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【連載第227回】 あの、おもちゃを徹底レポート




室内飛行専用の超小型飛行機ラジコン!
タカラトミー「エアロソアラ」

「エアロソアラ」
発売 タカラトミー
価格 2,625円
電源 単三電池×3(別売)
発売日 発売中



 数あるホビーの中でも、飛行機のラジコンは最高峰に位置するだろう。価格、技量、知識……ありとあらゆる分野に置いて高度なスキルが求められる大人のホビーだ。入門機と呼ばれる商品でも、軽く5,000円は超えてしまう。

 しかし、今回の「エアロソアラ」は、そんな常識をぶち壊すほどの画期的な商品だ。飛行機機体とコントローラがついて、なんと2,625円という価格設定なのだ。わずか2,625円の出費で、ラジコンの飛行機を遊べるというのだから、長くe-Toyをウォッチしている筆者としても衝撃的だ。実は正確には赤外線コントロールなのだが、気分はもはや“ラジコン”だ。

 シリーズのブランドは「TOMITECH」。ご記憶の方もいるかと思うが、たった1,050円で本格的に遊べるラジコンカーをリリースしたブランドの名前だ。「TOMITECH」は、一時期は品切れが続出し、コンビニの店頭にも並べられるほどのヒットを記録した。

 今回の「エアロソアラ」も「TOMITECH」シリーズの最新作という期待もあってか、発売直後から売り切れ店が続出。大型量販店はもちろん、ネットのショッピングサイトも軒並み在庫切れ。筆者は都内の量販店を駆け巡った結果、地元のトイザらスでようやく発見し、手に入れることができた。


徹底した軽量化が施された薄型の本体

パッケージ。室内専用のラジコンらしく、背景にはリビングルームの写真が使用されている
 「エアロソアラ」は、さまざまなバリエーションが発売されている。機体は「ミリタリーグリーン」、「タトアージュレッド」、「バーコードブラック」、「カブキッドホワイト」の4種類。また「キャリングケース」とのセットで、「グラフティーブルー」と「ドットイエロー」の2種類が発売されている。

 それぞれの機体には「Aバンド」か「Bバンド」の周波数が割り当てられており、異なるバンド同士ならば、同じ空間でふたつの機体を同時に飛ばすことが可能だ。

 数ある機体の中から筆者は歌舞伎役者のメイクに似たデザインが施された「カブキッドホワイト」を購入した。

 パッケージには、さまざまな売り文句が書かれているが、右上に書かれている一文がこの商品の「本質」を表している。「上手く飛ばすには、調整と練習が必要です」。そう、この「エアロソアラ」は、ラジコン飛行機としてはおそらく世界初の室内飛行を可能とした機種で、そのために極限までに軽量化されている。機体は繊細にできているので、取り扱いには注意が必要。飛行にも相応のテクニックが求められるのだ。

 パッケージから機体を取り出したときは驚いた。機体の発泡スチロールは妥協なく加工され、肉抜きと薄さが徹底されている。

 オリジナルデザインの機体は、確かに格好いい。しかし、わずか0.25mmの厚みしかないプロペラを見つめていると、これで本当に飛ぶのだろうか、という疑問も沸いてくる。

「エアロソアラ」の機体。すべてがこの商品のために開発されたパーツで、重量は3.5gという軽さを実現している。同社によれば、量産化にかなり苦労したとか…… 中央に見える赤いパーツがコントローラからの操作を受信する赤外線受光部
機体を左右に旋回させるラダー。電磁石を利用している 動力源となるプロペラの重量は0.3g。10円玉よりひと回り大きい程度


 コントローラの操作方法は、シンプルだ。左にある上下に動かすスイッチは、パワーコントロールレバー。飛行機の上昇と下降を司る。右にあるスイッチは、ラダー操作ボタン。飛行機の右旋回と左旋回を担う。

 機体への充電は、コントローラを通じて行なわれる。機体の下部に用意された充電用コネクタを、コントローラの右上にある充電用端子に接続する。充電時間は40秒間。「ピロリロリ」という音が鳴れば、完了の合図。1回の充電で30秒の飛行が可能になる。

専用コントローラ。シンプルな設計でひと目見ただけで操作方法がわかる 充電時間は40秒間。完了をサウンドで知らせてくれる親切設計だ



上手く飛ばせれば、胸の中を爽快感がかけ巡る!

 「エアロソアラ」機体を飛ばすプロセスは、こんな感じだ。まず片方の手で機体の下側を持つ。つぎにパワーコントロールレバーを上に上げ、プロペラを旋回させる。そして右手を前に押し出すように動かし、機体を放す。

 機体が飛翔したあとは、ラダー操作ボタンをポン、ポンと1~2回押す。機体が旋回を始めたら、さらにラダー操作ボタンをポン、ポンと押す。こうすれば、飛行上限時間の30秒間ほど、機体は空中を飛翔し、旋回を続けるわけだ。

 しかし、先に「上手く飛ばすには、調整と練習が必要です」と書いたように、これがなかなか難しい。まず機体を放す動作。機体の先端が上を向き過ぎても、わずかに下を向いていても、落下してしまう。力の入れ加減も難しい。ボールを投げるように力を入れて手を離すと、機体は急速に落下してしまう。力を抜いてもしかりだ。ちょうど良い力加減というものがあり、練習をくり返して会得するしかない。

 機体の飛翔に成功したらラダー操作ボタンを押して、機体を旋回させなければいけないのだが、これもまた大変だ。機体を投げた右手をコントローラに戻すまでの間に、機体が壁に激突してしまうのだ。機体を投げたら、右手を即座にコントローラに戻す。この動作の徹底が必要だ。

投げるときは、機体の重心部分を指でつまむ 投げられた機体が空中を推進し、旋回を開始した場面


 飛行機を上手く離すことができ、迅速にラダー操作ボタンを押すことができれば、「エアロソアラ」は見事な飛行を披露する。大きな輪を描いて室内を飛び回り、体中を爽快感がかけ巡る。あまりの格好良さに、ついラダー操作ボタンを押すのを忘れてしまうくらいだ(笑)。

 想像していた以上に操作は繊細さを求められ、練習が必要だが、見事に旋回させられたときの興奮は筆舌に尽くしがたい。筆者の最高記録は大きく3回の旋回。あああ、気持ちよかったなあ~。うまくなれば、8の字旋回などもできるというが、それができたら本当にハッピーだろうな。

大きく旋回しながら会議室の机の上に着陸する瞬間


 最後に。「エアロソアラ」は、環境を選ぶトイだ。壁の高さは2m以上。部屋の幅は3m以上が必要だ。機体は風に弱いため、エアコンは切り、窓は閉めなければならない。購入するまえに、必要な環境を持ち合わせているかどうか、確認されたい。遊んでみた感覚では、8畳以上あると余裕を持って遊べるのではないだろうか。

(C)2006 タカラトミー


□タカラトミーのページ
http://www.takaratomy.co.jp/
□「エアロソアラ」のページ
http://www.takaratomy.co.jp/products/aero_soarer/


 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)

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(2006年7月27日)

[Reported by 元宮秀介]


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