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このアップデートでは、田園都市「フィゲル」そして高レベル冒険者向けフィールド「オーディン神殿」、「キル・ハイル社」にまつわる大きなクエストなどが追加される。さらに新職業「ガンスリンガー」と「忍者」も実装される。今回、アップデートに先がけてガンホー社内で体験会が開催され、各要素に触れることができた。本稿ではスクリーンショットと共に各要素を紹介したい。なお、今回体験した内容は、テスト環境でのプレイのため、実装時には一部内容が変更になる可能性がある。
※掲載画面の一部に現在のゲーム仕様では作成できないアイテムが含まれていたため、正しい画面に差し替えさせていただきました。(編集部)
■ “1.5次職”ともいえるユニークな新1次職、「ガンスリンガー」と「忍者」 今回新たに追加される「ガンスリンガー」と「忍者」は、Jobレベル10から転職できる特別な1次職で「スーパーノービス」と同じように、2次職や、上位2次職などは存在しない。そのかわり通常の職業がJobレベル50までしか育てられないのに対し、この2つの新職業はJobレベル70まで育成可能となっている。いわば、“1.5次職”とも言うべき位置づけのキャラクタだ。 新職業の魅力は、なんといっても今までの職業にはないユニークなプレイスタイルにある。大きな手裏剣を投げ、瞬間移動して敵を倒す「忍者」、様々な火器をスタイリッシュに使いこなす「ガンスリンガー」。どちらも消費系のアイテムを多用するため、初心者には少しハードルが高くなっているが、「ラグナロクオンライン」に新しい雰囲気をもたらすキャラクタとなりそうだ。 ● 手裏剣の投擲攻撃と、忍術の属性攻撃、2つのプレイスタイルが楽しめる「忍者」
本作の忍者は、多彩なスキルによって特徴を表現している。そのスキルは、20を超える数が用意されていて、とてもすべてはカバーできない。このため転職した段階からある程度方向性を見定めた育成が必要となる。忍者のスキルは大別して「投擲武器」、「体術」、「忍術」の3つにわかれる。投擲と体術系を活かしたいなら、STRやVITなどを重点的に、忍術重視ならINTを重点的に伸ばしていくのがいいだろう。 投擲系のスキルには「手裏剣」、「苦無(くない)投げ」、「風魔手裏剣投げ」、そして「銭投げ」、パッシブスキルとして「投擲修練」がある。風魔手裏剣とは接近戦でも使える巨大な手裏剣で、投げることで周囲の敵にもダメージを与えられる。手裏剣と苦無の違いは、手裏剣は純粋にダメージを与えるものに対し、苦無は様々な属性効果が付与されており、属性攻撃が可能だ。銭投げは所持金を消費して敵に大ダメージを与えるスキルだ。 体術系のスキルは敵をはじき飛ばす「畳返し」、敵に斬りつけた瞬間ハイディング状態になる「霞斬り」、発動すると敵の物理攻撃を数回完全回避可能になる「空蝉」といったものがある。忍者は投擲武器を使うにしろ、忍術を使うにしろ、敵から一定の距離を保つことで真の実力を発揮できる特殊なアタッカー系の職業といえる。体術をうまく使いこなして、距離を取りつつ戦うというのが一般的な戦法となりそうだ。 さらに「念」を使うことで、「影分身」、「一閃」といった技が使うことができるようになる。影分身は空蝉よりも強力な回避スキルで、育て上げることでより多くの物理攻撃を回避可能になる。一閃は最大HPが多いキャラクタほど強力な攻撃が繰り出せる必殺技で、使用後は自分のHPが1になってしまう。この他に、霞斬りからも「影跳び」、「影斬り」といった技に連携できる。特に影斬りは強力な技だ。 忍術系は自分の周囲に炎を吹き上げる「火炎陣」や相手を凍りつかせる「氷柱落とし」など様々な属性をもつ術が用意されている。雷を落とす「雷撃砕」など、派手で見応えのあるスキルが目白押しだ。また、フィールドに水を発生させ、他の職業を支援できる「水遁」といった術も用意されている。 今回発見できたのは氷柱落としで敵を凍りつかせて「朔風(さくふう)」という風の刃で敵を攻撃するコンボだ。凍り付くことで敵は強制的に水属性になり、風属性のダメージが増加する。更に凍りついているため狙いもつけやすい。他職業と協力することでより強力な攻撃が可能になりそうである。
注意点として、忍者のスキルは「消費系アイテムを使用することが多い」ということを覚えておきたい。手裏剣や苦無はもちろん、「氷閃石」や「烈火石」など、術に応じた触媒も必要となる。手裏剣や苦無などは転職クエストを受けることができるアマツで入手できるという。中には材料を集めることで手に入る特別製のアイテムもあるということだ。
● 拳銃、ライフル、ガトリング……多彩な火器を駆使する「ガンスリンガー」
ガンスリンガーを特徴づけるスキルとしては「フリップザコイン」がある。このスキルは、成功することでキャラクタの周りにコインが回転するエフェクトがかかり、最大10枚まで集めることができる。このコインを使うことでガンスリンガーは様々なスキルを使える。コインを1枚消費して3回攻撃を行なう「トリプルアクション」、敵の防御力を低下させる「フライング」、コイン4枚を使って命中率やステータスを上昇させる「インクリージングアキュラシー」などがある。また、「マジカルバレット」というスキルは、弾丸を消費せずコインを魔法弾として打ち出すことが可能だ。 コインを消費しない技も多数用意されている。注意しなくてはいけないのは、ガンによって使用可能なスキルが異なることだ。このためガンスリンガーでプレイする場合は、取ったスキルが後で無駄にならないように、自分がどの武器を使うのかをある程度決めて、スキルを育てていく必要があるだろう。 ガンスリンガーのスキルには、敵を慎重に狙い大ダメージを与える「トラッキング」、敵の攻撃力を減少させる「ディスアーム」などはハンドガンとライフル両方で使える。ハンドガン専用のスキルとしては敵の集団に弾丸の雨を浴びせかける「デスペラード」といったスキルがある。ショットガンは広範囲に敵を攻撃できる「スプレッドアタック」の他、敵を大きく吹っ飛ばす「ダスト」といったものが用意されている。 ガトリングガンは回避率と移動速度を犠牲にして攻撃速度とダメージを上昇させる「ガドリングフィーバー」。グレネードガンは何故か地面に弾を設置し、地雷にするという「グラウンドドリフト」というスキルが用意されている。グレネードガンは本来は内部に炸薬を充填した“榴弾”を射出する武器だが、今回の攻撃アニメーションでは、弾体を射出する放物線を表現できていないのは少し残念だった。また、スキルや状況によって持っている武器とは違うグラフィックスが表示されてしまうことがあり、違和感を覚えることもあった。 ただ、両手で拳銃を構えて射撃したり、巨大なガトリングガンで射撃したりと、多彩な火器を扱うガンスリンガーのモーションは、他の職業にはない楽しさとカッコよさがある。通常攻撃時の銃声もまた今までのキャラクタにはなかったものだ。ライフルとガトリングガン、ハンドガンとグレネードガン、といったように複数の火器を持つことでよりキャラクタ性をはっきりさせることができそうである。
今回最も爽快だったスキルが「デスペラード」だ。敵の集団に銃弾の雨を浴びせかける攻撃は非常に楽しく、敵が多ければ多いほど爽快感が増す。敵を引き付けてからバババと打ち倒す気持ちよさは、ガンスリンガーならではだ。
■ のんびりとした田舎町、朽ちた神殿、そして大きな謎が明らかになる長編クエスト
この街では娯楽として発展した「モンスターレース」を見ることができる。また、ハンターギルドもここに移転しており、ハンターを志すプレーヤーは今後はここを訪れることになる。徒歩でこの街に来る場合は、強力なモンスターが多数棲息するアビスレイクを越えなくてはならないが、飛行船を使えば安全に訪れることができる。カプラも設置される予定なので、オーディン神殿やアビスレイクの洞窟などに行くための中継地点としても重宝するだろう。 オーディン神殿は竜巻のような「ブリーズ」や、不気味な黒い羽を持つ「ブルス」、黒い球体の「スケゴルト」といったモンスターが待ち受けている。崩壊した石造や建物がある荒涼とした場所である。オーディンは「ラグナロクオンライン」世界における主神という存在だが、この場でどのような物語が紡がれるのだろうか? モンスターは非常に強力で、高レベルの冒険者すらうかつに入ることができないような場所だ。 オーディン神殿の最深部には「ランドグリス」というMVPモンスターがいる。ランドグリスゴーストという側近を従えたこのモンスターは聖属性と言うこともあって、プレーヤーキャラクタの多くが有効な攻撃を持たない非常に強力なモンスターになっている。「ラグナロクオンライン」の中でも1、2を争う強力なモンスターである。また、このオーディーン神殿では「ヴァルキリー」の名を冠した強力な転生職専用防具が手に入るという。高レベル冒険者にとっての新たな挑戦の場となるフィールドだ。 高レベル冒険者にとってもう1つ新しい挑戦となるのが、「キル・ハイル社」に関わる長編クエストだ。この会社はもともとは創設者のキル・ハイルが作ったアインブロックの片隅で家電を制作していた小さな会社だったが、それから32年の間で、レッケンベル社からガーディアンの修理、研究を任される大企業まで成長した。企業の秘密を守るためその本社の位置は不明で、一説によるとリヒタルゼンの地下に本社があるという。 今回のアップデートではこのキル・ハイル社にまつわる謎が明らかになるという。70レベル以上のキャラクタが挑戦できるが、クエストクリアのためには、レベル80以上の力を持つキャラクタでなくては難しいようだ。今回見ることができたのは、「キエルの部屋」と「機械人形工場」という2つのダンジョン。中にはメイド服姿のモンスター「エリザ」や制服を着た女の子のような「エリセル」といった、一見かわいらしい外見をしているが恐ろしい攻撃力を持ったモンスターが待ち受けている。 キエルの部屋の入口付近は子供部屋のような飾り付けがされているし、機械人形工場では水中に沈んだ巨大な機械などが見える。工場では半透明のボスモンスター「キエル-D-01」が出現する。クエストはどんな展開を見せるのか? このボスモンスターの正体は? 謎は深まるばかりである。ぜひ挑戦して貰いたいクエストだ。 最後にフィゲルで体験できる「モンスターレース」にも触れておこう。このレースは元々フィゲルの住人が自分たちが楽しむ目的で始められた素朴なレースだ。出場モンスターは、ポリンやルナティック、バフォメット.Jrなど6種類。1位だけを当てるシングルスか、1位と2位を当てなくてはならないダブルスの2つのレース場が用意されている。順位を当てることで「不思議なメダル」がもらえる。このメダルはレース場外で様々なアイテムと交換できる。ヒナレの葉や、聖水の他、ポリン系のモンスターを召喚できる「ポリンボックス」など用意されているアイテムは多い。 ただ、レース場の雰囲気や出場モンスターなど、ビジュアル的な雰囲気はいいのだが、実際にプレイしてみると、「おや?」と疑問を持ってしまう部分が散見された。まず、オッズは常に固定で、レース券を購入する画面は通常のウィンドウを流用しており、それらしい演出に欠けているのが残念だ。レースの展開もフィールドモンスターの動きをそのまま再現しているため、一直線にゴールを目指してくれず、ランダムに右往左往していた。見ていると何度もスタート地点に戻ってしまっていた。冗長しいレース展開に少し退屈に感じる人もいるかもしれない。 確かに、魅力的な景品を用意すればプレーヤーはこのレースに参加するかもしれないが、日本におけるファミコン時代から続く長いミニゲームの歴史、水準から考えると、少々物足りない内容というのが正直なところだ。ただ、オンラインゲームは、実装して終わりではない。日本のユーザーやガンホー側の提案により、もっとエキサイティングで、楽しめるコンテンツにしてもらいたいと思う次第である。
プレーヤーは常に新しいコンテンツを求めている。今回の追加要素はこれに応えるものであると思う。特に忍者とガンスリンガーは今までのキャラクタとはひと味違う職業だ。他のキャラクタと肩を並べ、どんな活躍をしてくれるかは楽しみだ。一方で、シュバルツバルド共和国のコンテンツの多くは、上級者のみが楽しめる要素に少し偏っていただけにユーザーの最終的な評価が気になるところだ。「ラグナロクオンライン」は更なる進化を遂げる。今回の追加コンテンツはプレーヤーの社会にどんな変化をもたらすだろうか。引き続き今後のアップデートに期待したいところだ。
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□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ (2006年10月18日) [Reported by 勝田哲也]
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