★オンラインゲームレビュー★
巨大生物襲来! 新たな大地での冒険が楽しい
まさに今が旬のファンタジーMMORPG
「マビノギ チャプター2」Part.2 |
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- ジャンル:MMORPG
- 開発/発売元:ネクソンジャパン
- 利用料金:無料(アイテム課金)
- 対応OS:Windows 2000/XP
- サービス開始日:正式サービス中
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ネクソンジャパンが2005年4月から正式サービスを行なっているMMORPG「マビノギ」。2006年の4月26日からは広大な「新大陸イリア」が実装され、未踏の大地を探索する楽しさが追加された。
さらに8月3日からはこの大陸に巨大生物が登場、生産者向けにも新要素が追加され世界に厚みが加わった。今回のレビューでは新要素の紹介と共に、改めてすこし深く「マビノギ」の持つ魅力を語っていきたい。
■ 年月を経て充実し、更なるオリジナリティーを発揮した「マビノギ」
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現在筆者はギルドに加入し、イリア大陸の住人として生活している。先輩プレーヤーのおかげで、この世界の歩き方も少しずつわかってきた
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「マビノギ」ではEキーを押すとカブトのバイザーを上げ下ろしできる。ものすごく細かい部分だが、ファッションのアクセントになる。スタッフのこだわりを感じさせる要素だ |
「マビノギ」は韓国NEXONが開発したMMORPGである。大きな特徴としては、韓国のMMORPGのトレンドともいえる、レベルを上げてから対人戦を大きな目的とする、いわゆる“韓国産MMORPG”とは少し毛色の違っている作品であることが挙げられる。まず、キャラクタはレベル制+スキル制で表現されており、レベルが上昇すると得られる「アビリティポイント(AP)」を消費することでスキルを強化していく。
「転生システム」は「マビノギ」のキャラクタにユニークな成長を可能にさせている。キャラクタは転生することでレベルが0に戻るが、スキルは転生前のままである。初期のレベルは極めて上がりやすいため、転生すればするほどAPを入手しやすくなる。だだし、転生するためには「キャラクタカード」という課金アイテムが必要となり、一定以上にスキルを高くするためにはやはり継続的なプレイが必要になる。
レベル制のゲームでは、少しでもレベルが違うと狩りを一緒にできない場合もある。レベル差が埋められないため、ギルドに入っても一度も顔を合わさないメンバーがいる、ということもおこりうる。「マビノギ」ではレベル差が必ずしもユーザーを分けないため、上級者が初心者を連れてダンジョンに潜り、双方にメリットがある、という場面も生まれる。さらに本作の戦闘はレベルアップによるキャラクタ強化よりも、“プレーヤースキル”が重要となる。レベルが低いキャラクタでもスキルの効果的な使い方を覚えれば、充分強力なモンスターと渡り合えるのだ。
「マビノギ」のキャラクタは通常のアタックに加え、敵の攻撃を受ける「ガード」、無防備な敵に強力な打撃を与える「スマッシュ」、敵の攻撃を受け流し反撃する「カウンター」、更に複数の攻撃ができる「ウィンドミル」、これに弓での攻撃や魔法攻撃の要素が加わるという多彩な戦闘スキルを持っている。初心者は少しハードルが高く感じるかもしれないが、スキルの使い方は、上級者と共にダンジョンを巡り、指導を受けながら覚えていくことができる。特に初期の魔法「アイスボルト」で敵のガードを崩し、向かってくる敵にカウンターを当てるという戦闘の基本テクニック、「アイスボルトカウンター」を覚えた時の爽快感は格別である。
筆者は先輩プレーヤーに必死についていきながら戦い方を覚えている最中である。うまい先輩に指導を受けて強くなる、というのは「マビノギ」の大きな楽しさだと感じている。また、キャラクタはスキルを伸ばすことで回復の曲を奏でたり、強力な一矢を打ったり、強大な魔法を使うこともできる。自分にはない戦術の広さと、テクニックを持っているプレーヤーには素直に尊敬の念を抱いてしまう。アクションゲームのような駆け引きと、熟成されたゲームシステムが、先輩プレーヤーの強さを際立たせてくれている。
世界観の魅力も特筆しておきたい要素だ。「マビノギ」のフィールドはどこか暖かな雰囲気があって、旅をしているだけで楽しい。たき火を囲んだり、ただ空を眺めながら雑談したりと、まったりとした空気が楽しめるゲームだ。また、キャラクタの衣装は多彩な種類が用意されており、色も含めれば細かいところまでコーディネートできる。実用的な部分だけではなく、着ぐるみのような“ネタ”要素があるのも楽しい。服装を替えてつい友人に披露したくなる、アバター要素の強いゲームである。
「マビノギ」は正式サービスが開始してから1年以上経過するゲームだ。少しずつ追加されたコンテンツは積み重なり、深みを感じさせるものになった。親切な仲間、気の合う友達を見つけることができればゲームの奥深さを充分体験できるだろう。モンスターを倒し己を鍛える冒険に加え、この世界の裏で渦巻く陰謀に挑戦するメインストーリー、更に謎に満ちた新大陸と、楽しめる要素は充分だ。グラフィックス、世界観、キャラクタ、雰囲気など、ちょっとでも本作に興味を持つことができたら、一度この世界を訪れてみてはいかがだろうか。
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友人の結婚式での記念写真。プレーヤー達はそれぞれ自分なりにファッションを追求している |
メインストーリーは巨大な悪の存在に立ち向かう壮大なものだ。異世界を訪れることもある |
4月より実装された新大陸イリア。多くの新生物との出会いがある |
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実装されたばかりの強力魔法アイススピアを使うダークナイト。かなりの上級プレーヤーのようだ |
メインクエストだけでなく、NPCの小さなエピソードを描くものもたくさん用意されている |
時間と共に移り変わる空を見ながら雑談を楽しむ。「マビノギ」の世界では夜には2つの月が昇る |
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「マビノギ」のダンジョンは各フロアに仕切られており、スイッチを作動させることで敵が登場、これを倒して突破していく、という展開になる。プレーヤー達の意志でモンスターを出現させるため、緩急のリズムがはっきりしている。ダンジョンは難易度によって異なるが、大体1周するのに1~2時間ほど、ラストには様々なボスが待ち受けている。筆者は特に、スイッチを作動させるときの「敵出すよ、いいね?」、「はい!」というやりとりと、その緊張感が好きだ。 |
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ムービーシーンの充実も本作の特徴だ。メインストーリーでのやりとり、ダンジョンのラストに待ち受けるボス、結婚式にまで専用のムービーが用意されている |
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7月からは、花火大会や、期間限定のドロップアイテムを使ってペットを大きくするコンテスト、といったイベントが開催された。浴衣や、麦わら帽子、うちわといったアイテムも期間限定で発売された。ちなみに、浴衣とうちわの柄は去年のものとは異なる |
■ 巨大生物襲来! 多くのプレーヤーを一瞬でなぎ倒す強大なボスモンスター
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巨大なドラゴンの足跡。実際に彼らに出会うためには、運と根気が必要になる
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デザートドラゴンはプレインドラゴンよりも強力な存在だという。その姿を早く見てみたい |
今回のアップデートで最もプレーヤーの関心を集めているのが、「イリアに巨大生物が登場する」というポイントだろう。現在のところ、「デザートドラゴン」、「プレインドラゴン」、「サンドワーム」の三種類が確認されている。デザートドラゴン、プレインドラゴンの2匹のドラゴンは、その巨大な足跡を出現地点で見つけることができる。
これら巨大生物の出現の情報は、イリアのベースキャンプにいるNPCから得ることができる。ただし、ゲーム内での数日前でなければその情報を話してくれないため、その情報すらも得ることは難しい。現在筆者が集めたプレーヤーの噂によると現実の時間で十数時間に一度登場するという。各チャンネルによっても出現時間が異なるようで、こまめに各チャンネルを周り、NPCの話に耳を傾ければ出会う確率は上がるはずだが、なかなか出会えないのが現状だ。
幸運にも筆者が出会うことができたのは、プレインドラゴンである。大きな翼と強い足を持つドラゴンで、強力なファイアーボールをはき出す。友人から情報を聞いてすぐに出現場所に駆けつけてみたのだが、すでに数人のプレーヤーが取り囲んでいた。ドラゴンは遠くからも確認できる迫力たっぷりの巨体を持っていた。そこに何人ものプレーヤーが挑みかかっていく姿は、興奮させられるものがあった。
ドラゴンの攻撃力には圧倒された。うかつにも近付いてしまった筆者は、わずか2発で倒されてしまった。その攻撃範囲は驚異的で、多くのプレーヤーが一度に倒されていた。吹っ飛ばされながらも「これぞドラゴンだ!」というぞくぞくするような気持ちがわき上がってくる。ドラゴンのモーションは凝っており、空中に飛び上がり炎をはいたり、地上を高速で動き回りその頭で攻撃したり、時には尾でプレーヤー達をなぎ払う。そんな強力なモンスターに、プレーヤー達はひるみもせずにつっこんでいく。
強大な力を持つドラゴンも上級プレーヤーの強力な攻撃や魔法に体力は確実に削られていく。やがて、地面にその巨大な体を倒すドラゴン。死体の周囲に一気にアイテムがドロップされ、プレーヤー達はそれに群がる。ドラゴンたちは多くの金貨だけでなく、マジックアイテムや、新アイテムの貴重な材料を落とす。コアプレーヤーにとって、それらはたまらない魅力だろう。
ドラゴン戦で大変だったのは「ラグ」である。多くのプレーヤーが集中するために仕方ないとは思うが、まるで水の中にいるキャラクタを操作するようで、ドラゴンに近付くと、うまくキャラクタを行動させられなかった。特に接近戦を挑もうとするのは無謀なようだ。かといって魔法や弓でもこちらの攻撃が届く範囲はそのままドラゴンの攻撃範囲で、決して安全ではない。ドラゴンに挑む場合、1度や2度倒れることは当たり前である。
ドラゴンのドロップするアイテムは多くのプレーヤーにとって魅力的なものだ。コアプレーヤーの中にはボスモンスターの再出現時間をばっちり把握し、毎回挑む人もいるだろう。これからもボスモンスターとの戦いは、駆け引きを楽しむ戦いではなく、ラグと戦い、他プレーヤーと奪い合う戦いになるのは必至だ。
とはいえ、筆者はこの大味な戦いを大いに歓迎したい。この強大な敵との戦闘は、「ゲームイベント」として充分楽しい。多くのプレーヤーを一瞬で倒す、嵐のようなボスモンスターは、今までの「マビノギ」にはいなかった存在である。少しわがままを言わせてもらえば、もっと出現頻度を上げてもらいたい。もっとも、ユーザーの解析と情報の共有が進めばもっと効率的に出会えるようになるかもしれない。「マビノギ」プレーヤーならば、是非、プレーヤーイベントとして、仲間と共にチームを組み、ボスに挑戦してみることをオススメしたい。
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気持ちいいほどの無敵ぶりを発揮し、次々とプレーヤーを屠っていくプレインドラゴン。しかし、押し寄せるプレーヤーの波は、そんな強力なモンスターすら倒してしまうのだ |
■ 二刀流に、漁船、新しい改造などゲームの幅が更に広がる追加要素
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今回のアップデートで可能になった二刀流。切るモーションもかっこよく、攻撃力も高い
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漁船に乗るためのクエスト。定期便に何度も乗り、「船乗り志望」のタイトルを取得しておく必要がある
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雨の日だけ光る碑石。ロマンをかき立てられるが、現在の所提示されているだけなのが残念だ |
巨大生物以外にも様々な要素が追加された。その中で筆者が最も楽しんでいるのが二刀流である。今回のアップデートで、キャラクタの両手に片手剣を装備できるようになった。何度も攻撃を当てられるようになり、キャラクタの戦闘力が増した。何よりも舞うように回転するモーションがかっこいい。しばらく二刀流での戦闘に夢中になってしまった。
このアップデートに合わせて今まで武器と鎧だけだった「改造」が、盾や採取道具でも可能になった。盾を改造することでより高い防御力を得ることができる。1打の攻撃力に特化した両手剣か、手数で勝負する二刀流か、高い防御力を持つ盾か、戦闘スタイルがより明確になり選択する楽しさが増えた。採取道具は改造することで採取のスピードをアップさせたり、道具の耐久力を上げたり、採取効率を上げることができる。生産中心のプレーヤーにはうれしい要素だ。
もうひとつ、生産が活発になりそうな要素として“漁船”がある。「マビノギ」では釣りを楽しむことができるが、漁船は釣り専用のフィールドである。これに乗るためにはまずイリアとウルラ大陸を結ぶ定期船に何度も乗り「船乗り志望」のタイトルを取得する必要がある。これをタイトルとしてつけてログインすると、漁船に乗るためのクエストを与えられる。
漁船ではここでしか釣れない魚、防具やアイテムをゲットできる。多くのプレーヤーがひたすら釣りをしてアイテムをゲットしている姿は壮観だ。ちょっと狭いようにも感じたが、これはこれで休日の釣り堀のような風情がある。釣りは自動ですることもでき、イベントリがいっぱいになると足下に落としてしまう。レアアイテムを落としたままのプレーヤーに「うわあ、もったいない!」と思わず声をかけてしまったり(他の人は拾えない)、他のプレーヤーとおしゃべりをするのも楽しい場所である。
漁船で得た材料は、料理や、新しい武器、防具などを作ることができるが、正直、戦闘中心にキャラクタを育てている今の筆者にとって、生産は少し縁遠い部分だ。もう少ししたら材料を集めて、武器防具を製作できる人に頼んで新アイテムをゲットしたいと思う。この他にもプレーヤーを助けてくれるナオの新装備や、新しいクエストなどが追加された。
イリア大陸は今までの「マビノギ」にはない冒険の楽しさをもたらしてくれる。Lロッドで探索する宝箱や、この世界の謎を感じさせる数々の遺跡や地上絵など、多くの謎めいた存在に触れることができる。しかし、イリアは魅力的なフィールドであるが、現在の所、少し協力要素、ストーリー要素が足りないのではないかと筆者は感じている。世界を探索する楽しさはあるが、プレーヤー1人で何かを見つけ、ちょっとしたアイテムや経験値を得ることで完結してしまう部分が多く感じるのだ。メインストーリーのクエストのように多くのプレーヤーに手伝ってもらって乗り切ったり、共に楽しむ要素に乏しい。今回のアップデートでも、巨大生物以外は協力要素はなかった。
イリアの実装は、オリジナリティーを強く感じさせる「マビノギ」だからこそ生み出せた斬新な方向性だと思う。イリアは設定の上でも、ゲーム的にもまだまだ未開の大地である。ストーリーに関しては今後実装される先住民族である「エルフ」や「ジャイアント」の存在によって強化されるだろう。その時には、プレーヤー達が力を合わせて乗り切るような、連帯感と達成感を体験できるような要素も強く望みたい。
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クエストをクリアすることで乗ることができる漁船。大量のアイテムを足下に落としたまま釣り糸をたれるプレーヤーも。釣った材料は新アイテムの材料になる。しばらく釣り人で賑わいそうな場所だ |
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生産スキルを伸ばすプレーヤーにとって、効率が上がる道具の改造は大きな朗報となった |
現在の所イリアでの協力要素はダンジョンくらいしかない。船で下って次々とボスモンスターと戦う「ジャングルクルーズ」のようなアトラクションを希望したい |
正体不明のトカゲ。馬がおびえてしまい、歩いて駆け抜けるしかない。奥にはデザートドラゴンが降り立つ高台がある |
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【マビノギ】
- CPU:Pentium III 800MHz以上(Pentium 4 2GHz以上推奨)
- HDD:1GB以上(1.5GB以上推奨)
- メモリ:256MB以上(512MB以上推奨)
- ビデオカード:GeForce 2MX以上(GeForce4 以上/Radeon9000 以上推奨)
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□ネクソンジャパンのホームページ
http://www.nexon.co.jp/
□「マビノギ」のページ
http://www.mabinogi.jp/
□関連情報
【5月1日】オンラインゲームレビュー「マビノギ」チャプター2
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060501/mabinogi.htm
【4月18日】ネクソンジャパン、「マビノギ」チャプター2発表会を開催
“探検と発見”をテーマにした広大な「新大陸イリア」を実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060418/mabinogi.htm
【2005年7月1日】devcat開発室長キム・ドンゴン氏インタビュー
「マビノギ」次期アップデート“G2”の魅力と、今後の展開について
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050701/mabinogi.htm
【2005年3月30日】PCゲームファーストインプレッション「マビノギ」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050330/mab.htm
(2006年8月10日)
[Reported by 勝田哲也]
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