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★オンラインゲームレビュー★

ダンスの魅力を独特のスキルノート方式で再現
多人数で踊る魅力をしっかり再現したダンスゲーム

「ダンシングパラダイス」

  • ジャンル: オンラインダンスアクションゲーム
  • 開発元: T3 ENTERTAINMENT
  • 運営元: ネクソンジャパン
  • 利用料金: 無料(アイテム課金)
  • 対応OS: Windows 2000/XP
  • 発売日: 正式サービス中



 基本プレイ料金が無料、オンラインで他のプレーヤと一緒に遊べる、そして手軽に楽しめる。こうした魅力を軸にして昨今ますますの活況を呈しているカジュアルオンラインゲーム。その中でも、特に海外を中心に注目が高いのがミュージックジャンル、いわゆる「音ゲー」だ。

 本稿で紹介するネクソンジャパンが運営するオンラインダンスミュージックゲーム「ダンシングパラダイス」は、韓国T3が開発を行ない韓国をはじめ、中国や台湾、ベトナムでもサービスしている。ダンスという体を使う動きをコマンド入力で行ない、オンラインならではの同時プレイで人と一緒に踊るというダンスの魅力をゲーム的に再現している。個性的な本作の魅力を紹介していこう。


■ 流れるようにスキルノートを入力して華麗にダンスする独特のシステム

オンラインならではの多人数プレイで“ダンス”の魅力を再現する個性の強いタイトル
画像のようにスキルノートをキー入力し、横に伸びているタイムゲージの白い部分を狙ってスペーキーを押す
 まず、「ダンシングパラダイス」のゲーム概要から紹介していこう。本作はバックにミュージックが流れるなか、キャラクタをダンスさせてスコアを競うのが基本的なスタイル。画面に表示される矢印“スキルノート”の通りに、キーボードのカーソルキーやテンキーで入力し、最後にタイムゲージのベストタイミングでスペースキーを押すとダンス入力完了。キャラクタが、プロのダンサー顔負けの見事なダンスを踊る。

 スキルノートを連続入力し、スペースキーで完了するとダンスを踊るという一連の動作がワンセットになっていることが、本作の最大の特徴だ。一般的な音ゲーではリアルタイムに入力を行なうことで、曲に合った音が鳴るというものが多いが、本作では、曲の一定の区切りに対してまとめてスキルノート入力を行ない、その後にキャラクタがダンスをするという独特のプレイスタイルを採用している。

 具体的な流れとして一例を挙げてみると、“上、右、右、左”のスキルノートをキー入力後、タイムゲージのタイミングを見てスペースを押すとキャラクタがダンスを始める。続いて、“上、上、右、下、右”とキー入力、入力後にスペースキー、キャラクタがダンスする。このように連続したキー入力から最後にスペースキーを押すという操作が一連の流れになっていて、これをメロディーの区切りごとにまとめて行なう。成功していくごとに入力するスキルノート数が増え、難易度が高まっていくと同時に、プレーヤのテンションも高まっていく。

 具体的には、順調にダンスを踊っていくとスキルノートのレベルがアップしていく。レベルに比例して入力ステップが増えるようになっていて、レベル7にもなると7つのコマンド入力が必要になる。スキルノートの入力は間違えて入力すると最初から入力し直しとなってしまうため、レベル6、7あたりのスキルノートで入力ミスをすると、ほとんどの場合はダンスをミスすることになってしまう。ダンスをミスするとスキルノートレベルは1に戻ってしまう。レベルが1に戻ってしまうこともさることながら、画面上のキャラクタが踊ることなく寂しく立ち尽くしてしまう。ちなみに本作には入門用のサーバーと中~上級者向けのフリーサーバーがあり、フリーサーバーではスキルノートのレベルは最大9レベルまである。

 順調にダンスを成功していくと、その先に“フリースタイル”という状態が待っている。フリースタイルはスキルノートが表示されず前半を自由に入力をしていく。すると、後半の入力候補が絞り込まれていくのでそれを入力して完成させるというものだ。完全に固定された入力を行なう通常のスキルノートと比べて自由度が高い。ちなみに同じ方向を連続して入力するなどの単調な入力だと絞り込まれていく候補がなくなり、結果、最初から入力し直すような事態になる。その名の通り、自由に華麗な入力をしてダンスを完成させるのを目指すものだ。

 “フリースタイル”をさらに順調に成功させていくと、最後に待ち受けるのが“フィニッシュムーブ”。虹色に輝くスキルノートに9手順もの矢印が表示されるという、フィニッシュに相応しい難易度のスキルノートだ。スコア的にも非常に大きく、画面の演出やダンスも派手なものが用意されているとっておきの見せ場でもある。難易度は高いが是が非でも成功させていきたい。

 タイムゲージのタイミングは最もベストなタイミングであった場合パーフェクト、次いでグレート、クール、バッド、そしてミスといった順に判定される。キー入力によるダンスコマンドも重要だが、タイムゲージの判定もスコアに大きな変化を与える。パーフェクトを連続して出すとコンボ状態になりさらに高得点に繋がる。

 タイムゲージのバーが進むスピードは、曲のリズムの速さによって変化する。速いリズムの曲ほどスキルノートを入力する時間は少なくなり難易度が上がることになる。また、タイムゲージのベスト判定は拍を取るタイミングになっており、リズムに乗ってプレイできると自然とベストタイミングが取れてスコアが伸びる作りになっている。ダンスならではの作りだが、スムーズなスキルノート入力が行なえるようになって、曲のリズムを楽しむような余裕が出てこないと難しいだろう。ちなみに筆者の腕前はまだまだ下手なため、スキルノートの入力で手一杯でリズムを楽しむような余裕が出ておらず、パーフェクトの判定はなかなか取れない現状だ。

途中まで自由にスキルノート入力をする“フリースタイル”。だんだんと入力候補が絞られていく。画像右のようにスキルノート候補が3つ表示されるモードもある

なんとしてでも決めていきたい“フィニッシュムーブ”。スキルノートのレベルが高まった先に出現するとっておきの見せ場だ。難易度が高いが成功するとブライクダンスなどの大技のダンスが繰り出される

左から、曲のセレクト、タイムゲージの判定、曲終了時のスコアの画像。プレイで選べる曲はJPOP、韓国のKPOPなど、ダンサブルでBPMの速い曲からSlowなバラードなど多彩だ。曲のBPMはタイムゲージの進む速度に直結していて画像中央のように4段階のタイミング判定に影響される

左がマップ画面、中央と右はショッピングモールの施設。中央は曲を聴くことができるミュージックリストボックス。ショッピングモールでは自分のキャラクタの服装が充実していて、ゲーム内通貨のDENとリアルマネーを換金したポイントで交換するものが幅広く用意されている


■ 多彩なモードは、オンラインならではの多人数プレイに魅力を集中させている

チームバトルの模様。曲を攻略するというより、多人数で楽しむという方向性が強い。
 続いてゲームモードについて紹介していこう。キャラクタにはレベルがあり、ダンス終了時のスコアによって経験値とファッションアイテムを購入するためのゲーム内通貨「DEN」を獲得する。だが、これはソロプレイではどちらも得られない。ソロプレイはあくまでスキルノートの入力やプレイモードに慣れるための練習という位置づけ。メインとなるのはマルチプレイモードということになる。

 まず基本となるのは、ルームメンバー全員で同じダンスを踊る「シンクロダンス」。ソロプレイ、複数人数プレイともに同じ内容で遊ぶモードで、ダンス中にトップスコアのプレーヤーはダンスステージのセンターに一歩前に出て踊ることになる。スコア争いだけだと味気ないが、このセンターに立ちたいという気持ちにさせる演出は見事だ。ただし、全員が同じ難易度のダンスに揃って挑むモードだけに、フリースタイル状態やフィニッシュムーブは出現しない。安心して遊べる基本中の基本といったモードとなる。

 続いては、各々で自由なタイミングでダンスを踊り、スコアを争う「バトルダンス」。シンクロダンスなどではタイムゲージが過ぎてしまうとミスとなってしまうのだが、このバトルダンス時には見送ってしまってからでもダンスが成立する。もちろん、一番速いタイミングで次々にダンスを繰り出すのが高得点につながるのだが、慌ててミスやバッドの判定を出してしまうリスクとのバランスを取っていく。高得点を狙ってセンター位置を狙いたいのは同様だ。シンクロダンスと同じくあくまで自分のスコアのみで競うモードなので、気兼ねなく遊べる。こちらは得点の大きなフリースタイルやフィニッシュムーブも登場するので確実に成功させていきたい。

 そして本作の醍醐味が詰まっているのがチーム戦だ。赤と青のチームに分かれて行なうチームダンスでは、シンプルにチームスコアを競って楽しめる「チームシンクロダンス」を基本にさらにモードが充実している。「チームバトルダンス」では、1区切りごとにチームメンバーが交代してダンスをし、スキルノートのレベルを高めていく。途中で誰かが失敗になるとレベル1に戻ってしまう。自分の腕前がチームメンバーに影響するシビアなプレイではあるだが、上手くダンスが繋がって相手チームに勝利したときには高い一体感が得られる。

上段はシンクロダンス、下段はチームバトルダンスの模様。シンクロダンスではトップスコアのダンサーがセンターポジションを獲得する。目まぐるしく入れ替わるセンター争いはなかなか熾烈で楽しい。チームダンスでは交代でスキルーノートに挑む。最大人数でプレイすると条件付きのボーナスゲームが入ることもある


■ 慣れてきたら強豪が集うフリーサーバーで腕試し

フリーサーバーではさらに難易度アップ。8keyモードでは画像のように斜めの入力も登場する
 上記のモード紹介は、入門用のサーバーでプレイできる本作の基本的な遊び方。フリーサーバーではさらにモードが拡充される。スキルノートが全てフリースタイルになる「フリースタイルダンス」、男女ペアで2対2のチーム戦を行なう「カップルダンス」は、二人で分担してひとつのスキルノートを入力する。相手の踊ったスキルノートが一瞬だけ表示されるのを記憶して再現するという直接的なチームバトルが行なえる「ブレイクダンスバトル」、通常トップスコアの人が立つセンター位置が目まぐるしく変わる「ダイナミックダンス」など、非常に多彩だ。

 中でも個性的なのはカップルモードだろうか。ひとつのスキルノートを分担して入力し、高レベルの長いダンスを完成させる。スキルノートの分担はまとまって分けられているわけではなく虫食い状態。飛び飛びの矢印を追って入力するのには多少の慣れが必要だ。成功すると他では見られない男女ペアならではのスペシャルダンスが見られる。スキルノートの結果判定は個別に行なわれ、二人ともがパーフェクトを決めるとハートポイントを獲得。相手チームよりハート数が多い場合、その差に応じてモーションが変化。曲の終了時に得られる経験値やDENが増加する。

 フリーサーバーでのダンスは、スキルノートのレベルが後半から始まり、いきなり手順が多いほか、最大レベルも9と高い。また、入門用のサーバーでは登場しなかった斜め入力のスキルノートが出現するため難易度は格段に上がる。ゲームの操作は、キーボードの矢印キーでも可能だが、この中~上級者向けの斜め入力はテンキーでないと行なえない。最初からテンキーでの操作に慣れておくほうが懸命と感じた。

 また、赤い矢印も出現する。これは表示されている方向の逆を入力しなければいけないというもの。9レベルのスキルノートやフィニッシュムーブに赤矢印が混ざってくると相当に難しい。それだけに成功させると他のプレーヤから賞賛の声が挙がる。

 強い魅力を感じたのはやはりカップルダンスをはじめとしたチーム戦。他プレーヤとセッションするように交互に踊るというのは、プレッシャーもかかるが、それだけに連続して成功していくと高い一体感が得られる。プレイ後にチャットで互いを褒めあうとかなりのモチベーションも挙がる。この気持ちよさは本当にダンスしている気持ちの高ぶりと近いものがあるのではないだろうか。反対に、上手くいっている流れに乗れずに立ち尽くしてしまうと気まずくなってくるところまで似通っている気もするが、そこは努力でカバーしていきたい。

男女ペアの2組で競うカップルダンス。画像のようにスキルノートが分担され、協力してペアダンスを完成させる。赤い矢印は表示と逆に入力するというさらにトリッキーなスキル。フィニッシュムーブに至っては非常に長いスキルノートが表示されかなりのインパクトがある。冷静かつスムーズに入力できるかがポイント


■ フリーでセンターに立つ道は険しい!? 韓国で導入済みの「BEAT UP!」モードにも期待

フリーサーバーで待ち受けるレベル9、8key、逆入力スキルはかなりの練習と慣れが必要。それだけに華麗にダンスするトップダンサーはかっこいい
 筆者がプレイした印象では、本作の難易度はかなり高いように感じる。正直に書いてしまうと筆者の腕前ではまだフリーサーバーでチーム戦を行なうには勇気が必要な状況だ。スキルノートが表示されてからタイムゲージが過ぎ去るまでに、どれだけの反射神経でスムーズかつ正確な入力が行なえるのかが上達の鍵となっている。この点において、本作はダンスの魅力をコマンドの入力というゲーム的な手法で再現しているものであって、従来のイメージにある「音ゲー」という括りからはかなり離れており、非常に個性的だ。

 難易度が高いだけに、上級者のパーフェクトを連発する華麗なダンスには圧倒されるものがある。だが、その姿を目指して練習するものの、本作はスキルノートがランダムに登場するだけに、慣れによって反応するスピードを上げていくことやスムーズな入力ができるようにしていくのが限度となる。曲を覚えたり、ダンスで言うところの「振り付け」を覚えるといった上達を促進させる要素が欠けているのが残念である。

 韓国では流れてくる矢印をタイミングよく入力する「BEAT UP!」というモードが実装されているとのこと。従来の音ゲーのイメージに近いシステムと思われるもので、日本版にも導入される可能性が高いようだ。「BEAT UP!」モードにも期待が掛かるが、色々な楽しみがあるモードの拡充にもさらに期待したい。

Copyright (c) Nexon Corporation and Nexon Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
Copyright (c) Yedang online Inc. All rights reserved.
Copyright (c) T3 ENTERTAINMENT CO.,LTD. All rights reserved.


【ダンシングパラダイス】
  • CPU:Pentium III 1GHz以上(Pentium 4 1.4GHz以上を推奨)
  • メモリ:256MB以上(512MB以上を推奨)
  • HDD:2GB以上
  • ビデオメモリ:64MB以上


□ネクソンジャパンのホームページ
http://www.nexon.co.jp/
□「ダンシングパラダイス」のページ
http://danpara.nexon.co.jp/
□関連情報
【9月1日】ネクソンジャパン、「ダンシングパラダイス」
9月7日からオープンβテスト開始! オンラインで楽しめるダンスゲーム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060901/dance.htm
【7月30日】 China Digital Entertainment Expo 2006現地レポート
熾烈なシェア争いを繰り広げる中国メーカーレポート(その2)
カジュアルゲーム花盛り、トレンドは“音ゲー”、海外大手も本格参入
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060730/china_03.htm

(2006年10月4日)

[Reported by 山村智美]



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