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マイクロソフト、「八谷和彦 - Open Sky 2.0」展に協賛
「Flight Simulator X」で“メーヴェ”に乗ろう!!

12月15日~2007年3月11日開催

会場:NTTインターコミュニケーションセンター

入場料:一般500円、高校生300円、中学生以下無料

 マイクロソフト株式会社は、12月15日より東京オペラシティ内NTTインターコミュニケーションセンターにて開催されている個人展「八谷和彦 - Open Sky 2.0」に協賛し、「Flight Simulator X(FSX)」をユニークな形で出展している。本稿では、展示会初日の模様をお伝えしたい。

2003年に完成したメーヴェ1/2(熊本市現代美術館蔵)。ラジコンとはいえ、2メートル以上の幅がある
メイン会場には、2機のメーヴェが鎮座している。M-01に関しては、触るだけでなく、乗ることもできる
シアタールームでは、実際に飛ぶシーンを見ることができる。試行錯誤の連続でなかなか感動的だ
 「八谷和彦 - Open Sky 2.0」は、八谷和彦氏の個人プロジェクトとして2003年からスタートした「個人的に飛行装置を作ってみるプロジェクト」を実機と映像、そしてシミュレータによる体験で楽しめる体感型の展覧会。八谷氏は、メールソフト「ポストペット」の開発者として知られ、現在もポストペット関連のソフトウェアの開発を行なうペットワークスの代表を務めている。

 プロジェクトの具体的な内容としては、スタジオジブリの名作アニメ「風の谷のナウシカ」に登場する一人乗り飛行装置「メーヴェ」を、実際に作って飛ばしてみるという奇想天外なもの。2003年にラジコンタイプの「メーヴェ1/2」を完成。続いて2005年にゴムロープ索発航による有人飛行を可能にしたM-01を完成させ、実際に有人飛行に成功している。ちなみにM-01は、愛・地球博にも展示されていた。

 現在は、動力飛行を可能にするためにジェットエンジン付きの機体「M-02J」の制作に取りかかっており、2007年初夏の初飛行を目指して、現在準備を進めている段階だという。このM-02Jによる動力飛行を一足先に楽しめるのが、今回マイクロソフトが協力して出展した「M-02Jシミュレータ」というわけである。

 会場に足を踏み入れると、現在は熊本市現代美術館の展示物となっている「メーヴェ1/2」が展示され、角を曲がると広々とした空間が広がり、大きなジェットグライダー2機が視界に飛び込んでくる。実際に見たM-02Jは、ナウシカが乗るメーヴェに比べると、あくまで感覚的だが、倍ぐらいのサイズだった。揚力を得るための大きな両翼と、ジェットエンジンに空気を送り込むための大きな口が印象的。「こんなデカいのが本当に空を飛ぶのか」というのが正直な感想だ。

 会場の各所では映像によるM-01のデモンストレーションが行なわれており、“本当に飛ぶ機体”であることが理解できる。ただ、基本的に“メーヴェ”ありきのプロジェクトであり、形にこだわるあまり、揚力を得るための工夫が不十分な印象で、いつ失速するのか見てるこっちが冷や冷やするような映像が多い。現在制作中のM-02Jでは、M-01からさらにジェットエンジンとジェット燃料、そして計器類の重みが追加される。動力飛行までの道のりは平坦なものではなさそうである。

 さて、会場の2階に今回のお目当ての「M-02Jシミュレータ」があった。M-02をベースに両翼を削いだ体感機があり、その先に3台の液晶モニタが「FSX」の映像を映し出している。さらに、その延長線上の壁には、メーヴェの3人称視点の映像が映し出されており、観客もメーヴェの飛行シーンを楽しめるようになっている。ちなみに搭乗するためには、事前にクイズをクリアする必要がある。このクイズは、会場のパネルやスライドを一通り見ておけば答えられる内容になっているので、「M-02Jシミュレータ」の体験を目的に来場するつもりなら、2階は最後に訪れるのがおすすめだ。

 「M-02Jシミュレータ」のマンマシンインターフェイスは、お腹の位置にあるアナログデバイスで、布のカバーを剥がすと実はスケートボードになっている。「FSX」版メーヴェは、これに体重を乗せて前後左右に傾けることで操縦を行なっていく。出力の調整は、右の手すりのスロットルレバーで行なう仕組みだ。

 実際に操縦してみたが、風に乗っているような印象は薄く、ただひたすらお腹に力を入れて機体を水平に維持するのがやっとな感じで、10分も乗ればいい汗がかける。最初はニュートラルの位置がわからず、回転飛行をしてしまうが、慣れてくると左右の旋回操作にメーヴェっぽい手応えが味わえておもしろくなってくる。

 最後に嬉しいニュースをお伝えしておくと、この「FSX」版メーヴェは、1月26日の「FSX」発売後に、アドオンとして公式サイト等を通じて、無償で配布される予定になっている。現在の飛行特性は“腹操作”でも飛ばせるようにかなりアバウトになっているというが、今後配布するものでは、きっちりと飛行特性データを入れ込み、リアルな飛行を実現するという。ただ、「M-02Jシミュレータ」が体験できるのはこの展示会のみ。会期は2007年3月11日までとかなり長いので、機会があれば一度乗ってみるといいだろう。

【M-02Jシミュレータ】
これが「M-02Jシミュレータ」。リアル版メーヴェは、35kg相当のジェットエンジンを積み、自力飛行を可能にしたパーソナルジェットグライダーになった。私の体験プレイのあと、お手本を八谷氏に見せていただいた

【八谷和彦 - Open Sky 2.0】
八谷和彦氏の「Open Sky」は今回で2度目の開催となる。会場には、実機だけでなく、2003年からこれまでの経緯を盛り込んだスライドや写真がたっぷり掲載され、航空機好きなら誰しも楽しめる空間になっている。ちなみに3.0はM-02Jの飛行終了後に開催予定ということだ

(C) 2006 Microsoft Corporation. All rights reserved.

□「八谷和彦 - Open Sky 2.0」のホームページ
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2006/OpenSky/index_j.html
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□「Flight Simulator X」のホームページ
http://www.microsoft.com/japan/games/fsx/default.mspx
□関連情報
【12月11日】マイクロソフト、WIN「Microsoft Flight Simulator X 日本語版」
八谷和彦氏の展示会に「M-02J」のシミュレータとして出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061211/fsx.htm
【12月4日】マイクロソフト、WIN「フライトシミュレータX」
日本語吹き替えに総勢31名の声優陣を起用
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061204/fsx.htm
【10月18日】マイクロソフト、WIN「フライトシミュレータX」
日本語吹き替えに総勢31名の声優陣を起用
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061018/fs.htm
【9月12日】マイクロソフト、WIN「エイジ オブ エンパイアIII: ザ ウォーチーフ」と
「フライトシミュレータX」の日本語版を開発
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060912/ms.htm
【5月11日】【E3 2006】Microsoftブースレポート Game for Windows編
初のVistaタイトル「Flight Simulator X」は、DirectX 10グラフィックス&ミッションモードに注目
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060511/e3_mspc.htm
【1月6日】米Microsoft、FSシリーズ最新作「Flight Simulator X」を正式発表
Windows Vista時代を見据え全面進化を果たしたシリーズ第10弾
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060106/fsx.htm

(2006年12月15日)

[Reported by 中村聖司]



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