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【連載第250回】 あの、おもちゃを徹底レポート




前進もできる小型電動ヘリコプター
TAIYO「マイクロマスターHG」

「マイクロマスターHG」
発売 タイヨー
価格 9,429円
電源 ACアダプター(内蔵)、006-PV電池×1(別売)
発売日 発売中



パッケージ。操作の周波数は4種類が用意されているので、同じ空間で4体を同時に飛ばすことが可能だ
 “飛行モノ”のラジコンは、大人になっても忘れることのできない童心をいたく刺激してくれる。当連載では、「小型」、「低価格」、「初心者向けの設計」をキーワードに、これまでさまざまな“飛行モノ”のラジコンを取り上げてきた。

 昨年の9月21日号でレポートしたシー・シー・ピーの「赤外線ヘリコプター ハニービー」は大ヒットを記録し、一般週刊誌でも記事にされるほどの盛り上がりを見せている。これから発売される小型電動ヘリコプターは、「ハニービー」のヒットをひとつの指標として、商品開発をしてくるに違いない。

 今回紹介する「マイクロマスターHG」も「ハニービー」を十分に意識した商品であることが伺える。何しろ「ハニービー」には搭載されていない前進飛行を可能にしているからだ。


快適操作と安全性に配慮がなされた設計

 「マイクロマスターHG」は、価格も1万円弱とあってか、本体は大きめ。手のひらに乗せると、プロペラがはみだす。しかしながら、安定化した飛行を図るため、徹底した軽量化がなされている。「ヘリコプターのラジコン」と思い込みながら、手にしてみるとあまりの軽さに拍子抜けするほどだ。

 本体は発泡スチロール製となっており、この素材とスケールを考えれば、十分なディテールが施されている。パッケージから開けて取り出したとき、筆者はつい「格好いいなあ」と口にしてしまった。

 ラジコンとして使用しないときは、リビングルームのテーブルや本棚の上に置いておけば、ちょっとしたインテリアとしても楽しめるはずだ。

「マイクロマスターHG」。真紅のボディが目に鮮やかだ ディテールも施されている。本体が発泡スチロール製であることを考えると十分といえるレベルだ


 「マイクロマスターHG」の特徴は、大きく分けると3つある。

 1つ目の特徴は、前進を加えたその飛行にある。もちろん多少の練習や慣れは必要だが、前進、旋回、上下と室内を自由に飛び回らせることができる。

 2つ目の特徴は、本体に円形のガードリングを設けることで、プロペラの回転圏内をガードし、安全性を一段とアップさせたところにある。飛行中のラジコンが自分やそばにいる人に当たってしまっても、ガードリングのおかげで怪我の心配は少ない、というわけだ。これは嬉しい配慮だ。

 3つ目の特徴は、本体への充電は同梱されたACアダプターで行なうので、経済的にお得だという点。ヘリコプターのラジコンは、とにかく消費電力が高く、ほんの数分で電力を消耗してしまうため、これもありがたく感じられる。

 コントローラ本体は、親切設計。ゲーム機のそれに近い仕様となっており、多くの人が触れただけでその使い方を理解するだろう。右側のレバーは上下に動かすスロットルスティック。上に動かすと、「マイクロマスターHG」本体が上昇し、下に動かすと下降する。左側のレバーは、「マイクロマスターHG」のキモともいえる。本体を左右に旋回させるラダースティックに加え、本体を前進させるフォワードスティックの役割を担うからだ。

 ちなみにフォワードスティックを倒すと、プロペラの根元からマグネット機構が顔を出す。「マイクロマスターHG」は上下に2つのプロペラを持つが、下のプロペラに金具がセットされており、根本からのびたマグネットの力により下のプロペラがかすかに前方に倒れる仕組みとなっている。この「新技術マグネット機構 (同社による)」によって本体を前進させているのだ。

コントローラ。ゲーム機のコントローラに似ているので親しみを感じやすいはず。上下、左右、前進と3chの操作が可能だ コントローラには、006-PV電池を1個入れる、本体への電源供給は、付属のACアダプタを使うので経済的だ


 本体への充電はACアダプターを使用する。本体の底部に用意された充電ポートに、充電器のコネクターを差し込めばよい。その様子を遠くから眺めると、本物のヘリコプターが給油を受けているようで格好いい。

 作業は簡単だが、個人的には充電時間の長さが気になった。約30分~1時間の充電で、飛行時間は約3分。30分~1時間という時間は、のんびりとお茶でも呑んでおしゃべりをしていれば過ぎていくが、遊べる時間が約3分とは短すぎる。「もっと遊びたい」、「もっと練習したい」とフラストレーションが溜まってしまうのだ。

 今後発売される新製品においては、改善を強く望みたいところだ。

本体の底面にある充電ポート。ここにACアダプタのコードの先端を差し込んで、充電を行なう 充電中の「マイクロマスターHG」。充電には30分~1時間を要する



充電時間の長さと遊べる時間の短さが今後の改善点

 さあ、「マイクロマスターHG」を飛ばしてみよう。一体、どんな飛行を見せてくれるのだろうか。

 基本的な飛行方法は、まずスロットルスティックを上に動かし、「マイクロマスターHG」を上昇させる。「マイクロマスターHG」が床から2メートルの位置に来たら、スロットルスティックを上下に動かして調整し、ホバリング(空中停止)状態にする。

 つぎに「マイクロマスターHG」が左右のどちらかに回転するようであれば、送信機の調整ツマミを回し、回転しないように調整する。このホバリング状態で、フォワードスティックを前に動かすと、「マイクロマスターHG」が前進する。前進すると、高度が若干下がるので、スロットルスティックを少し上に動かし、調整する。

 下降させるときは、上昇させるとき以上に、スロットルスティックをゆっくりと戻す。「マイクロマスターHG」が下がり始めたら、スティックをそのままにしておくと、自然にゆっくりと着地する。

 ……マニュアルに書かれている操作方法を頭にしっかり叩き込んでチャレンジしてみたら、ビックリ。「マイクロマスターHG」は実にパワフルなのだ。今回のテストプレイは、天井が3メートル近くはある大きな会議室で行なったのだが、スロットルレバーを軽く倒すと、「マイクロマスターHG」は一瞬で天井まで上昇し、激突してしまった。

 気を取り直して、再挑戦。今度はスロットルレバーを軽めに倒してみることにする。おおっ、スムースな上昇だ。筆者の身長は178センチあるので、「マイクロマスターHG」が頭上を越えたタイミングでスロットルレバーを下げ、そして微妙に上下させ、ホバリング状態にさせた。

「マイクロマスターHG」の上昇。パワフルなので、一気に天井に到達してしまう。スロットルレバーを前に倒し過ぎないように
 「マイクロマスターHG」本体は、室内のかすかな気流を受けているのか、左右に回転し始めた。さっそくコントローラの調整ツマミを調整するが、これが難しい。調整ツマミのおかげでいったん静止したかと思えば、また左右へふらつく。どうやら多少のフラつきは、しょうがないようだ。

 いよいよ肝心の前進飛行だ。ドキドキしながらフォワードスティックを前に倒すと……おおっ、前進した。その飛行は力強く、まさに“前進”という勢いがあり、これを体験するだけで、この「マイクロマスターHG」を買う意味がある。

 しばらく前進させて壁に当たりそうになったら、ラダースティックを左右へ動かして、方向転換をする。練習をすればするほどうまくなるので、実に面白い数時間を過ごすことができた。パワフルな上昇と前進飛行。「マイクロマスターHG」は魅力的な商品だと思う。

コントローラの左側にあるフォワードスティックを前に倒すと、「マイクロマスターHG」のマグネット機構が顔を出し、金具のセットされた下段のプロペラが若干前に傾く。この原理で前進飛行を実現しているのだ
「マイクロマスターHG」飛行中のショット。慣れれば慣れるほど、自由に動かせるようになるのがラジコンの醍醐味だ


 だからこそ、くり返しになるが、充電時間の長さと遊べる時間の短さは気になった。わがままを言わせてもらえば、充電時間は10分程度、飛行時間も10分程度。これくらいで楽しめるようになれば、購入を迷っている人の背中を力強く押すことができるのだが……。

COPYRIGHT (C)TAIYO CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.


□タイヨーのページ
http://www.taiyo-toy.co.jp/
□「マイクロマスターHG」のページ
http://www.taiyo-toy.co.jp/lineup/heli/mmHG/


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(2007年4月12日)

[Reported by 元宮秀介]


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