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会場:ディファ有明
RJC2006は、「ラグナロクオンライン」の中でも人気の高いPvPコンテンツ「GvG(ギルド対ギルド)」をテーマにした大規模オフラインイベント。全国から予選を勝ち抜いた8ギルドが集結し、1日かけてトーナメント方式で優勝を競い合う。会場の入り口付近には、ブロッコリーやコスパ、バンダイネットワークスなどがブースを設け、「ラグナロクオンライン」関連グッズを販売。そのほかにも「アユタヤカレー」、「ポリン綿飴」など各種食べ物を取りそろえた出店も設けるなど、「ラグナロクオンライン」が満喫できるファン感謝イベントである。今年も老若男女を問わず、家族連れを含め、累計で3,000人以上が会場を訪れた。
■ わずか数時間で3万枚が売り切れた「ラグくじ」
今年は、決勝トーナメントの規模が16チームから8チームに縮小され、開催時期も昨年のように夏休み時期でもないことから、多少こじんまりとしたイベントを想像していたが、ふたを開けてみると、昨年を上回る圧倒的な集客ぶりで驚かされた。 朝の開幕前から、会場を取り囲むようにして長い長い行列ができ、開幕前から入場規制が行なわれた。このため、朝から並んだにも関わらず、開幕式すら見られない来場者が数百名単位で生まれてしまう事態となり、さらに昼近くまで列は解消されなかった。閉会式では、ガンホー代表取締役社長 森下一喜氏が、閉会の挨拶と共に今回の運営の不手際について謝罪の意を表明したほどで、ともかく異様な人気といってよかった。 この背景には、RJCがゲームイベントとしてユーザーの間に認知されたこと、他所で競合するイベントがなかったこと、好天に恵まれたことなどが挙げられそうだが、最大の理由は「ラグくじ」にある。ガンホーが3月から公式サイトを通じて販売を始めた「ラグくじ」は、1枚315円で「ラグナロクオンライン」のレアアイテムが抽選で当たるという、同作における実質的なアイテム課金化の施策のひとつにあたる。今回のRJC2006では、「ラグくじ」のRJC2006特別バージョンを販売したのである。 この「RJC2006記念ラグくじ」では、オンライン販売されてる「ラグくじ」とは抽選対象のアイテムをレア度の高いものに入れ替えたことから、アイテム目当てで多くの「ラグナロクオンライン」ファンが集まった。ガンホーでも、今回の物販において「ラグくじ」が売れ筋商品であることは認識しており、特設の販売コーナーを設け、事前に予約券を配るなどして対応したが、3万枚用意した「ラグくじ」は、10時半の販売開始から数時間でまたたくまに売り切れた。 レジを見ている限りでは、上限の100枚(31,500円)単位で購入するユーザーがもっとも多かった。販売元のブロッコリーでも100枚入りパックを用意しており、かつて一世を風靡したトレーディングカードや食玩の箱買いのような光景が現出されていた。
今回のRJCで驚いたのは、なんといってもこの「ラグくじ」の飛ぶような売れ行きである。「ラグナロクオンライン」の実質的なアイテム課金化を印象づけると同時に、アイテム課金時代におけるオンラインゲームのオフラインイベントとはどうあるべきか。ということを、そろそろ真剣に検討しなければならない時期が来ているのではないかという気がした。
■ RJC2006決勝トーナメントは「Cafeteria」が見事2連覇を達成
中でも大いに盛り上がったのが、新しく日本AMDの社長に就任して以来、積極的にゲームイベントに協賛し、かつなぜかファミリー全員で訪れ、そして常に派手なパフォーマンスでゲームファンの心を鷲掴みにするDavid Uze氏の(正確には日本AMDの)イベントである。今回もマイクを握るやいなや、来場者と一緒に「AMDは楽しいパソコンの頭脳でーす」と叫び、じゃんけん大会では「さいしょはグー」から始め、まだ開催も決定していない来年のRJCの来場者数を「今年の3倍にしましょう」と来場者に呼びかけた。 ちなみに、じゃんけん大会の優勝者には、AMDのAthlon64が搭載されたツクモ製のハイスペックPCをポンとプレゼント。David Uze氏の狙いは、ゲームコミュニティに対する直接的なアピールによる、草の根レベルの地道なAMDブランドの普及促進にあるが、ついつい他人に喋りたくなるインパクト抜群のキャラクタ性と、大会用PCを全台AMDに切り替え、特別協賛に名乗りを挙げる実行力はもの凄い。あくまで日本語でのコミュニケーションにこだわるところ、必ず自分の子供をイベントに参加させ反応を見るところなども好印象。日本にはなかなかいないタイプの経営者である。 メインイベントであるRJC決勝トーナメントのほうは、8ギルドのうち2ギルドが欠場し、6ギルドで優勝が争われた。前回に比べると、出場ギルド数そのものが10近く減少しているが、前回決勝戦を競ったCafeteriaとPenrirの2ギルドが共に決勝トーナメントに駒を進めており、予選でも例年を上回る熱い戦いが繰り広げられるなど、クオリティの高い試合が期待された。 今年の大会ルールのポイントとしては、ついに1次職が使用禁止となり、2次職以上に限定されたことと、上位2次職を中心に追加された新スキルの開放など、全体的に仕様の底上げが行なわれている。同作では、定期的に新職業、新スキルが実装されており、それにより新たな戦術、プレイスタイルが生まれ続けているため、毎年違った戦いが展開される。対応するギルドは大変だと思わされるが、見る方にとっては新鮮味があり、見所でもある。
決勝戦は、本大会のダークホース的存在であるIDUNサーバーの「蒼天の光」と、前回RJC2005の覇者であり、優勝候補筆頭のLOKIサーバーの「Cafeteria」で争われた。決勝戦のみ2ポイント先取の3本勝負となるが、アルケミストのアシッドデモンストレーションを投入するギルドが過半数を占める中、新スキルということであえて使用しなかった「Cafeteria」が、あっさり2本連続で取って優勝を決めた。昨年は、1本先取されてからの逆転勝利を決めた「Cafeteria」だが、今年は盤石の体勢で試合を優位に進め、王者の風格を漂わせていた。来年のRJCでは、打倒「Cafeteria」が全ギルドの目標となりそうだ。
■ 「RO」の次期アップデートは7月実装予定
次期アップデートの主なコンテンツは、シュバルツバルド共和国の北方地域の拡張、3つの新職業の追加、ホムンクルスの亜種と進化機能の追加、新クエストの追加などとなっている。実装時期は7月に一度に盛り込む予定だという。 まずエリア拡張では、ジュノーの北東に位置するシュバルツバルド共和国の北方エリアが新たに拡充される。最北端にタナトスタワーと呼ばれる不気味な塔があり、東にはシュバルツバルド唯一の湖「アビスレイク」が広がる。今回追加されるフィールドはノーグハルト地域と呼ばれ、この次のアップデートの中心地帯となるようだ。 タナトスタワーは、いわゆる上に伸びていくダンジョンとなっており、12層のエリアで構成されている。高レベルの上級者を対象としており、奥はパーティーでなければきついという難易度になっているという。この塔もまた最近の同作トレンドとなっているクエストと絡めており、塔の内部にはレッケンベル社やジョンダイベント社から派遣されたNPCが配置されている。 3つの新職業は、韓国の国技であるテコンドーを扱うテコンキッドと、2次職としてテコンキッドから派生する拳聖とソウルリンカーの上位職2つ。テコンキッドは、テコンドーらしく、蹴り技を得意とし、足に力を溜めて塀や壁などの障害物を飛び越えたりもできるというユニークな設定になっている。蹴り技が主体となるため、武器は一切装備できず、防具も基本的にノービスレベルまでとなる。 上位職となる拳聖とソウルリンカーは、レベル40でテコンキッドから転職可能で、拳聖は攻撃バリアを張って、移動しながら敵にダメージを与えるという特殊な職業、ソウルリンカーは、特定の職業のスキル効果をアップさせる技能を数多く揃えた支援系の職業となっている。廣瀬氏は、「おまけショット」と称して、韓国サーバーの様子を紹介し、新職業のテスト中に、新職業の忍者に偶然遭遇したことを報告。その次もまた新職業が実装されることになりそうだ。 ホムンクルス関連では、現在実装されているリーフ、アミストル、フィーリル、バニルミルトの4種に加えて、“亜種”がそれぞれ追加される。さらに、現状が幼体だとすると、その成体となる進化系も追加される。進化するためには、ホムンクルスの親密度が「きわめて親しい」状態で、なおかつ賢者の石を持っていること。ホムンクルスが進化を遂げると、グラフィックスが変化するだけでなく、HPとMPの最大値やステータスが向上し、奥義スキルが修得可能になる。ただ、現在、賢者の石の入手難易度は非常に高いため、実装後もかなりレアな存在となりそうだ。 クエスト関連では、「魔剣」クエスト、「モロクの子供失踪事件」クエストなど複数のクエストが実装される。中でも料理クエストは、レベルにかかわらず挑戦でき、料理のレシピを学ぶことができる。料理はいわゆる食べ物だが、ステータスを最大10アップさせる効果があり、今後、冒険やPvPで必須の食べ物となりそうだ。 なお、次期アップデート計画発表のあとに、宣伝担当の飯野平氏が登壇し、2つの発表を行なった。ひとつは「ラグナロクオンライン」の登録者数が150万IDを突破したこと。もうひとつは「ラグナロクオンライン」のイメージソングを7月に発売する計画である。イメージソングは、エイベックスに所属する若手アーティストのAAA(トリプルエー)が担当し、「ラグナロクオンライン」らしいエッセンスを盛り込んだ2曲を収録する。パッケージにはアイテムチケットも同梱。ガンホーが関連製品にアイテムチケットを同梱するのはもはや定番になりつつある印象だ。
発表によれば、150万IDはアトラクションIDとお試しIDを合わせた数字。正式な数としては150万996IDとしており、お試しIDとアトラクションIDで二重カウントはしていないという。ガンホーでは、150万IDの達成を記念し、後日、経験値1.5倍キャンペーンやクエスト案募集などのキャンペーンを実施する。詳細については追って発表するとのことなので楽しみにしたい。
□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ (2006年5月22日) [Reported by 中村聖司]
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