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会場:Los Angeles Convention Center
そうしたことから今年のMicrosoftブースは、「Xbox」と「Game for Windows」の2つのブランドで、Xboxと同じように自社タイトルに交えてサードパーティーのタイトルも出展。また、Windows Vistaのデモ機も置かれ、プレスのみならず、他社の出展者も覗きに来るなど、MicrosoftのPCゲーム部門は例年になく賑やかな光景だった。本稿では、Microsoft Game Studiosのタイトルから紹介する。Windows Vistaのゲーム機能については、ゲームそのものとはやや離れるため、改めて紹介するつもりである。なお、発売スケジュールについてはすべて北米でのもの。日本での発売時期は、現時点ではすべて未定となっているのでご注意いただきたい。
■ FS XはDirectX 10グラフィックスとミッションモードが売り。オンライン機能は調整中
今年1月にラスベガスで実施されたCESでWindows Vistaと共に発表が行なわれ、米航空史100年を記念して制作された前作「Flight Simulator 2004: A Century of Flight」にも増して開発に力が入れられているタイトルだ。ちなみに地形データ等が膨大な量になる見込みのため、提供メディアはDVDのみとしている。 当初、Windows Vista専用という噂もあったが、Windows Vistaの発売が来年頭に延期された後は、正式にWindows XPのサポートも表明。「FS10」のリリース時期はホリデーシーズンと、Windows Vista(2007年1月頃)よりも早くなるが、Windows XPのDirect X 9モードで動作させることができる。ただし、そのグラフィックスの差は、愕然とするほどの違いがあり、「Flight Simulator X」の先行発売は、そもそもが規定事項だったのではとも思えてくるほどだ。 念のために触れておくと、Windows XP用のDirectX 10は公開されない。DirectX 10はWindows Vista専用のマルチメディアコンポーネントになる見込みで、「FS10」をDirectX 10クオリティで動作させるためには、Windows VistaとWindows Vista ReadyのPCが必須になる。いずれにしても、DirectX 10世代のゲームを動作させるには、ハイパフォーマンスのハードウェアが必要になり、そもそもWindows Vista自体がフル3DグラフィックスOSであることから、ハードウェアの買い換えを促進するための一種のふるいになっている。「FS10」に限らず、今後もPCゲームをプレイし続けるためには、Windows Vistaシステムへの移行が必要になるだろう。
「FS10」のグラフィックスは、DirectX 10のDirect3D 10向けにチューニングされている。具体的には、シェーダーモデルは4.0となり、花形機能であるジオメトリシェーダーを筆頭に、DirectX 10世代のゲームグラフィックスの一定のリファレンスとなるべく、DirectX 10の機能をふんだんに盛り込んだ仕様となる見込みだ。
ミッションモードは、米国に実在するRed Bull Air Raceにレーサーとして参加したり、テストパイロットとして大型旅客機に搭乗したり、ヘリで人を輸送したりといったバラエティに富んだオブジェクトが用意される。 実際に見たのは、海に浮かぶ油田のミッション。最初はヘリコプターを飛ばして油田に人員の輸送するのが目的だったが、途中で油田が爆発し、油田にいるスタッフの救助が目的に変わる。小刻みに高度を変えホバリング状態を維持しながら、狭い足場着陸し、スタッフを救助していく。この間にも、新しい爆発が起こったり、立て続けにラジオで音声による指示が飛び交い、臨場感たっぷりだ。「FS10」ではこうしたライブ感のあるミッションが50前後用意されるという。 これらオブジェクトによって、プレーヤーは目的を持って航空機を操縦することができる。コアなフライトシムファンは、飛ぶことと眼下に広がる風景そのものが目的となりえるが、初心者にはそれではなかなかアピールできない。ミッションモードはカジュアル層に強くアピールできる新要素といえる。また、コアユーザーに対しては、ミッションエディターが用意される。 ダイナミックオブジェクトは、要するにAI操作のムービングオブジェクトがふんだんに導入される。車や野生動物、家畜、空港では搭乗ブリッジ、給油トラック、荷物カートなどが、プレーヤーの状態にかかわらず、常時、これらのダイナミックオブジェクトが稼働しており、活きた世界を飛ぶことができる。 Xbox用ゲームコントローラへの対応は、ゲームパッド、ボイスチャット用のヘッドセットなど、Xbox 360向けに提供されるファーストパーティー製のゲームデバイスが利用できるようになるというもの。これはDirectX 10のXinputというクロスプラットフォーム対応のためのAPIを利用して実現しており、「FS10」では最初からフライトしやすいようにキーがアサインされているほか、自分でカスタマイズすることもできる。ひょっとすると、Xbox 360コントローラで操縦し、Xbox 360ヘッドセットでボイスチャットしながらマルチプレイを楽しむというのが、「FS10」のオーソドックスなプレイスタイルになるかもしれない。
なお、オンライン機能については、まったく詳細は明らかにされなかった。まだ仕様が固まっていないというのが正直なところのようで、一応方針としては、単に複数人でとばすだけでなく、ボイスチャットを標準サポートし、パイロット、コパイロット、航空管制官といった複数のポジションでフライトを楽しむことができるようだ。
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□Microsoftのホームページ(英語) (2006年5月11日) [Reported by 中村聖司]
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