|
最大700人弱の冒険者が一堂に集い、攻め入る蛮族軍と大規模戦闘を行なうビシージ。その内容は、本連載の第4回で取り上げたときから、数回のバージョンアップを経て大きく変化している。 蛮族軍の強さを示すレベルには、新たにレベル6が追加され、各蛮族軍の親玉的なノートリアスモンスターが登場するようになった。さらに、新獣人ポロッゴが参戦するなど、蛮族軍にも変化がもたらされている。
また、ビシージ開始時と終了時には五蛇将と蛮族軍のノートリアスモンスターのイベントシーンが挿入されるなど演出面も強化されている。冒険者に対しては、開始時にテンポラリアイテムが配布されるようになり、それらアイテムを駆使することで従来にはないビシージならではの戦い方が楽しめる機会にもなっている。ビシージを題材にした第2回となる本稿では、そうしたトピックをまとめ、最新の模様を伝えていこう。
まずは、ビシージの新しい魅力となっている五蛇将の出陣シーン、そして蛮族軍のノートリアスモンスター出陣シーンを紹介しよう。特に五蛇将のシーンは開始時、終了時にランダムで1キャラクタのシーンを見ることができる。 人によって異なるシーンが入り、1度に1回しか見られないため、自分の好きなキャラクタであったり、見たことがないキャラクタのシーンが挿入されると、ちょっとした喜びがある。性格付けもよく分かるうまい演出だ。ちなみに次回のバージョンアップでは、この五蛇将に関するクエストも登場するという。五蛇将にまつわるアップデートに今後も期待したいところだ。
また、3大ノートリアスモンスターにも、それぞれに迫力があるもの、おどろおどろしいものの少しユニークなものなど、個性的な出陣シーンが挿入される。マムージャ蕃国軍「Gulool Ja Ja」は双頭のマムージャで、それぞれに獰猛な性格と残忍な性格を持つ。トロール傭兵団「Gurfurlur」はトロール語をモブリンのMegomakが通訳する。圧倒的な巨体とあごひげが特徴的だ。死者の軍団「Medusa」は妖艶さと不気味さを漂わせる。「私ト踊リマセウ!」のセリフもインパクト抜群である。
敵モンスターの進行は各所にバラけて出現するようになった。以前のビシージでは、入り口を起点にして奥へと進行していたため、奥の区画に敵が到達するには時間差があった。現在では、突如として各区画に現われるモンスターがおり、それと共に敵陣が入り口から進行してくるようになっている。入り口の区画から「天蛇将ルガジーン」が守護する中央の大きな通りにかけてが激しい戦闘模様になる傾向は変わりないものの、他の区画のバランスが良くなった。 冒険者にとってもっとも直接的な変化は、ビシージ開始時に“テンポラリアイテム”が配布されるようになったことだろう。テンポラリアイテムのため、ビシージ中のみ持ち物に入れられるもので、アイテムが満杯の状態でも別枠に入る。各アイテムはアルザビにいる捕虜になる可能性のあるNPCに対応している。アイテムに関連づいているNPCが捕虜になっている場合はアイテムが配布されない。テンポラリアイテムは以下のようになる。
・ダイダロスウィング:TPを瞬時に上昇する人工翼
基本的な使い方としては、ビシージ開始直後に、巨人の薬と魔人の薬、さらに呪符リレイズを使用、ハイエリクサーなどで一気に増えた分を回復してすぐさまモンスターに挑んでいくというスタイル。 呪符リレイズのおかげですぐに蘇生できるし、最大HPが2倍になるため、ある程度ターゲットを取ってしまうことを前提としたアグレッシブな戦い方ができる。もちろん2倍あっても一瞬で戦闘不能になるときもあるが、従来では考えられなかった3000を超えるHP、2000を超えるMP値を確認するだけでもテンションが上がる。 HPとMPを完全回復するラストエリクサーは巨人の薬と魔人の薬の効果があるうちにHPやMPが大きく減少したときや、一度戦闘不能になったあと衰弱状態が回復したときなどに使うのが効果的。回復時間の短縮に有効に使いたい。また、技能の薬も面白い。SPアビリティを含めて全てのアビリティ類を再使用可能にしてくれる薬なので、ビシージ中に2回までSPアビリティを使えることになる。 気をつけたいのは、テンポラリアイテムの説明に“妙薬”とあるもの。妙薬は使用後、ステータス欄に薬にバツがついたマークがつき他の妙薬をしばらく使えなくなる。マキシポーション+3、プロエーテル+3、エルメスクエンチャが妙薬の種類だが、戦闘時間の長めなビシージであってもこのうち2つを使うのが限度と考えておくのがよいだろう。
他のアイテムと比べて使いどころが難しいのが、物理ダメージを無効化する剛体香と魔法ダメージを無効化する気魂香。どちらも効果時間が非常に短いため、いざというときの緊急回避策として使うことになる。攻撃しているモンスターのターゲットが自分に向いたときや、範囲魔法のログを見て反射的に使えるのがベストだが、慣れないうちは難しい。ビシージ専用のマクロを用意するのも手だろう。いずれにしても、テンポラリアイテムは持っているだけでは意味がない。全部使い切るつもりで積極的に活用したいところだ。
ポロッゴがメインに使用するのはウォータIVなどの各種精霊魔法。特殊技では、周囲のモンスターの魔法攻撃力をアップする“カエルの応援”や、次に使用する魔法が強力なものに変化する“天乞い”、水属性のダメージを与える“水風船爆弾”などがある。 そしてポロッゴの代名詞的な技が“カエルの歌”だ。FFシリーズでもお馴染みの魔法“トード”に近い効果をもたらす技で、対象のキャラクタをポロッゴと同様の小さなカエルに変えてしまう。そのうえ魅了効果もあり、“カエルの歌”を受けた冒険者はピョコピョコとはねるカエルになってポロッゴに連れまわされる羽目になる。その効果は凶悪とすら言えるものだが、ビジュアル的には思わず笑ってしまうほどユーモラスだ。
Aerial Torpedoはその見た目だけでなく、実際の戦闘でもかなり脅威的な存在だ。ヒートウェーブという広範囲な特殊技で、バーンの効果を撒き散らす。この技はスリップダメージが40前後と高く、4桁近い大きな範囲ダメージを与えるヘルストームという技も織り交ぜながら、戦いに挑む冒険者や皇国軍兵たちを次々に戦闘不能に追いこんでいく。五蛇将までもを戦闘不能にする危険が高いので、巻き込まれないような位置からの回復役プレーヤーのサポートが重要になる。 他にも、トロール傭兵団には、4つの羽で飛び回る巨大な蛾のようなワモーラの成虫や、スコーピオンが参加。死者の軍団にもエレメンタルを複数連れて動くLamia No.9、ドゥーム、Merrow No.12が登場している。
マムージャ蕃国軍「Gulool Ja Ja」は、双頭の見た目どおり2つのタイプを持っているモンスターで、右半身の能力は忍者タイプ、左半身は魔法タイプの特徴を持っている。空蝉の術を多様し、巨大な剣と杖のような武器を非常に速い間隔で振り、ラッシングスラッシュという多段ヒットの技やタイラニックブレーという400~500のダメージを与える範囲技を繰り出してくる。手軽な範囲魔法で空蝉の術の分身を消したくなるところだが、ボーパルホイールという魔法に対するカウンター攻撃を放つため、迂闊に魔法を使えない。 死者の軍団「Medusa」は、まずイメージどおり石化攻撃を非常に多く使う難敵だ。ペトリファクションをはじめ、範囲攻撃の石火矢や産石のダンスといった特殊技で石化効果を広範囲に撒き散らす。基本は狩人タイプで、弓矢を使った攻撃が強烈。天の羽羽矢は前方範囲の遠隔攻撃で400、500台のダメージ、時には4桁に達する大ダメージを与えてくる。シャドウスラストという単体攻撃技も4桁を超えるダメージを放つため危険だ。こちらからの攻撃だが、物理攻撃はそこそこ通る印象だが、魔法のレジスト率は高い。戦力の中心は前衛ジョブの攻撃になりそうだ。 範囲技の石化効果が厄介。各技の石化効果はMedusaに背を向けることで回避できるようだが、ビシージ中にはなかなか難しい。また、周囲のラミアやメローの範囲攻撃、状態異常なども混じるため、これらが苦しい。Medusaを相手している集団が石化している周囲で、メローのララバイで大量に寝かせられているログやラミアに魅了されているログが飛び交う。 トロール傭兵団「Gurfurlur」は外見からして巨大な体と腕力が特徴の肉体派だ。前方範囲ダメージのスレッジハンマー、強烈な吹き飛ばしのあるヘイトメーカー、単体には強烈な大ダメージを与えるヘッドスナッチ、金剛断鎖拳といった技を使用してくる。HPが減少すると範囲ダメージに毒や麻痺、スロウや静寂といった複数の状態異常を与えるプレアデスレイも使用してくる。
しかし、その最大の特徴は「大力足」という特殊技を使って魔法のバリアを張り、魔法攻撃や魔法属性のあるウェポンスキルを吸収して回復してしまうこと。通常攻撃はほとんど1桁、クリティカルなどでも2桁がせいぜいの高い防御力を要するのだが、魔法類を吸収した際には一気に120前後回復されてしまう。魔法攻撃の使用は気をつけたい。
蛮族軍の3大NMは、従来のHNM的な扱いとして各拠点にも出現する。だが、そうしたNMやHNMに挑む機会は少なく一部のプレーヤーに限られてしまう面がある。だが、この3大NMに限ってはビシージという機会に向こうから攻め込んでくるわけで、特殊なモンスターのグラフィック、能力を垣間見ることができるのが嬉しい。ビシージという舞台を使った面白い方向性の提示といえる。 だが、ビシージ中の表示の重さは依然として継続している。最大700人プレーヤーが1エリアで多数のモンスターと大規模戦を繰り広げるというのは、実現しているだけでも驚異的で、FF XIの基本設計が非常に優れていることを示している。しかし、快適なゲームプレイが実現すればよりおもしろくなることも間違いない。今回紹介したMedusaのように動きが関わるギミックがあるならばなおのこと欲求が高まる。
ビシージは登場以来、細かく仕様が調整され続けてきたが、ようやくコンテンツの方向性が定まってきた感がある。気になるのは、このビシージそのものの今後の方向性だ。この戦いは永続するのか、あるいはアトルガンミッションの完結と共に終わりを迎えるのか。
五蛇将とのストーリー的な絡みも含めつつ、今後のビシージの展開に期待していきたいところだ。 (C)2002-2006 SQUARE ENIX CO.,LTD All Rights Reserved.
□スクウェア・エニックスのホームページ (2006年12月1日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|