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「アトルガンの秘宝」時代に一変した冒険者の日常。最も大きな変化は「冒険者」ではなく「傭兵」になったことだろう。傭兵としての活動の最たるものがアサルト作戦だ。アサルトは作戦任務を受けて、短時間に完了できる作戦に挑むというカジュアルなコンテンツである。作戦の種類も豊富で、クリア済みのお気に入りの作戦に継続的に挑むもよし、未体験の作戦に次々と挑んでいくもよしと自由度も高い。 そのアサルトには、傭兵ランクを示す「傭兵階級」を上げる昇進試験がある。試験というと堅いイメージがあるが、傭兵派遣会社サラヒム・センチネルにおける試験は、同じ傭兵の悩みやなんらかのトラブルが発端になっているものが多い。サラヒム・センチネルの日常が垣間見れるコミカルなミッションとも言える。そこから秀逸なシーンをピックアップしつつ、試験のポイントを紹介していこう。
また、後半ではアサルト作戦の中からオススメの作戦をピックアップしてみた。今回紹介するのは戦闘系の作戦から「謝鱗祭襲撃作戦」、非戦闘系で少人数が可能な「黒羊買付作戦」。アサルト作戦は、人数や可能ジョブ、非戦闘系、戦闘系など、状況によって適した作戦を選べるようになっている。その他のアサルトも代表的な作戦を戦闘系、非戦闘系におおまかに分類してみた。
サラヒム・センチネルに関連するイベントや物語は、これまでのFFXIにはなかった“会社”や“仕事”というジャンルになる。世の中には仕事の世界を題材にしたコミックが多々あり、仕事に生きる人間ドラマも親しまれているが、そうした魅力に近いところもあるだろう。だが、サラヒム・センチネルのストーリーは、決してビジネスライクではなく、「FFXI」の世界観を保った範囲でのコミカルテイストだ。その中心となる人物、社長であるナジャ・サラヒムと人事担当のアブクーバを簡単に紹介しよう。
・ナジャ社長
こうして書き表すと嫌な人物でしかないように思うのだが、仕事には厳格で実直なものの温かみも持っている。後輩の面倒をみる大切さを教えたり、アブクーバや社員の失態を厳しく叱りながらも最後には前向きな裁定をくだしたり。厳しいだけではない面倒みのよさがある。いくら厳しくわがままにされてもアブクーバがナジャ社長についていく気持ちがわからなくもない。
幽霊話を怖がったり、スイーツが好きだったりと、女性らしい一面を見せることもある。ただし、アトルガン皇国で噂の流れる“冥路の騎士”を怖がっていたことに関しては、後に、「この世にいることがわかれば、そこいらの化け物と変わらない感じがしてきたよ」というセリフも見られた。愛用のトゲトゲで殴れるものなら怖くないのかもしれない。
彼はサラヒム・センチネルにいつもいて、会社や社長のこと、勤務評価などをガイドしてくれる。だが、その会話での彼は大変にけだるそうだ。そのため、サラヒム・センチネルの仕事やナジャ社長の横暴に嫌気があるのかな、とも思えてしまう。だが、ナジャ社長がファッション指南をするシーンをはじめ、随所でナジャ社長や仕事が好きなんだなと感じさせるシーンもある。
ナジャ社長のことを恐れてもいるものの基本的には好きな彼。だが、本人の目が届かないところでは気を抜いているのだろう。いつナジャ社長に呼びつけられるか分からない、緊張感の耐えない環境にいつも置かれていることを考えると納得もいく。
傭兵階級「特務曹長」への昇進試験より。あくる日サラヒム・センチネルを訪れると、人事担当のアブクーバの様子がおかしい。「ハァ~……。」と深いため息をついている。どうやら日課としている社長のトゲトゲの手入れをしようとしたとき、落っことしてしまったらしい。そのときに、何か重要な問題に気がついたようだ。 責任をとって会社を辞めようと思うと言い出す始末。このとき、冒険者は彼にかける言葉を選べる。その選択肢から、仕事は他にもあるという内容を選ぶと、「ううっ……いい会社だったなぁ。本当は辞めたくないんです……。」という彼の本音が聞ける。冒険者の立場から見ると、どのあたりがいいのかは少し疑問ではあるが、彼にとって大切な会社であることがわかる。 問題解決に乗り出す2人。もちろんナジャ社長には内緒だ。この昇進試験では(試験という形式ではまったくないが)、ナジャ社長のトゲトゲに起こったある問題を解決するべく、ある材料を探すことになる。それ自体は、難しい内容ではないが、普段はあまり足を運ぶ機会のない場所に行くことにはなるので、インビジやスニークなどの魔法や効果のあるアイテムを用意し、慎重に行動するのがオススメだ。
このクエストの終わりには、ナジャ社長の勘の鋭さ、そして器の大きさが見られる。曲がったことの嫌いな彼女が最も怒ることとはなんだろうか。アブクーバの運命やいかに。
サラヒム・センチネルにはたくさんの傭兵がいる。その中には、うまく公務ができず伸び悩むものも多いようだ。この曹長への昇進試験では、「窓際3人組」という情けない俗称をつけられている“三等傭兵”を鍛え上げる。冒険者が傭兵になったばかりのときは二等傭兵という階級だったのだが、彼らはその下の「三等傭兵」。あまりに伸び悩む彼らに特別に用意した不名誉な階級なのだそうだ。 冒険者は教官として、3人組を鍛え上げる。メニューは腕立て伏せ、腹筋、ランニングだ。どれもミニゲーム形式になっていて、腕立て伏せでは回数をごまかしている者がいないかを指摘する。これは冷静に数を数えられれば大丈夫だ。腹筋ではタイミングをみて笛で合図をする。これに関してはアブクーバの腹筋で練習ができる。タイミングが悪いと、笛の音が弱々しくなるので練習でタイミングをつかもう。本番では3人が同時に腹筋をする。焦らずに全員が腹筋をし終えて元の体勢に戻るのを確認しよう。最後はランニング。走るスピードが遅れている者に檄を飛ばそう。
このクエストのポイントはなんといってもトレーニングのミニゲーム。失敗するとヴァナ・ディール内の翌日になってから再チャレンジすることになる。コツを掴みづらいので、しっかり練習した上で臨むことをオススメしたいが、こうしたちょっと変わったアサルト作戦などもありでは? と思う。
軍曹への昇進試験はコミカルでありつつも、感動的な話が楽しめる。ある日サラヒム・センチネルを訪れたリリルンという名前のキキルン。リリルンはこのあたりを訪れたのは久しぶりのようで、サラヒム・センチネルを蛇の目探偵社という探偵会社と勘違いしているようだ。どうやらリリルンは人を探しているようだが……。 傭兵会社サラヒム・センチネルに舞い込んだ探偵業務。最初は自分の会社を知らないこの依頼者にいらだつナジャ社長だが、謝礼は羊車にどっさり持ってくるという一言で、がらっと態度を変える。ここは傭兵会社であることを丁寧に説明しようとするアブクーバの口を封じ、即興で蛇の目探偵社モットーを説明させる。驚きなのはアブクーバのアドリブのうまさだ。「迅速解決、安心価格ッ! もちろん個人情報絶対守秘でありますッ!」とすらすらと話す。日頃からナジャ社長の応対をしている成果だろうか。
このクエストは成り行きから、数々の事件を解決した名探偵となって人探しをするという一風変わった内容だ。探偵というだけに、主に聞き込みをすることになる。途中には話す代わりに「甘いもの」を要求する人物もいるかもしれない。ミルクと卵を使った甘いお菓子を用意しておくといいだろう。駆け出しの身から財をなした調香師リリルンが探す人とは。慣れない聞き込みを続けた先には、少しだけもの悲しい物語が待っている。
これは傭兵長に昇進するための試験だ。傭兵長という響きからして、下級の傭兵の上に立ち、まとめる立場を暗示しているようだが、クエストの内容もそれに沿った内容になっている。キーになる人物はファルズンという名前の2等傭兵。彼は冒険者と同じ日に傭兵になったという。いわば冒険者の同期の桜といったところだ。だが、勤務評価はまったく上がらないという。 アブクーバが彼に話をしたところ、もはやまったく自信がないそうで、ナジャ社長のトゲトゲが怖い、机を叩く音も怖い、見つめられるだけでも怖いと語るあり様。今ではサラヒム・センチネル内の曲がり角すら曲がれないらしい。自信を失い、恐れが湧き上がるということもまた、よくある話だ。 そんな彼に、ナジャ社長から錬金術ギルドでの仕事が与えられたという。彼について話し終えたアブクーバは、こっそりナイショで彼を手伝ってあげてくれないか、と冒険者に持ちかける。さすがは人事担当といったところだろうか。アブクーバの心配りもなかなかに侮れない。
このクエストでは、サラヒム・センチネルの階級章に仕込まれているクオーツ発信機を製造する材料「霊晶水」をアトルガンエリア各地にある霊晶泉から組んでくることになる。ぶっちゃけてしまうとファルズンには任せられないことばかりなので、そのほとんどは冒険者が行なう。仕事を終えナジャ社長に報告するが、彼女はとても察しがよく冒険者が手伝ったことをすでに知っている……。この事に対し、ナジャ社長が下す判断とは。それは仕事において、とても重要なことのひとつだ。
「アトルガンの秘宝」がスタートして以来、アサルト作戦もこの1年で種類が豊富になった。傭兵階級は二等傭兵から始まり、一等、上等、傭兵長、伍長、軍曹、曹長、特務曹長と、現在8階級。最近追加されたナイズル島は特殊なので外すとして、作戦地域は5箇所。合計の作戦数は40もある。 ここではこの40もの作戦の中から、特に筆者が面白いと感じている「謝鱗祭襲撃作戦」と、「黒羊買付作戦」を紹介しよう。「謝鱗祭襲撃作戦」は数百体という大量の敵をひたすらノンストップになぎ倒すという、他ではなかなかできない体験を楽しめる作戦。爽快感も抜群でとっつきもいい。 この「謝鱗祭襲撃作戦」は、2006年に開催された東京ゲームショーの「FF XI」ブースで楽しめた特別アサルト「雲霞の如し」をベースにしていると思われる。そのときの模様は、TGS特別号で紹介しているが、「雲霞の如し」をさらにパワーアップさせて、ゲーム内に登場させたということだろう。魅力的な特別アサルトだっただけに実際に登場したことは嬉しい限りだ。 「黒羊買付作戦」は戦闘が一切なく、レベルやジョブをまったく問わない作戦。採掘と採集のシステムがうまく使われていて、キキルンと手に入れた品をやりとりし黒羊を獲得する。かなり凝った作戦で、あらかじめ把握しておくべき要素が多いために事前の説明が苦労するという面がある。そのため、シャウトなどの参加者募集では経験者のみを募る声が多い。本稿を読むだけでは決して経験者にはなれないものの、事前知識を得ることで参加の機会が生まれれば幸いだ。 ● 「謝鱗祭襲撃作戦」……想像を絶する大軍をなぎ倒す爽快な作戦
傭兵階級:曹長 作戦目標:会場の敵の殲滅 募集要員:レベル70以上 3~6人 作戦戦績:2,000+ボーナスあり
このアサルトは、尋常ではない数の敵をひたすらになぎ倒すという爽快感がノンストップで味わえる作戦だ。作戦が開始され広場に進むと、「敵、第一陣、接近中……」と表示され、ほどなくして、マムージャやプーク、ブガードなどの大群が襲い掛かってくる。その光景は、初体験だと慌てふためくほど。大量の敵を一度に相手するので、範囲攻撃が有効だ。例えば片手剣ならサークルブレードなどのWSになる。魔法では範囲の物理系青魔法が特に効率がいい。 敵のHPは500ほどもなく、それでいてこちらの攻撃は大きいダメージが与えられる。サークルブレードで300~500、青魔法ではフライパンやボディプレスなどの高レベルな魔法ではやはり300~500ほど、グランドスラムやバトルダンスなどの中レベル帯の魔法でも200~300ほどのダメージを与えられる。多少のばらつきは見られたが、ともあれ特別仕様の大きなダメージを与えられるようになっているようだ。ちなみに魔物のララバイやスリプガ、青魔法のサペリフィックなど眠らせるタイプの魔法も効果がある。
こちらが喰らうダメージは、小さくなっている。通常攻撃などで10や20といった程度、トルネドなどの古代魔法を使ってくる魔法タイプのマムージャもいるが、100程度のダメージで済んでいた。ただし、マムージャに限り、少し強めになっている。50~100程度のダメージを与えてくるし、HPも少し他と比べて高い。
混戦の中で見落としがちになるが、戦闘中にはいくつもの回復アイテムが手に入る。ポーション類、エーテル類、さらにエリクサーやダイダロスウィングなど様々だ。いずれもテンポラリアイテムで、敵を一定量倒していると自動的に持ち物に入れられる。 謝鱗祭の襲撃は第1陣の200体を撃破したところで、ひとまずの区切りがつき作戦達成となる。この時点でクリアしてもいいのだが、作戦には獲得戦績をアップできる続きがある。エリアの北奥にはなんとNPCの捕虜がいるのだ。捕虜はPot Hatchに閉じ込められており、テンポラリアイテムの「蛮都の黒鱗のカギ」を入手できれば救出できる。この鍵を手に入れるには、第1陣でマムージャを積極的に倒す必要があるようだ。捕虜を救出すると、さらなる大群が押し寄せてくる……。 このアサルトの醍醐味はとにかく常識破りのとてつもない数の敵との混戦にある。普段ではありえないような数の敵が次々と接近し、レベル上げのシーンではあまり使わない範囲属性のWSや魔法を駆使して、一気になぎ倒していく。爽快感と高揚感の高さはアサルト作戦でも随一だろう。
落ち武者追撃戦:レベロス風穴 上等傭兵
傭兵階級:伍長 作戦目標:1頭以上の黒羊の買付 募集要員:レベル60以上 3~6人 作戦戦績:1,000+ボーナスあり
鉱石が見つかったならば、Qiqirn Mine Baronにもう一度話しかけよう。銅鉱は青銅貨1枚、銀鉱は白銀貨1枚、金鉱ならば黄金貨1枚と交換してもらえる。運よく金鉱が見つかり黄金貨を手に入れたならば、Qiqirn Shepherdに話しかけよう。黄金貨を渡すことでキキルンがついてくるので、そのまま黒羊のいるマップの端の小部屋に向かおう。すると、途中に氷の柱が道をふさいでいるところがある。それに近づくと、Qiqirn Shepherdが爆弾を仕掛けて、氷を除去してくれる。その道の先に羊がいるので、それを調べると、無事に羊獲得、というわけだ。 気をつけなければならないのは、Qiqirn Shepherdが爆弾をセットしても1度では氷が消えないときがあること。そして、Qiqirn Shepherdがたまに甘い食べ物を欲しがりだして、爆弾をセットしなくなることだ。このために、最初に得た草刈鎌でHarvesting Pointから採集を行ない、野菜類を手に入れる必要がある。手に入れた野菜類は、草刈鎌をくれたQiqirn Greengrocerに渡すと、パママやデーツといったキキルン好物の甘い食べ物と交換してもらえる。採掘を先にするか、採集を先にするかは各々の判断で構わない。貨幣を払ってQiqirn Shepherdを連れて行くときには、食べ物を入手しておくのが無難だ。 採掘の結果、銅鉱や銀鉱が手に入り、青銅貨や白銀貨が手に入ることもある。これらは、Qiqirn Dealerとダイスのギャンブルをする貨幣だ。白銀貨なら1枚で、青銅貨なら5枚で勝負ができる。この青銅貨5枚というのは、パーティ全体でQiqirn Dealerに預けておくことができる。それが5枚貯まったら勝負できるというわけだ。勝負はシンプル。会話を進めることで自動的にダイスが振られ、合計が1,000に近いほうが勝ち。1,000を超えると負けとなる。この勝負に勝つと、黄金貨がもらえ、黒羊を買い付けできる。 少々難解だが、エリア内には敵もいなく、ジョブやレベルを問わない。それでいて面白い作戦でもある。作戦の制限時間は15分と短い。黒羊を獲得するとクリア可能になるが、継続して黒羊を獲得し続けるともらえる作戦戦績の量が増える。運要素が大半を占めるものの、気軽に楽しめる人気の高い作戦だ。
オリハルコン鉱脈調査:ルジャワン霊窟 一等傭兵
今回のようにまとめてみても、サラヒム・センチネル、そして会社と契約している傭兵というポジションは随分と斬新だ。少々本来のファンタジー色から離れ、現実味が強い感もあるが、一味違う魅力がそこにはある。仕事というジャンルならではの人情話や奇抜な依頼、横暴なナジャ社長と情けないアブクーバの組み合わせ、伊達に社長ではないなと思わせるナジャ社長の采配など。サラヒム・センチネルという舞台ならでの見所は多い。ある種、ライトなミッション展開のような要素が感じられる。 傭兵階級の数だけ、昇格試験があり、その数だけストーリーがあった。それに伴いアサルト作戦も追加されてきたわけで、すでに40にもなった。アサルトといえば、獲得した作戦戦績をアイテムと交換してもらえることがひとつの魅力。だが、最近はそれだけでなく、不確定アイテムの当たり品に、独自の魅力的なアイテムが出ることが判明してきているようだ。それがまた新しい魅力になりつつある。敷居の低い、特殊装備獲得の機会という側面もあるだろう。アサルトには様々な要素が組み込まれているのがわかる。 今回はこれまでに紹介していない作戦から、「謝鱗祭襲撃作戦」と「黒羊買付作戦」をピックアップした。特に「謝鱗祭襲撃作戦」は他に類のない激しい戦闘が楽しめる面白い作戦。ワイワイと楽しむのにとても適していると感じた。ぜひとも挑んでみて欲しい。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2007年4月26日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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