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会場:Campton Place
本イベントは国内外のプレスなど関係者を対象としたもので、タイトルにあるとおりXbox 360とWindows用最新作のデモンストレーションが多数行なわれた。ここではPart.1と題してXbox 360「Fable2」、「Mass Effect」、「Forza Motorsports 2」、「XNA」、「Xbox Live ARCADE」について順次ご紹介していこう。
■ Xbox 360「Fable2」
モリニュー氏は、前作リリース後に北米、日本、欧州ユーザーの嗜好を調査。各コミュニティからのフィードバックを元に、前作の100倍以上のオブジェクトを配置。都市やビッグモールを作り「1,000万本のポピーを植えた(笑)」という。多くの人々が「Fable」で味わった“これまでに見たこともない世界”を、続編となる「Fable2」でも実現したいとコメント。公開された動画では、タウンからシティレベルのものが制作可能になっている様子が確認できた。諸条件をアンロックすれば、テントの帆や家はもちろん、はてはダンジョンなども購入できるという。 最新作には「3つの新たな特徴がある」というモリニュー氏。なかでも一番経験してもらいたいのは“愛”だという。かつて「ファイナルファンタジー VII」をやったこと、美しいドラマを見て感動したときを思い出したというモリニュー氏は、ゲーム内でも“愛”を表現したいと力強く語る。愛には3つの形があり、ひとつめの家族愛では、性行為を通じて家族(家庭)を作ることが可能になるという。ヒーローになり、赤ちゃんを授かる。家に帰れば家族が待っており、時間とともに子供が成長していく。 ふたつ目は、ヒーローとしてその世界を賞賛、リスペクトするという“愛”。モリニュー氏はこれまで多くのRPGをプレイしたが、世界に対して感謝の気持ちを覚えない主人公が多かったという。「Fable」は善悪どちらにも転がることができる振幅の幅が大きい作品だったが、それは最新作でも変わらないどころか、自身の行動結果が(もうけていた場合)家族にまで影響を及ぼすため、その影響範囲は前作の比ではないだろう。ヒーローの愛、その対極にあるもの……それらがどのような形で我々の前に姿を現すのだろうか。想像しただけで胸が高鳴ってくる。 3つ目は、初公開となる「犬」の存在。犬は主人であるプレーヤーを完全に信頼し、愛し、喜ばせ、そして守ってくれる。まだ未完成ながら、犬には固有のエモーショナルエンジンが用意され、そのほかにもさまざまな技術が導入されるという。 犬と主人の関わり合いを、実際にプレイして見せてくれるモリニュー氏。主人が走ると後をついてくるし、隠れると探し出す。命令したり、しかったり、さらには突然の放屁に困った様子を見せるなど、行動によってきちんと考えられた反応を示すのも凄い。 一般的なMMORPGのようなミニマップやインフォメーションが存在しない本作では、それらの役割を「犬」がまかなう。今どこにいるのか、これからどこに向かえばいいのかを犬が教えてくれるといい、犬を放てば“第6感”で行くべき方向に進み、敵がいれば吠えて警告を発するという。デモプレイでは、進行方向に怪しいモンスターを発見し吠えて警告する様子が確認できた。このあたり、犬の単なるペットではなく“猟犬”寄りのイメージなのだろう。 戦闘が行なわれれば、犬もそれに参加する。負傷するとびっこを引いて歩くが、このモーションがとても痛ましく、ゲーム中の出来事にも関わらず強烈に胸がしめつけられる。だが、犬はそんな現実をすべて受け入れ、置き去りにされても必ず主人公を発見するという。犬との関わり方ひとつとっても、それだけで物語が変わってくる。しっかり育てれば利口になるし、逆なら当然そのようになる。渋谷の忠犬ハチ公、名犬ラッシーもかくやといわんばかりで、犬が好きな人にはたまらない仕様。 語弊はあるかもしれないが、これがもし一般的なRPG的発想で盛り込まれたとしたら、犬は単なる戦闘オプションに過ぎないだろう。利口になるといっても、それは戦闘が効率的になるとか、相手に与えるダメージが増えるとか、そういったパターンが圧倒的に多く、それは“愛”として表現されるものではない。通常なら真っ先に省かれるであろう要素を徹底的に磨きぬいて仕様に盛り込むセンスと実行力は、まさにモリニュー氏ならでは。唯一無二の“作品”が生まれるからこそ、モリニュー氏の最新作には世界中から常に高い関心が寄せられる。
そういった意味では、日本ではいまひとつ結果に結びつかなかった「Fable」。はたして最新作は、どのような形で我々の前に姿をあらわすのだろうか。PC版のリリースも可能かもしれないが、まだアナウンスはできないという。我々ファンは、心底で“愛”を温めながら正式リリースの日を心待ちにするとしよう。
■ Xbox 360「Mass Effect」
セッションでは、序盤のイベントシーンがダイジェスト形式で披露された。宇宙ステーションから主人公「John Shepard」が搭乗する宇宙船が射出されるところからスタート。重厚かつリアルな質感を伴ったSFテイストの高精細グラフィックが、雰囲気を俄然盛り上げる。キャラクタのカスタマイズ要素は多岐に渡り、主人公を女性タイプにすることも可能。 第三者視点でプレイする本作のメインは、前述のとおり戦闘シーン。アドベンチャーパートと戦闘はシームレスに行き来する。基本的にチーム単位で行動するため、仲間にカバーリングさせるための位置表示アイコンなどは判別がつきやすいハッキリした色使いがなされており、プレイ中に混乱するといったことはなさそう。戦闘を重ねてレベルアップすれば、武器やアーマーの強さ、バイタリティが向上。チームメンバーのAIもレベルアップする。 昨年5月のE3インタビューでも触れられているとおり、本作は惑星ごとに異なるシナリオが用意されている。アドベンチャーパートのカットインは100以上。会話コマンドの分岐によるゲームの進行パターンも非常に多く、戦闘に主眼が置かれているといいながらアドベンチャー要素も相当なボリュームを誇る。数字は公表できないが、エンディングも相当なバリエーションが用意されるという。
時期は未定ながら、ほどなく正式発売できるだろうとのこと。アクションゲームが好きな人はもちろん、重厚なSF作品が好きな人には必ずチェックしていただきたい作品だ。
■ Xbox 360「Forza Motorsport 2」
「X06」レポートでも触れられているとおり、1秒間に360コマで物理演算を行ない、パフォーマンスダメージなどを計算。それでも「サスペンションやシートの動きなど、シミュレートがまだまだな部分はある」といってはばからない。究極の目標は“感情も含めドライバーが搭乗中に受ける全要素の再現”といったところだが、現時点の再現度を体験すれば「いや、そこまでやらんでも……」と誰もがいいたくなるだろう。それくら本作は徹底的にこだわって作られている。 開発チームと成果の充実ぶりは、本作のディレクターを務めるDan Greenawalt氏の楽しげなデモプレイからも明瞭に伝わってきた。特に注力したというダメージ表現の凄さは、脱落したパーツに当たり判定があり、レースが終わるまでコース上に存在し続けるといった徹底ぶり。「全員で一気に第1コーナーで団子になって突っ込んでしまうと、コーナーがバンパーだらけになってしまう。その後2週目にバンパーを巻き上げて走るのが爽快なんだよ。ハハハ!」と豪快に笑うDan氏のデモプレイは、仕事を抜きで楽しんでるのではないかと思えるほどニコヤカ。「ダメージによってはエンジンからも煙が出るんだよ!」と、その過程をきちんと見せてくれる。 一般に車メーカーはゲーム中で自社の製品が破壊されるシーンの再現を好まないが、ライセンス取得にあたってはお互いに弁護士を立てて丁寧に交渉。破損表現に難色を示されることはあったが、計算し尽くされたシミュレーション技術、そして何よりも車に賭けていることを目の当たりにして、断ってくるメーカーは皆無だったという。
Dan氏は「日本の人気コミック『頭文字D』のハチロク(86)も好きと言うことからもわかってもらえるとおもうけど、車への情熱が高いのでチーム内の議論を高く、いい作品になったと思う」とコメント。正式発売まで約2カ月、もうしばらくの辛抱で「最高のレーシングゲーム」に出会える。あとは、再々延期がないことを切に祈るばかりだ。
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□Xbox 360のホームページ
□関連情報 (2006年3月7日) [Reported by 三浦尋一 / 豊臣和孝]
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