨年と昨年、猛威をふるったモンクの阿修羅覇凰拳は、対策が取られてなりを潜め、その一方で一躍メジャーになったのがアサシンクロスとクリエイター。アサシンクロスは、ハイディングからソニックブローやソウルブレイカーに繋げるという暗殺者らしいスタイルで敵陣を攪乱し、クリエイターは伝家の宝刀的なスキルであるアシッドデモンストレーションの連打で、VIT重視型の壁役を一網打尽にしていた。 毎年アップデートによって戦法のトレンドが変わるのはおもしろいのだが、その一方で1回戦から決勝まで似たような戦いが続くのが残念と言えば残念である。RJCでは、ゲームバランスを維持するために、同一系列の職業は1つまでという厳格な縛りがある。防御系、カウンター系のスキルに優れるスペルキャスターがいないと試合にならないため、全7枠のうちプロフェッサー(セージ)、プリースト系、ウィザード系の3枠が埋まり、残る枠は4つとなる。
となると後は必然的に有効なスキルを持つ前衛職で埋まり、結果として似たような職業が集まることになる。各職業のステータスやカードは自由に選べるが、あらゆる状況に対応することを考えると、スケーラビリティの高いキャラクタメイキングが実質大して機能していないように、結局は似たような配分に落ち着くことになる。このジレンマを克服するには、やはり職業の縛りの開放しかないのではないかと思う。見る側としては、毎回展開が異なるような試合が見たいのでぜひ検討してほしい要素だ。
■ 「RO II」の日本サービスは今夏スタート、RWC2007も開催決定!!
まず、「ラグナロクオンライン」については、次期大規模アップデート「Episode 6.0 Beginnings and Upheavals」に関する情報が公開された。「Episode 6.0 Beginnings and Upheavals」では、昨年1年間かけて実装したシュバルツバルド共和国の西側に「アルナベルツ教国」と呼ばれる新たな国家を実装する。首都ラヘルを中心に15の新フィールド、「フレイヤ大神殿」と「氷の洞窟」と名付けられた2つの新ダンジョン、それに伴う、新モンスター、新クエストといった内容になっている。 新ダンジョンとなるフレイヤ大神殿は、ラヘルの隣に位置し、聖域と呼ばれる左右対称の構造をしたダンジョンが眠っている。1階以降は神しか入れず、禁を破って奥に侵入するためにはワールド単位で献金するお祭りクエストを達成する必要があるという。氷の洞窟は、全面氷に包まれたダンジョンで、見るからに氷系の新モンスターが待ちかまえている。ダンジョンの奥には、氷の中に閉じこめられたマジシャンがいたり、一定の条件を満たさないと出現しない氷の洞窟の主「クトルラナックス」がいる。 その他の要素としては新頭装備、そして生体工学研究所3階の微調整などが予定されている。実装時期は7月3日を予定。 「ラグナロクオンライン GAMES」に関しては、メインタイトルとなる「カプラクエスト」の登場キャラクタやPC連動型アイテムの紹介、それから「コモドカジノ」や「ラグナロクオンライン麻雀」、「モンスターバキューン!」、「ラグガチャ」といったミニゲームの概要が紹介された。 気になるPC連動型アイテムについては、プリンセスナイフ、カプラリング、羊帽子、セール掲示板、カプラのヘアバンド、タイガーマスク、カプラの月給明細など、オリジナルアイテムを含めた多彩なカプラ関連アイテムが公開された。これらを入手するためには、「カプラクエスト」だけでなく、さまざまなミニゲームをクリアする必要がありそうだが、アイテムの存在で興味を覚えた「ラグナロクオンライン」ファンも多いのではないだろうか。 「ラグナロクオンライン II」については、ゲームの概要が紹介された。内容的には2005年にGravityが東京ゲームショウで発表したものと変わらないが、ガンホーが同作のまとまった情報を公開するのは今回が初めて。ゲームの概要については、弊誌でも韓国でのインタビューやβテストレポートを通じて繰り返し紹介してきているが、いよいよ始動という感じだ。 ここではガンホー側の運営体制について触れておくと、「ラグナロクオンライン II」は、新しいチームではなく、マーケティング、運営共に「ラグナロクオンライン」チームが兼務する体制を取る。従来のオンラインゲーム運営のように、チームを分けてお互い切磋琢磨しあうのではなく、並列に存在するものとして「ラグナロク」フランチャイズとして共に育てていくという運営体制である。 この運営体制が示すこととしては、「ラグナロクオンライン II」のリリース後も、「ラグナロクオンライン」が占めるウェイトに変化がないというのが1点と、両作がパラレルワールドという設定を活かしたイベント展開がやりやすいことなどが挙げられる。デメリットとしては、同一組織で運営されるため、マイナーアップデートが後回しにされる懸念があることだ。この不安を払拭するためには、実際の運営でそうではないことを証明するしかないだろう。
なお、カンファレンスの最後には、制作担当の廣瀬氏より、「ラグナロクオンライン」の世界大会「RWC(Ragnarok World Championship)2007」の開催が発表された。主催はGravityで、日程は7月21日と22日の2日間。2004年以来3年ぶり2度目の開催となる。RWC用に日本予選を再度行なう予定で、大会ルールについては近日中に公式サイトで発表するということだが、RJCの上位入賞者は一定の優遇措置を取る方針だという。ここはやはり、RJC入賞者が出場権を獲得し、韓国に旅立ってもらいたいものだ。
(c)2007 Gravity Corp. & Lee Myoungjin(studio DTDS). All Rights Reserved.
□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ (2007年4月30日) [Reported by 中村聖司]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|