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「ダンシングパラダイス」は韓国T3が開発したオンラインダンスゲームで、原題は「Audition」。韓国だけでなく、中国や台湾、ベトナムでもサービスしており、中国での人気は高く、本誌でもChinaJoyレポートの中で取り上げている。本作は一度「Ryzme」という名でブロードゲームによる日本展開が行なわれたが、2006年6月に方向性の違いなどを理由にサービスが終了している。今回、ネクソンのサービスによって“再上陸”を果たすことになる。 今回はオープンβテストに先駆けてネクソンジャパンで行なわれた体験・説明会から、本作の特徴、今後の展開を紹介したい。強いオリジナリティーも感じさせるユニークな作品である。
■ 華麗なダンスがスタープレーヤーへのあこがれを生む
音楽に合わせてリアルタイムにキーを押していくいわゆる「音ゲー」とは違い、コマンドを入力してからスペースを押すことでダンスが発動するというゲーム性なため、独特の「間」があるのが面白い。入力が成功するとキャラクタは様々なダンスをする。ダンスはプロダンサーの動きをモーションキャプチャーで再現したもので、さらに腕の動きの軌跡が輝いたりと派手なエフェクトも入っている。モーションは3,000パターン以上が収録されていて、今後更に増えていく予定だ。 ゲーム中はカメラも様々なアングルに変わり、見応えがある。プレイしているだけでも楽しいが、うまい人のプレイを見たくなる作品だ。曲の終了時には自分のダンスを記録できる。ダンスデータは後述する公式ページにUPすることも可能だ。上級プレーヤーの華麗なダンスは多くのプレーヤーのあこがれとなるだろう。 ゲームで高得点を記録していくことで様々なコスチュームを購入できるようになっていく。また、経験値を溜めていくことでより高度なルールのダンスバトルに挑戦できるようになっている。ゲームでは他のプレーヤーとの対戦の他、シングルプレイでひたすら練習を積み重ねることもできる。高レベルになると他のプレーヤーとチームを組んでチーム対戦も楽しむことができる。シングルでも、多人数でも楽しめる作品だ。 アバターは顔、髪型、上着とズボンやスカート、靴、といった部位がある。セットアイテムも用意されている。かなりの種類が用意されており、自分なりのコーディネートが可能だ。お気に入りのファッションでキャラクタを飾り立て、ダンスを決める楽しさは本作ならではのものだろう。コスチュームに関してはゲーム内通貨「DEN」で買えるものと課金アイテムがあり、様々な種類のアイテムが実装される予定だ。
ゲームを進めていくとスキルノートの量が増え、入力しなくてはいけないキーが増えていく。赤い入力ボタンは指示とは“逆”にキーを入力しなくてはいけない。本作の難易度は高めである。しかしだからこそ、超絶テクニックを誇るプレーヤーが脚光を浴びるのだ。本作の華やかなステージ、華麗なダンスはプレーヤーのテクニックのすごさを、より美しく演出してくれる。スタープレーヤー達のテクニックは多くのプレーヤーのあこがれとなり、練習を積み、彼らのようなプレイを目指したくなってしまうに違いない。
■ 様々なダンス、対戦、協力プレイが可能な多彩なゲームモード
他のモードとちょっとルールが異なる、「フリースタイルダンス」というモードもある。フリースタイルダンスの場合、入力リストが同時に3つ現われる。プレーヤーはその内のどれを選んでも良い。キーを選択することで選択肢が狭まっていきリストは1つになる。他のプレーヤーがいる場合、選択したリストによって他プレーヤーとダンスが異なり、そのミスマッチが楽しい。他プレーヤーとの競演が特に楽しいモードだ。 さらに本作は、オンラインゲームならではのチームバトルが楽しめる。こちらにもいくつかのモードが用意されている。プレーヤー達がチームを組み、他チームと競い合う。「チームダンス」では、2組のチームが順番に踊っていき、それぞれの得点を競い合う。「カップルダンス」は男女でチームを組み、他チームのカップルと競い合う。勝ったカップルは抱き合い、熱いキスを交わす。 「ブレイクダンスバトル」は本作で最も難しいゲームモードだ。このモードでは“相手側”のコマンドを入力しなくてはならない。相手のスキルノートを見て覚えておき、自分のタイミングの際にこれを入力しなくてはならない。熟練プレーヤーで、さらに記憶力も良くないとないと勝利できないだろう。
チームバトルはオンラインダンスゲームである本作の楽しさを最も体感できるモードとなりそうだ。気の合う仲間を見つけて、他チームと対戦をして勝利する。練習し、共演者とセッションを行なう本物のダンスさながらの楽しさを味わうことができるだろう。
■ オリジナル楽曲、お試しキャンペーンなど積極的に行なわれる運営側のアプローチ
その目玉となるのが、大手音楽レーベルとの提携だろう。現在は、交渉中であり明らかになっていないが、実現すれば有名楽曲でのプレイが可能になるという。楽曲が導入されるのは10月以降になるとのことだが、是非とも実現して欲しい要素だ。もし最新楽曲がゲーム内に登場するとすれば、若い女性層のみならず多くの人の注目を集めるのは必至だろう。現在のところ、楽曲は無料で提供される予定だ。 プレーヤー達の交流を活発にするため、公式ページのメニューボタンを少なくすることで敷居を低くし、自分のキャラクタの画像や、ムービーをアップできる掲示板などを設置し交流を促進させていく。また、本作の体験版となるFlashゲームを準備し、ゲームをインストールしなくてもお試しプレイができる。このゲームはファンは自分のブログにタグを貼ることでブログの来場者に体験してもらうことも可能となっている。 「ダンシングパラダイス」は韓国では積極的にオフラインイベントなども行なわれ、有名プレーヤーも誕生しているという。スタープレーヤーの存在、そして彼らのパフォーマンスはゲームの魅力をより際立ててくれる。日本でどのような展開を行なっていくかも期待したいところだ。 サービススケジュールやキャンペーンも紹介しておこう。本作はオープンβテストを9月7日から予定しており、その後、2週間~1カ月という比較的速いペースでアイテム課金制の正式サービスに移行する。現在考えられている課金アイテムはコスチュームで、ゲームの難易度を下げるなどゲーム性に関わるようなアイテムは想定されていない。コスチュームは買いきりのものと、レンタル制のものが考えられている。日本オリジナルのアイテムも登場する。 オープンβテストを記念して期間中ログインしたユーザーには「記念アイテム」がプレゼントされる。帽子が2種類と、髪型とサンバイザーがセットになったアイテムが2種類の計4種類の内、1つがプレゼントされる。また、「アバターお試しキャンペーン」として、期間中はDENで買えるアイテムがすべて極めて安価に入手できる。この時入手したアイテムは残念ながら正式サービス時にはクリアされてしまう。 「ダンシングパラダイス」のインベントリには制限がないため、いくらでもアイテムをストックできる。この機会に自分のセンスにあう服装を追求するのも楽しそうだ。様々なアイテムを組み合わせてダンスを踊る、テーマごとに服装を変えるど、思う存分服装にこだわることこそ、本作の大きな楽しさだ。
筆者は試遊台で「Audition」を楽しむ多くのプレーヤーをChinaJoyで見た。うまいプレーヤーはギャラリーも多く集まり、プレーヤー自身だけでなく、ギャラリーも一体になってゲームを楽しんでいる姿が印象的だった。他のゲームにはない「華やかさ」を感じることができたと思う。娯楽の選択肢のスケールが違う、中国と日本では状況が異なるとは思うが、本作は多くのプレーヤーに興味を持たせる魅力を持っている。よりうまいプレイ、より楽しいアピールをするために、多くのプレーヤーにこのゲームをやりこんでもらいたいと思う。観客から拍手を浴びるようなスタープレーヤー、ダンシングクィーンの登場に期待したい。
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□ネクソンジャパンのホームページ (2006年9月1日) [Reported by 勝田哲也]
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