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このアップデートではオープンβテスト以来の新しい1次職「テコンキッド」や、新地域「ノーグハルト」など様々な要素が追加される。今回、ガンホー本社にて各要素を先行体験してきたので、スクリーンショットを交えながら紹介していきたい。
■ “構え”から多彩な足技を繰り出す新職業「テコンキッド」 「テコンキッド」は、ゲームスタート直後の職業である「ノービス」から転職できる1次職の新職業。1次職の追加はオープンβテスト以来となる。テコンキッドだけではなく、テコンキッドの上位職「拳聖」、「ソウルリンカー」も追加された。
テコンキッドの技の多くは“構え”から発動する。例えば範囲攻撃を与える回転蹴り“フェオリチャギ”は、まずアクティブスキルである“フェオリチャギの構え”を発動させる必要がある。構えのスキルを使用すると、敵を攻撃した際にキャラクタは15%の確率で「フェオリチャギの構え」をとる。 この時すかさず「フェオリチャギ」のスキルを発動させることで回転蹴りを繰り出すことができる。テコンキッドの技の多くは構えてから発動するという流れになる。構えから発動するスキルには、敵をスタンさせるかかと落とし「ネリョチャギ」、敵をはじき飛ばす「トルリョチャギ」、追加攻撃を加える「アプチォオルリギ」といったものがある。 「タイリギ」というスキルは一度技を発動させると一直線に走り、再度スキルを発動させるか、何かにぶつかるまで止まらないという、移動に便利ながら、少々使い方が難しいスキルだ。なお、ダッシュ中にもう一度使うと、一瞬キャラクタが光りステータスがアップするという特殊な効果がある。上級者は、タイリギを移動だけではなく、戦闘にも活かすことができそうだ。 「ノピティギ」もまたユニークな移動スキルだ。このスキルを発動させるとキャラクタが一瞬画面外にジャンプし、家や壁といった障害物を飛び越えることができる。マップによってはダンジョンのショートカットや、攻城戦でのトリッキーな活躍もできるだろう。今までのキャラクタとはまったく違う移動を実現するスキルだ。 この他にもテコン系のキャラクタ(拳聖、ソウルリンカー)が近接していると回復量が増加する「穏やかな休息(HP回復)」、「楽しい休息(SP回復)」。発動レベルを調整することで様々な属性を付与できる「暖かい風」。高速で移動し、敵に攻撃を加える「ティオアプチャギ」など、テコンキッドの技はユニークな技ばかりである。 その中でも最もユニークなスキルが「テコンミッション」だろう。このスキルを使うとターゲットモンスターが画面に表示される。そのモンスターを100体倒すことでキャラクタはミッションポイントを“1”獲得できる。このポイントの累計をワールド内での他のテコンキッドと争うことになる。
メッセージウィンドウに「/taekwon」というコマンドを入力すると、テコンミッションに挑戦しているプレーヤーのランキングが表示される。上位10位に入ったキャラクタは「フェオリチャギ」から「ネリョチャギ」といった連携が使えるようになり、さらにBaseLV90になると「HPやSPが3倍になる」、「テコンキッドの全スキルを習得した状態になる」などの大きな恩恵がある。このランキングに挑戦できるのはテコンキッドのみで「拳聖」や「ソウルリンカー」に転職すると参加することができない。このスキルのために1次職にとどまるプレーヤーも出てくるかもしれない。
■ よりユニークな存在へと変わっていく上位職「拳聖」、「ソウルリンカー」
拳聖は「太陽と月と星の感情」というスキルを発動させることで、現在のマップを「自分のフィールド」として“登録”することができる。登録したマップには“太陽”、“月”、“星”の3つの場が生まれ、太陽の場所では「太陽の温もり」という特別なスキルが使用可能となる。このスキルを使用することで拳聖は、モンスターに大ダメージを与え、はじき飛ばす攻撃を実行できる。月の場所では「月の温もり」、星の場所では「星の温もり」と、それぞれ場によって対応するスキルが用意されている。 「太陽と月と星の憎しみ」というスキルではそれぞれ「太陽のモンスター」、「月のモンスター」などを登録することができる。この対象モンスターには「太陽の怒り」など対応するパッシブスキルを持っていれば攻撃力が上昇した状態で攻撃できる。 “太陽”、“月”、“星”という概念は現実の日付とも関係を持っており、太陽は偶数の日、月は奇数、星は5の倍数となっている。月の日(奇数)、月の場所では「月の安楽」というスキルが発動でき、キャラクタの回避率が高まる。「星の祝福」というパッシブスキルを持っていれば星の日(5の倍数)に星のモンスターを倒すことで経験値獲得が上昇する。拳聖は指定した場所、指定したモンスター、さらに特定の日にそれに対応したスキルを使うことで強力な力を発揮できるキャラクタなのだ。 注意したいのは、これらの場や対象モンスターを設定するスキルは現状、1度設定してしまうと、解除ができない点だ。結果として上記のスキルは極めて限定された場所、限定されたモンスターにしか使用できない。拳聖は多数の面白い要素を持った存在ではあるが、なかなか使いこなすことが難しい職業であるともいえそうだ。 拳聖のスキルで最もユニークなのが「太陽と月と星の悪魔」である。このパッシブスキルを取得するとキャラクタは視力を永遠に犠牲にすることで攻撃速度を上げることができる。キャラクタは常に「暗黒」状態になり、回復することができない。取得するのにプレーヤー自身の決断力が必要となるスキルだ。 ソウルリンカーはテコンドー使いであることをあきらめ、まったく違う道を目指すという、既存の2次職とはアプローチの異なる上位職だ。前衛であった今までの役割とは全く違う、“超支援系”ともいうべきデザインになっている。「フィオリチャギの構え」など、テコンキッドの時に使えていた攻撃スキルの多くは封印される。また、装備に関しても素手だけではなく、短剣や杖などキャスター系のものを装備できるようになる。 ソウルリンカーを象徴するスキルに「魂」というものがある。このスキルには「モンクの魂」や「ナイトの魂」など各上位職と「転生一次職の魂」が用意されている。「~の魂」というスキルは、それに対応した職業のキャラクタを強化できる、特別なスキル。その効能は様々なものがある。 例えば「拳聖の魂」を付与された拳聖のキャラクタは、この時だけ使用できる、敵の防御を無視した攻撃が可能となる「太陽と月と星の融合」というスキルを発動することができる。「セージの魂」を付与されたセージは「オートスペル」を使用している時、最高レベルの魔法が発動する。「~の魂」スキルは非常に多い。ソウルリンカーは力を増幅させる職業を選択しなくてはならない。どの魂スキルをどのレベルで取るか(Maxレベルは5)悩むことになるだろう。 ソウルリンカーはモンスターにのみ使用できる「エス」系の魔法も取得できる。中型モンスターをスタンさせる「エストン」や、モンスターのサイズを小型にし、移動速度を下げる「エスウ」など、ちょっと変わったスキルが用意されている。 更にソウルリンカーは“結婚相手”や“養子”といったゲーム内で特別な関係を結んだ「家族」にだけ影響を及ぼすスキルを持っている。回避率を上げる「カウプ」、すべての攻撃魔法とヒールを使用者に反射する「カイト」、攻撃を受けるとSPを消費し、HPを回復する「カアヒ」など様々なものがある。これらのスキルを使うために結婚関係を結ぶキャラクタも多くなるのではないだろうか。
テコンキッド、拳聖、そして前衛職から支援職に全く性質を変えてしまうソウルリンカーと今回追加された職業はどれもとても個性的だ。そのスキルは攻城戦などの対人戦にも大きな影響を及ぼすだろう。プレーヤー達がこの新職業をどのように使いこなすのか、楽しみである。
■ 高レベル向けの新地域、天使のいる「タナトスタワー」、竜のすみか「アビスレイク」
タナトスタワーは12層からなる巨大な建造物で、長い間人の進入を拒んでいた場所である。その名前の由来は、かつて人間界を侵略した魔王モロクを封印した、「魔剣士タナトス」を称えてつけられたという伝説がある。今回、レッケンベル社とジョンダイベント社によってその内部に人間が踏み込むことになったのだが、タワー上層部で探索隊員数十名が命を落とす大惨事が起きたという、非常に危険な場所だ。 タナトスタワーは目安としてレベル80以上のキャラクタを対象とした高レベル向けのダンジョンとなっている。タナトスタワーに入るには5,000ゼニーの入場料が必要となる。内部に入る前にタワー遠景を眺められるフィールドが用意されているのが新鮮だ。内部には「天使」族のモンスターがひしめいている。 なぜ天使が人間に襲いかかってくるのか? それは「ラグナロクオンライン」のゲーム内の歴史で語られる、「人間、魔族と神の戦い」にも深く関わってくるという。タワーの中でもたくさんのクエストが用意されており、タナトスタワーの秘密を解き明かす事が今回の冒険の大きなテーマとなっている。 タワーの3層には、キャラクタ5人のパーティーを組む事でしか上がることができないという制限がかかっている。さらに上層には「生体工学研究所」と同じように職業による制限のかかった場所もあるという。展開するストーリーは「ラグナロクオンライン」ファンにとってとても興味深いものになりそうだ。 「アビスレイク」は多くのドラゴン型モンスターが待ち受けるダンジョンだ。入るためには「ドラゴンのしっぽ」など指定されたアイテムを複数集める必要がある。こちらの対象レベルはタナトスタワーよりは若干低めだが、それでも高レベルのキャラクタ向けであることには変わりがない。同行者を多く募って挑戦したいダンジョンだ。 アビスレイクの第3層には巨大な赤いドラゴンが待ち受けている。ドラゴンは強力なモンスターを多数引き連れており、少人数のパーティーではあっという間に取り囲まれて全滅させられてしまうだろう。ドラゴンは「メテオストーム」など強力なスキルを発動してくる。戦いはかなり過酷なものとなる。
タナトスタワーはストーリー的な要素が強く、アビスレイクは戦闘中心の、ドラゴンに挑戦することそのものが冒険のクライマックスとなる。“スタッフからの挑戦状”ともいうべきダンジョンだ。実装後には「ドラゴン退治」を目標に多くの冒険者が挑戦していくだろう。
■ 料理クエスト、追加スキル、ホムンクルス進化などその他の追加要素
料理はキャラクタのステータスを一時的に上昇させる効果がある。料理本にはレベルがあり、レベルの高い料理は大きくステータスをアップさせてくれるが、材料の入手が難しくなっている。調理器具にもいくつか種類があり、調理の成功率が高くなる「高級調理器具」はモンスターのドロップからしか入手できないレアアイテムとなっている。 料理という新しいアイテムの出現によって、プレーヤー間の取引がより一層活発になるのは間違いない。特にLUKやDEXといった生産に直接関係する能力値をアップさせる料理の需要が高くなることが予想できる。高レベルの料理は食材集めにも手間がかかる。材料アイテムの取引も活発に行なわれるだろう。 駆け出しの冒険者は低レベルの料理を“お弁当”として狩りのお供にするのも楽しいだろう。上級プレーヤーは高レベルの料理を高値で取引し、冒険に役立てる。新しいアイテムの登場で「ラグナロクオンライン」の世界は一層豊かになったが、一方で、新アイテムの登場によって銀行の倉庫がより一層圧迫される事も確かである。そろそろ倉庫の拡張を希望したいところだ。 「職業別クエストスキル」に注目しているプレーヤーも多いだろう。今回、各2次職向けに、クエストをクリアすることで入手できる特別なスキルが追加された。体験会で見ることができたのはナイトの「チャージアタック」とウィザードの「サイトブラスター」の2つのスキルである。チャージアタックは遠距離にいる敵を攻撃できるスキル。敵との距離が離れているほど「助走」ができるため攻撃力が高くなる。 サイトブラスターは術者の周りを炎が回転するという防御系の魔法だ。この炎は敵にダメージを与えると消滅する。炎に当たった敵ははじき飛ばされる。ただしこのノックバック効果は攻城戦時には機能しないとのことだ。 この他にも対象者を移動不能にするローグの「クローズコンファイン」や矢を装備していなくても攻撃できるハンターの「ファンタズミックアロー」など多彩なスキルが追加される。クエストの内容や詳細は現在検証中とのことで、今回は明らかにされなかった。これらのスキルの登場で特にGvGがどう変化するかが気になるところだ。 アルケミストが使役する「ホムンクルス」もアップデートされる。従来の4種類に加えて、「亜種」が追加され、計8種類のホムンクルスが登場することとなった。亜種のホムンクルスは既存のホムンクルスと同じ名前を持ち、能力値などにも違いがないが、外見が異なっている。亜種のほとんどが、オリジナルが解け崩れたようなグロテスクな外見になっているのは意見のわかれるところだが、個性を主張したいアルケミストには魅力的な要素である。 今回は更にホムンクルスが「進化」する。見ることができたのは鳥形の「フィーリル」のみだったが、一回り大きくなっていて、力強い印象を受けた。ホムンクルスを進化させるには親密度を「極めて親しい」まで上昇させ、かつレアアイテムである「賢者の石」を使用する必要がある。進化したホムンクルスは体力とMPの最大値が増え、ステータスが上昇、「奥義スキル」を取得することができる。 フィーリルの奥義スキルは親密度の数値と同じくらいの大ダメージを与えることができる「S.B.R.44」。各ホムンクルスにはそれぞれ固有の奥義スキルが用意されている。バニルミルトは自爆して周囲に大ダメージを与えることができる「バイオニックスプロージョン」。奥義スキルはどれも強力なものだが、発動させると親密度が「大嫌い」まで大幅に下がってしまう。親密度は熱心なプレーヤーでも充分に上げるためには数カ月かかると言われている。奥義スキルの発動にはかなりの「覚悟」が必要となるだろう。 テコンキッドを始めとした新職業、ストーリー要素の強いタナトスタワー、料理の存在など、今回の追加された要素は、ゲームの幅を更に広げてくれるものだ。一方、前回のアップデート同様、上級者向けの項目が多いという印象も持った。今後は、初心者に向けた、よりゲームの裾野を広げるような要素も希望したいところである。
とはいえ、新職業の活躍や、追加スキルの登場などによってユーザーの意見が活発になるのは間違いない。「ラグナロクオンライン」の社会がどう変化するのか? 興味を持って見守っていきたいと思う。
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□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ (2006年7月3日) [Reported by 勝田哲也]
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