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会場:NTTインターコミュニケーションセンター
入場料:一般500円、高校生300円、中学生以下無料
プロジェクトの具体的な内容としては、スタジオジブリの名作アニメ「風の谷のナウシカ」に登場する一人乗り飛行装置「メーヴェ」を、実際に作って飛ばしてみるという奇想天外なもの。2003年にラジコンタイプの「メーヴェ1/2」を完成。続いて2005年にゴムロープ索発航による有人飛行を可能にしたM-01を完成させ、実際に有人飛行に成功している。ちなみにM-01は、愛・地球博にも展示されていた。 現在は、動力飛行を可能にするためにジェットエンジン付きの機体「M-02J」の制作に取りかかっており、2007年初夏の初飛行を目指して、現在準備を進めている段階だという。このM-02Jによる動力飛行を一足先に楽しめるのが、今回マイクロソフトが協力して出展した「M-02Jシミュレータ」というわけである。 会場に足を踏み入れると、現在は熊本市現代美術館の展示物となっている「メーヴェ1/2」が展示され、角を曲がると広々とした空間が広がり、大きなジェットグライダー2機が視界に飛び込んでくる。実際に見たM-02Jは、ナウシカが乗るメーヴェに比べると、あくまで感覚的だが、倍ぐらいのサイズだった。揚力を得るための大きな両翼と、ジェットエンジンに空気を送り込むための大きな口が印象的。「こんなデカいのが本当に空を飛ぶのか」というのが正直な感想だ。 会場の各所では映像によるM-01のデモンストレーションが行なわれており、“本当に飛ぶ機体”であることが理解できる。ただ、基本的に“メーヴェ”ありきのプロジェクトであり、形にこだわるあまり、揚力を得るための工夫が不十分な印象で、いつ失速するのか見てるこっちが冷や冷やするような映像が多い。現在制作中のM-02Jでは、M-01からさらにジェットエンジンとジェット燃料、そして計器類の重みが追加される。動力飛行までの道のりは平坦なものではなさそうである。 さて、会場の2階に今回のお目当ての「M-02Jシミュレータ」があった。M-02をベースに両翼を削いだ体感機があり、その先に3台の液晶モニタが「FSX」の映像を映し出している。さらに、その延長線上の壁には、メーヴェの3人称視点の映像が映し出されており、観客もメーヴェの飛行シーンを楽しめるようになっている。ちなみに搭乗するためには、事前にクイズをクリアする必要がある。このクイズは、会場のパネルやスライドを一通り見ておけば答えられる内容になっているので、「M-02Jシミュレータ」の体験を目的に来場するつもりなら、2階は最後に訪れるのがおすすめだ。 「M-02Jシミュレータ」のマンマシンインターフェイスは、お腹の位置にあるアナログデバイスで、布のカバーを剥がすと実はスケートボードになっている。「FSX」版メーヴェは、これに体重を乗せて前後左右に傾けることで操縦を行なっていく。出力の調整は、右の手すりのスロットルレバーで行なう仕組みだ。 実際に操縦してみたが、風に乗っているような印象は薄く、ただひたすらお腹に力を入れて機体を水平に維持するのがやっとな感じで、10分も乗ればいい汗がかける。最初はニュートラルの位置がわからず、回転飛行をしてしまうが、慣れてくると左右の旋回操作にメーヴェっぽい手応えが味わえておもしろくなってくる。
最後に嬉しいニュースをお伝えしておくと、この「FSX」版メーヴェは、1月26日の「FSX」発売後に、アドオンとして公式サイト等を通じて、無償で配布される予定になっている。現在の飛行特性は“腹操作”でも飛ばせるようにかなりアバウトになっているというが、今後配布するものでは、きっちりと飛行特性データを入れ込み、リアルな飛行を実現するという。ただ、「M-02Jシミュレータ」が体験できるのはこの展示会のみ。会期は2007年3月11日までとかなり長いので、機会があれば一度乗ってみるといいだろう。
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□「八谷和彦 - Open Sky 2.0」のホームページ (2006年12月15日) [Reported by 中村聖司]
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