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【連載第244回】 あの、おもちゃを徹底レポート




タケコプターの飛行を疑似体験できる!
エポック社「ドラえもん体感タケコプター!~空とぶ大冒険~」

「ドラえもん体感タケコプター~空とぶ大冒険~」
発売 エポック社
価格 7,854円
電源 単3アルカリ電池 (本体用/別売)
専用ACアダプター (本体用/別売)
コイン電池 (タケコプター用/別売)
発売日 発売中



 もし、「ドラえもん」に登場する道具で使えるものがあったとしたら、あなたは何を使ってみたいですか? タイムマシン? どこでもドア? タイムふろしき? 答えは人それぞれ、千差万別だろうが、タケコプターは確実に上位に上がるものと思われる。

 小さな竹とんぼのようなものを頭に乗せるだけで、空を自由に飛べる夢の道具。長編の名作「のび太の恐竜」では、ドラマの鍵を握る重要な道具として大活躍だった。

 今回紹介するアイテムは、そんなタケコプターを疑似体験できるトイ。基本的には子供向けのトイなのだが、長年の夢が叶うとあって、さまざまなメディアに取り上げられ、大きな話題を呼んでいる。老若男女問わず、気になるアイテムではないだろうか。


XaviXシステムの“次の一手”がこれだ!

 今回のアイテムのポイントは、XaviXシステムを採用しているところにある。XaviXシステムとは、新世代株式会社が開発したテレビゲームシステムだ。

   ゲームに応じて、コントローラがバットやゴルフクラブ、ボクシンググラブなど、さまざまな形となり、プレーヤーの体の動きをゲーム中に伝えることができるのだ。このあらましを聞くと、任天堂のWiiを思い出す人も多いだろうが、元祖はこちら。エポック社の体感ゲーム「勝負しようぜ!!エキサイトスタジアムDX」やスクウェア・エニックスの「剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣」など、多数のトイに採用されてきた。

 個人的な想いを述べれば、Wiiの発売以降、XaviXシステムはどのように展開していくのだろう、と危惧していた。なぜなら、「体の動きをゲーム中に伝える」という“お株”をWiiに奪われることになるからだ。Wiiは25,000円、体感ゲームは7,000~8,000円と価格面での格差はあるものの、より精度が高く、魅力的な……何より任天堂製のゲームを遊べるWiiに対して、XaviXシステムは太刀打ちできるのだろうか、と。

 ところが、そんな不安もこの「ドラえもん体感タケコプター!~空とぶ大冒険~」を遊んだら雲散霧消してしまった。そうか、頭につけるタケコプター型のコントローラか! これなら、いくらWiiリモコンが多様な操作性を持ち合わせているとはいえ、表現することはできない。しかも、非常に夢のある商品だ。これは企画の勝利だろう。今後、XaviXシステムは、Wiiとは違った、Wiiにはできないコントローラを開発して子供たちを魅了するのだろうし、また、そうであることに期待している。


浮遊感のある空中飛行、手に汗握るボスキャラクタとの戦い

パッケージ。「からだで感じる爽・快・感!」というキャッチコピーが内容を表している
 それでは、ゲームの内容を紹介していこう。ゲームの基本はストーリーモードになっており、頭にタケコプターをつけたドラえもんやのび太、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫が見知らぬ惑星を訪れ、空を飛びながらそこを自由に冒険していく。ゲームは、ステージごとに内容が異なり、多様な飛行を楽しめるようになっている。

 ゲームのくわしい内容を説明する前に、タケコプターを使った操作方法を紹介しておこう。操作方法は非常に感覚的に設計されており、体を前に傾けると前進、右に向けると右旋回、左に向けると左旋回。体を後ろに向けてからすぐに前に傾けると加速となる。これが基本的な操作方法だが、ゲームによって若干異なる。

パッケージの内容。タケコプターと本体。そして本体とテレビを接続するAVケーブルだ タケコプター。中央にある小さな丸い点が赤外線発光部だ
本体。タケコプターから発せられる赤外線を受信して、ゲーム中でその動きを再現する タケコプターの取り付け方。ヘッドバンドは耳の後ろに来るようにして、ゴムバンドで固定する


 基本的には、空を飛び、障害物などを避けながらゴールをめざすゲームなのだが、途中にボスキャラクタとの戦闘シーンがある。戦闘シーンになると、画面に仲間が現われ、空気砲やシビレガン、ひらりマントといった道具を投げてくれる。空中でこれらを見事にキャッチすることができれば、攻撃が可能になり、弾丸やビームが自動的に発射される、という仕組みだ。

 ストーリーは、分岐方式になっており、空中に出現する穴のようなところに入ることでコースが変わり、体験できるゲームの種類が決定される。

ゲームクリア後に現われる分岐の穴。どちらに入るかで、その後に楽しめるゲームの種類が変わる ストーリーフローの流れは、このようなチャートで確認できる。クリアしたゲームは、その後は自由に遊べるようになる ゲームとゲームの間には、このようにストーリーが展開する


 最初のゲームは「おたからゲット!」。空を自由に飛びまわって、宝石を集める。空中に散らばる黄色い星を10個集めると宝石が1個現われ、宝石を5個集めることができればクリアとなる。操作方法は、基本とは若干変わり、体を前方に倒すと下降に、後ろにそらすと上昇になる。

まずは黄色い星を10個集めて、空中に宝石を出現させる 赤い宝石に接近! このまま直進すれば取ることができる!


 ゲームを遊び始めたときの感激は忘れられない。大きな青空の下、空中をスピーディに飛び回り、体を少し倒すだけで、ゲーム中のドラえもんが忠実に移動する。画面を通じて浮遊感が感じられ、まるで自分が空を飛んでいるよう。これには、大人も子供も関係ない。「うわ~い」と歓声を上げて、無心に楽しめるはずだ。

 しかし、感激ばかりはしていられない。「おたからゲット!」には5分間という時間制限があるのだ。のんびりしていると、5分などアッという間に過ぎてしまう。しかも、自在に飛び回るには、相応の練習が必要。星に近づいたのに高度が足りなかったり、もっと左や右へ行かねばならなかったり、ともどかしさが募る。この辺が空を飛び回る醍醐味のひとつだろう。歩いたり、走ったりするのとはまったく違う感覚。独特の浮遊感に慣れ、それをどう制するかが面白さとなっている。筆者は1回目のプレイは時間切れであえなくゲームオーバーとなったが、2回目のプレイでは浮遊感覚をだいぶ会得し、3分程度でクリアすることができた。

 次のゲームは「かざんだんにたちむかえ!」。火山弾を避けながら、火口へ進んでいき、そこにいる火の守り神を倒す、という内容。最初は単体で奥から手前へ飛んでくる火山弾を避けるだけなので、安心しきってプレイしていたのだが、次第に長大な炎のフレアが加わるようになり、注意力を払わないと避けられなくなってくる。

 火口の下へ到着したら、火の守り神であるドラゴンの登場だ。口から炎の弾を吐いて攻撃を仕掛けてくる。弾は単体のときもあれば、複数のときもあり、予測が難しく、避けるのがスリリングだ。

 火の弾を避けているうちに、仲間のオウムが武器を投げて応援してくれるが、これが非常に難しい。道具は空中にフワリと放物線を描きながら飛んでくるため、なかなか上手くキャッチすることができないのだ。道具はキャッチできないが、ドラゴンの攻撃は次第に激しくなり、窮地に立たされる。そのため、見事に道具をキャッチし、反撃に転じて、ドラゴンを攻撃するときの爽快感はかなりのもの。気分が高揚して、手に汗握る感じだ。

火口から吹き上がってくる炎のフレア。当たらないように避けて、さらに先へ進む 炎の守り神との戦い。仲間のオウムが現われて、道具のひらりマントを投げてくれた


 「サウンドファンタジー」は、一転してお気楽なゲーム。目の前を飛ぶオウムが音符を投げてくるので、それをキャッチする。連続してキャッチすることができれば、美しいメロディが奏でられる。

音符を取ると、キレイなメロディが流れる。このように操作キャラクタがジャイアンなどに変わることもある キャラクタたちがしゃべるセリフは、「ドラえもん」の世界観に忠実に書かれている


 「こうそく! しんりんレース」は、障害物を避けながらゴールを目指す内容。障害物とはいえ、最初は岩や草などなので簡単に避けられるのだが、しばらくすると左右に生えた木がバタン、バタンと倒れてきて驚かされる。途中に現われる道具のデンコーセッカを取ることができれば加速し、ゴールまでのタイムを短縮できる。

目前に迫り来る障害物の岩。体を左右のどちらかに傾けて避けよう 突然、目の前の木が倒れて障害物と化す! スリルを感じさせる演出だ


 「こおりのとうをつきすすめ」は、「かざんだんにたちむかえ!」のバージョン違いのような内容。火口に向かって下降していく「かざんだんにたちむかえ」に対して、こちらは空高く上昇して、空から降り注いでくるツララを避けていく。ゴールまでたどり着くと、氷の守り神が出現。さきほどの火の守り神と同様に、のび太やジャイアンたち仲間が投げてくれる道具をキャッチして攻撃に転じる。

空高く上昇していく間には、ツララに加え、コウモリが襲いかかってくる 氷の守り神との戦い。ジャイアンが空気砲を投げてくれた。反撃に転じる一瞬だ


 「ひこうきをすくえ!」は、目の前を飛ぶ飛行機に追いついて、タイムふろしきで修理する。加速を続けると、飛行機に接近することができ、故障箇所から出てくる黒い煙にタイムふろしきを当てればオーケー。制限時間は3分間ととても短いので、体を後ろから前に倒し、いかに連続して加速できるかが決め手となる。

目の前を飛ぶ飛行機は、故障中。部品を撒き散らしながら、今にも壊れそう。部品を避けながら近づこう 飛行機に最接近したら、ドラえもんがタイムふろしきを出す。煙に当てるように動いていけば、修理が進行していく


 「げきとつ!ロボットレース」は、最終ステージ。これまでの火の守り神や氷の守り神とは異なり、ロボットが登場する。ロボットの攻撃は熾烈を極め、放たれる弾の数は多く、その軌跡はトリッキー。弾を避けるのが精一杯で、初戦は敗退。2回目のトライで何とか勝利を収めることができた。

最終ボスのロボットだ。多彩な攻撃で攻めてくる。仲間が投げてくる道具を必ずキャッチしよう 倒したと思ったら、ロボットが変形し、さらに強力な攻撃を仕掛けてくる。長い冒険の最終決戦だ!


 タケコプターをつけて空を飛べるという夢のある内容、多彩なゲームを収録したボリューム感、水田わさびさんや大原めぐみさんなどオリジナルのアニメの声優さんを起用した声による演出、どれをとってもクオリティが高く、満足のいく出来栄えだ。購入を検討されている方には、是非にとお勧めする。

(c)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK
(c)EPOCH CO.,LTD
(c)2006 SSD COMPANY LIMITED


□エポック社のページ
http://www.epoch.gr.jp/
□「ドラえもん体感タケコプター~空とぶ大冒険~」のページ
http://epoch.jp/taikan/takekoputa/


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(2007年2月1日)

[Reported by 元宮秀介]


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